キング・オブ・マーヴィン・ガーデン

作品情報


キング・オブ・マーヴィン・ガーデンでのジャック・ニコルソン

原題:the king of marvin gardens
監督:ボブ・ラフェルソン
脚本:ジェイコブ・ブラックマン
原案:ボブ・ラフェルソン、ジェイコブ・ブラックマン
撮影:ラズロ・コヴァックス
上映時間 103分
1972年/アメリカ映画
出演:ジャック・ニコルソン、ブルース・ダーン、エレン・バースティン、ジュリア・アン・ロビンソン


ラジオの深夜放送のディスク・ジョッキーを努めるデヴィッド(ジャック・ニコルソン)のもとに、兄ジェイソン(ブルース・ダーン)から電話が入ります。「早く来い、我らが王国は来たれり」言われるままにアトランティック・シティへ行くと、兄は自動車泥棒容疑で投獄されていました。ほどなく釈放されたジェイソンは「楽園をまるごと買おう」という夢のような話を持ちかけます。

キング・オブ・マーヴィン・ガーデンでのジャックとブルース・ダーン

監督は大ヒット作『ファイブ・イージー・ピーセス』のボブ・ラフェルソン。このヒットに気をよくして製作したと言いたいところですが、ボブ・ラフェルソンという人は、ちょっと変わり者。前作とは違う、観客を喜ばせる要素を一切入れない映画を作るのが望みだったようです。説明的な要素は排除され、場面が唐突に切り替わる謎の多いドラマとなっています。知的な分析が必要な、見る者の想像力が問われる映画ということですね。よって私には理解できない部分が多々ありました(汗)。

「ジャック・ニコルソンはジャック・ニコルソンを演じている」ということが言われほど、ジャックは常に観客が望んでいるであろう”ジャック・ニコルソン”のイメージを与える人物を演じ続けています。それは60年代の初頭から現在に至るまで一貫しています。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のウィルバーも『イージー・ライダー』のジョージも『バットマン』のジョーカーも最新作『最高の人生の見つけ方』のエドワードも皆、ジャック・ニコルソンらしさ(エキセントリックで危険な匂いのする男)が出ています。そういう視点で見ると、本作のデヴィッドは唯一の脱ジャック・ニコルソン・キャラではないでしょうか。デヴィッドは怒りを心の深部にかかえつつも静かに生きています。抑圧された不安定な心の爆発がいつ起こるのか・・・・そんな危険をはらんだ男を慎重に演じています。いつものオーバーアクティングと完璧な笑顔を封印して。

ジャック・ニコルソンの館TOP

ジャック・ニコルソンの館

作品INDEX】

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(60)
忍者と悪女(63)
古城の亡霊(63)
旋風の中に馬を進めろ(66)
銃撃(66)
爆走!ヘルズ・エンジェルス(67)
聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ(67)
白昼の幻想(67)
ジャック・ニコルソンの嵐の青春(68)
イージー・ライダー(69)
晴れた日に永遠が見える(70)
ファイブ・イージー・ピーセス(70)
愛の狩人(71)
キング・オブ・マーヴィン・ガーデン(72)
さらば冬のかもめ(73)
チャイナタウン(74)
さすらいの二人(75)
Tommy/トミー(75)
おかしなレディ・キラー(75)
カッコーの巣の上で(75)
ミズーリ・ブレイク(76)
ラスト・タイクーン(76)
ゴーイング・サウス(78)
シャイニング(80)
郵便配達は二度ベルを鳴らす(81)
レッズ(81)
ボーダー(81)
愛と追憶の日々(83)
女と男の名誉(85)
心みだれて(86)
イーストウィックの魔女たち(87)
ブロードキャスト・ニュース(87)
黄昏に燃えて(87)
バットマン(89)
黄昏のチャイナタウン(90)
お気にめすまま(92)
ア・フュー・グッドメン(92)
ホッファ(92)
ウルフ(94)
クロッシング・ガード(95)
マーズ・アタック!(96)
ブラッド&ワイン(96)
夕べの星(96)
恋愛小説家(97)
プレッジ(01)
くたばれ!ハリウッド(02)
アバウト・シュミット(02)
N.Y.式ハッピー・セラピー(03)
恋愛適齢期(03)
ディパーテッド(06)
最高の人生の見つけ方(08)
幸せの始まりは(10)