夕べの星 原題:THE EVENING STAR 監督・脚本:ロバート・ハーリング 製作:デヴィッド・カーク・パトリック、ポリー・プラット、キース・サンプルズ 原作:ラリー・マクマートリー 撮影:ドン・バージェス 音楽:ウィリアム・ロス 上映時間:2時間9分 1996年/アメリカ映画 出演:シャーリー・マクレーン、ジャック・ニコルソン、ビル・パクストン、ジュリエット・ルイス、ミランダ・リチャードソン、マリオン・ロス、スコット・ウルフ、ベン・ジョンソン 母と娘の愛の軌跡を描いた『愛と追憶の日々』の続編。前作のベースになっていた、オーロラ(シャーリー・マクレーン)を取り巻く人々の細やかな心情とユーモアのセンスを受け継ぎながら、歳月を経て熟成した人間模様が、物語に深みを与えている。 タイトルシーン。小さな手がアルバムのページをめくると、古い写真が姿を現す。若かりしオーロラ(シャーリー・マクレーン)が微笑んでいる。アルバムは娘エマと彼女の子供たちの成長の記録。かつての恋人ギャレット(ジャック・ニコルソン)の写真もある。 オーロラの最愛の娘エマは十数年前に、三人の子を残して死んでしまった。あれから彼女はエマが残していった孫を育てることに心血を注いできた。しかし、長男のトミー(ジョージ・ニューバーン)は麻薬所持で服役している。次男のテディ(マッケンジー・アスティン)は未婚の父となった。末っ子のメラニー(ジュリエット・ルイス)は軽薄そうな若者ブルース(スコット・ウルフ)に夢中になり、彼とロスで暮らすと言い出す。勝手な孫たちを見てオーロラは嘆く。「私の一生は一体何だったの」 精神を立ち直らせようとカウンセラーを訪ねたオーロラは、そこで若くてハンサムなジェリー(ビル・パクストン)と出会い、心をときめかせ活力を取り戻す。まずは、古い日記や写真や手紙を整理して、自分の人生を見直そうとアルバム作りを始める。 やがてジェリーとオーロラは深い仲になる。ジェリーはマザコンで、親子ほどの年の差がある女性が好きだったのだ(笑)。オーロラがジェリーにギャレット(ジャック・ニコルソン)のことを話すくだりが可笑しい。「男のイヤなところをすべて持っている男だったけど、いい関係を・・・別れたけど。彼はミネアポリスだかミルウォーキーだか、どこかへ行ってしまったわ。宇宙を旅した男が今は家庭持ちだなんて嘘みたい。あの女好きが子育てをしてるなんて」・・・・相変わらずの減らず口(笑)。 オーロラのアルバム作りは続く。悲しい出来事も起こった。ジェリーの裏切り、オーロラの良き理解者だったロージーの死。良いことも悪いことも人生なのだ。ロージーの葬儀の翌日、オーロラは庭のあずま屋で、骨壷をぼんやりと見つめていた。と、そこに現れたのは、オーロラが悪口を言っていた、元恋人のギャレット(ジャック・ニコルソン)。二人は再会の喜びを爆発させ、かたく抱き合う。 二人は思い出の浜辺へと車を走らせた。そう、ジャックがふざけながら車を運転していたあの場所だ。浜辺に腰をおろした二人がしみじみと語りあう。「老いが怖い?」「いいや、上手に老いた。老いることはすごい。いろんな経験を生きぬくなんて、すごいことだ。」「大丈夫?本心がのぞいてるわよ。私の人生は有意義だったのかしら?」「もちろん、保証するよ。」その時、宵の明星が西の空に出た。一番先に輝き、一番明るくて、一番後まで輝く。その一番星に願いをかけたオーロラは、ギャレットがハンドルを握る車から、ロージーの灰をまいた。こうして彼女の人生のアルバムの、ギャレットとロージーのページが終わった。 それから数年が経った。3人の孫たちは、それぞれ立ち直り、真っ当な人生を送っている。クリスマスの日、オーロラの家には彼女の愛する家族たち、親友でありライバルでもあったパッツィー(ミランダ・リチャードソン)、隣人のアーサー(ベン・ジョンソン)が集っていた。「皆、私を愛してくれた」とつぶやいてオーロラは旅立つ。 |
ジャック・ニコルソンの館 【作品INDEX】 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(60) 忍者と悪女(63) 古城の亡霊(63) 旋風の中に馬を進めろ(66) 銃撃(66) 爆走!ヘルズ・エンジェルス(67) 聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ(67) 白昼の幻想(67) ジャック・ニコルソンの嵐の青春(68) イージー・ライダー(69) 晴れた日に永遠が見える(70) ファイブ・イージー・ピーセス(70) 愛の狩人(71) キング・オブ・マーヴィン・ガーデン(72) さらば冬のかもめ(73) チャイナタウン(74) さすらいの二人(75) Tommy/トミー(75) おかしなレディ・キラー(75) カッコーの巣の上で(75) ミズーリ・ブレイク(76) ラスト・タイクーン(76) ゴーイング・サウス(78) シャイニング(80) 郵便配達は二度ベルを鳴らす(81) レッズ(81) ボーダー(81) 愛と追憶の日々(83) 女と男の名誉(85) 心みだれて(86) イーストウィックの魔女たち(87) ブロードキャスト・ニュース(87) 黄昏に燃えて(87) バットマン(89) 黄昏のチャイナタウン(90) お気にめすまま(92) ア・フュー・グッドメン(92) ホッファ(92) ウルフ(94) クロッシング・ガード(95) マーズ・アタック!(96) ブラッド&ワイン(96) 夕べの星(96) 恋愛小説家(97) プレッジ(01) くたばれ!ハリウッド(02) アバウト・シュミット(02) N.Y.式ハッピー・セラピー(03) 恋愛適齢期(03) ディパーテッド(06) 最高の人生の見つけ方(08) 幸せの始まりは(10) |