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ジャック・ニコルソン出演映画

revue

　６０年代の映画

☆リトル・ショプ・オブ・ホラーズ（６０）
☆忍者と悪女（６３）
☆古城の亡霊（６３）
☆旋風の中に馬を進めろ（６６）
☆銃撃（６６）
☆爆走！ヘルズ・エンジェルス（６７）
☆聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ（６７）
☆白昼の幻想（６７）
☆ジャック・ニコルソンの嵐の青春（６８）
☆イージー・ライダー（６９）

　７０年代の映画

☆晴れた日に永遠が見える（７０）
☆ファイブ・イージー・ピーセス（７０）
☆愛の狩人（７１）
☆キング・オブ・マーヴィン・ガーテン（７２）
☆さらば冬のかもめ（７３）
☆チャイナタウン（７４）
☆さすらいの二人（７５）
☆Tommy/トミー（７５）
☆おかしなレディキラー（７５）
☆カッコーの巣の上で（７５）
☆ミズーリ・ブレイク（７６）
☆ラスト・タイクーン（７６）
☆ゴーイング・サウス（７８）

　８０年代の映画

☆シャイニング（８０）
☆郵便配達は二度ベルを鳴らす（８１）
☆レッズ（８１）
☆ボーダー（８１）
☆愛と追憶の日々（８３）
☆女と男の名誉’８５）
☆心みだれて（８６）
☆イーストウィックの魔女たち（８７）
☆ブロードキャスト・ニュース（８７）
☆黄昏に燃えて（８７）

　９０年代の映画

☆お気にめすまま（９２）
☆ア・フュー・グッドメン（９２）
☆ホッファ（９２）
☆ウルフ（９２）
☆クロッシング・ガード（９５）
☆マーズ・アタック（９６）
☆ブラッド＆ワイン（９６）
☆夕べの星（９６）
☆恋愛小説家（９７）

　2000年代の映画

☆プレッジ（０１）
☆くたばれ！ハリウッド（０２）
☆アバウト・シュミット（０２）
☆N.Y.式ハッピー・セラピー（０３）
☆恋愛適齢期（０３）
☆ディパーテッド（０６）
☆最高の人生の見つけ方（０８）
☆幸せの始まりは（１０）
 学生ロマンス　若き日

現存するフィルムでは一番古い小津作品（昭和４年公開のサイレント）。タイトル画面は劣化が激しいが、本編は鑑賞に耐えうる画質である。都の西北とクレジットされているから、おそらくは早稲田界隈であろう。俯瞰ショットで、物語の舞台が紹介されていく。一軒の家の前でカメラの動きが止まった。「二階　かし間」の張り紙、それを見た男が部屋へ行ってみると、学生の渡辺（結城一郎）が机の前に座っていて、「僕が今朝　引っ越して来たんです」と言った。しかし、引っ越しが終わったばかりの部屋には見えない。壁一面にベタベタといろんなものが張ってあるし、軒下には洗濯物が干されている。だいたい、この学生が部屋に馴染みすぎ(笑)。次に来た不細工な女性にも、貸間ではないと言って追い払ってしまう。どうやら、綺麗な女性にターゲットを絞って、借り主を捜しているようだ。そして、ついに美女がやって来た！渡辺の顔が輝く。「僕は今晩　引っ越してしまいますから　どうぞ」と言って、千恵子（松井潤子）に部屋を勧める。貸間を餌にして、素敵な女性と、お近づきになろうという魂胆だ。学生ゆえの無邪気を通り越しアホ？(笑)　学生の本分をキレイさっぱり忘れとりますな、コヤツ。

学生ロマンス　若き日

千恵子さんに、部屋を譲り宿無しになった渡辺くんは、お友達の山本くん（斎藤達雄）の下宿に転がりこむ。実は山本と千恵子は知り合いで、山本は千恵子に恋心を抱いる。よって、渡辺くんと山本くんは恋敵♪だけど、親友でもあるわけ。本作は恋の鞘当てを、面白可笑しく描いた喜劇である。渡辺は調子が良すぎるお調子者で、山本はかなりのドジ男。ペンキ塗りたての電柱に手を触れ、その手で顔をさわる、がま口を電車から落とす・・・なんてことは日常茶飯事である。サイレントならではの滑稽な動きが笑いを誘う。初期のサイレント映画を見れば、小津監督が喜劇を得意とする作家であることが確認できる。

昭和の始めの頃の大学進学率は相当、低かったと思う。本作には、学生生活を謳歌する若者たちの姿が活き活きと描かれている。キャンパスを歩きながら学生が言う。「試験さへ無けりゃ　学生程　呑気な商売はおよそないね」それに比べると、今の大学生は気の毒だ。人生で一番、羽目を外せる時に、就職活動に没頭しなければいけないのだから。渡辺くんと山本くんにも試験の季節がやってくるが、渡辺くんは、ことのほか、お勉強がお嫌いみたい。全く試験勉強に身が入らない。噛んでるガムを二宮尊徳人形に貼り付けてるシーンに笑った。薪を背負って勉学に励む御仁を何と心得るか(笑)。親御さんがこの様子をご覧になったら、どう思うだろう？山本はカフスにカンニング用の文章を書いてるし(;ﾟロﾟ)　かく言う私めも、筆箱のふたにカンニングペーパーを仕込んだことがあるけれど。。。まっ、結果はともかくとして、無事に試験も終わり、楽しい冬休みに突入〜。山本と千恵子が、赤倉へスキーに行くことを聞きつけた渡辺は、質屋で金を工面して、ちゃっかり同行する。

映画の後半は赤倉スキー場へ舞台を移し、渡辺と山本は恋のデッドヒートを繰り広げる。赤倉には大学のスキー部の連中も来ていた。ここからは体を使ったギャグのオンパレード。雪の上だから、すぐコケる(笑)。ついうっかり転んでしまったり、誰かに足を取られてスッテンコロリとなることも。渡辺と山本のやり合う様子も愉快である。スキーが苦手なことを白状した山本に「雪のない所じゃ　馬鹿に上手そうだったじゃないか」と笑う渡辺の顔は、鬼の首を取ったよう。

スキー部員の中に笠智衆さん、みっけ。宿で皆と一緒に「オケサ」を踊っている。サイレント時代から小津作品に出演し続けている笠さんは、小津さんの分身と言っていいだろう。小津さんお得意の団体芸（？）での存在感は、この頃から半端じゃない（笑）。踊ったり歌ったりする演技が気に入られて、小津作品の常連になったのかも。本作には俯瞰ショット、移動撮影、パンニング、フェード・イン、フェード・アオウトなどが、普通に使われており、小津調はまだ確立していない。だが、宴会シーンは入念に撮影されている（笑）。さてさて、千恵子のハートを射止めたのは・・・。残念ながら、鳶に油揚げをさらわれてしまったのでした。それも青春さ♪

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