ジャック・ニコルソンの館/映画感想 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　TOP　ジャック・ニコルソン　　 　　　　　ジャック・ニコルソン　　　 　　　ジャック・ニコルソン
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ジャック・ニコルソン出演映画

revue

　６０年代の映画

☆リトル・ショプ・オブ・ホラーズ（６０）
☆忍者と悪女（６３）
☆古城の亡霊（６３）
☆旋風の中に馬を進めろ（６６）
☆銃撃（６６）
☆爆走！ヘルズ・エンジェルス（６７）
☆聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ（６７）
☆白昼の幻想（６７）
☆ジャック・ニコルソンの嵐の青春（６８）
☆イージー・ライダー（６９）

　７０年代の映画

☆晴れた日に永遠が見える（７０）
☆ファイブ・イージー・ピーセス（７０）
☆愛の狩人（７１）
☆キング・オブ・マーヴィン・ガーテン（７２）
☆さらば冬のかもめ（７３）
☆チャイナタウン（７４）
☆さすらいの二人（７５）
☆Tommy/トミー（７５）
☆おかしなレディキラー（７５）
☆カッコーの巣の上で（７５）
☆ミズーリ・ブレイク（７６）
☆ゴーイング・サウス（７８）

　８０年代の映画

☆シャイニング（８０）
☆郵便配達は二度ベルを鳴らす（８１）
☆レッズ（８１）
☆ボーダー（８１）
☆愛と追憶の日々（８３）
☆女と男の名誉’８５）
☆心みだれて（８６）
☆イーストウィックの魔女たち（８７）
☆ブロードキャスト・ニュース（８７）
☆黄昏に燃えて（８７）

　９０年代の映画

☆お気にめすまま（９２）
☆ア・フュー・グッドメン（９２）
☆ホッファ（９２）
☆ウルフ（９２）
☆クロッシング・ガード（９５）
☆マーズ・アタック（９６）
☆ブラッド＆ワイン（９６）
☆夕べの星（９６）
☆恋愛小説家（９７）

　2000年代の映画

☆プレッジ（０１）
☆くたばれ！ハリウッド（０２）
☆アバウト・シュミット（０２）
☆N.Y.式ハッピー・セラピー（０３）
☆恋愛適齢期（０３）
☆ディパーテッド（０６）
☆最高の人生の見つけ方（０８）
☆幸せの始まりは（１０）
 パットン大戦車軍団

パットン大戦車軍団

原題：PATTON
監督： フランクリン・Ｊ・シャフナー　製作： フランク・マッカーシー　脚本： フランシス・フォード・コッポラ、 エドマンド・Ｈ・ノース　撮影： フレッド・コーネカンプ　特撮： Ｌ・Ｂ・アボット　音楽： ジェリー・ゴールドスミス　上映時間 172分 　１９７０年アメリカ映画　 出演： ジョージ・Ｃ・スコット カール・マルデン　 マイケル・ストロング　 カール・ミカエル・フォーグラー スティーヴン・ヤング　 フランク・ラティモア　 エド・ビンズ

「臆病者が祖国の勝利のために命を捧げたためしはない、アメリカ国民は勝者を愛し敗者は容認しない、ナチは祖国の敵である、果敢に攻めて血祭りにしてやれ！」

映画の冒頭でジョージ・S・パットン将軍が星条旗を背に兵士らを前に檄（ゲキ）を飛ばしている。平和な世界しか知らない者には戦争狂の戯言としか思えないが、映画公開時のアメリカはベトナム戦争真っ只中。戦争モードに入っていた人にとって、第二次世界大戦の英雄パットン将軍の演説は心震わすものであったろう。一方、反戦的な思想を持つ人には、パットンは時代遅れの戦争バカとしか映らなかったかもしれない。人によって評価が分かれそうな人物を、ジョージ・Ｃ・スコットが、あたかも地のままのような自然さで見事に演じている。アカデミー主演男優賞（本人は受賞を拒否）も納得。

この映画はパットンの個性的な人間像を描きながら、北アフリカ戦線、欧州戦線の経過を追っている。邦題の「パットン大戦車軍団」と言う割には戦車戦のシーンは少ないように思う。戦闘シーンの数では「バルジ大作戦」（１９６５）の方が多い。ドイツのタイガー戦車団とアメリカ戦車団との激突に度肝を抜かれた。タイガー戦車（ティーガーII ）は対戦車砲をはね返し、機関車とぶつかっても損傷なし・・・という重戦車。性能面ではアメリカ、イギリスの戦車より勝っていたが、如何せん、燃費が悪すぎる。映画では最後、燃料切れが敗北を招いた。戦争においての補給路の確保は必須。

話を「パットン大戦車軍団」に戻す。戦闘シーンでは「バルジ大作戦」の重厚さには敵わないものの、パットンの個性が最大の見せ場だろう。パットンは軍人一家に生まれ、祖父は南北戦争の功労者、彼自身は陸軍士官学校を卒業している。詩を書くロマンチストでありながら、その言葉使いは極めて粗野、戦術は攻撃一辺倒。ドイツ参謀の言葉に笑った。「パットンは１６世紀に属する人間だ」

パットンほど、多くの戦いに参加した軍人はいないのではないだろうか。映画ではチュニジア、モロッコ、アルジェリアをドイツから奪還した北アフリカ戦線、イギリスのモンゴメリー大将の率いる軍団とともにシチリア島を侵攻したイタリア戦線、ノルマンディ攻防戦の経てのパリ解放。バルジの戦いでは彼の率いる軍勢は勇猛果敢な進撃を行い、敵の包囲網を破って１万８０００人の味方を救助している。

戦闘にかけては最高の司令官だが、問題も多く、過激な思想ゆえの暴言も数しれず・・・だった。こういうタイプは平和な時には何の役にもたたない乱暴者でしかない。しかしアメリカは合理的な国。激しい戦闘が予想される時はパットンのような戦争バカを軍の大将に据えて戦い、戦争が終われば降格人事を行う。パットンは戦争が終われば、ただの厄介者だ。戦時中、野戦病院に収容されていた精神疾患の兵士を腰ぬけと罵倒し殴ったこと、ソ連軽視の発言などを理由に大将の任を解かれている。パットンは戦うだけに生まれてきたかのような生涯を送った。

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