ミズーリ・ブレイク

作品情報

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ミズーリ・ブレイクでのジャック・ニコルソン

原題:The Missouri Breaks
監督:アーサー・ペン
脚本:トーマス・マクゲーン
撮影:マイケル・バトラー
SFX:A・D・フラワーズ
音楽:ジョン・ウィリアムス
美術:アルバート・ブレナー、シェリル・バーガー
上映時間:125分
1976年/アメリカ映画
出演:マーロン・ブランド、ジャック・ニコルソン、ランディ・クエイド、キャスリーン・ロイド、フレデリック・フォレスト

アメリカ北西部の大草原、ミズーリ河水源”狭谷地帯”モンタナ。善玉と悪玉が入り交じる土地。大牧場を経営する者、牧師、狼の猟師、きこり、奉公人くずれ、いかだ乗り、人殺し・・・・。ふとしたきっかけで道を踏み外す者がいれば、何かを契機に真っ当な生活へと歩み出す者もいたことでしょう。

牧場のあるところに馬泥棒あり。毎年、7%の馬が盗まれるということは、8000頭を飼育する牧場だと、被害は年間560頭になります。牧場主の中にはブラクストン(ジョン・マクリアム)のように、馬泥棒を捕まえて裁判なしで処刑してしまう非情な者がいました。トム・ローガン(ジャック・ニコルソン)の仲間も吊るされてしまいます。それに対する報復として牧童頭を殺したことから、トムとブラクストンの争いの火ぶたが切られます。牧場主がトム一味を始末するために雇ったのは”ワイオミングの整理屋”と呼ばれるリー・クレイトン(マーロン・ブランド)。プロの殺し屋です。


ミズーリ・ブレイクでのマーロン・ブランド

マーロン・ブランドはリー・クレイトンを多重人格者と捉え演じています。時々で話し方を変え、素っ頓狂な動きを見せ、訳の分からない事をつぶやき、香水の匂いを撒き散らし、終いには女装までして、不思議キャラを作り出しているのですが、本筋から逸脱した独りよがりの演技になっているような・・・。しかし女々しく弱々しいリー・クレイトンが見せる殺気は怪しく光り、見る者に暗澹たる思いを抱かせるあたりは流石。風変わりで自滅的なアンチヒーローです。

この映画の見所は”新旧両巨頭の一大対決”と言いたいところですが、二人が同じ画面に登場するシーンは数えるほど。マーロン・ブランドの出番はギャラの契約問題があってか少なく神出鬼没。存在がストーリーから浮いてしまっているような印象を受けます。そのためジャックは、マーロン・ブランドが荒らしてしまったストーリーを修復することに神経を使わねばならず、彼の持ち味を発揮する余裕がなかったのではないでしょうか。内容も深みに欠けているような気がします。ちょっと残念な映画ですね。


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作品INDEX】

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(60)
忍者と悪女(63)
古城の亡霊(63)
旋風の中に馬を進めろ(66)
銃撃(66)
爆走!ヘルズ・エンジェルス(67)
聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ(67)
白昼の幻想(67)
ジャック・ニコルソンの嵐の青春(68)
イージー・ライダー(69)
晴れた日に永遠が見える(70)
ファイブ・イージー・ピーセス(70)
愛の狩人(71)
キング・オブ・マーヴィン・ガーデン(72)
さらば冬のかもめ(73)
チャイナタウン(74)
さすらいの二人(75)
Tommy/トミー(75)
おかしなレディ・キラー(75)
カッコーの巣の上で(75)
ミズーリ・ブレイク(76)
ゴーイング・サウス(78)
シャイニング(80)
郵便配達は二度ベルを鳴らす(81)
レッズ(81)
ボーダー(81)
愛と追憶の日々(83)
女と男の名誉(85)
心みだれて(86)
イーストウィックの魔女たち(87)
ブロードキャスト・ニュース(87)
黄昏に燃えて(87)
バットマン(89)
黄昏のチャイナタウン(90)
お気にめすまま(92)
ア・フュー・グッドメン(92)
ホッファ(92)
ウルフ(94)
クロッシング・ガード(95)
マーズ・アタック!(96)
ブラッド&ワイン(96)
夕べの星(96)
恋愛小説家(97)
プレッジ(01)
くたばれ!ハリウッド(02)
アバウト・シュミット(02)
N.Y.式ハッピー・セラピー(03)
恋愛適齢期(03)
ディパーテッド(06)
最高の人生の見つけ方(08)
幸せの始まりは(10)