ザ・ボーダー

THE BORDER
監督： トニー・リチャードソン
製作： エドガー・ブロンフマン・Ｊｒ
製作総指揮： ニール・ハートレイ
脚本： デリック・ウォッシュバーン、ウォロン・グリーン、デヴィッド・フリーマン
撮影： リック・ウェイト、ヴィルモス・ジグモンド
美術：トビー・ラフェルソン
編集：ロバート・Ｋ・ランバート
音楽： ライ・クーダー
上映時間 109分
１９８１年/アメリカ映画
出演： ジャック・ニコルソン、ハーヴェイ・カイテル、ヴァレリー・ペリン、ウォーレン・オーツ 、エルピディア・カリーロ、シャノン・ウイルコックス

映画の冒頭、メキシコの貧しさが映し出される。アメリカ合衆国とメキシコ・・・・国境（ボーダー）で区切られたふたつの国には歴然たる力の差がある。貧しい側に住む人々は法を犯してでも、職を求めて豊かな国へ密入国する。運よく越境しても、彼らに与えられる仕事は低賃金の仕事ばかり。それでも、自国に留まるより夢を持つことが出来る。万にひとつのアメリカン・ドリームを信じて・・・・。

一方、自由の国・アメリカで漫然と日々を暮らしている警官がいた。名をチャーリー・スミス（ジャック・ニコルソン）という。工場で働くメキシコ人の中から適当に２〜３人を選び、帰化及び移民法違反で逮捕する毎日。逮捕してもいずれまた、密入国してくることはわかっている。逮捕する側もされる側も、おざなり・・・なのだ。以前の公園管理の仕事に戻ろう、アヒルにエサをやる森林管理の仕事もある・・・などと、薄ぼんやりと考えたりしている。家には浪費癖のある妻がいて「タウンハウスに住みたい」とねだる。チャーリーは仕事にも家庭にも、うんざりしていた。彼は新たな人生を開始したいと思っている。しかし、妻に言われるままテキサスの国境の街「エル・パソ」に立つタウンハウスへと引っ越し、不本意ながらも国境警備隊の仕事を始める。