旋風の中に馬を進めろ/銃撃

原題：RIDE IN THE WHIRLWIND
製作：ロジャー・コーマン
監督： モンテ・ヘルマン
脚本： ジャック・ニコルソン
撮影： グレゴリー・サンダー
音楽： ロバート・ジャクソン・ドラスニン
上映時間：82分
１９６５年/アメリカ映画
出演： キャメロン・ミッチェル、ミリー・パーキンス、ジャック・ニコルソン、ジョージ・ミッチェル、ハリー・ディーン・スタントン 、ジョン・ハケット、トム・ファイラー 、キャサリン・スクワイア、ルパート・クロス

アカデミー主演男優賞を２度も獲得したジャック・ニコルソンは、押しも押されぬ映画界の重鎮です。その彼が若い頃、脚本と主演に名を連ねた西部劇があります。「旋風の中に馬を進めろ」という、日本未公開作品です。製作から約４０年たって、デジタル・リマスタリングを施されたＤＶＤとして復活しました。製作された当時は、アメリカ映画会社に配給を断られるなど公開のメドがたたず、ジャック・ニコルソン本人がカンヌ国際映画祭に出向き権利を売ったそうです。若き日のジャック・ニコルソンとアメリカン・ニューシネマ時代の異端監督モンテ・ヘルマンが撮り上げた、幻の西部劇です。　あまり知られていない映画だと思うのでストーリー紹介を。

５人の強盗が駅馬車を襲うシーンから始まります。それとは無関係に、テキサス州ウェイコをめざす３人のカウボーイが映し出されます。ヴァーン（キャメロン・ミッチェル）とウェス（ジャック・ニコルソン）とオーティス（トム・ファイラー）。強盗団が潜伏している渓谷の小屋を通りかかった３人は、酒や食料を分けてもらい、小屋の近くで休みます。翌朝、銃声で目を覚ました３人。強盗団を追って、自警団がやってきたのです。激しく撃ち合う自警団と強盗たち。騒乱の中、自警団に強盗の一味だと誤解されてしまった３人のカウボーイは、逃げる事に。犯罪とは無関係でしたが、吊るし首を避けるためには、そうするより他になかったのです・・・・・。

逃亡者を描いた映画なのですが、派手なアクションはありません。物語は淡々とスロ−ペースで進みます。脚本家ジャック・ニコルソンは、西部劇の決まり事を避けています。ヒーローは出さない、強欲な悪党も出さない。登場人物は、災難に巻き込まれ逃亡を余儀なくされる存在に設定されています。こうした作風が、ユニークで難解、奇抜な作品といった評価を受けている所以なのでしょう。

この映画は「銃撃」という映画と同時進行で作られました。予算は２本で１５万ドル。２作品ともわずか１８日という短期間で撮影されています。「銃撃」は「旋風の中に馬を進めろ」以上に難解です。恥ずかしながら、私・・・・さっぱり、わかりませんでした（汗）。アート・ウエスタンとして作られているそうです。アートは難しいッス。「銃撃」が意図していることなんて、作った人間しかわからないと言い切れますよ（笑）。



原題： THE SHOOTING
製作総指揮：ロジャー・コーマン
監督： モンテ・ヘルマン
脚本： キャロル・イーストマン
撮影： グレゴリー・サンダー
音楽： リチャード・マーコウィッツ
上映時間：82分
１９６７年/アメリカ映画
出演： ウィル・ハッチンス、ミリー・パーキンス、 ジャック・ニコルソン、ウォーレン・オーツ、チャールズ・イーストマン