Tommy/トミー
原題:Tommy
監督:ケン・ラッセル
製作:ロバート・スティッグウッド、ケン・ラッセル
脚本:ケン・ラッセル
原作:ザ・フーのロック・オペラより
撮影:ディック・ブッシュ、ロニー・テイラー
音楽:ピート・タウンゼント
1975年/イギリス映画
上映時間:111分
出演:オリヴァー・リード、アン・マーガレット、ロジャー・ダルトリー、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ジャック・ニコルソン、ジョン・エントウィッスル、キース・ムーン、ティナ・ターナー
ロック・ファンの方であれば、「ザ・フー」というバンドのことはご存じだと思います。この作品は「ザ・フー」のリード・ギタリストであるピート・タウンゼントが書いたロック・オペラ「トミー」を映画化したもの。ジャック・ニコルソンの出番は5分あるかないか・・・の短い時間ですが、彼の艶っぽい歌声を聴くことができます。
トミー(ロジャー・ダルトリー)は第二次世界大戦が終結した日、すなわちイギリスに平和が戻った日に生まれた男の子。この子には父親がいません。父親ウォーカー大佐(ロバート・パウエル)の乗った飛行機は敵機の襲撃を受け墜落してしまったのです。悲しみの中に暮らしていた母親のノラ(アン・マーグレット)もやがて立ち直り、フランク(オリヴァー・リード)と再婚し、親子3人の小さな幸せ生活が始まります。
しかし、この幸せは長くは続きませんでした。戦死したと思われていたウォーカー大佐の突然の帰還に動揺したフランクは、衝動的に大佐を殺してしまいます。その場面を目撃してしまったトミー。それ以降、彼の耳は何も聞こうとせず、眼は何も見ようとしませんでした。彼の心は壊れてしまったけれども、想像力だけは成長を続けていました。ぼやけた現実に囲まれながら、縦横無尽に広がるトミーだけの世界。亡き実父と夢の世界を旅をしているのかもしれません。
父と母の願いはトミーを永遠の眠りから救ってやること。さまざまな人たちがトミーの前に現れ、いろいろなことを試します。マリリン・モンローを聖母のごとく崇める教会の宣教師(エリック・クラプトン)、麻薬の女王(ティナ・ターナー)、異様なサディスト・・・・。ジャックはそれらの一人、精神科医として登場しトミーを検査しますが、彼の反応はありません。眼が光りに反応しても心が反応しないのです。
何も見えない彼でしたが、唯一、鏡に映った自分の姿だけは見えていました。そのことにイラついた母親は思わず鏡を割ってしまいます。その中に吸いこまれたトミーに、ついに変化が生じます。「母さん、父さん、僕に触って僕を感じて、僕は誰?どこから来たの?」静かな闇から解放され、太陽の光の中で自由を謳歌するトミーはやがて、ピンボールの王者として若者たちから熱狂的に支持され、救世主的な存在へとなっていくのでした。そうそう、ピンボールの元王者をエルトン・ジョンが演じています。
「Tommy/トミー」はひどく風変わりな映画です。幻想的な空気が作品を覆い、見る者の感性に訴えてくる何かがあります。これだけの豪華ミュージシャンに混ざって、我がジャックが歌を披露してくれただけで満足(笑)。
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ジャック・ニコルソンの館
【作品INDEX】
リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(60)
忍者と悪女(63)
古城の亡霊(63)
旋風の中に馬を進めろ(66)
銃撃(66)
爆走!ヘルズ・エンジェルス(67)
聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ(67)
白昼の幻想(67)
ジャック・ニコルソンの嵐の青春(68)
イージー・ライダー(69)
晴れた日に永遠が見える(70)
ファイブ・イージー・ピーセス(70)
愛の狩人(71)
キング・オブ・マーヴィン・ガーデン(72)
さらば冬のかもめ(73)
チャイナタウン(74)
さすらいの二人(75)
Tommy/トミー(75)
おかしなレディ・キラー(75)
カッコーの巣の上で(75)
ミズーリ・ブレイク(76)
ゴーイング・サウス(78)
シャイニング(80)
郵便配達は二度ベルを鳴らす(81)
レッズ(81)
ボーダー(81)
愛と追憶の日々(83)
女と男の名誉(85)
心みだれて(86)
イーストウィックの魔女たち(87)
ブロードキャスト・ニュース(87)
黄昏に燃えて(87)
バットマン(89)
黄昏のチャイナタウン(90)
お気にめすまま(92)
ア・フュー・グッドメン(92)
ホッファ(92)
ウルフ(94)
クロッシング・ガード(95)
マーズ・アタック!(96)
ブラッド&ワイン(96)
恋愛小説家(97)
プレッジ(01)
くたばれ!ハリウッド(02)
アバウト・シュミット(02)
N.Y.式ハッピー・セラピー(03)
恋愛適齢期(03)
ディパーテッド(06)
最高の人生の見つけ方(08)
幸せの始まりは(10)
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