ゴーイング・サウス

原題：GOIN' SOUTH
監督：ジャック・ニコルソン
製作： ハリー・ギテス、ハロルド・シュナイダー
脚本： ジョン・ハーマン・シェイナー、アル・ラーマス、チャールズ・シャイア
撮影： ネストール・アルメンドロス
音楽： ヴァン・ダイク・パークス、ペリー・ボトキン・Ｊｒ
上映時間 108分
１９７８年/アメリカ映画
出演： ジャック・ニコルソン、メアリー・スティーンバージェン、クリストファー・ロイド、ヴェロニカ・カートライト、エド・ベグリー・Ｊｒ 、ジョン・ベルーシ、リチャード・ブラッドフォード、ダニー・デヴィート 『ドライブ・ヒー・セッド』に続くジャック・ニコルソン監督作品

馬泥棒のヘンリー（ジャック・ニコルソン）が吊るし首になろうかという時、保安官がある布告を耳打ちします。「南北戦争で多くの男が戦場から戻らなかった、女には畑仕事が残された、土地を持つ女が結婚を申し込めば絞首刑の男でも無罪放免になる」と。そうと知ってヘンリーーは往生際悪く騒ぎ立てます。「誰か結婚してくれ〜っ」と必死で懇願。

”表紙で本を評価するな”という言葉があります。たとえ見た目はひどいボロ本でも、ひとたびページをめくれば、美しい言葉がほとばしる事があるのです。・・・とかなんとか、絞首台の上から嘘くさい演説をぶつヘンリー。



ヘンリーの話に騙され心打たれた老婦人。
「私が結婚してあげる！悪い人に思えないの。もう一度、チャンスをあげたい。」

ヘンリーはこの有難い申し出に狂気乱舞。絞首台から飛び降り、老婦人を抱きしめた瞬間・・・彼女は心臓発作を起こし死んでしまった（滝汗）。ヘンリーもこれにて一貫の終わりと思いきや、もう一人結婚してもいいという女性が現れます。



彼女の名はジュリア（メアリー・スティーンバージェン）。父親の遺産の鉱山から金脈を掘り当てるための男手が必要だったのです。むろん、ヘンリーは大喜び。だけどねぇ、そんな甘い話ではなかったのですよ。朝から晩までこき使われ、ブタと一緒に納屋に住まわされ（笑）。もっとも、縛り首になることを思えば贅沢は言えません。

ジャックが自分で自分を演出しただけあって、ヘンリーは非常に魅力的な無法者です。「女は無法者が大好きなのさ」と自信たっぷりの挑発。女たらしでワイルド、そして悪魔的というジャックの定番キャラを思いっきり豪快に演じています。得意の百面相に華麗なアクション・・・泣いて笑って怒って暴れて撃って愛して・・・まさにジャックの独壇場です。きわどく演じてどこが悪い！大げさで素っ頓狂な動きこそ、ジャックの真骨頂なのであります。