ア・フュー・グッドメン

原題 : A Few Good Men
監督： ロブ・ライナー
製作総指揮：ウィリアム・Ｓ・ギルモア、レイチェル・フェファー
原作：アーロン・ソーキン
脚本：アーロン・ソーキン
撮影：ロバート・リチャードソン
音楽：マーク・シャイマン
美術：Ｊ・マイケル・リヴァ
編集：ロバート・レイトン
衣装（デザイン）：グロリア・グレシャム
１９９２年/アメリカ映画
出演：トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーア、ケヴィン・ベーコン、キーファー・サザーランド

キューバのグアンタナモ海軍基地で起こった殺人事件をめぐる軍事法廷劇。ハーバード大出の若き弁護士をトム・クルーズ、彼とともに事件に取り組む少佐をデミー・ムーア、基地の司令官をジャック・ニクルソンが演じています。



キャフィー中尉(トム・クルーズ)はアメリカ海軍の新米弁護士。９ヶ月で４４件の示談を成立させた実績あり。検察側と司法取引をして事務的に事件を処理することを得意とし、法廷経験はほとんどありません。彼の父親は元海軍法務部長、後に司法長官を努めた偉大な弁護士です。キャフィー中尉は父の足跡をたどるように入隊してはいますが、エリート意識が強い、鼻持ちならないタイプ（汗）。その彼がキューバ基地事件の主任弁護人に命じられ変わっていきます。

内部調査部のギャロウェイ少佐(デミ・ムーア)は正義に燃える熱血漢。事件の被告の弁護を申し出るものの、上層部の許可を得られず、キャフィー中尉の補助にまわります。デミ・ムーアに軍服と言えば『G.I.ジェーン』ですよねぇ（笑）。軍服を着せたら彼女の右に出る者はいない・・・かな？



ジャック・ニコルソンが演じるジェセップ大佐は、グアンタナモ海軍基地の最高指揮官。短く刈り込んだ髪がラクダっぽい（失礼なっ！）いつもの笑顔の代わりに、憎しみに満ちた表情を浮かべて言い放ちます。「俺は弾丸も爆弾も気にしない、金も勲章も欲しくない、この俺が国を守っているのだ」と。キューバ基地の海兵隊の親分ですものね。フェンス一枚超えれば敵地。四方八方を敵に囲まれた、言ってみれば最前線に立つ指揮官は冷血無情な男にならざるを得なかったのでしょう。

映画のクライマックスは１８分に及ぶ法廷シーン。ジェセップ大佐を前に、キャフィー中尉は事件の真相を解き明かそうとします。事件の背後には”コードＲ”と呼ばれる命令があったと・・・・。これは道を外した隊員を元にもどすと称して行なわれる”しごき”です。大佐がこの命令を発したことを証明出来れば事件は解決を見ます。

出演シーンは少ないながら、またもや主役を食ってしまうほどの存在感を示したジャック！！確信に満ちた昔気質の面影を漂わせ「我々は誇りと規律と忠誠に生きている、その言葉で国を守っている、命令は絶対だ、私がコードＲの命令を出したんだ！」と罪を認めるシーンでの、人間内部の感情面のリアリズムを見せつけた強烈な演技は今や伝説となっています。