ジャック・ニコルソンの嵐の青春

作品情報


ジャック・ニコルソンの嵐の青春でのジャック・ニコルソン

原題:PSYCH-OUT
監督:リチャード・ラッシュ
脚本: ベティ・ウリアス、E・ハンター・ウィレット
撮影: ラズロ・コヴァックス
音楽: ロナルド・スタイン
上映時間 97分
1967年/アメリカ映画
出演: ジャック・ニコルソン、スーザン・ストラスバーグ、アダム・ロアーク、ディーン・ストックウェル


サイケ音楽とドラッグで混乱した60年代、サンフランシスコの路上で一つの文化が育っていました。快楽をこよなく愛する若者たち。彼らは幻覚剤を飲み、グルービーな音楽を聴き、「ラブ・アンド・ピース」の旗を掲げ、団結しながらも「我が道」を歩んでいたのです。この映画はヒッピーの人間模様を描いた映画です。

ヒッピーたちはドラッグに浸りながら「人生は消費するもので投資するものじゃない」と若者の哲学をぶち、長髪にネックレスという独特のファッションで身を飾っています。そして集団生活を送りながら、組織や社会に対して強い反抗意識をみなぎらせていました。ストーニー(ジャック・ニコルソン)も、そんな一人。ジャックは長い髪を後ろで束ねていますがカツラだそうです(笑)。

ある日、耳の不自由な少女ジェニー(スーザン・ストラスバーグ)が兄を捜すため、ニューヨークから家出してカリフォルニアへやって来ます。兄を見つけることが出来ず、お金も寝るところもない彼女に手を差し伸べたのはストーニーでした。ジェニーの兄はヒッピーの哲学に感化され、「神は角砂糖の中に健在なり」とのたまふ変人で、仲間からは「探求者」と呼ばれていました。兄妹は再会できるのか・・・。

映像がとても美しい映画です。カラフルで幻想的。これは映像監督のラズロ・コヴァックスの卓越した撮影技量に拠るものでしょうね。手持ちカメラを回しながら、しぼりやフォーカスを操作しているそうです。本作と「爆走!ヘルズエンジェルス」を観たデニス・ホッパーが後に「イージー・ライダー」の撮影監督にコヴァックスを起用しました。

映像とともに音楽も大きな役割を果たしています。ストロベリー・アラーム・クロックのライブ映像の挿入など、ヒット曲を映画に使用することは、時代を先取りした画期的なアイデアだったようです。これも「イージー・ライダー」に取り入れられた手法ですね。なお、本作はジャック・ニコルソンが脚本を手がけた『白昼の幻想』というドラッグ映画の姉妹作として、同じ俳優陣で製作されました。当時はサイケデリック熱のようなものが蔓延していたのかもしれません。



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作品INDEX】

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(60)
忍者と悪女(63)
古城の亡霊(63)
旋風の中に馬を進めろ(66)
銃撃(66)
爆走!ヘルズ・エンジェルス(67)
聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ(67)
白昼の幻想(67)
ジャック・ニコルソンの嵐の青春(68)
イージー・ライダー(69)
晴れた日に永遠が見える(70)
ファイブ・イージー・ピーセス(70)
愛の狩人(71)
キング・オブ・マーヴィン・ガーデン(72)
さらば冬のかもめ(73)
チャイナタウン(74)
さすらいの二人(75)
Tommy/トミー(75)
おかしなレディ・キラー(75)
カッコーの巣の上で(75)
ミズーリ・ブレイク(76)
ラスト・タイクーン(76)
ゴーイング・サウス(78)
シャイニング(80)
郵便配達は二度ベルを鳴らす(81)
レッズ(81)
ボーダー(81)
愛と追憶の日々(83)
女と男の名誉(85)
心みだれて(86)
イーストウィックの魔女たち(87)
ブロードキャスト・ニュース(87)
黄昏に燃えて(87)
バットマン(89)
黄昏のチャイナタウン(90)
お気にめすまま(92)
ア・フュー・グッドメン(92)
ホッファ(92)
ウルフ(94)
クロッシング・ガード(95)
マーズ・アタック!(96)
ブラッド&ワイン(96)
夕べの星(96)
恋愛小説家(97)
プレッジ(01)
くたばれ!ハリウッド(02)
アバウト・シュミット(02)
N.Y.式ハッピー・セラピー(03)
恋愛適齢期(03)
ディパーテッド(06)
最高の人生の見つけ方(08)
幸せの始まりは(10)