プレッジ

原題：THE PLEDGE
監督： ショーン・ペン
製作総指揮： アンドリュー・スティーヴンス
原作： フリードリッヒ・デュレンマット
脚本： ジャージー・クロモウロウスキー、メアリー・オルソン
撮影： クリス・メンゲス
音楽： ハンス・ジマー、クラウス・バデルト
上映時間 123分
２００１年/アメリカ映画
出演： ジャック・ニコルソン、ロビン・ライト・ペン、アーロン・エッカート、デイル・ディッキー、コスタス・マンディロア

原題THE PLEDGE 、邦題プレッジ「約束」です。定年を迎えた刑事ジュリー（ジャック・ニコルソン）の約束とは・・・・。ジュリーのために催されている引退パーティ。取り繕った笑顔の裏には引退することの不安が隠されています。刑事という肩書きを失うことは彼にとって、大きすぎる喪失感を伴うものだったのです。

ところがパーティの最中、その肩書きを守れるチャンスが舞い込みます。それは幼い女の子の切り刻まれた遺体が発見されたという知らせでした。少女の死を両親へ伝えることを躊躇する同僚たちに代わって、その役割を引き受けたジュリー。被害者少女の母親はジュリーに「犯人を捕まえると、あなたの魂にかけて約束して！」と迫ります。ジュリーは応えます。「魂にかけて誓う」

やがて容疑者としてレイプの前科があるインディアンが逮捕されますが、彼には知的障害があり、その供述は意味不明な」ものでした。ジュリーの後輩刑事が自白を強要し、一件落着かと思われた時、容疑者は保安官助手の銃を奪い自殺してしまいます。長年の勘でインディアンは事件と無関係だと感じたジュリーは独自の捜査を開始するのです。それが母親との約束だから。



ひとつのことに夢中で全力を注ぐジュリーには追い求めるものが自然に向こうからやってきます。人生を取り戻すためのロマンティックな関係と犯人をおびき寄せるための、おとりとなりそうな少女との出会い。しかし、幼い子をおとりにするという辺りから、ジュリーの異常さが顔を出し始め、狂気の斜面を転げ落ちるように物語は暗い方向へと進みます。引退は別の人生へと踏み出すこと？そのことに不安を感じる者が必死に慣れた人生に留まろうとし、正気を失ったのでしょうか・・・・アイデンティティの喪失について、ショーン・ペン監督が深く探っています。