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新年になって一番に音をきかせていただいたのはこのようなお宅だった

これらの機器を愛していて、音楽をきくことを楽しんでいることがよく伝わってきて、とても良い訪問だった

ジャンルを選ばずよく鳴るし、僕がかつて短期間スタジオできいていた時よりずっと高い到達点だった。でももし、ここのオーナーが蘭子さんのエンファシスをきいたら、やはりぶったまげるだろうと思う。なにしろあそこは「ズズズーン」だからなあ、、、 

オーディオベーシック誌で蘭子さんの記事を読み、エンファシスを手に入れたと言う彼に、いつか機会があれば、「ズズズーン」をきかせてあげたい

正月もお盆も僕の生活は普段と変わらない。雪が降り、あまりに寒いのでストーブにあたりながらレコードをきき、年末から読み始めた三島由紀夫の小説を手にしている。年末年始は出かける事も多かったし、明日の午後は戯れる会なので、ちょっと鳴らしておかないといけない。 2003.1.3

僕の父親と同い年の三島由紀夫の小説はとても面白い。若い頃読んでもこうは楽しめなかっただろう。内容やストーリーを楽しむことに加えて「ここのところは、村上春樹ならこんな風に書きそうだなあ」なんて事を考えながら読んでいる。僕は倉橋由美子の「夢の浮橋」という小説を二度読み、最初に読んだ20才の時は「アホか」と思い、40才の時にもう一度読み(ずっと何かが心に引っかかっていた)、この時はとても共感するものがあった。音楽は、オーディオは、そう、まったく同様で年齢が上がるにつれ楽しみは増えている。若い頃に楽しみすぎて楽しめなくなってしまう音楽もあるが、それは自分にとってそこまでのものなのだろう。

年末に友人N氏宅を、極悪人O氏が訪問した。この二人はほとんど面識がなく、去年の秋にスタジオで偶然顔を合わせた事からこの訪問が実現した。そして、N氏から大変興味深いメールを頂戴した。


年末にOさんに来ていただいて、何がどうしたというわけではないのですが、
ちょっと悩みモードに入りました。
何を言われたから、とかそう言うことではないんですが…。
Oさん来訪が直接の原因かどうかもわかりません(笑)。
なんか急にツマラナイ音に思えてきたというか…。
Oさん宅を訪問してショックを受けた…と言うことならわかりやすいのですが、
うちにお招きして、特に何事もなかったのに、こんな状況になったのが不思議です (笑)。

人気タレントなんかの場合、何も語らずただそこに存在するだけで場の空気が変わったりするものだが、訪問するだけでこんな気にさせてしまうとは、さすが極悪人代表の才能はただならぬものがあると、正月早々畏敬の念をいだいている。しかし、すごいなあ。

なんて書いてしまうと、両氏に失礼なので解説を加えよう。N氏は高価な物が安く買えればホイホイ買うなんて事はなく、本当に欲しいと思うと海外のオークションから購入してあれこれ工夫して使ったりもする。僕から見るとマイペースなオーディオファイルだ。O氏はもちろんハイエンドの代表であるが、自ら「是非おきかせ下さい」と訪れ、相手に向かって否定的な事を言ったりはしない。でも、これがN氏の普段付き合っているオーディオ仲間だったらどうか、N氏が悩みモードに入ったかどうかは疑問である。僕はパートIの中で柳澤和男さんに音をきかせた事がターニングポイントになったと書いたが、似たような事がN氏の中で起きているのかも知れない。そして、オーディオはここからが楽しい。O氏はたまたまそんな役割を演じさせられたのかも知れない。 2003.1.4 

今朝、原本さんから身に余る感想文送っていただいたので早速掲載した。原本さんのページには佐藤さんの感想を掲載したし、去年の12月に更新した磯部さんのページも本当はもう少し書き足したいと思っている。

昨年末、自分のところでソナスファベールのミニマをきく機会があった。KEFからミニマへは何の違和感もなかったが、ミニマからKEFに戻すとものすごい違和感があった。もちろん、30分もKEFをきけばその違和感は消えるが、戻した瞬間はかなり驚いた。違和感の一番は音の濃さで、少しミニマの濃さを取り入れようと考えて、年末は久々にスピーカーの幅を左右合計10cmほど狭めた。もう少し寄せてみても良いのかも知れない。 20031.6

というわけで、さらに数センチ狭めたので2003年は2002年の平均よりスピーカーの幅を約20cm近く寄せた状態でスタートした。しばらくはこの状態できくつもり。そしてこの年頭はひたすら三島由紀夫を読み続けている。 

 

 

昨日から使っているLINNの古いカートリッジ ASAKは妙に生々しい中域が魅力的だ。これで何をきいているのかというと、右のレコードみたいなもの

JIMMY SCOTTはもちろん良いし、そのまた右に見えるビバルディのチェロコンチェルトなども、突っ張ったところがなく気持が良い

LINNのASAKというカートリッジはかなり古く、多分20年ぐらい前の物だろうと思う。これはマイクロのMA505sからISODAケーブルでクレルのフォノイコへ接続され、フォノイコとプリもISODAケーブルでつながっている。これは解像度や切れの良さを追求しない経路と言っても良い。とても甘口の心地よい音で、たいへん気分がよい。

ASAKできくカエターノの声は素晴らしく独特で、カエターノのLP全部をASAKできいてみることにした。ZYXクライオとは違って、悪く言えばこもったような音は肉声感が強く、これは当分楽しめそうだ。

ところが、このMA505のラインにモノラルカートリッジを装着してモノラルLPをきくと、これが一つも甘口ではなくなるのがレコードの楽しいところで、1/4の戯れる会では約5時間全編モノラルLPをきいて過ごしたが、非常に楽しい体験だった。まあ、毎回こればっかりでも困るだろうけどね。 2003.1.10

「MJ」無線と実験の今月号にStudioK'sがカラーで紹介された。僕はこれまで紹介された他の人たちのリスニングルームがどのようなものかを詳しくは知らないが、おそらく珍しい方の部類なのではないでしょうか。SDサウンドの「トップストーンi−1」がStudioK'sと共同開発と紹介されていて、これは決してウソではないが、実際はここにもう一人の人が存在する。それは種子島弘さんで、彼は最初に会った時から「3パラが出来るなら、3パラのステレオ機が良い」と言っていた。僕も色々使っていくうちに「3パラで出力が50〜60WのOTLアンプがあったら良い」と進言したのだった。

パン作りはずっと続けていて、週に二回ほど焼いている。土日にモノクロームのプリントをしに来ている人たちが沢山のパンを持ってきてくれた時など、知らん顔して混ぜておくと誰も何も疑問をもたず食べてしまう。そこまではきた。だけど、あるタイプのパンしか焼けないのがとても不満。レーズンを入れればその味になるし、あんパンにしても美味しいけど、違うタイプのパンも自由に焼けるようになりたいのにうまくいかないので少々やる気が落ちてきている。

一昨日自由が丘へ出かけ、その足で碑文谷へ行った。自由が丘から碑文谷まで目黒通りを歩くと、石釜で焼いているパン屋を発見した。わざわざクルマで買いに来る人もいるらしく、駐車場完備のパン屋だった。そこで、僕が焼いているようなタイプを一つ二つ買って歩きながら食べてみると、これはかなり似ている味だった。僕は「ふーん、あと少しの洗練が加わればStudioK'sパンも一個550円かあ」と思った。それで、「あまりイヤにならないで、もう少しあれこれ焼き続けてみよう」という気になれた。 *だからと言ってStudioK'sに石釜設置はありません(念のため)。

やはり、時々は一流のものを体験しないと、わけがわからなくなる。自分のダメさ加減もわからないし、どこまで近づけているのかもわからない。残念なことにオーディオは良い音をきくチャンスが限られている。誰かの家に行って音をきかせてらうのは、街のパン屋で1.000円買うようにはいかない。ラーメンにしろカレー屋にしろ、あっちこっちの店に行って「俺はあの店よりこっちが好みだ」「私には辛すぎる」とか気楽に言えるんだが、誰かが出してる音に対してはそうもいかない。本当は言えるようになった方が良いと思うんだけどね。

 

 

カエターノ・ヴェローゾから出発した僕のブラジル音楽も第二段階をむかえていて、最近のお気に入りは エルザ・ソアレス かな

ジョイスのアルバムやカエターノのアルバムの中で歌っていたのをきいて、すごく印象的な声だったので買ってみた。美声ではないけど、一度きいたら忘れない個性的な声だ

ま、ブラジルの「都はるみ」って感じでしょうか、彼女の他のCDはまだきいてないけど、このCDはすごく良いと思う

☆そうそう、SDサウンドのパワーアンプだが、秋葉原だとダイナミックオーディオの厚木さんのところと、サウンドクリエイトで扱ってくれているので、興味のある方はこちらへどうぞ。 

このところずっとLINNの古いカートリッジをきいている。太くて濃い音で、なかなか心地良い。Ortofonともまた違う音なので新鮮な感じである。STUDIETTO+コニサーみたいなタイプも確保しているので、全然違う恋人が欲しいのかも知れない。LINNのASAKは「少々どんくさい」と思ったりもするのだが、プールでは目立たないけど着衣美人みたいなところがあって、良いのです。 2003.1.15

このHPにそう大したことも書けなくて、僕としては不満なのだが、そんな事とは無関係にこのところアクセス数は増加している。オーディオの事でやってみたいことはまだまだ沢山あるのだが、何でも自由にやれるわけではないのでちょっと欲求不満だ。くそー、使いこなしも限界だ、5.000万円ぐらいあればなあ、あれもこれもやってやるんだが、などと思ってしまう。あまり非現実的な事を考えてみてもしょうがないので、今日は原稿を書き、進まなくなったので鯖のみそ煮を作った。すごく美味しくできたので、やっぱり将来はスタジオ食堂かななんて思ってしまう。そう言えばスタジオ食堂のアーティスト中山ダイスケ君がタレントの鶴田真由とケッコンしてた。僕の家で一緒に写真を撮ったダイスケ君もメジャーになったなあ 2003.1.16

今日も失敗したものの、おかげさまでパン作りは第二段階に突入しているようだ。少しづつでもあれこれ試しながら継続していると見えてくることもあるのだろう。今夜はこれからまた知り合いのところへ音をきかせてもらいに行ってくる。このところ川崎さんのページはかなり更新されているのでご覧下さい。大阪へも行きたいと思っているが、まだ果たせずにいる。 2003.1.17

HPを主催していると、知らない人から色々なメールが届く。中には「なぜこのようなものを読ませられなければいけないのか」と思うような内容のものもある。僕は割とそういうのもHPに掲載している方だと思うが、そうも出来ない場合も多くある。「これはあんまりだぜ」という内容のメールは保存しておいて、HPを主催してい人同士で見せ合ったり、そういうメールばかり集めたページを作ろうかなどと話し合っている。 2003.1.19 

ご存じの通り、僕はKENWOODのKP1100&KP9010というプレーヤーのキャビネットを壊してスケルトンにしているが、同じ事をやっている人が何人存在するのかはわからない。雑誌やHPに発表したのは僕が最初だとおもうけど、僕より前からスケルトンにしている人も存在したのかも知れない。先日、破壊体験者のShuksさんとそんな話題になり、彼は「いや、他にもけっこういますよ」と言う。

僕がこのプレーヤーをスケルトンにした理由は見た目の問題で、音はどうでも良かった。キャビネットとインシュレーター付のオリジナルKPと比較試聴はしてないので、音が良くなったのか悪くなったのかは定かでない。そして、比較試聴する気もない。

スケルトンにして一番困るのは電源トランスの処理だ。これはキャビネットの裏にネジ止めされているので、キャビネットを無くしてしまうと固定する場所がなくなり、ラックの棚板の上に置くことになる。まあ、普通に使っている分には置いておけば良いのだが、移動する時は困る。病院で点滴をしながら廊下を歩いている人を見かける事があるが、まさにあんな気分になる。

それで、僕は本体からコードを延長し、脱着式の電源用ケースを作ってもらった。これなら、仮に故障して修理に出すときも割と容易に出すことが可能だ。なにより、触ると感電しそうなむき出しの電源を置いておくのは精神衛生上よろしくないので、とても落ち着いた。5〜6台分まとまれば、またお願いしても良いのですがね。

☆ヤスケンさんが亡くなった。本業である活字はもちろんだが、それに加えて音楽とオーディオが大好きな人だったと思う。敵も多いが味方も多いというタイプで、僕はオーディオのことでしかお付き合いがなかったから、敵でも味方でもなかったかな。ヤスケンさん宅できかせてもらって買ったCDが数枚あるので、今日はまずそれらをきいて過ごそう。

その中に、メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」があって、ヤスケンさんに教えてもらったのはピアノがチョン・ミュンフンのものだが、僕は元々ミシェル・ベロフがピアノを弾いているものをLPで持っていた。 2002.1.21

二〜三日前からマイクロのアームにはモノラルカートリッジを取り付けたので、LINNの古いカートリッジASAKはKENWOODのアームに付けてみた。すると「なんじゃこりゃ?」というぐらい全然違う音になる。今度の戯れる会ではこのあたりを体験していただこうかなあ。ターンテーブルシートによる音の変化なんていうのも試してみたい。レコードの上に乗せるスタビライザーによる音の変化に比べれば、ターンテーブルシートによる変化は10倍ぐらい大きい。

なんて書いていたら、どうもブーメスタのフォノイコがおかしい。どんなカートリッジにしても「ピー」なんていってる。

しかし、だからといって即修理に出すわけにもいかないので、他のアームと接続してみるとちゃんと音が出る。そこで、別のケーブルで試してみようと思ったのだが、ブーメスタには太いケーブルが使えない。しかし、ケーブル(そして端子も)ってのはいつからこんなに太くてごつい物になったんだ! とにかくフォノイコの故障ではないらしいので、もうしばらく様子を見ることにした。

古いMITのケーブルがフォノ用には不向きな場合があるのは確認していたが、同じケーブルをクレルのフォノイコに使用してみると特にハムやノイズが出るわけでもない。このあたりは、電源のとりかたや取り回しでも影響がありそうなのでよくわからない。

あの「ピー」は単に接触不良とかだったのだろうか? よくわからない。モノラルカートリッジを装着したアームからブーメスタのフォノイコに接続すると、どんなケーブルを使った時も必ずハムが出る。モノラルカートリッジは数種類試したが、すべて同じ結果だった。クレルからはハムが出ないので、モノラルカートリッジにはクレルのフォノイコが必需品になってしまった。

昨日東急HANDSに行き、あれこれ仕入れてきた。ついでに星野酵母を買ってきたので、これをつかってパンを焼いてみようと思っている。星野酵母はよく知られた市販の天然酵母で、オーディオで言えば、録音マニアがMAレコーディングズのソフトを買ってきいてみるようなものでしょうか。ワンポイント録音=天然酵母 ? ここ数日で僕のパンは格段の進歩を遂げていて毎回自己ベスト更新中だから、そろそろ一般的に評価されているものを試し体験してみるのも悪くなさそう。 

MJにこのHPのURLが掲載された影響か、先週のアクセス数は大変多く、過去最高記録とほぼ同じぐらいだった。ところで、最近僕がとても楽しみにしているHPはこちらで、「なるほどなるほどその通り」と思うことが沢山書いてある。会って話をしたら、全然違う人なんだろうけど、彼が書いている内容は僕がオーディオに対して考えていることと相通ずるものがある。僕は、「わあ、こんなにいっぱいデジカメ使えて(おそらくメーカーからテストを依頼されて)羨ましいよなあ」って思うわけです。でも、ライカM5の修理見積りが10万円でとりあえず見合わせたと書いてあったり、銀塩フィルムはレンズにやさしい面があるなんてくだりは僕がアナログディスクを楽しんでいる事と共通している。デジカメ(そうそう、彼は必ずデジタルカメラと書くのです)ってのはCDプレーヤーで考えるとどのあたりまで到達したのだろう。去年一昨年あたりからでているDCS(dCSじゃないのですよ)のプロバックというハッセルとかマミヤRZ67他、あるいはCONTAX645&マミヤの645に装着できるデジタル装置、これが約150万から200万円で、ここらがまあフィリップスのLHH2000に匹敵する感じだろうか。ソニーのディスクマンが出たあたりはもう越えている。

今日はKENWOODのアームからISODAケーブルでブーメスタのフォノイコに接続し、そこからプリへはオーディオテクニカの安くて長い(2m)ケーブルを使い、オルトフォンのMC30をきいてみると非常に音が良い。今まで何度もこのカートリッジを使ったが、今日は驚くほど鮮明なそれでいて暖かな音が出る。偶然か、装置の変化か、それとも僕の耳が変化しているのか、それらすべてか、よくわからない事が起きている。とにかく音ってやつはつかみどころがなく得体が知れない。

週末から来週は少し忙しくなりそうなので、今日はゆっくりと自分史上最高の音で鳴っているMC30で(superではない、念のため)1970年代から80年はじめ頃に買った日本のレコードをきいて過ごした。長谷川きよし(楽器買いすぎてつかまった人のお宅でのライブ)、三上寛(井上鑑のアレンジによるベスト盤)ほんとにこのLPが三上寛のベストだと思うんだが最高にシュール!、矢野顕子、小室等、井上陽水あたりです。しかし、矢野顕子の「ジャパニーズ・ガール」を初めてきいた時は、ホント天才だと思った。でも、このあたりは一年に一回ぐらいしかきかない。ひととおりきいたので、それからカエターノの「コーリス・ノーミス」と「エストランジェイロ」をきいた。コーリス・ノーミスは1982年、エストランジェイロは1989年のアルバムだ。 2003.1.23

 

 

やばい物が届いたなあ

左の写真の場合、一見普通に撮っただけみたいな写真だけど、デジカメで撮影後、PhotoShopでいくつかの画像処理をしている

上の方にあるLINNのカートリッジの写真もけっこういじっていて、撮影5分、画像処理8分ぐらいはかかっている

パートIIIで一番撮影が大変だったのはオルトフォンのモノラルカートリッジの写真で、あれは撮影に15分ほどかかり画像処理に5分ほど要した

大変良く鳴っているオルトフォンのMC30であるが、LPを50枚ほどきくと色々な事がわかってくる。大変よくて「すげえ〜」と思わせられるかと思うと、まるでダメで「ホコリがたまっているのかな」と思うような歪みっぽい音に驚くLPがある。それが一枚だけじゃなくて、10枚に一枚以上ある。そのダメなLPをZYXクライオできいてみると、まるで問題なかったりする。そんなわけで、やっぱり僕の場合フォノは3系統必要ってのが結論だ。 2003.1.26

上の写真のCDトランスポートはなかなか良い。とうてい買えそうもないし、困ったねこれは。そういうわけで、この二日間はあまりレコードというものをきかずに過ごしている。多分これから一週間はイヤというほどCDをきくことになりそうだ。

先週末から軽い風邪みたいだが、今週は撮影や取材で動いているので寝込むような事にはならない(なれない)。そういう意味では、やることがあるってのは良いことだ。音楽ものべつまくなしにきくより、ある程度集中した方が良いに決まっている。雑誌の試聴記事を見ると「まだこのソフトで試聴してるの?」なんて思ってしまうことが度々あるのだが、まず音楽を楽しみ、機器の試聴に適したソフトも探しつつ、HPの更新もしつつ、やっていけたら最高だ。 

星野酵母でパンを焼いてみたら、元種がちゃんと発酵していなかったようで見事に失敗だった。自作酵母で焼いたパンはそれなりに進歩しているから、比較にならない代物が出来てしまい、食することも出来ず廃棄処分となった。KEFがいまいちうまく鳴らないので、これならどうだとJBLにしてみたがもっとダメだったみたいな結果だった。もちろん星野酵母に責任はなく僕の技術や判断に問題があるわけで、KEFやJBLのせいじゃない。 2003.1.28

パワーアンプを調整してもらっている間、三栄無線の10Wアンプの出番となった。久しぶりにきいてみると、これの良い面もあって、そこだけで判断すると戻すのやめようかななどと思う。しかし、あれこれきいてみると、時々耐えられないような音が出たりもする。でも、良い面は確実にあって、「そうか、近頃こういう感じの音はきいていなかったな」と思い出した。20代の頃のアルバムを見て「明らかに体型が違う」と思ったりするようなものかも知れない。このところちょっと円満路線に入っていたから少し戻しても良いかもと思った。でも、ここ数日の事はTL-0での出来事だから、その分も考えに入れなければいけない。 2003.1.29

オルトフォンのCG25Dはあれこれやってもやはり歪むので修理に出し、一週間ほど前に戻ってきた。ダンパーのゴムを交換したそうなので、さっそくきいてみると、歪まなくなっているレコードもあれば、やはり歪むレコードもある。「あれえ、直ってないじゃないの」と不思議に思いながら何枚かのレコードをきいた後「そうだ、温めてみよう」と考えた。例の方法でパワーアンプの上に30分ほど置いた後、一番歪むレコードをかけてみると久しぶりに良い音をきくことが出来た。やれやれである。

そろそろカエターノの新しいCDが届くはずだと待っている。輸入盤だったらもっと前に手に入ったんだけど、僕は訳詞を読みたいので国内版を待っていたのだった。

ここ数日はオーディオベーシック誌の取材で出かけたり、物が届いたりしている。昨夜はマルチフォーカスチューニングの取材、今夜はMyAudioLifeの取材だ。マルチフォーカスチューニングは、やれそうでやれない画期的な企画だと自負している。オーディオという趣味自体が長距離レース的だから、セッティングが一回で済むなんて事はありえないわけで、それを数ヶ月〜1年間にわたり、複数の人たちが立ち会って観察する記事というのはとても興味深いと思う。本当言えば一年間でも短いのだが、ランニングにとって42.195kmというゴールが重要であるように、期限を切らないとラストスパートも決められない。 

新しいモノラルカートリッジが届いたので、きいてみるとすごく良い。そういうわけで、TL-0はほったらかしてE・フィッシャーのブラームスOP:76とか、バリリ弦楽四重奏団のベートーヴェンなどをきき狂ってしまった。どれも素晴らしい、音楽としての内容も良いけど音質もすごい。 2003.1.31

風邪は何とか乗り越えつつあるようだけど、このところ音のきき過ぎで少々疲れ気味だ。こんな時はちゃんとした食事をして、早く寝て、ベートーヴェンをきいて力をもらうのが良い。 2002.2.1

この数日で色々なことを体験し、僕としてはそれを少しでも早く伝えたいと思う。でも、これはAB誌の取材での事だから雑誌を買うなり立ち読みするなりしてもらうしかない。このHPが雑誌みたいになればもっと素早く報告も出来るのだが、今はまだ無理だ。あと5年10年後はどうなるのだろう。 2002.2.2 

機器の試聴に要する時間は、アンプやCDプレーヤーだったら最低一週間、出来れば2週間欲しい。その機器が部屋や僕の意識に同化し、あらゆるソフトをきいてみるには一カ月ぐらい必要だ。スピーカーの場合は最低一ヶ月、できれば二ヶ月ほどは鳴らしてみたいと思う。その期間に起きた様々なことをWebで報告し、その間に何回か複数の人にききに来てもらう、なんてことをやれたらすごく良い。何百万もの機器を売ったり買ったりするんだからなあ。もちろん雑誌での紹介記事やショップのアドバイス、あるいは他の人の意見がナンセンスなどと言うつもりはなくて、それらに加えてって意味だ。 2002.2.4

今日は久しぶりにCDトランスポートをTL-2に戻した。懐かしい音である。ここ数日間内外の高級トランスポートの比較試聴を行っていた。数時間通電して比較試聴なんてもんじゃなくて、4日間も費やしているのだから色々なものが見えた。現在考えられる最高級のトランスポートを集めての試聴だったから、TL-2には戻れなくなるのかと心配したが、どうやら僕はTL-2を愛しているらしい。今朝は「古いレインコートみたいに、もうしばらくこいつと一緒にやっていこう」と思っている。当然TL-2には至らない面も多々感じるが、何とかカバーする方法はないかと無い智恵をしぼっている。どのような機種を試聴したかは、2/14以降に予告のページでお知らせします。 2003.2.4

高級トランスポートを返却したのだが、CECのTL-0だけあと10日ほど貸してもらう事にした。2/11にStudioK'sで音と戯れる会を開くので、その時、集まる会員の皆さんにTL-2とTL-0の比較試聴をさせてあげる予定だ。同じCEC製だから似ている事もあり、TL-2でも全然問題ないと思うソフトもけっこうある。ところがところどころ、TL-2では耐えられなくてTL-0だと素晴らしく良いソフトがある。困ったものだ。全部返却すりゃ良かった。 2003.2.5

このところずっとCDばかりだったので、KENWOODにZYXクライオをつけてまたレコードをきいている。やはりデジタルは金の勝負みたいな面が強い。トランスポートを手に入れたらどうなるか? 当然ながらDACが物足らなくなるんだよ。もしDACを買ったらどうなるんだろう。粗食で、しかもひもじい思いをしないためにはどうすれば良いのか? 心を安らかに保つために

このようなCDを買ってきたのだが、これをまたTL-2とTL-0で比較したりするもんだから、、、、(涙)

この二機種の音質の違いは2/11の戯れる会でやりましょう。誰がきいてもわかりますわ。

 

 

 

2003.2.6の昼間はこんなお宅を訪問した

「行ったという証拠写真ぐらい撮らなくちゃなあ」と思っていたら、午後の光がとても美しかったので「こりゃいいぞ」とカメラを出した

スタジオに戻り夜遅くまで原稿を書いた

写真撮影という仕事はとにかく手放れが良い、ロケなんかだとその場でしか撮れないから、よほどの商品撮影とか作品づくりでもないかぎり撮影に三日もかかるなんてことはあり得ない

村上春樹に言わせれば「文化的雪かき」みたいなタイプでも、原稿を書きはけっこう時間がかかる

今書いている原稿は、すでに全体の半分ほどは過ぎたけど我ながら今ひとつ魅力に欠けていたり、まとまりが悪いので、今週末から来週初めぐらいまではこの事で頭を悩ませられそうだ

上のJBLのお宅へは、日本一電車賃が高いという電車に乗って行った。けっこう長く電車に乗るので「デジタルフォト専科」というデジカメの本を読めた。内容は「ヒストグラムの完全理解」とか「ホワイトバランスの動作原理」で、半分はふむふむ納得と言いながら読み、半分は「ああ、面倒くさ」と思った。それで例のこちらを見ると、ヒストグラムなんかナンセンスだと書いてあるので今朝は笑ってしまった。まあ、ヒストグラムってのはオーディオで言えばスペアナみたいなものですから、音質とか表現とは無関係なのです。

僕はオリンパスのCAMEDIA C-3030 Zoomというデジカメを愛用していて、このHPもほとんどこのカメラで撮影している。C-3030 Zoomはとても優れたカメラだけど、細かなところで不満がある。最近、現行のC-5050 Zoomのカタログを見るとその不満点はほとんど解決されていた。競争が激しく、売れている業種ってのは対応が速いと感心することしきりだ。 2003.2.7

さて、しばらくレコードからご無沙汰だったからレコードでもきこうっと。今日きいたのはアラウが演奏するブラームスのピアノソナタ(当然)第三番。ルプーのもいいんだけど、とにかくこの曲は僕にとってすごく大切な曲だ。あの最高にロマンチックな第二楽章、恋人の肩に手をかけたい気持をためらいながら歩くみたいな、螺旋階段を上っていくようなフレーズをきく度に胸がキュンとなる。ブラームスは若い頃にピアノソナタを3曲書いて、それ以後ピアノソナタを作曲していない。ちなみにベートーヴェンは32曲、シューベルトは21曲書いている。シンフォニーは? まあ、この話を展開すると長くなるので皆さんも調べて一緒に考えてみて下さいな。

パン作りの勝負をした竹書房「まんがくらぶ」(僕は、鈴木さんのたてがみ と 愛のいとなみ のファンです)副編集長の西田さんがスタジオに寄り、大量にある白ゴマを1kg引き取ってくれた。ちょうど僕がパンを焼くサイクルと一致したので、彼に最新作のパンを食べてもらった。西田さんのパン作りはお休み中だし、僕はずっと週に3回ぐらいづつ焼いているので、もはや勝負は成立しないが、その代わりに彼はコーヒーの焙煎をやっていた。西田屋珈琲の豆をいただいたので、2/11の戯れる会では。この香ばしいコーヒーを参加者の皆さんに飲んでいただくことにしよう。 2003.2.9

 

 

2003.2.9に訪問したお宅

僕なりに気づいた事をアドバイスをしてきたので、多分あと半年から一年でもっともっと良い音になると思う

B&WSS25のオーナーはすごく反応が速く、思い切りも良いし、行動力もあるので、これからはオーディオが楽しくてたまらなくなるんじゃないかな

やはり、だれにもキッカケというものがある

僕にも、そしてこれを読んでいるあなたにも

明後日にはTL-0がいなくなるので、TL-2でも悲しい音にならないよういくつかの試みをしている。高級なものを体験するのは良い。努力するための目標ができるからね。先日のシューベルトをきいてみると、あの大きな差は1月の末にTL-0が届いて以来TL-2を使っていなかった事によるものだたのろうか? あの時よりはだいぶましな音になっていた。

 

 

TL-0は三本足のスパイクで、金属のスパイク受けが付属していたが、僕は付属の物を使わず、右の写真にあるAETの物を使っていた

「近頃、ゴムとかの柔らかいものをはさんでいるのだ」とAETの小原君に言ったら、「山本さんの意見を採用して、こんなのを作りました」と言って送ってきた。僕の意見を採用したのがホントかどうか知らないけど、Oリングみたいなのがはめ込んであるので、滑らなくて良い。写真だと同じ黒で良くわからないが、丸い部分はゴムみたいな物で柔らかい。それから、突起の方はネジが切ってあってタオックのラックのスパイクなんかと互換性があるようなハナシだった

スパイクは木(床)にぶっ刺すのが一番正しい使い方だと僕は思っているのだが、興味がある方はやってみて下さい。床が穴だらけになっても文句言わないで下さいね

右の物はけっこう売れているらしい

あと少し音を変えたい。昨夜あたりから、どうやったら好みの音にもっていけるのかと思案し始めている。とは言うもののスピーカーを取り替えるわけでもなし、そうそう音も変わりはしないのでボチボチやっていくつもりだ。僕がよく雑誌に書いている「思いこんではいけない」ってのは自分にも適用すべきだろう。 

Homeもすごいけど、今オーディオ関係で最もHotな掲示板と言えば、こちらでしょうか、 なにしろイエローカード3枚で一ヶ月の出場停止処分ですからね。

http://www.hpmix.com/bbs/?uid=1001982757161.ac1313a1&fid=1001983283412

うーん、4月に生んで翌年3月生んだ人って実際にいるんですねえ。うちの子供の場合は3月と4月だったので、逆に学年だと二年違うのです、これが一月ずれてりゃ同学年だなんて言ってたんですけどね。そして、その4月生まれの下のガキは去年からISB宅に近い金沢八景にある大学に通っているので、昨年末ISB宅へ行った時は通学定期を借りて行こうかと思ったのでした。 2003.2.12

 

 

以前は加えただけで満足していたサーロジックのサブウーハー D.Cubeだが、一週間ほど前、位置を60cmほど右に移動してみた

昔風に言えば3Dなので、今までは左右のスピーカーの中央に近いところに設置してあり、これはきわめて常識的な位置だったと思う。しかし、それをちょっとずらしてみると、どうもこちらの方が結果が良い

右にずれたことによる低音の違和感は特に感じないし、D.Cubeの音量設定は同じなのに音圧が上がった感じがする。理由を考えてみると、右のコーナーに少し寄ったことによるものらしい

KEFの上に乗っているスーパーツィーターの位置をすごく気にする人がいるんだけど、正直、僕にはこれがよくわからなくて、実はどこでも良い。多少後ろでも横を向いていても多分ブラインドではききわけ不能だ。僕の耳なんてそんな程度なのに、D.Cubeを右に60cmは「オヤッ」って思うことがある。耳というより体で感じる。2/11の戯れる会でも、以前より低音が出ていると指摘した人がいた

Photo of the Dayを読んでいたら、EOS-1Dsの事が書かれていた。僕にカメラを貸してくれるカメラメーカーはないのだけれど、オーディオ機器を貸してくれるところはあり、時々貸してもらい、いやいや返却したりしている。EOS-1Dsというカメラが、初めて本格的に使えそうなデジタル一眼レフである事は確かだ。もちろんこの手の物は(オーディオ機器にしても)3年も経てば半額は当たり前、6年経ったら性能が倍で値段は1/4の世界である。僕のところにはストロベリーのiMacが1台余っていて「誰かが25.000円ぐらいで買って活用してくれたらなあ」なんて思っているのだが、あぶないところである。LC630からMacを使っている身としてはG3でメモリも目一杯積んでいてHDが6Gあったら、なんだってできちゃう夢のようなものなのだが、このiMac同様EOS-1Dsも3年経ったら「フン」っていう感じになってしまうのだろうかなあ。その点、もはやほとんど進歩の余地が無い銀塩カメラは平和である。オーディオ機器で絶対に裏切られないと断言できるのは、スピーカーとアナログプレーヤーぐらいのもんでしょうか。 2003.2.14

 

 

エレクタ・アマトールの印象が強烈なので、長い間、ミニマは普通の箱だと勘違いしていた

足して二で割ったようなミニマ・アマトールも良いけれど、それらがすべてやや古い機種となった今、冷静にながめてみて、初めてミニマというスピーカーの魅力に気がついた。奇をてらったところがなく、しかし大変美しいので、ほれぼれしてしまう

そして、音も素晴らしい

 磯部です。

もし、私がセカンドオーディオを選ぶとしたら、スピーカーは
ジャディス・ユーリスミなんです。

本日、厚木さんから「ユーリスミのワンオーナー物、極上が入荷しました」
という囁きに、落ちてみよう(笑)と決心しました。
見るからにエロそうなユーリスミ、どんな音がでるか楽しみです。
4355では、ハイファイを多少意識してしまいますが
ユーリスミはエロさだけを追求したいと思います(笑)

 以上、最新のニュースでした   2002.2.17 

と、いう事は、こんな風になるわけですね うーん、夢に出てきそうだなあ、、

実際にユーリスミが磯部邸に搬入されて音が出たら、どのようなものかきかせてもらいに行きましょう。僕は本物を見たことがないので、感覚的にわかっていないのですが、実際のユーリスミはもっと大きいらしい。 2003.2.18

 

左 カエターノ・ヴェローゾとジョルジ・マウチネル 「オレは謝らない」という素敵な題名のアルバムが届いたのできいてみると、肩すかしを食らい膝の力が抜けてよろけるような感じがした。いきなりカントリー風だもんね。「なんだい?こりゃ」って感じ、そして、このオッサンのゆるさには驚いた。カエターノもそれに合わせてるから、これを楽しむには約2週間を要した。実はなかなか味わいのあるゆるさで、今では愛聴盤となった。そしてもちろん、詩を読むと、いつもながら内容は濃く深い。カエターノの息子、モレーノたちも参加しているみたいで、息子+2のサウンド風の曲もあって、そんな風にも楽しめる

右側のLPはなかなかの音質だ。カエターノのアルバムはどれも特に録音が良いという程ではないが、これは割とメリハリがある。ジョルジ・マウチネルの曲ヴァンピーロも入っていて、すごく共鳴できる歌詞だった

このHPを開設してからずっとやってきたアナログの再生に関して、ここ一年でほぼ不満が無くなった。新しい機器を試したいとも思わないし、今あるカートリッジとアーム、3台のフォノイコライザーはそれぞれの役割を果たしていて、非常に安定している。CDは色々不満があるけど、これを満足させるには僕の経済力が追いつかない。宝くじが当たるか、篤志家でも出現しないと不可能だ。EOS-1Dsは超々品薄状態で、現物はどこのカメラ屋にも置いてなくて、そういう状態だから値段も高い。多分キヤノンは毎日せっせと作っているのだが、なにしろ全国のお客が待っているし、輸出分もあるからまるで追いつかないらしい。かつてのYAMAHA RZ250&350状態です。安定供給されるにはあと数ヶ月かかりそうだ。しょうがないので、いつかEOS-1Dsが手に入ったら撮る写真の構想をねっている。ポジで撮ってもいいんだけど、どうせなら記念に 新しいカメラで新しい作品を作ろうなんて考えるわけだ。 

「ユリイカ」でカエターノ特集をやってますよと川崎さんからメールをもらい、僕は丸善に買いに行ったのだが売り切れていて、昨日やっと手に入れることができた。ほとんど丸ごとカエターノのことが書いてあって、今夜は眠れそうにない。

一昨日の夜、ソニーに勤めている市瀬(いちのせ)さんがスタジオに遊びに来てくれて、感想を送ってくれた。僕がSCD-1を貸してもらっていたのはもう随分以前のことで、最後にきいた時からもう1年以上が経過している。いつだったか岡崎さんと一緒にスタジオでSACDをきいていて、それはとても高音質だったので「全部のCDがこんな風に良い音で楽しめたら最高だよね」と話し合ったことがあった。当然ながら、高音質だけど音楽として興味のないディスクには手が出なくなってしまう。いかなる脚線美があろうとも、ブランド物のバッグにしか興味のない人とは長続きしない。あれからSACDのソフトも増えつつあるし、この一年間で僕の音もかなりの変化があったので、今、再びSACDをきいたらどんな風に鳴るのかには大いに興味を感じるところです。 2003.2.20

今日はヨドバシカメラのポイントでMacOS Xを買ってきてインストールした。まだまるで慣れていないのだが、一番驚いたのはSafariというAPPLEが作ったインターネットのブラウザのスピードでしょうか。同じ環境なのに画像が一瞬で出てくるようになった。あとは何だろう、色々ある、古いOSと行ったり来たり出来るので、あまり不便はなさそうだ。コンピューターに仕草なんか求めてちゃ仕事にならないとは思うけど、相変わらずと言うか、さらにもっとペットみたいにかわいらしい。 2003.2.22

今日は日曜日だというのに、スタジオの前の細い道の地下を掘っている、それでうるさくてたまらなくて、ずっと音楽をきく事が出来ない。夜になったら工事も終わるだろうから、何がいいかな、ショパンのワルツ集でもきいていやろうっと。昨日は来月発売のAB誌最後の撮影があって、ついでに出力見本で校正をしてきた。僕以外のページもちょっと見せてもらったけど、新しい連載が多くあり、ここ数年オーディオ誌を読んでいる人ならかなり楽しめる内容だろうと思った。 2003.2.23

この二日間はOS Xへの移行をしていたので、ずっと音楽はかけているのだが殆どきいていない状態で、CDが一枚終わると「ああ、もう約1時間経ったのか」などと思っていた。この感覚に最も近いのはモノクロプリントしかない。暗室作業はとても楽しくて、モノクロームのプリントをやると本当にアッと言う間に一時間二時間と経過する。どうも暗室は違う時間が流れているようだ。カラープリントはデジタルの方が手軽で良いが、モノクロームは手焼きに限る。OS Xへの完全移行は出来ないのだが、デジカメのデータを取り込むのにはiPhotoがなかなか優れている。さあ、雨はやまないけど秋葉原にカードリーダーを買いに行こう。 

新しいカードリーダーはドライバーソフトが不要だった。OS Xは画像を取り込むには優れた機能が沢山備わっていて、これは旧OSには戻れそうにない。なにしろ別世界って感じのなので、あれこれ試すと新しい発見がある。だから、ギリギリOSXに対応しているベージュのG3 MT300にもOS Xをインストールしている。というわけで、久しぶりにマーラーなんかをきいてみた。4番です。僕はマーラーってそんなに好みじゃないけど、まあまあ楽しんだ。 2003.2.24

連日新しいOSをいじっているので、運動不足になる。それでなるべくLPをきくことにした。特にオートリフトアップじゃないアームだと否応なしに椅子から立つので良い。そうでもしないと2時間ぐらい座りっぱなしになる。コンピュータはどうしてこんなにも生活に入り込んでしまったのだろう。仕事での画像の処理やメール&HPはもちろん、原稿書きに何かの調べもの、スケジュール管理も経費の計算もすべて依存している。配偶者とMacとどちらをとるか? 決まっているじゃない。水泳も速くならないし、仕方がないので毎日腕立て伏せをやることにした。オーディオ機器って重たいのが多いから、腕力が無くなったらLINNにするしかない。今日の午後はこれも久しぶりにスザンヌ・ヴェガをきいた。 2003.2.25

こんどJobのスイーター(110V・OUT付き電源
コンディショナー )を持って遊びに行きます。
これかなり効きます。強化電源を110Vでつなげるときに
使うとかなり良いのでは。
エイドスにも同じコンディショナーが使われています。
超微粒子サウンドになってディジタルの硬さがとれ、
アナログの質感になることうけあい。

なんていうメールがきた。ネタがないので早速乱用させていただきました。来るなら来い、何でも試してやろうじゃないか。一応書いておきますが、けっこうあちこち更新してますよ。

しかし、適当な値段の良いDACって少ないんだよなあ、それで僕はずっとP-1AとP-3Aを使っている。CHORDのDAC4はすごく良さそうなので、一週間ほど借りてみんなできいてみたいと思っているんだけど、輸入元は僕に直接は貸してくれない。販売店経由ならOKだそうで、「オーディオショップStudioK's」になれば良いそうだ。ショップという事になってもいいんだけど、それはちょっと違う。で、HPはまだまだ世の中で認知されていないと思ってしまう。暮らしの手帳みたいに、自社で購入し長期間洗濯機まわしたり、食べもしないトーストを部屋いっぱい焼きまくったり、という方法もあるけど、オーディオの場合はそういう意味での実用品ではない。極端な事を言えば多少壊れたってそれは覚悟で使うさ。誤解のないように書いておきますが、僕は別に特定の輸入代理店やメーカーに文句を言ってるわけではない(少し不満だけどね)。現実には一介のオーディオ好きの素人がHPを始めて、特に理解のあるメーカーや代理店が、僕及びStudioK'sHP+それに関係する人々と、更新を楽しみにしてくれている読者に対して、機器を貸し出してくれるところもあるわけで、これは多分そうしてもらっている事に感謝すべきだろう。

要するに味方か敵かどうかがわからないって事なんだろうと思う。ショップはお客に物を売っているから、業界の一員=味方というわかりやすい図式の中にいるわけだ。僕は味方なのか敵なのか、どうだろう? 全般的に見れば味方に決まってるでしょう。 2003.2.26

そろそろ暖かくなってくると暖房が要らなくなるので、オーディオには良い季節だ。でも重い花粉症の人は音楽などきく気にならないのかも知れない。僕は軽い花粉症らしく、この季節は外を歩くと少し鼻がむずむずする。それで、この季節だけ甜茶を飲んでいる。今日からAETの新しいラインケーブルをきいてみていて、まだCD2〜3枚しかきいてないのだが、割と力強い音みたいだ。 2003.2.28

今日は3月の戯れる会で、スタジオに9人の人が集まった。九州からやって来た人が一人、大阪から一人、福島から四人、千葉埼玉神奈川が各一人づつで、東京の人はゼロだった。今日もなかなか面白い内容で、楽しい午後だった。九州から来た人は飛行機の関係で夕方5時に帰ったのだが、その1時間後福島の蕪木さんはSoundSticks+D.Cube+PT-R9の音をきいて「なんだかだまされているみたいだなあ」と言った。別にだましてはいないのです。 2003.3.2

このHPには「StudioK'sで音と戯れる会」の詳しい内容や感想は掲載していないが、例えば昨日は1時間足らずの間に高級カートリッジを4種類試聴なんて事もやっている。しかも、よりわかりやすくするために、LPに対してカートリッジを交換なんてことをやると、10回も交換して針圧調整が必要になる。参加者にやってもらうと、真面目な人は手が震えたりするし、ちょっと裏側だったりすると「やりにくい」と言う声が出たりする。それで、自分でやった方が速くて確実なので僕がやることにした。ちょっと手が滑るとウン万円がパアの行為を繰り返すのは趣味ではなくお仕事だ。慣れているとは言え緊張することに変わりはない。しかも、カートリッジの試聴なんて場合、しばらく使っていなかった物は事前にLP2枚ぐらいはかけて慣らしておいたりもしている。もちろんメニューは他にもあれこれあるのでけっこう疲れる。でもまあ、自分が楽しいと思える限りはやっていこうと思っている。4月は会員であることを続けるかどうか、更新の時期だ。「入会してみたけど波長が合わない、あるいは特に魅力がないから更新しない」という人もいるだろう、僕の方も「やりたい事がなくなったから、もうおしまいね」という時がくるのかも知れない。  

このところ、DAC-プリ間にAETのラインケーブル(ガイアに相当する物)を使ってみている。これは不思議な音がするケーブルで、まだ傾向がよくわからない。例のギル・シャハムのシューベルトがやけに艶っぽく鳴ったかと思うと、カエターノのベースは腰が強くソリッドであったりもする。それと、アコースティックギターがとても生々しいのには魅力を感じる。でも、なにしろ今まで経験した事のないタイプなので、「このケーブルはこんな感じ」と言い切れない。1m48.000円だそうだから、そうメチャクチャ高価というわけではなく、むしろこれだけ楽しめれば安いのかも知れない。ずっと使っているストレートワイヤークレッシェンド(定価は確か15万ぐらい)を押しのけるかどうかはまだわからないのだが、その可能性はある。 2003.3.3

先日、PerpetualTechnologies社のP-1Aを使っている富田さんと電話で話した。彼は最近P-1Aを18bitとか20bitで使用していると言う。僕は当然ながらもっと単純に16bitか24bit(つまりONなら24bitで、スルーなら16bitってこと)しか試していないが、そんな中途半端なところで良い結果が出るなんてきいたことないというか、考えたこともない。よくまあ、そんなことを思いつくよなあ、オーディオ雑誌にも書いてないぞ。そして、その違いがききわけれられるってことも凄い。

だいたい、P-1AにしろP-3Aにしろ設定はとても分かり難くて、しかも、仮に18bitに設定したとしても本当に18bitになっているかどうかを確かめることが出来ない。そういう機械だ。しかし、富田さんはP-1Aの後にdCSを入れているので「ちゃんと切り替わっている」と言っていた。その上で、24bitでの送り出しより20または18bitの方が結果が良いと言う。多分24bitなんてもう目一杯の全速力なので余裕がないんだろう。

「おいおい」って感じでキヤノンからEOS-10Dなんてのが出た。すごく安くて(と言っても18万円ぐらい)60Dより良いみたい、数ヶ月前にやっと60Dを買った人の身にもなってくれよって言いたい。やはりデジタル機器は進歩が速くて容赦ない。一緒に出たEF17-40mmLではなく16-35mmを使ったとして広角側が25.6mmですか、うーむ。 

取材で「ソフィーの世界」の翻訳や「世界がもし100人の村だったら」の出版で知られる池田香代子さんのお宅へうかがった。確か10年ほど前にマガジンハウスの雑誌「クロワッサン」に出ていた池田さんの記事を読んで、いつか会ってみたい人だなあと思ったのだが、名前は忘れていた。略歴を見て「ああ、あの時の人だ」と思い出した。そう言えば、僕はソフィーの世界の装丁を担当した高橋常政さんのお宅へも行ったことがあった。高橋氏はずっと、ジョー・パスとエラ・フィッツジェラルドのデュオをきいていた。

夜は富田さんがJOBのスィーターを持ってきてくれた。なるほど、効果的なものだ。これほどとは思わなかった。久しぶりに「やられた」って感じだった。欲しい物だらけの3月は僕の誕生日があるんだけど、誰もプレゼントしてくれないよね。 2003.3.5

そして、富田さんが帰ってからずっと僕はKEFで音楽をきいていない。SoundSticks+D.Cube+PT-R9 これでずっときいている。この状態で、オーケストラだのモノラルLPだのカエターノだのASTREEだのをきいているので、SoundSticks はメチャクチャしごかれている。不思議なことに不満だった200HZぐらいの低音もあまり不満に思わなくなった。耳が慣れたのか、それとも実際に出るようになったのか。よくわからないが多分両方だろう。CDだとプリのボリューム2時から3時ぐらいまでパワーを入れているので、これはかなり鍛えられるだろう。どこまでいけるかやってみよう。 2003.3.6

何も根拠はないんだけど、今年は良いことがありそうな気がする。そんな気がしてきた。だから、少々腹立たしいことが起きてもあまり気にしないことにした。こんなに一生懸命楽しいことを追求しているんだから、そろそろ蒔いた種も実を結び始めるに決まっている。 2003.3.7

 ほらね

 佐藤さんがSONYのスーパーツィーターの事を書いてくれている。 2003.3.7

 

 

僕のD.Cubeが届いた

ずっと使っていた右側は試作機なのでつまみの数が違うし、脚もついていない

本当はD.Cubeの二台使いってのがなかなか効果的らしいのだが、試作機と製品版はアンプのゲインなどが異なるし、きき慣れたソフトをきいてみるとけっこう音が違うので、その実験は先送りにした

製品版のD.Cubeになったら随分音が違う。44Hz以下だけを受け持つサブ・ウーハーだけの違いなのにどうしてこんなに音が変化するのだろう。黒い方がだいぶスッキリした音で、ピアノの音やシンバルの音までがかなり違うのには驚いた。そして、低音の量感が減ったわけではない。すごく良い感じなので正直嬉しい。右側の試作機の音より製品版の方がこんなに良かったとは知らなかった。この音の変化と不思議は誰が理解し、共有してくれるのだろう。サブ・ウーハーを替えてシンバルの音が変わったなんて言って、一体誰が信じてくれると言うのだ。そうだ、僕には戯れる会で毎月僕の音をきいてくれている人たちがいる。良かった。 2003.3.8

昨日はものすごく疲れていたし、そのせいで音が変化したと勘違いしたのかと思ってずっと注意深くきき続けているけど、やはり音はすごく違う。サブ・ウーハーのクロスを47Hzにしてみても同じ感じだ。簡単に言うとキレが良くしかも重量感のある低音なのだ。右側の試作機はもっとボワワーンとした音だった。OS XにしてからずっとIMは「ことえり」を使ってみたが、耐えきれず今日ATOK15をインストールした。ああ、快適。 2003.3.9 

D.Cubeの試作機と製品版は、箱も内蔵アンプも違うものだそうで、音が違うのは当然らしいのだが、それにしてもすごい違いである。エージング不足ということも考えられるので、出かけるときも鳴らしておくことにした。SDサウンドのパワーアンプはスイッチを切って、マーカス・ミラーをかけるので、サブ・ウーハーだけがリピートで「ドドド、ドーン、ズズズ」なんて状態です。音の変化で考えられる事と言ったら、あとはAETのラインケーブルしか理由を思いつかない。2週間目に突然音が変わるピンケーブルなんてあるんだろうか?  2003.3.10

予告のページに写真を掲載した通り、明日発売のオーディオベーシック誌で僕は高級CDトランスポート4機種の比較試聴を行った。先日磯部さんはその中の一つ+ペアのDACを自宅で試聴し、購入を決めた。とても高価なものだけど、彼はこれと決めたら割と長く使う(バークレーX1は10年ぐらい?)ので、それによって得られる楽しさと後々の下取りなども考慮に入れれば、安物買いの銭失いとは逆のパターンだろう。それはともかく、これからの磯部さんのページとAB誌でのレポートを一緒に読んでいただけると幸いです。 2003.3.11

今日の午後は久しぶりに富田宅へ行くことになった。長いこと行ってないので、そろそろ行っておかないとあぶない(?)。プレゼントするLPがあるし、もう一回jobスィーターを貸してもらう。そして、しばらく写真がそのままだから軽く写真でも撮ってこようと思っている。ある程度機器が変化する人の場合、適当な時期に写真の更新をやっておくことは必要だと思う。今夜は初めて戯れる会の平日開催が実現した。まあ、それもあってjobを貸してもらおうかなと思っているのです。僕は戯れる会を一種のサービス業だと位置づけている。 2003.3.12

ここ数日間で僕の音はまた一つステップを上がった。確かに一段上って新しい風景が見えもする反面、ちょっと足場が悪いらしく、強風が吹くと不安になるような感じがあった。新鮮な景色を楽しんでいると突然落ちそうになるような、そんな危うい上昇だった。しかし、お陰様で安定した足場を築くことが出来たようだ。もう不安はない。音への不満がない誕生日は良いものだ。先日体重を計ったら75kgになってしまったので、今年は久しぶりに減量をしようと思っている。やりだすと止まらなくて67.5kgぐらいまでいってしまい、自分の理想70〜71kgでとどまるのはすごく難しい。 2003.3.13

3月7日に磯部邸へ行ってから、やっぱり少し調子が狂っていたと思う。僕はあれから何回YMOのライディーンをきいたことだろう、張り合うつもりは毛頭ないが「どこが違うんだろう」という興味が半分、そして「ダメだこりゃ」という失望が半分。ちょうど僕の音も変化しつつあって、より強力な部分とそれに追いつかない部分とがごちゃ混ぜだった。そういう状態で磯部さんの音をきいたものだから(しかも素晴らしく良かった)かなり動揺した。でも、もう大丈夫。新しいD.Cube、そしてDAC-プリ間は新しいAETのラインケーブル(定価48000円は安い)、そしてjobの導入で僕は以前ほどLPに依存しなくてもやっていけそうだ。 2003.3.14


3/16(日)にStudioK'sでサーロジックの試聴会を行うことになった。ところが今のところ、参加申し込みが少ないので中止にしようかという連絡がきた。僕はどっちでもいいけど、今度の試聴会では今まで戯れる会でしかやらなかったデモンストレーションSoundSticks+D.Cube+PT-R9 をやろうかと思っていたので、それが出来ないのはちょっと残念だ。あと二〜三人の人が申し込んでくれれば多分開催だろうと思うので、D.Cubeの効果を体験してみたい方はどうぞお出かけ下さい。

とにかく音楽をきくことが楽しくてしょうがない、持っているソフトを全部一枚一枚きき直したい。 2003.3.15

D.Cubeの電源ケーブルとプリ-D.Cubeを接続するケーブルは、今のところ付属の物を使用している。サブ・ウーハーの効果は非常に大きいので、とりあえず「あり」と「なし」の違いの方に目がいく。でも、もう少し定評のあるケーブルに取り替えたらより良い低音になるのかどうかも確かめてみようかと思い始めている。 2003.3.16

おかげさまでサーロジックの試聴会には11人の参加者があった。サーロジックもD.Cubeも名前だけは知っているが、実際の音や効果は体験したことがないという人がまだまだ多い。まあ、ありとなしではものすごい違いがあるから、うんと高価なケーブルを買うことを考えれば、サブ・ウーハーの方が楽しめるんじゃなかろうか。

確か、去年は3月中に桜が咲いていたように記憶するが、もう3月も半ばだと言うのにいつまでも寒い日が続いている、そして東京はまた雨が降っている。このところCDばかりきいていてLPにはご無沙汰だったから、今日はLPをかけよう。オーディオの事ではまたまたいくつか発見したり実験したいことがでてきたので、ボチボチやっていくつもり。自分でやってみて一定の成果や確信が得られたり、あるいは「重要な何かがあるけど、どっちが良いかわからない」なんて場合は、4月の戯れる会でみんなにきいてもらおう。  2003.3.17

 

 




3/16のサーロジック試聴会の時に、参加者から質問を受けた。

それは「いつごろから満足する音になったのか」という内容だった。

「このスタジオで音を出し始めて2カ月か3カ月した頃からです」と僕は答えた。今思えば、大変低レベルだったのかも知れないが、満足していかどうかというと、すごく満足していた。基本的にはずっと毎日満足している。では、不満はなかったのかと言うといっぱいあった。あの頃より今の方が不満は少なくなったのは事実だけれど、5年前の僕は5年前なりに満足していた。ある種類のバランスはとれていたし、うまく鳴らないソフトに不満を感じるというよりは、心地よくさせてくれるものをきいて楽しんでいた。

Jimさん来訪記 を書いてくれている鹿野啓一さんがまだシカゴにいた頃、メールで「オーディオ機器って新興宗教みたいなところがある」という話題になった。僕は「いつでも割と満足していることが多いから、そういう意味では僕自身が宗教的かも知れない」と書いたら、鹿野さんにはけっこう受けたようで「そりゃ確かにそうだ」という反応だった。

自分の顔は整形しようが何をしようがキムタクにはならないのだから、不満を言えばキリがない。満足と不満を切り離して音楽を楽しめるかどうか、実は満足と不満が50:50かも知れないけど、それを51:49に思えるかどうかが問題だと思う。とりあえず、ミサイルや爆弾は降ってこないから、こうして楽しんでいられることを思うと99:1だと言っても良い。

自分が選んだ機器やそれによって得られる自分の音に、自分自身が味方であり続けられないとしたら、機器や音がかわいそうだ。

 


実はこのところずっとLPをきいていない。一対一で比較すればもちろんLPの優位性はあるんだけど、もちろんCDにも良いところが沢山あるわけで、LPを100%凌駕しなくても、それらしい音が出てきたらやっぱりCDのメリットは大きい。 2003.3.18

富田さんがきて、一緒にあれこれきいた。YMOとトニ・ブラクストンをかけたら「このYMOが山本さんのところできいた一番良い音だ」と言った。多分久しぶりにYMOをきいてすごく新鮮だったのだろうと思うけど、それをきいた僕はちょっと複雑な気分がしたのだった。まあ、ライディーンはこのところずっときいていたから、音量も上げ過ぎず、ちょうど良いところを見つけてはいたけどね。そして富田さんがJOBを持って帰ったので僕のCDの音はまたCDの音に戻った。 2003.3.22

プリアンプからD.Cubeへのケーブルを別の物にしてみたがあまり音は変化しない。まあ超低音だけだからほとんど変化なしという事にして付属のケーブルに戻した。DDコンバーターのP-1Aは結局20bitで使うことにした。どこがどうっていうのはうまく説明出来なくて、なんとなくなんだが、20bitが良い。 2003.3.24

今夜はLINNのASAKAというカートリッジでLPを楽しんでいる。このHPに「僕のオーディオ装置」というページを作った時(つまりパート1)、最初に出てくるのがASAKAだ。最初から読んでいない方に説明をすると、実はStudioK'sHPを立ち上げて一番先につくったオーディオ関係のページは富田さんのページだった(それで富田さんのページには僕の署名がある)。それからずいぶん経ってから自分のページを作り、さらにその後、柳澤さんと岡崎さんのページを作ったのだった。 2003.3.25

 

 

99年の夏にGOLDMUNDのSTUDIETTOを買った後、僕は簡単にカートリッジ交換ができるプレーヤー(と言うかアーム)が欲しくなり、LINNのLP12を売った。その時ASAKAはLP12につけてあげたので、1999年10月以来のご対面だ

あの頃はこのカートリッジを優雅典雅な音だと書いているが、2003年の印象を一言で言うと、濃い音ですこれは

今はスピーカー以外、ケーブルも何も全部入れ替わっているし、全体的な音そのものが変化しているのだから印象も違って当然だろう

戯れる会で歴代LINNカートリッジまとめて試聴なんてのをやろうか?西田さん

なんとなく、KENWOODのKP1100が故障しそうな感じ。古いからなあ。一度修理に出さなければならないかも知れない。電源部を脱着式にしてあるので、修理には出しやすい。僕はKENWOODのプレーヤーが無いとけっこう困る。やっぱり1台予備を持っておくべきだろうか。

今日は少し悲しい気分なので、アンプのスイッチは入れてあるが音楽はきいていない。こんな時は何がいいか、やっぱりバッハかな。 2003.3.27

 

 

というわけで、これをきいた

磯部さんのリファレンスは二曲目の「You're Makin Me High」なので、もっぱらこの曲をきいていたのだが、全部きいてみると、これがけっこう良くて、近頃は一曲目から終わりまで全部きくことが多い

MacにつけているSoundSticksだが、何十時間かメインのオーディオ機器で鳴らしてからG4Cubeに戻すと、驚くほど音が良くなっていた。そして、MP3とCDそのままの再生ではかなり音質に差があった。 2003.3.28

ここ一年間ほど
 STUDIETTO ZYXクライオ コニサー
 KENWOOD カートリッジは色々 ブーメスタ
 Micro MA505s モノラルカートリッジ クレルKRC2のフォノイコ
という組み合わせで使用してきた。妥当な組み合わせだと思うのだが、この組み合わせをいじってみようかと思っている。   
やっと暖かくなったので、暖房が不要になった。だからこの季節の深夜は音楽をきくのが最高に楽しい。今夜は大阪から二人組のお客がやってくる。さあ、彼らに僕の音はどうきこえるんだろう。欲深な二人は他のお宅へもあちこち行くらしいので、各お宅を600字づつの原稿にしていただきましょう。

CDトランスポート-DDの接続はAETのアルチメイトリファレンス(UR)を使っている。そして、DDコンバータからDACへの接続はずっとAETのオルフェウスを使ってきた。DD-DACはURとオルフェウスを比較して違いがよくわからなかったのでオルフェウスを使ってきた。近頃は色々な条件が変化しているので、昨夜久しぶりにDD-DACもURにして比較をしてみた。結果はURの方が良いようだ。URというデジタルケーブルは定価12万円と高価なものだが、価格に見合った性能がある。

ケーブルは、機器と機器の間に入れる機器みたいに考えるべきだろう。それぐらい重要な役割を持っている。いつだったかSDサウンド社長の石上さんが僕のスタジオにパワーアンプの試作機を持ってきた時、あの頃はバイアンプだったので、中高音用のアンプの電源ケーブルを一本替えてみた。付属の物からSAラボにした時の石上さんの顔は忘れられない。目を丸くして「どうしてこんなに音が変わるんでしょう。中高音用アンプのケーブルを替えただけで、低音まで良い音になった」と言った。それがキッカケでSDサウンドのパワーアンプ「アイワン」にはAETのTITANという電源ケーブルが標準装備される事になった。僕は僕で電源ケーブルの変化をこうもハッキリ出すこのOTLをアンプを、それまでに増して気に入った。 2003.3.29

 

 

オルトフォンのMC30superをKENWOODのアームに付けると右側の音が出なかった。Microのアームだと多少きつくチャッキングすれば音は出る。30年近く昔のシェルだし、接触不良は確かなので、接点復活材を塗てみたが埒があかない。AETの小原君が来たときにそんな事をやっていたら、「山本さん、これシェルのピンが一本短いですよ」と言う。よく見ると確かに4本のピンに段差がある。それで、周りの3本をヤスリで削って揃えてみた

左下のちょっと黒いピンが短かったもので、光っているのが削った3本だ。国産のシェルだったら、まずこんなことはない。だけど、独特の音はこの鋳物のシェルにも関係がありそうなので、別のシェルにする気はない

アームの中にはこのピンに接触するバネ入りのピンがあるわけだ、多分Microのアームの方がバネのストロークが大きかったのだろう。削りすぎるとどこにも接触しなくなるので必要最低限削り、KENWOODでもMC30superを楽しめるようになった

先週末は、あちこちで濃いオーディオマニアが集っていたようだ。某掲示板の皆さんと某掲示板の皆さんも集まっていたし、大阪から来た川崎・鹿野組は柳澤-山本、小林-原本というダブルヘッダーをダブルでこなしたようだし、極悪人代表宅にもお客様だったらしい。オーディオ愛好家のこのような動きは、今だかつてあり得なかった事だ。このことにはもちろんインターネットの普及が大いに関係している。こんな風にして、さらに楽しいことが始まりそうな気がする。 2003.3.31 

大阪から来た二人組は多分夜な夜な作文をしているに違いない。あれだけ楽しい思いをしたのだからしょうがないよね。雑誌に連載をもっていたほど文を書くのが上手な二人だから「できるだけ簡潔で、内容がよく伝わり、しかも他の人とはひと味違う観点からの感想」を寄せていただけるものと、大いに期待している。結局のところ、長い文はよく読んでもらえない事が多いのではないかと思う。

少し、オーディオ機器の置き場所を変えようかなと思っている。 2003.4.2

このところまたCDをよくきいている。オーディオベーシック誌第26号のわがまま実験室で高級CDトランスポート4機種の試聴をした直後は、「トランスポート買い替えなくちゃ」とうなだれていたが、喉元を過ぎて熱さを忘れたのか、二ヶ月経ってもトランスポートとDD&DACはそのままだ。変化と言えばDAC-プリのケーブルが新しいAETになったこと、DD-DACをアルチメイト・リファレンスにしたこと、あとは電源コンディショナー JOBスィーターの追加だ。置き方も変えてないし、他は何もしていないけど、CDの音は多分過去最高だと思う。もう忘れちゃったからかも知れないが、あの高級トランスポート4機種で出てきた音よりも今の方が良いんじゃないかとさえ思う。自己偏愛過多なのかどうか、あの怪しい4人のテスターにもう一度テストしてもらいたい。 2003.4.3

4/4〜4/6までStudioK'sはモノクロームの写真展です。13:00からで4日と5日は20:00以降はパーティですので、わいわいやってます。第5回目ともなると、なかなかの力作ぞろいです。どうぞ見に来て下さい。日曜日は夜6時までです。

そういうわけで、三日間音楽はSoundSticksとiTunesです。KEF105はお休み。アンプもおやすみ、アナログプレーヤーもおやすみ。 2003.4.4

大阪からの感想はまだ届かない。僕がアップロードをさぼっているのではありません。楽しみに待っている皆さんごめんなさい、と山本が代理でお詫びしておきますね。 2003.4.6

川崎さんと小林悟朗さんから感想文をいただいたので、掲載しました。600字制限は申し訳ないと思うのですが、真面目なはなしHP容量が問題になり始めている。出来るだけ画像も多く掲載したいし、いただいた原稿は全文掲載したいけど、これを続けるといつか必ずパンクするので、何らかの対策を講じなければならない。そろそろそ準備が必要な時期にさしかかっている。

写真展はとても楽しかった、僕は出品していないので管理人なのだが、自分自身が楽しめる作品もたくさんあり、アッと言う間の三日間だった。KEFの音はきけなかったけど、いつものべつまくなしきいているから、時々は距離をおき、あらためて新鮮な気分でセッティングするのも良い。

写真展をやっていた間に変化があった。一年間愛用し、ある方向では僕のアナログオーディオの頂点とも言えるコニサーのフォノイコを手放した。これからはコニサーなしで、あんな音がでるように努力してみよう。 2003.4.7

山本さま

先週、東京で遊んでしまったつけが来てしまい、仕事がバタバタで、感想文が遅くなり申
し訳ないです。感想文、以下のとおり会話形式として作ってみました。K'sのページを見
て興味津々の友人に感想を述べるという設定で、半分本当の会話です。各々の感想がつな
がってしまっていて恐縮です。
またK'sにお邪魔させていただいたお礼が遅くなり恐縮です。あっというまに時間が経っ
てしまい、つくづくオーディオは楽しいものだと思いました。
また、訪問させて頂いた方には、既にご連絡を申し上げましたが、この場をお借りし、再
度、お礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

感想文

友人:東京は、どうだった。忙しかったようだけど、行った甲斐はあった?
鹿野:いやー、行く前はいろいろあって、うーんどうなることかと思ったけど、皆さんに迷惑をかけながらも、行って本当に良かったよ。でも、音楽会のはしごをしないように、本当は1日1軒なんだろうと思うけど。
友人:どういう具合に良かったの?
鹿野:うーんやっぱりみんな、それぞれ音のベクトルは違うんだけど、そのベクトルに向かっての完成度が高い。望む音というものを明確に持っていて、自分の装置のことも、出てくる音もよく分かっている。望むベクトルが明確で、そこに向けての情熱がすごくて、そのベクトルに対する完成度が非常に高い。それで、それぞれ自分らしい個性的な音なんだけど、でもねそこまで行くと、逆に普遍性も出てくる。その辺りが、やはりすごいとつくづく思った。
友人:具体的にはどんな音だったの?
鹿野:柳澤さんはね、行く前は実はすごくエキセントリックな音だと思っていたんだけど、聴いた瞬間に、あ、これは本当にまっとうな音、奇をてらったところのない、本当に真っ正直で、聴く人に誠実に向き合う音だと思った。超高性能な機器だけで構成されているから、すごく高性能な音だと思ったら、そうじゃない。たぶん、高性能ってことは、柳澤さんの意思にリニアに応えるということなんだろうと思う。ボクサーという化け物みたいなモニターSPなんだけど、その下にしく集積材だけで、20種類ぐらいはおいてあって、高さ決めからして、相当な気が配られているし、やはり使いこなしなんだと思う。音的には、こんこんと湧き出る泉のような音で、くせがないけど味わい豊かで、岩に染み入るような音、すごく音楽に対峙している感じがあって、心が澄んで、ピュアになるような感じがした。
友人:そういう音ってあるんだ。やはり聴かないと分からない部分はあるよね。LPはどうだった。
鹿野:これがね、とんでもないんだ。あのスムースさや上質さというのは、類い稀で、あれは僕がGoldmundのTTで出したい音だったから、もう手放しで喜んじゃった。これがあれば僕はCD、要らないですって言ったら、川崎さんにたしなめられたよ。でも柳澤さんも、最初からこんな音がでちゃってさ、ガハハって言われてたから、僕の思ったことは、一面では当たっているんだと思う。

友人:小林さんはどうだった?武勇伝もあるから、戦闘的な音(笑)?
鹿野:全然そんなことない。小林さんのところは、柳澤さんのところよりももっと癖がなくて、非常にいい意味でリファランス足り得る音なんだ。柳澤さんのところがピュアな湧き水の音だと思っていたら、そこにはやはりかすかな色合いがあることが分かるという感じ。小林さんのところではクラシカルを主に聴かせて頂いたんだけど、オーケストラの響きのハーモニーがもうそれはすばらしくて、かつ実際の音の鳴り方に正確に近いんだ。また、音の出だしが、すっと、そしてぴたっと決まる。すばらしく調律された楽器みたいにぴたっとしている。そしてその後に続くオケのうねりや、音の起伏、そしてその裏にある音楽的な高揚が本当になんの衒いなく出てくる。でね、僕の今までの音の引き出しと評価軸の通用しない音なんだ。それはホーンの音だということだろうと思うけど、僕が聴いたことのあるアルテックの7というSPと似ているようで、少し違う。無骨さがなくて、洗練されていた。あと米国ハイエンドの評価基準にトランジェント感が高いというのがあるけど、その基準で計れないんだよね。そこで鳴っているんだから。
友人:ふーん、興味津々だね。音の作り方が米国ハイエンドとは、ちょっと違うのかなあ。鹿野さんは、映像には、あんまり関心がないみたいだけど、映像も見せていただいたんでしょ・・・どうだった?
鹿野:柳澤さんのところで、種をまかれ、小林さんのところで、芽を出したっていう感じ。だって作っている本人の映像なんだもん。全然分かってないから、どういいのか理解できなくて申し訳なかったんだけど、柳澤さんのところで、へえ、映像って音も含め掛け値なしにすごく楽しいのねと思い、小林さんのところで、3大テノールの横浜公演での、克明に写る顔のアップを見て、これは映像でないと伝わらないものはあって、それは演奏者がこんな人だったと想うときに非常な力があると思った。

友人:憧れの原本さんは、どうだった?
鹿野:いやー、うーん、すばらしかった。聴いているうちに引き込まれて、本当に涙出そうだったもん。ぐわっと床面に広がる豪放な低音、ビビットな中音域の生命感、更に高域 には繊細なこまやかさがあって、音楽がすごくいきいきと躍動的なんだ。男らしい音と評 する人もいるけど、でもねそうじゃないと僕は思う。やはり心配りがなされ、手を掛け育 てられ作り上げられた、ある種の理想的な、男性的な音という感じがしたんだ。女性、男性という作り手の区分は、音の評価には無関係だけれど、一般の仕事と一緒でいい意味での差というものはあってそれは積極的に評価されるべきだと思う。部屋が非常によコントロールされていて、コーヒーを運んでくださったお盆がSPの手前に置かれている間、音のバランスがあれっというほど崩れたことも印象的だった。あと、川崎さんがそれはそれは喜んで、それを見ているのも楽しかったんだ。多分、川崎さんにとっては、ベクトルという意味で、これだという音の一つなんだと思う。少なくともシカゴの時の音は、まさにベクトル的に一致していたと思ったから。
友人:原本さんの音の感想は男性・女性論が混じって、すこし分かり難いけど、そういうことを感じた訳ね。でも、二人ともすごく楽しかったようだね。
鹿野:うん、そう。もうめちゃ楽しかった。きっと今後の僕らの中で大きな部分を占めて くる音との出会いであったし、また何より、実際にお会いして、お話ができたということが僕には大きかった。皆さん、やはり素敵で、あ、だから音もすばらしいんだということを改めて思った。後先になったけど、極悪人元締めの山本さんのところにも再度お邪魔させていただいて、そのときには富田さんが来て下さって、夜中の2時まで話し続けたり、実験をしたりして、それも楽しかった。山本さんのところのコニサー、ZYX、Studiettoという組み合わせをそのときに初めて聴かせていただいたけど、すごく克明で、凝縮された音で、それは、すばらしい音だった。山本さんは完成されすぎで、面白くないんだよね・・・とまさにオーディオファイルらしいコメントを言われていて、おかしかったけど、確かにそうだよなあと妙に納得しちゃった(笑)。あとやはり、前の時と同様にいろんなアナログを上手に使い分けられていて、さすがだなあと思った。サブウーファーも音の深みを出すのに大きな役割りを占めているようだったし、ずいぶん、音自体が変化していて、びっくりだった。いやーでも、東京はすごい人たちがたくさんいて、それぞれ、お互いに切磋琢磨しているから、羨ましいし、同時に大変だなあと思った。ちょっと音が落ちたら、すぐ分かってしまうから。でも分かってくれる人も大勢いるということで、オーディオをやる楽しみは大きいだろうなあと思ったよ。
    鹿野啓一

 


写真展の間、スピーカーはスタジオの隅に追いやられる。以前は写真展のBGMもKEFだったが、SoundSticks導入後、BGMはMac+iTunesが受け持っている。CDのかけ替えも不要だしランダム再生も出来るし最高に便利だ。写真展が終わり、出品者と打ち上げをしている時は「スピーカーがないと、何て広いんだろう」と思う。でもその二時間後、KEFはほぼいつもの位置に戻りスピーカーケーブルがつなげられ、スーパーツィーターも乗る。そしてみんなが帰った後、僕は一人スタジオに残り深夜まで音楽をきく。深夜だから、それほど音量は上げずに(と言っても多分常識的音量よりは少々大きく)三日ぶりのオーディオを楽しむ。もし写真展がなくて毎日きいていたら、こんな風には楽しめないだろう。

普段、僕はほとんど音楽漬けだけど、音楽やオーディオの専門教育を受けた経験はない。写真学校へも行かず、写真を撮ってギャラをもらい教えたりもしている。写真学校で数年間学んだ人が全部プロカメラマンになったら世の中はカメラマンだらけになるし、音大卒業者も演奏家になれるのは一握りだ。僕はとにかくものすごく遠回りをしながら写真やオーディオと付き合ってきている。毎日毎日失敗しながら、ほんの少しの成果(もしあればのハナシだが)を残し、それを積み重ねるという、極めて効率が悪い方法でやってきている。 2003.4.9

 


山本さんのスタジオに伺うと、「席が遠いなあ」と思ってしまいます。サウンドステージは大変大きいのですが、やや離れた位置から音楽、音の展開を愛でる、といった感があったのです。しかし、今回聴き始めますと、以前に増して音楽の展開が克明で、飛んでくる音の鮮やかさに何度もはっとさせられ、KEFとの距離が適切であることを納得致しました。最新の山本サウンドは、音の浸透力が強まり、強靭でしなやかになってきたようです。空間を描く能力を高度に保持しながらも、切れ込みが鋭くなり、全域に渡ってハイスピードでした。特にサーロジックサブウーハーの加入で、音に余裕が生まれ、陰影が深くなり、さらにはパルシブな音に対する反応力は飛躍的に増大したのでKEFが小さな巨人となったかの如くです。オーディオ的快感が詰まっていました。山本さんは「以前より音が柔らかくなったと思う」とおっしゃっておられましたが、私には、その音触が音楽によってとても柔らかかったり、けっこう硬くもあったりして、その変化の幅を楽しんでおりました。しかし、音の表現の幅で言えば、LPの音はカートリッジやアーム、フォノイコを換えることで自在に万華鏡のように変幻するので、その楽しさはCDを圧倒します。モノラルLPの音の凄みには唖然とするしかありませんでした。太い幹に支えられて多様な美しい花を咲かせる植物のようなシステムと申しましょうか。素敵な時間をいつもありがとうございます。
  3月29日 川崎一彦

3月末に川崎鹿野ご両人にきいてもらった時より、多分今の方が音は良い。写真展のためにKEFを移動して、戻した際にスピーカーを床に直に置いてみた。すると、笑いが止まらないぐらい良い方向に変化した。「なーんだ、こんなことでこんな風になるのか」って感じだった。去年の5月か6月頃からKEFと床の間には、硬い木と金属を組み合わせたブロックを挟んでいた。その間にプリアンプも変わったし、色々な事が変化しているので一概には言えないが、現在の状態だと床に直置きは素晴らしく良い。スピーカーも左右逆にしたし、料理の時フライパンを持って「ホイッ」って感じでひっくり返すみたいな事を時々やってみるのも悪くないと思う。 2003.4.10

最近やっと気が付いたのだが、DDコンバーターのP-1Aは一旦電源を切って再投入すると(あるいはそれを繰り返すと)音が変化するようだ。変化すると言うか、もっと正しく書くと不安定なようで、同じ音にならないみたいだ。こういうことは数値で確かめることが出来ないので 、、、ようだ。 、、、、みたいだ。 という書き方になってしまうけど、そんな感じがする。 2003.4.11

そろそろ夏みかんの季節なので近所の自然食品の店に行ったが、今ひとつピンとくる物が無くて買わずに帰った。マーマレード食べたい。無農薬夏みかん欲しい。

写真展を見に来てくれた富田さんに、マーク・レヴィンソン氏の本を貸してあげた。この本の所有者は某出版社の副編集長で、彼が極悪人代表に貸し、そこから僕のところへやってきた。僕がこの本を読んで「こんなの俺でも書けるわ」と思ったかどうかはともかく、富田さんに「マーク・レヴィンソンが書いた本読んでみる?」って聞いたら「読む」と言ったので袋に入ったまま手渡した。

あれからもう5日ほど経ったので、読書の成果はあったかなあなどと思いながら富田さんに電話してみると「あ、そうだ忘れていた」と言って電話の向こうでガサゴソと音がし、「へえーこんな本だったのか」と言っていた。

そして、オーディオの話になり富田さんが「AETの新しいラインケーブルには驚いた。今までずっと不満だったことが解消した」と言う。「僕もそう思うよ、あの定価48.000円は価格破壊的だよね」と話し合った。僕は今のところDAC-プリに使っているが、プリ-パワーに入れたりフォノにも使ってみたい。でも、こういうのはいきなり全部やってしまうとつまらない。徐々に楽しみながら、時間をかけて効果を満喫するのが良い。 

明日4/12の午後は戯れる会で、また集まってあれこれ楽しむ。LINNのカートリッジは「ASAK」「ASAKA」「トロイカ」「クライド」「アーカイヴII」という5種類が集まったので比較試聴もするつもり。で、今はよっちさんが貸してくれた「クライド」をシェルにつけてきいてみているのだが、これはとても好ましい音質だ。 2003.4.11

4/12に行った戯れる会の感想の一部を乱用させていただきます。

 <<<今日のオドロキ!>>>

「優しい雨」。これはやばかった。
私は鈴木祥子のSwallowという曲が大好きなのですが、小泉今日子の「優しい
雨」が鈴木祥子の曲だとは、うかつにも知りませんでした。
この曲は、kyon2が緒形直人と共演した「愛するということ」というテレビドラ
マの主題歌で、私は毎週このドラマを奥さんに録画しておいてもらい(金曜9時
からなので、リアルタイムには見れなかった)、土日に見ては涙しておりまし
た。
いいドラマだったんですよお(笑)。

ということで、鈴木祥子本人の「優しい雨」には、もうメロメロでした。
昨日のうちにヤフオクで落札したのは、言うまでもありません。

このCDを山本さんに紹介された、川崎さんにも感謝です。
お会いしたら、キスしてあげたいくらいです。(なんだそりゃ)

僕も川崎さんが来た次の日には鈴木祥子「RadioGenic」を買いました。そして、4/12の戯れる会会合では絶対にこのCDをかけようと決めていたので、柳瀬さんと河野さんが「この歌は小泉今日子のはずなのにこれはなんだ」と言った時は、「お、きたきた」っていう、へら鮒釣りで竿がしなって寄せてきているような気分でした。キスをしてあげるのなら、川崎さん+川崎さんに鈴木祥子を教えてあげたtogamiさんにもね。  2003.4.14

 

 

サウンドクリエイトから拝借した電源BOXはFISCHというメーカーの物で、写真の通り大柄なものだ。太い電源ケーブルを何本も差すとひっくり返ったりするので、ある程度重さと大きさのあるタイプの方が安定する。これは一列なので、壁とラックの間に置けるので、大きさの割には使いやすい

これはアナログ4 口+デジタル2 口だけど、アナログのみ6 口もある。写真の物は壁コンからの電源ケーブル付きだが、これを取り外せるものなど、いくつかタイプがあり、価格は75.000円ぐらい

音は予想以上に変化し、僕のところでは柔らかく暖色系の方向に変化した。左上にチラッと見えるのがFISCHの電源ケーブルで、これも何種類かあるが、こちらは逆にキリッとする方向だった

でも、他のお宅では違う結果が出ているようなので、興味のある方は試してみて下さい

 

音に関する今年の目標は「濃くする」で、このページの最初の方にもそれは書いてある。徐々にではあるが、音は濃い方向に変化しているようだ。3月の誕生日には減量をするとも書いていて、今のところ1.5kgほど体重が減った。今日は、朝8時半に軽い朝食を摂り、昼は普通に食べ、それから午後は何も口にせず、スタジオから東大の地下プールまで歩いて行き、7時から約40分で1.200mほど泳いだ後、腕立て伏せを35回やって腹筋を50回やり(どちらも連続ではなく10回づつ)、その場で軽くジャンプしてしゃがんで立つのを40回やった。一緒にやっているのは読売新聞社の平均32才ぐらいの男性たちで、僕はほとんどハンガーノック状態になり、東大から歩いて帰るのがやっとだった。まあ、そのうち慣れるだろう。僕は決してストイックな人間ではなく、ただ単に好きな事をやっている。音も体も自分の気に入った状態を保ちたいだけだ。 2002.4.15

 

 

 

先日LINNのカートリッジ5種類をきき比べた時に、ある人からアーカイヴIIも貸してもらったので、このところずっときいてみている

アーカイヴIIはちょっと前まで現行機種だったので、音質が気になる人も多いのではないかな

ある時期以降のカートリッジは、各社みんな似た傾向を持っていて、どれも高解像度で空間表現にたけ、しかもイヤな音を出さないという点で一致している

アーカイヴIIもその仲間で、安心して楽しめる高性能だ、そして上品さが魅力だった。集まった人とも話したのだが、このタイプを一個所有しておくと一安心で、あとは個性的なカートリッジをうまく手に入れて楽しむのが良い

今日の昼間は暑くて今年初めて半袖になった。このぐらいの季節は音楽をきくのに最高だ。せいぜい楽しもうと思うのだが、何か良いソフトはないかな。久しぶりに「ばらの騎士」のCDをきいているが、やはり今までで一番良く鳴っている。この先はどうしたらよいのだろうと考えながら「魔笛」もきいた。 2003.4.19

魔笛と言えばやっぱり夜の女王で、ルチア・ポップより年下のグルベローヴァが母親役だったりして、面白いのです。あの高い声が楽々出て、しかも楽器の音みたいにならず、肉声感を保ってきこえる歌手ってなかなかいないのですね。

 

 

これは近いうちにレオンという名前で発売されそうな電源BOX

まず、佐藤さんに試聴してもらったが、彼のところでは「いま一歩」みたいな感じで戻ってきた

上のFISCHは僕のシステムでは「音を根本的に見直さなければならない」と思うほど音が変化するので、採用できなかったのだが、佐藤宅ではかなり結果が良いらしい、

そこで僕がレオンを試してみると、欲しい部分が割と良い方向に変化した

オーディオはやっぱりよくわからない。だから「ダメかも、とか、良いかも」とは言えても、絶対に悪とか絶対に良いとは言い切れない

AETの新ラインケーブルは、山本佐藤富田サンクリ中尾が絶賛だけど、まるでダメという人もいるんだろうなあ

今日は体調が今ひとつ良くなくて、スタジオで音楽をきいていても椅子に座っておれず、横になっていた。体調と言っても、体ではなく心因性らしい。こういう時は心を支えてくれる音楽、僕にとってはバッハとかベートーヴェンのある種類のものを、横になりながらきき続けて過ごした。 2003.4.20

本当にレコードきく割合は減っていて、CDをよくきいている。昨日は気分がすぐれない事もあり、長時間音楽にひたりたいと思い9割はCDをきいていた。KENWOODには久しぶりにオルトフォンのSL15をつけた。弦の音とかはすごく良いけれど、なにしろ低音が「ドーン」っていう感じで解像度を云々する以前の世界だから、そのあたりは割り切ってきくしかない。 

夕方、G・ヤノヴィッツの「四つの最後の歌」と同じCDに入っているR・シュトラウスの「メタモルフォーゼン」をきいた。メタモルフォーゼンは葬送の音楽と言うか、死臭が漂うような音楽だといつも思う。だから毎日こんな音楽をきいていたら気が狂いそうになるけど、今日は久しぶりにきいている。サブウーハーが入ってからはスケール感が随分違うので、オペラとかオーケストラものは以前よりずっと良く鳴るようになった。

G・ヤノヴィッツは15年ほど前、知り合った声楽家のおばさまに教えてもらった。「ばらの騎士」も「オーヴェルニュの歌」もこの人から教わった。初めてばらの騎士のVTRを観た時「難しくてよくわからない」という感想を述べると、「あなたはまだ子供だからわからないのね」と言って少しさびしそうな顔をした。 2003.4.21

バッハの「我、御身を呼ぶ」がききたい。「来たれ、異教徒の救い主よ」の方はブレンデルが1991年に出したハイドンのソナタ44番とベートーヴェンのOP:110が入っているリサイタルみたいな内容のCDをきいていて、これはかなり好んでいるのだが、「我、御身を呼ぶ」は今のところ、これが一番というCDに出会っていない。以前は井出よし江さん(僕が自主CDを作ったピアニスト)が、リサイタルのアンコールで弾いたものをきいていたのだが、今はDATがないのできくことができない。 2003.4.22

思い切って、というほどではないが、D.Cubeを50Hz以下で使い始めている。最初38Hzからスタートし、41-44-47と上げてゆき(普通は下がるもののような気もするけど)、ここ数日は50Hzにしてみている。結果は悪くないようだ。製品版のD.Cubeの方がややスッキリした音調で、量感が出ないのでこんなところに落ち着くのかも知れない。とにかく何をきいても影響があるので、と言うかLPもCDも区別なく普通に使えるので、現在はこのサブウーハーなしに自分の音は考えれられない。 2003.4.23

このHPに自分のオーディオの事を書き始めてから満4年を過ぎ、5年目に入ろうとしている。言葉では上手に説明が出来ないのだが、僕の中で何かが変化しつつある。RPG風に言えば「面が変わった」というような感じだろうか。そして、色々考えた結果、一年間使ってきたコニサー2.0をやめてしまった。だから、KENWOODのアームとSTUDIETTOはブーメスタのフォノイコに差し替えて使っている。差し替えは特に面倒という程でもないが、最近はSTUDIETTO(この一年間はあまり使わないできた)をよくきいている。 2003.4.29

やりすぎは良くないと考えて、今はとにかくやりすぎないように心がけている。夜もなるべく早く寝ることにした。信号無視や車線変更を繰り返しても、結局到着時間はほとんど同じなんてことがあるけど、多分オーディオにしてもHPの運営にしても、似たような状況がある。だから、少し緩めることにした。 

そんなわけで、もちろん音は出してるけどあまりブリブリはやらず、昼間は読書とマーマレードづくり、夜はマルチフォーカスチューニングの取材。死ぬまでに夏目漱石をちゃんと読んでおくのも悪くないかな、などと思い始めている。

オーディオベーシック誌で連載中、マルチフォーカスチューニングの取材は割とうまくいった。成果があったのでみんな喜んでいたし、僕も嬉しかった。 2003.4.30

現像所に行ったついでに、久しぶりでマーブルディスクへ寄った。相変わらずの状態だったが、欲しいソフトは無く、何も買わずに帰ってきた。スタジオに戻り腕立て伏せを15回やってオレンジマーマレードを作り(夏みかんが20kgある)、これまたものすごく久しぶりにベートーヴェンのチェロソナタ(ロストロポーヴィッチとリヒテルのやつ)と、随分前に買ったビートルズのベスト盤をきいた。オーディオの実験は戯れる会でやった方が面白いので、日頃は普通に音楽を楽しんでいる事が多くなった。 2003.5.1

今夜はすごく久しぶりに、広木さんちに行く予定。彼の音も随分長いこときかせてもらっていないので楽しみだ。広木さんのお宅は沢山のLPがあるので、良いLPを何枚か手に入れたい。

広木さんちに行ったら、ふるーいタンノイを使っている人も来ていて、色々な話をした。彼らが言うには「誰だかのところにSTUDIETTOが導入される」らしい。それはそれは楽しみです。広木さんが使っているプレーヤー「ジャイロデック」はとても美しかった。軽い風邪のせいか、僕は夜の10時半を過ぎると眠くて眠くてどうにもならず、LPを10枚ほど借りて帰ってきた。

 

 

ある朝目覚めると、枕元にこのようなカートリッジがあった

オーディオ好きな神様からのプレゼントらしいので、有り難く頂戴し、早速音を出してみた

このようなものの音をきいたことがある人はほとんどいないと思うが、言葉では語れない音であります

今度の戯れる会で皆さんにおきかせしましょう

連休中に友人がスタジオに遊びに来た。僕より10才ほど年下の女性が愛聴盤だと言って持ってきたCDは4枚で、三橋美智也とマリア・カラスとフジ子・ヘミングとSMAPだった。彼女はとても楽しんでくれたし、僕も楽しかったけど、ちょっと不思議な体験でもあった。僕は「王様のレストラン」で山口智子が橋幸夫をきいていたのを思い出していた。 

オレンジマーマレード作りは結局4日間かかり、遊びに来た人に夏みかんをあげたり大家さんに食べてもらったりもして、20kgの夏みかんがやっと目の前から消えた。みかん星人の山本だったなあ。ウゴウゴルーガなつかしい、ポンキッキーズなつかしい。昨日は6月末にStudioK'sで行う作品展に乱入するために、出品者のポートレートを撮影して盛り上がった。そんなわけで、みんなが帰ってからしかアンプのスイッチを入れられなかった。風邪はまだ直らず、やたらと眠い。 2003.5.5

連休明けのジャパンネット銀行はひどく混雑していて、ちょっとイライラさせられた。その上、オークションで落札した代金を二重に振り込んでしまい、銀杏のまな板が二枚届きそうである。なかなかうまくいかないものだ。CDもLPも、オーディオには殆ど不満がなくきいているが、時として不満がないのが不満みたいになるからオーディオって良くないよなあ、、、。

そうそう、噂によると、ウナギイヌ君が一組あちらやこちらへ遠征しているらしい。 2003.5.6

スポーツをした後で飲むビールはうまい。世の中にはおいしくビールを飲むためにスポーツをやっている人も沢山存在する。では、楽しく音楽をきくために、何をどう耐えたり、どのような状態を設定すれば良いのだろう?  2003.5.7 

D.Cubeというサブウーハーを左右1台づつ使用すると、非常に豊かで自然でスムーズな低音が得られる(しかも、すごく簡単に)。これはまったくその通りで、かなりの高級スピーカーを持ってきても、こんなにスケールのある再生音ってのはそうそう得られるものではない。とりあえず1台導入すると、まさに劇的変化があり世界が変わる。しばらく使って、もし物足らなくなったり、さらに望むのであれば、もう1台追加という方法も可能だ。

この優秀なサブウーハーは世界中どこへ持っていってもその性能を発揮し、購入した人を幸せにすることだろう。低音にも中高音にも、、大音量でも小音量でも、大編成にも小編成にも、大型システムも小型システムも、すべてに良い影響だけを与え、わざとらしさなど皆無で、しかも調整は5分ほどで済み、あとは音楽を楽しむだけだ。 2003.5.8

 

 

 エリー・ナイの芸術

一枚づつレコード探さなくちゃなあと思っていたのだが、こんな12枚組のCDが出ているとは知らなかった

宇野巧芳氏をはじめとして、ベートーヴェンのOP:111はエリー・ナイの演奏がベストだと言う人は多い。僕は借りたLPをDATにとって、長い間それをきいていたのだが、CDがあればなあと思っていた

吉田秀和氏はエリー・ナイの生演奏をきいた感想の中で「ドイツ人の、音楽と宗教を一体化して考えるところは好まない」みたいな事を書いていた

いろいろな考えや感じ方がある

この二日間はスタジオで10万円台で買える現行カートリッジを何機種かきいて過ごした。このことは次号オーディオベーシック誌に掲載される予定です。上に写っているまな板も使い始めている。

どうも最近へんな風邪をひいていて、寝込む程ではないがパッとしない体調だった。欲しい機器もないし、いまひとつオーディオはやる気が出ないでいた。ここ数ヶ月、ずっと似たようなパンを焼いていたが、昨日作ったパンは一段階上に上がった物ができた。もう少しだと思う。

富田さんが例の本を返しに来て「SISの大野さんは、最近ボサノヴァをよくきいている」と言っていた。ボサノヴァを生んだ男とその妻が、アメリカのジャズ界にデビューしたアルバムをきかされたそうで、それは「ゲッツ&ジルベルト」と言うか、ブラジル音楽好きに言わせると「ジルベルト+お邪魔なゲッツ」という事になるらしい。まあ、邪魔かどうかはともかく、ブラジル音楽に慣れてしまうと、リズムだけを比較しても他の音楽を単調に感じてしまうのは確かだ。 2003.5.11 

エリー・ナイ12枚組のうち僕は3枚ぐらいをきいたことがあるようだ。シューベルトやシューマンを弾いているのはきいたことがなくて、毎日少しづつきいている。HMVで5990円だから一枚平均500円で、大変にききごたえのある演奏だし、タダみたいなもんですね。これらがLPで発売された頃は、ものすごく高価で貴重なものだったが、今はこうしてタダみたいな値段で堪能することが出来るようになった。僕たちが手に入れているものと失ったものを、差し引きゼロだと言ってしまっては悲しいように思うけど、どうなのだろう。手に入れたものの方がずっと多いと思える人は幸せな人生なんだろうか。 2003.5.12

思わず声を出して笑ってしまった。某掲示板の極悪人スレッドのことです。僕がHPの中で初めて「極悪人」という言葉を使ったのは多分ここだろうと思う。それからこういうのもあった。いやあ、こわいですねえ。最初はトリオだ、カルテットだという程度だったが、今ではどんどん増殖してオーケストラぐらいには育っているかもしれない。真の極悪人が誰かということですが、極悪人代表はもちろん右から二番目の方に決まっていて不動です。一番左の(ワーグナーの妻みたいな名前の)人の怪しさもただならぬものがあります。 2003.5.13

この春はいくつか思いがけない事が起きていた。もちろんめげたりやる気をなくす事ばかりではなく、良い出会いもあり、そのおかげか少し希望がわいてきた。風邪のせいで二週間水泳を休んでしまったし、少し立て直そう。オーディオはいつも書いている通り大きな不満はなく、CDやLPを楽しんでいる。そろそろオーディオベーシック誌の原稿書き(いつも大変だけど、今回もけっこう苦労)や撮影も一段落しつつあるので、またどこかへ音をきかせてもらいに出かけようかと思い始めている。

この前、川崎さんが僕のところに持ってきたCDは鈴木祥子の「RadioGenic」と「アンネ・ゾフィー・フォン・オッターとエルビス・コステロ」のCDだった。オッターは僕が東京文化会館でクライバー指揮の「ばらの騎士」を観た時のオクタヴィアンだった歌手だ。石丸に買いに行ったんだけど在庫が無くて、戯れる会の時にわざわざ大阪の御田さんに持ってきてもらってきいたりしていて、先週やっと買った。中身はみんな良いんだけど、10曲目にロン・セクサミスの曲が入っていて「へえ」って思った。4月は色々あったから、このロンセクの曲にはまいったなあ。涙出そう。 

そして、13曲目の「For No One」はカエターノも「クアルケル・コイザ」というビートルズっぽいアルバムの中で歌っている。今のところ一番気に入っているのは8曲目の「Like An Angel Passing Through My Room」かなあ。ベニー・アンダーソンってのはABBAだったかね。 2003.5.14

今日は朝9時から撮影の仕事をしていた。一緒にロケをしたNさんに「昼はスタジオに和田博巳さんが来るんだ」って伝えると、「はちみつばい」のファンである彼は、「昼頃LPを持って行けばサインしてもらえるのに、仕事で行けず残念」と言っていた。二時間ほど一緒に音楽をきいて帰った和田さんは、もう札幌に着いた頃かな。 2003.5.16

昨日は長い間買おうかどうしようかと悩んでいたノート型のパソコンを買ったので、それをいじくっていた。そして今日は朝からモノクローム講習会をやっていたので、夜になってやっと音楽をきけた。他人に何かを教えるのは楽しいけど、こっちも一生懸命だし、すごく疲れているからやはりそんな後でききたい音楽は「なごみ系」になってしまう。 2003.5.18

そういうわけで、一昨日からStudioK'sも無線LANを導入し、台所や和室からでもメールを見たりHPの更新が出来るようになった。プリンタをワイヤレスで動かしたりってのはまだやれてないのだが、OS Xと9を切り替えて使ったり、あれこれやってみている。だから、オーディオも機械いじりはせず、ただただ音楽をきいている。先日和田さんに教えてもらったCDをアマゾンに注文したので、早ければ今日あたり届きそうだ。ジャケットも良かったし楽しみだな。  2003.5.19

その和田さんからメールが届いた。

 山本様
和田です、いやあ2時間があっという間でしたね、本当に楽しい時間をありがとうございました。
帰り際に私「今度来た時は1時間一緒に音楽を聴いて、それから3時間くらいゆっくり話がしたいですね、とにかくぼくはたくさん話をしたい」と。山本さんニコニコと頷いていました。
あわてもののぼくが忘れた眼鏡を、わざわざ追いかけて届けてくださったり、感謝感激です。コーヒーもとても美味しかった。ぼくは25年以上自分で飲むコーヒーは自分で焙煎しているのですが、自分で焼いたコーヒーの味にちょっと似た感じのフレンチローストで美味しかった、山本さんの淹れ方も上手なのかな、今度行ったらまたご馳走してくださいネ。
あと、もうひとつ嬉しかったのは山本さんが自転車マニアだったこと。アマンダの軽快車がさりげなく置いてあって、アマンダなんてオーダー車は普通の人は知ってるわけないから「あれぇ、自転車好きなんですか?」って、すると今度は奥からカーボン製のレーサーを持ち出してきました。ぼくが「実はぼくも自転車大好きで、15年程前は市民レースに出てたんですよ、ヒルクライムが大好きで…、デローザやコルナゴとか乗ってました」。いやあ、何があるか分からないから、人との出会いは嬉し恥ずかし、ついでに楽しいってことでしょうか。子供が出来てからはぼくは全然乗る暇がなくて全部処分しちゃいました、置く場所も無くて。ってその話はしたんですよね。現在はナショナルのフル・アルミの軽量ママチャリが愛車、これで札幌市内をスイスイと走っています。近年はケーブルテレビやスカパーでツールだけでなくジロや、さらにパリ=ルーべみたいなワンデー・レースまで見ることができます。原稿書いてる暇なんか無いよー、というくらいつい熱中して見てしまいますね。でも一度見出すと4〜5時間があっという間に経っちゃうからなあ。自転車レースも面白い事この上なしですね。ヨーロッパではサッカーの次に人気があるっていうくらいメジャーなスポーツなのに日本じゃトホホな感じなのは残念としか言いようがない。

和田さんと「ニューサイクリング」の今井編集長の話をするとは思いませんでしたから、とても驚きました。僕はずっと自転車に乗っていますが、速く走るのはダメで特に上り坂は大嫌いなので、和田さんとは正反対のタイプですね。

これは、新しく手に入れたiBookをスタジオから持ち出して、某イナミックAudio Soundハウスの無線LANを拝借し、音の殺し屋店長と「永福町のJoao」の噂話をしながら、アップロードしている。

これをアップロードして見せたら、「これからは音の生かし屋店長と呼んで欲しい」と言う。「じゃあ、音でいかせ屋にしてあげようか」と言ったら「いかせ屋は紫色の人がいるので、やっぱり殺し屋でいいですよ」という事になった。  2003.5.20 

さて、ひさしぶりに聴いたStudioK’sの音は1年前とガラリと変わっていてビックリ。1年前はコニサー2.0にすっかりやられてしまったぼくだった。腰のとろけるような幽玄で官能的な音、古楽器を使ったバロック音楽だったかな、もうどうにでもして頂戴といいたくなるようなまったくの受身状態で、このままずーっと永遠にへろへろになりながら聴き続けていたい、そんな一種麻薬的な、それは美音であった。だからCDの音も聴かせていただいたように思うのだけれど、それがどんな音だったか全然記憶にない。とにかく素晴らしい、それはアナログレコードの音であった。これだけしびれる音が出るんだったら別にジャズやロックが物足りなく感じたっていいや、そう思った。ところがである、今回聴けた音はシャープで繊細かつ力感も出てきてた。下のほうもドーンと延びた感じがありしかもだれたところが無い。そう、よく延びた高域に本当の低音域がうまくバランスして、素敵にワイドレンジなそんな山本サウンドになっていた。ジャンルを選ばず何でも楽しめる、そんな感じ。自分が持っていったスサーナ・バカのCDからカエターノ・ベローゾ作「13de mayo」を聴いて、思い切り楽し
んじゃいました。ビル・フリーゼルの新譜も楽しく聴けたな。山本さんはレコード・プレーヤーの写真が使われたジャケットを確かデジカメで撮影していたような。レコードの音も意外や力があって、音がすっ飛んできた印象でした、あれはジックス?いや手造りとか言っていたモノ-ラル・カートリッジですか?ボーカルアルバムだったけれど、日本盤のプレスティッジ・レーベル、ということはビクター・プレス?、それにしてはすごくジャズっぽくていい音でした。同じジャズアルバムをCDとレコードで聴き比べた場合、絶対レコードの方がワイルドな音になるのが正しいと、そう信じて疑わないぼくとしては実に納得できる音でした。でも1年でなんでこんなに変わっちゃうんだろう。「コニサー2.0の音が使ってるうちにどんどん変わってきて、あの幽玄な音はもう出なくなっちゃった、でコニサー使うのやめました」と言ってましたが。それにしても今の音ならぼくでもそんなにスピーカーににじり寄って聴かなくても、ばっちり聴いた気になれる、ほんと良かった。
以上が感想文でした。

またそのうち今度は時間をもっと作ってお邪魔しようと思います。そのときはまた面白い話を色々聞かせて下さい。あとDAC64良かったら1ヶ月くらいお貸ししましょうか。ぼくは全然問題ないので、よろしかったら遠慮なくおっしゃってください。ではでは。
   和田

 

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ここ10日間ばかり、基本的にはオッターとコステロのCDしかきいていないという状態で、とにかくオッターの歌声が頭をグルグルしているのでした。才能のある人が、とても丁寧な良い仕事をしたという感じでしょうか

で、そこへやってきたのが和田さんに教えてもらったこのCDです

見てやって下さい、このジャケット。なつかしいVUメーターですぜ。録音もけっこう良い。内容は、わざとはずしているようなところがあって、中南米っぽかったり中近東っぽかったりアジア的だったり、でも、ふざけている感じやわざとらしい印象はない。ただ、このはずし具合を楽しめる人とそうでない人は存在するかも知れなくて、僕はかなり楽しんでいる。何だかわからないけどきいていてニヤニヤしてしまうCDなのです

 外出から帰ると、StudioK'sの玄関にカエターノがいた。

 八王子にお住いで在住のGilbertoさんからのプレゼントらしい   2003.5.21

 

 

右のLPは1978年に発売された日本盤で、僕はCDとオリジナル盤を持っている。オリジナルは左側の色鉛筆で描かれた虫の絵のジャケットだ。この絵を誰が描いたかは知らないけど、カエターノは絵も上手な人です

カエターノのアルバムはハズレがないけど、中でもこのアルバムは割と重要な曲が沢山入っていて、よくきいている

今日の午後は戯れる会だ。前回は4/12だったので、約一月半経っている。その間、機器の変化は、LINNのブルーケーブルを使った電源タップからSAラボのハイエンドホースを使った電源BOX(北海道の人が作ったもの)になっただけで、その他はまったく同じだ。スピーカーの位置も変えていない。でも、音はけっこう変わったと思う。戯れる会の年度は5月〜4月なので、2003年度の例会は初めてで、今日は初参加という人が半分ぐらいいる。「気の合う人達だといいなあ」と僕は思っているのだが、それは多分初参加の人達も同じで、お互い様というやつだ。

この会に入会するメリットというのは、HPを読んでいるだけだと多分理解できなくて(僕もあまり書かないし)、うまく波長が合えば得るものは沢山ある。得るものというのは、他人の感想だったり、自分の体験だったり、場合によっては機器が安く手に入ったりもして、色々あるので一概には言えないし保証の限りでもない。集まってオーディオを楽しむだけではなく、僕は人と人が有機的な結合をするシステムを作っている。 2003.5.24

戯れる会は楽しかったけど、けっこう疲労した。あと数ヶ月すればすこし楽になるような気がする。多分、これもお互い様だろう。とにかく、他人に音をきいてもらうというのはすごいことで、しかも参加者持参のソフトも20枚近くかけているわけだし、漠然と「もう少しこうならないかな」とか具体的に「あそこを何とかしたい」とか、終わったあとは色々考えることがある。そういう意味では、期待に応えているかどうかはともかく、ずっと試合はやっているから、鍛えられ続けていることは確かだ。 2003.5.25

去年、オーディオの文庫本を出した「えい出版」から、「リコーGRシリーズのすべて」というコンパクトカメラのムックが出て今本屋さんに並んでいる、その本には僕のスタジオでモノクロームプリントをしている女性が二人登場する。 2003.5.26

午後、まだ未発表のスピーカーの試聴をしたので、その後久しぶりにオーディオ機器をいじくった。iBookとAirMacのおかげでスピーカーの正面で音をききながらこの文を書き、アップロードしている。リスニング用の良い椅子が欲しい、なんて、いつもそんなことを考えている。

珍しくオーディオをいじり、こうするとこうなり、ああするとああなるというようなわりとハッキリ違いがでる事柄を発見したので、次回の戯れる会は「よっしゃ、しょっぱなから思い切り実験モードでいってみようか」などと思い始めている。

このところずっと、出来ることなら落ち着いていて穏やかな音になって欲しかった。解像度や情報量や透明感なんてどうでも良いとは言わないけど、とにかく、きき心地を悪くしてまで解像度や情報量や透明感を追求する必要はないと思っていた。

スピーカーを替える気はないし、その他の機器も特に不満はない。ケーブル類は少しいじってみても良いかなと思っていたのだが、よく考えたら手許にスピーカーケーブルがもう一組あった。 2003.5.27

それはAETのガイアで、一年ほど前、バイアンプだった時は中高音用に使っていたが、シングルアンプにしてからはずっとMITのMH750だった。この一年間(どっちみちKEF105の音であるという範囲内の事ではあるが)かなり音は変化しているし、詰めてもきている。そしてGAIAは一年間使っていなかったので、これを使ってみることにした。

スピーカーケーブルを試す前に、プリからD.Cubeへのケーブルを1.5mのRCAから1mのバランスケーブルにした(両方ともD.Cubeに付属のケーブル)。そして、村田さんの話ではRCA入力とバランス入力では感度が違うとの事だったので、もう一度D.Cubeの設定も変更した。何故必要以上に長いケーブルを使っていたのかというと、D.Cubeの二台使いを試した際、もう1台のD.Cubeを左側のKEFよりさらに左側に設置するために長い物を使い、そのままになっていたのだった。

D.Cubeが1台だとD.Cubeを置いた方に低音が引っ張られるとか、1台だけだと目一杯な感じがするという人もいるが、そう感じる人は2台にすれば良いわけで、確かに2台だとそれはそれは素晴らしい世界だ。でも僕は1台でも特に大きな不満を感じないし、置いた方に低音が引っ張られるかどうかは、あらかじめD.Cubeを2台置き、どちらかだけを鳴らしてそれをブラインドで言い当ててくれなければ認められない。そして、仮に誰かがそれを100%言い当てたとしても、それはその人の耳であり僕の耳ではない。

D.Cubeを2台にするかどうかは色々考えた。今だって持ってこられたら、やっぱり欲しくなるだろう。でも、でも、D.Cube2台の余裕には大変魅力を感じるが、僕はやっぱりサブウーハーってのは3Dが好ましいと思っている。その理由は、この例えが適切かどうかちょっと心配だけど書いてみよう。サブウーハーを二台にするとKEF105がLINNのコムリになってしまうわけで、それは僕のスタイルではないということなのだ。元々僕はKEFを目一杯歌わせている。そして、僕の音は基本的には中庸であるにもかかわらず、常にある種の危うさをもとめている。それをキャッチできるかどうか、そのあやうさを好むかどうかは人によるけど、それはずっとそうだ。

6月の土日は、モノクロームプリントや写真展やデジカメ講習会などで全部予定がうまってしまい、一日だけ残っていた日曜日が戯れる会になった。それは6/8なので、スピーカーケーブルの試聴はこの日に体験してもらうつもりだ。もちろん僕自身の結論は出ている。それと参加者の好みが一致するかどうかを実験するつもりだ。 2003.5.30

スタジオの近所に「ハイテックオーディオ」という看板がある。でも、店はほとんどやっていなくて、時々あいている時にチラッと覗くとガラード301が沢山置いてあるのが見えた。ここは、昔はSS誌にも広告を出していた知る人ぞ知るショップだ。最近店の前によくクルマが止まっていてシャッターが開いているので、立ち止まって見ると、以前は沢山あった商品がほとんど無くなっている。移転するのか、閉じるのか。わからないけど、ちょっと複雑な気分になった。 2003.5.31

本当は先日の戯れる会で教えてもらった「オル・ダラ」のCDを買いに石丸へ入ったのだった。ところが、お目当てのCDは在庫がなくて、「オ・タオ・ド・トリオのカフェ・カエターノ」というCD(他3枚)を買って帰った。これは先日永福町のJoao宅で教えてもらったCDだ。この、ブラジルの女性3人組がカエターノの曲を歌っているCDの中で一番オッと思ったのは、ジョイアというアルバムに入っている「モダン・ポプコーン」だった。「7千回」(コーリス・ノーミスより)は女性三人かかってもカエターノの色気にはかなわないねって感じかな。 2003.6.1

今週の木曜日は、二年ぶりに「キラー店長」のお宅へ行く予定だ。 2003.6.2

この数週間はコンピューターいじりで忙しかった。なぜそんなにコンピューターなのかと言うと「デジタルカメラで本格的に仕事をするための準備」ということになる。ポラで試し撮りが出来ないカメラでの撮影は辛い。撮影から帰り、家人に「お疲れさま、撮影はうまくいった?」と言われる度にいつも「今はそういうことは言わないで欲しい」と答えた。プロカメラマンは、撮影してから現像が上がってくる間ものすごくナーバスになる。本格的にデジタル化したら、ポラを温めている間に画像が出て、それでOKなら撮影完了になる。もちろんデジタルならではの危険性もあり、バックアップをとるなどの注意を怠ってはいけないので、ロケにはノートパソコン必携になるかも知れない。とにかくデジタルカメラで仕事が出来るというのは画期的な出来事だ。デジタル化すると、お手軽なのでその分いい加減にやってしまう人と、その分をクオリティアップに向けられる人に分かれるのかも知れない。

撮影だけならまだしも、このHPのことや原稿書きや、全部に対してストレスがない状態を作りたいので、コンピューター問題は苦労する。クラシックもジャズも声も爆音もみんなある程度うまく再生したいと思って、あれも欲しいこれもほしいと考える僕の欲張りなオーディオと一緒だろう。 2003.6.3

ここ二週間ほどで、いくつかのオーディオ製品がスタジオに持ち込まれ、試聴をした。でも、残念ながらまだ公表できない物ばかりだ。 

オーディオベーシック誌は来週あたりには書店に並ぶ。アナログ特集の第一弾で、僕はモノラルカートリッジや、中堅カートリッジ5機種の試聴記事を担当した。アナログ特集の第二弾があるんなら、やっぱりライラのTITAN(タイタン)45万円なんていうのを試聴してみたいものです。 2003.6.4

 

「明日はキラー店長さん宅へ姫をお連れして生け贄にささげますよ」 
「うちの部屋に来れば皆殺しだからそれはないな、山本さんも一緒」
「おお、さすが殺し屋店長、お見それしました」

彼は立派なオーディオ極道であるが、女性には弱いらしく姫に一人でやって来られるのは困るらしい。それはわかった上で、「知り合いなんだし、僕は行かなくてもいいよね」と言うと、「山本さんが一緒に来てくれなくちゃダメ」との返事なので、僕は恩着せがましく「しょうがないなあ、じゃあ一緒に行ってあげるよ」などと言いつつ、あの雨水彫刻は二年間でどこまで完成に近づいているのだろうかと、楽しみにしている。 2003.6.5

ああ、疲れた。でも楽しかった。刺激的だった。厚木さんの音は確実に進んでいた。 2003.6.5の2

昨夜入った情報によると、今夜某所で1394ケーブルの試聴が行われるらしい。ここまで進んでいてかつマニアックな行為はまだ雑誌等で取り上げられておらず、かつてこのHPでdCSパーセルのことを報告し始めた時のようなものかも知れない。出来る限り公平な試聴をやって、その結果を知らせてもらえる事を期待している。

 

自分自身の音はほとんど不満がなくて、ただただ音楽をきいて楽しんでいる。KENWOODのプレーヤーにはBENZMICRO L0.4をつけていて、これがこれまでになく良い感じだし、マイクロのアームにはAB誌でも紹介したモノラルカートリッジ、で、時々STUDIETTOもきいている。欲を言えばSTUDIETTOにうんと個性的なフォノイコが欲しい。でもそういうのはなかなか見つからないので半分あきらめている。

CDの音も当社比ではかなりのところまできていて、これならずっとこれでもいいやという感じだ。置き方とAETの新しいラインケーブルと、JOBスィーター、そしてスピーカーケーブルはMITとAETガイアのバイワイヤリング、これで決まった。 2003.6.6

昨日は不思議な一日だった。お昼頃、アン・サリーの「ムーン・ダンス」というCDを買いに出ようと思っていたら電話が鳴り、それは柳澤さんからで、「近所まで来たんだけど、行ってもいい?」と言う。僕はボクサーT2のその後も聞きたかったし、「どうぞ」と答えた。コーヒーを飲みながらオーディオのことやWebの噂話なんかをした。そして、当スタジオ比ではかなりのところまで漕ぎ着けている音を確認してもらった後、石丸電気へ向かった。

石丸で「ムーン・ダンス」の店頭在庫、最後の一枚を買い、それを持ってダイナサウンドハウスへ行き、厚木さんに「昨日はどうも」と挨拶をしてアン・サリーをきいていたら、そこへ永福町の天使=Joaoがやってきた。三人であーだこーだと「厚木さんの四股の踏み方について」話をし、山口孝さんの噂話なんかもしていたら、そこにキヤノンF1を持った山口さん本人が登場した。これは本当に偶然で、こんなこともあるのかと全員が驚いた。それから数時間ずっと話をし続け、僕がスタジオに戻り「I Wish You Love」を自分の装置できいたのは9時過ぎだった。ってなわけで、そんな予定じゃなかったのだが、極めて濃い一日となった。

IEEE 1394ケーブル、MacでいうFireWaireケーブル、SONYはアイリンクと呼んでいるケーブルで音はどう変化するのだろう。あるいはしないのか、このような事を試す某所とは当然そういう機器を持っているお宅です。ここでまた代表なんて書いちゃうと、怒って原稿ストップされたら困るので「わっとぱぴーさん」と書いておきましょう。 2003.6.7

昨日のように突然気温が下がると、僕の体は拒否反応を示すようで、10代だったら喘息の発作が起きていたことだろう。今は風邪みたいな症状になる、でもこれは風邪ではなくて気温の変化に体がついていけない事によるものだ。だから、今日もちょっとボーっとしている。こんな日の午後に戯れる会を開催するのは、気合いが入って良いかも知れない。 2003.6.8

 

 

SAラボのハイエンドホースというシリーズは生産終了で、AETブランドで左の物にモデルチェンジした。太い方が定価30.000円で、やや細い方が定価18.000円とか。例のテカテカした黒から艶消しの濃いグレーになったので、すぐわかると思う

6/8の戯れる会で、D.Cubeの電源ケーブルを付属の物からこれらに取り替えてみた

結果は「変化したような気もするが、ブラインドだったら多分わからない」というものだった。なにしろ相手がサブウーハーですからね

ところが、壁コンからJOBスィーターへのケーブルをTAITANから左の太い方にしてみると、中高低域に加えてサブウーハーの音にまで影響があった

スピーカーケーブルによる音の変化はなかなか面白く、MITのMH750単独とAETガイア単独、この二本をバイワイヤリングにして、MITを中高域ガイア低域、ガイア-中高域にMIT-ウーハーという組み合わせを試してみた。結果はMIT-中高域、ガイア-低域という組み合わせがベストだった。この逆は個性の殺し合いと言っても良いほど魅力のない音で、これならMITにしろガイアにしろ一本だけの方がずっと良い感じだった。 2003.6.10

合議制を採用などはしていないけれど、スピーカーケーブルによる音の変化は先日の戯れる会で1)MITのみ 2)GAIAのみ 3)GAIA-中高域 MIT-低域 4)MIT-中高域 GAIA-低域 という順番で参加者にきいてもらい、全員一致で4)が良いということになった。僕は最初3)が良いだろうと予想したが、あまりにつまらない音だったので「もしや」と思って4)を試したところ、これが驚くほど良かったのだった。2)は自分一人では試さずにいて、6/8に初めてみんなと一緒にやってみたのだが、これも悪くなかった。 

その後で上の電源ケーブル(太い方)をJOBに入れると、とても良い感じだったのでそのままになっている。そんなわけで、当スタジオ比の音質はまたまた少しアップし、不満はほとんど感じない。自分自身に対して意地悪く「あのカートリッジでこのLPをかけるとひどい音が出る」なんていうケースを思い出して、試してみると、あっさりクリアしてくれたりして、心は大変穏やかな毎日だ。そんなわけで僕の物欲はもっぱらMacに向いていて、昨夜はグラフィックカードを一枚落札しそこねた。まあね、レアでかなり割高な物だったから、「買うな」という天の思し召しだったのだろう。

KENWOODのプレーヤーにはずっとBENZMICROのカートリッジL0.4が付いていて、このカートリッジは元々鳴りっぷりが良いのだが、それにしてもこんな風に鳴ったのはきいたことがない。

1394ケーブルの試聴記はもう少し続きますので、興味のある人は注目していて下さい。

確か今日あたり、貴公子がキラー店長宅を訪問しているはずだ。

理由はわからないし不思議ではあるが、機器の電源ケーブルを替えたら音が変化するのは常識だ。アンプやDACは何となくわかるような気もするが、CDトランスポートあたりになると「なんで?」という疑問は大きくなる。世の中にはまだCDトランスポートによる音の変化を信じない人さえいるのだが、実際はCDトランスポートによる音質の違いは極めて大きく、ついでに書くと、トランスポートは同じでも電源ケーブルを取り替えるとこれがまた音がかなり変わる。では、KENWOODのアナログディスクプレーヤーKP1100の電源ケーブルを交換してみたら、同様の変化があるのだろうか? こればかりは試してみるしかない。幸いなことに僕のKENWOODは電源ケーブルが交換できるように改造してある。よし、次回はこれをブラインドできいてみてもらおうっと。 2003.6.13

 ああ、6月だJASRACにお金を払わなくちゃね。

今年の9/11 12 15 16 ジョアン・ジルベルト来日公演。本当に来るんだろうなあ。もし実現したら素晴らしいことだ。クラシックで言えば、故ミケランジェリやカルロス・クライバーの来日並みかそれ以上の出来事かも知れない。ちなみに国安真奈さんの掲示板に「嬉しさのあまり奥歯が痛くなった」と書き込んだのは僕の友人です。

オーディオ愛好者、特にこのHPなどをいつも見ているような人は音楽再生装置所有者の何%ぐらいだろう? 僕はMacユーザーだが、こちらは全パソコン所有者の3%ぐらいかな。オーディオ愛好者でMacユーザーとなると、そのまた3%ぐらいだろうか、いやはやとてつもなく少数派だ。別に僕はWindowsが嫌いってことはないのだが、字体や色やアイコンのカタチとか、そういう部分でMacを愛用しているのだと思う。

昨夜は新しく購入したデジタルカメラ付属のソフトでRAWデータの現像をやっていて、またまたグラフィックカードを落札し損ねた。僕はこの手のグラフィックカードによほど縁がないものと思われる。頭に来てG4 Cubeもスケルトンにしてしまいそう、コンピュータのファンは箱の中に入れ込むから必要になる。いっそのこと箱から出してしまって夏はゆっくりまわる扇風機でもかけておけばOKなんじゃないかなあ。これは以前フッターマンのOTLアンプが熱で故障するのではないかと心配した時に、SISの角さんが「天板外して扇風機」と言ったのだった。SDサウンドのOTLアンプにしてからはそういう不安から解放されたので、心安らかに音楽を楽しめるようになった。

自分は毎日騒音を出しているくせに、コンピューターには小さなファンの音も許さないという、我ながらとってもワガママなやつです。でも、そういう点は徹底していて、スタジオの壁にある時計は一秒ごとに止まるタイプではないので、音を出さない。音を出さない時計は種類が少ないから見つけるのにけっこう苦労した。時計屋さんよりヤマギワ電気にけっこう置いてある。

余談だが、大型カメラでシャッター速度が2秒とか3秒という時に一秒ごとに止まる時計を見ながらシャッターを切るのはすごくやりにくい。腕時計の場合、秒針が滑らかに動く物は大変高価で、神保町の時計屋さんに「一秒ごとに止まらない秒針付きの腕時計が欲しい」と言ったら、「あなたはお医者さんですか?」と言われた。10秒で正確に脈をとろうとするとそういう問題も起きそうだ。

 

 

 

山本さん、ご無沙汰しています
うちの音は絶好調ですよ!

本日発売の日経AssocieにMY ROOMが載っています

オーディオ雑誌に紹介されるのも良いけれど、一般の雑誌で紹介されるのはまた別の意味があって、これまた良いことだと思う

また、きかせて下さい

この半年は珍しく読書をしている。コンピューターのTipsとかいう本も沢山読んでいるが、新年の「三島由紀夫 春の雪」以来、今年はよく活字と付き合っている。そして、近頃は司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズにはまってしまった。おかげでStudioK'sがある本郷や神田界隈に関して色々わかったことや納得した事が沢山あった。「何を今更漱石だの司馬遼太郎、トシだね」と言われそうだが、知識と人に対する愛情がとても深いのです。オーディオ機器やオーディオファイルに対しても、こうありたい。 2003.6.18 

ききたいソフトが思い浮かばない時は、適当にガバッとCDを15枚ぐらいつかんでくる。自分が撮った写真だって「そういえばこんなのも撮った」というようなものだから、忘れさられているソフトも(1.000枚以下になるように努力しているのだが)出てくる。だから、時々目をつぶってガバッと持ってきて、よほどききたくない物以外はきいてみる。オーディオの状態が良いときは「このソフト、こんなに良かったのか」と驚くことになる。 2003.6.19  

先ほど、にしだやさんが来て、僕のところから電源ケーブルを3本持っていった。AETのTAITANと新しいハイエンドホースの細い方、それに一本だけ残っていたMASだ。MASはかつてGOLDMUNDに標準で付いていたこともあるもので、彼にとって一番興味があるのはMASの電源ケーブルみたいで、僕はKENWOODのKP1100の電源に使っていたMASを外して貸してあげた。

その代わりにと言って、にしだや製電源ケーブルを置いていってくれたけど、何とKP1100の電源が入らない。他の電源ケーブルにもしてみたけど、KP1100は動かない。故障かなあ、「なんとなく危ない」って思っていたんだよね。あ〜あ、またかあ、故障だとしたら面倒だなあ。

だいたい、何故にしだやさんがMASのケーブルを借りに来たのかって事から書くと、風が吹けば桶屋が儲かる的かつ八つ当たり的ではあるが、極悪人代表とも関係しているんだよなあ。 

KP1100のスイッチ類はタクトスイッチで、押すことを繰り返せばONとOFFになる。こういうものではなく、もっと物理的に接触するかしないかというスナップスイッチみたいなものであれば、レコードプレーヤーの故障率は通常そう高くないはずだ。僕がKENWOODのオートリフトアップさえ「どうでもいい」と思ってしまえば、レコードプレーヤーの選択肢はプレーヤーの数、アームの数だけある。

一方で僕はSTUDIETTOを確保していて、これはリニアトラッキングだから特別の音がする。フォノアームはみんな美しく色気があるので、アームのことを想像するとわくわくする。FRも良い、SAECも良い、テクニカも良い、否定的な面を書くと、FRはちょっと堂々としすぎで、SAECも高級すぎる、EMTのアームなんかもっと偉そうだし、やっぱりKENWOODのアームはカローラかコロナみたいな感じで、お気楽さが何とも言えない魅力だ。

仕方がないので、去年買ったマイクロのホットプレートみたいなターンテーブルを出してきて、一昨日から使い始めた。KENWOODは修理に出すことにしよう。

僕がずっと使っているクライオのZYXについて詳しく書くと、これは広木さんがウエスタンエレクトリックの古い銅線をZYXの中塚さんのところへ持ち込んで作ってもらっている物だ。カバーのないスケルトンタイプは広木さんが売った物しか存在しないはずだ。古いウエスタンエレクトリックの銅線を用いているので、ビンテージという呼び方をしている。

銀線やビンテージではない銅線をクライオしたタイプもあって、銀線にクライオした物が明日か明後日あたり僕のところに届く予定だ。以前使っていたクライオしていない銀線のタイプはよっしーさんが持っているので、今度借りてクライオ版ときき比べてみたいと思っている。 2003.6.23

KP1100は梱包してKENWOODへ修理に出すことにした。ちゃんと直ってくると嬉しい。

明後日からStudioK'sは作品展なので、スタジオはまたギャラリー状態になる。明日の夜は搬入なので、日曜日の夜までKEFはお休み。明日はスタジオを片付けながら音楽をきこう。金曜日と土曜日6/27と28はパーティなので、お時間のある方は作品を見がてら遊びに来て下さい。僕はオリンパスのE-10で撮ってA3ノビにプリントした写真を展示します。 2003.6.25

一昨日、KENWOODのKP1100を二時間ほどかけて梱包し、新宿区百人町の東京サービスセンターに送った。だが、今日KENWOODから電話があり、「このような改造品の修理は受け付けられない」と言う。もちろん僕は「ほぼ毎日愛用しているし、直してもらえないととても困る」ということを10分間ぐらいかけて説明したのだが、本当に残念なことに、「改造しているからダメ。キャビネットがないのでダメ」と、まるで操作不能になった時のコンピューターみたいにダメを繰り返す。「キャビネットを元に戻せば修理OKだそうだが、あれは鋸で切ってしまった」仕方がないので、送り返してもらうことにした。部品がないから修理不能とか、技術的に修理不能というわけじゃない、特別危険な状態にしているわけでもないのだから、直してくれればいいのに。修理のために裏蓋やら何やらを外す手間も不要だから、修理もしやすくなっているのにね。悲しい。 2003.6.27

そういうわけで、KP1100が戻ってきた。修理完了なら、梱包の手間も往復の送料も安いものだが、こうして動かないまま戻ってくると、なんだかずいぶん損をしたような気分になる。仕方がないので当分はマイクロのホットプレートを使うしかない。どうしても使ってみたいプレーヤーってあるだろうか? TAOCの5段ラックの一番上にキャビネットやダストカバーがついたプレーヤーを乗せるのは絶対にイヤだし、やっぱりスケルトンKENWOODが一番良くて、でも直らない。もう1台手に入れてスケルトン化もあまりやりたくない。僕は壊すのが好きなわけじゃないのです。誰も音をきいたことがないようなプレーヤーで、値段もそう高くなくて、できればアームが二本装着できて、キャビネットがさほど大きくなく、出来るだけ背が低いものはないかな。ということを考えている。 

 

 

モイスチャー・ギャザリング展 最終日の朝

作品展のため、スタジオの玄関前に置いてあったKP1100の箱の上に、懐かしいカタチのプレーヤーが乗っていた

DDはダメという人も多いのだが、僕にはDDとベルトドライブの音の違いをきき分ける事が出来ない

これだと確かにアームが三本使えるので、しばらく使わせてもらうのも良いかなと思った。マイクロのMA505 Xというアームまであって、僕の持っている銀線仕様のMA505 Sと音はどう違うのかも確かめられる

手前の穴が三つあいてるアームベースはオーディオテクニカ用だと思う。向こう側の径が小さいベース(直径20mm)に合うアームは何だろうSAECだろうか?

アームの問題は後で考えるとして、現在KP1100の代わりに使用中のDQX-500というターンテーブルを、アームやカートリッジはそのままにDDX-1000に置き換えてみるという実験をしようと思っている。20年前のオーディオ誌や評論家の試聴だったら絶対に1000が優位であることは間違いないはずだ。僕のところではどうなんだろう。高さはほとんど同じなので大した調整も必要なさそうだ。もちろんターンテーブルシートはパイオニアで統一する。

午後は出かけていたので、その間ずっとDDX1000を回転させておき、夜8時過ぎにスタジオに戻り、CDを一枚きいた後LPをきいたみた。多分僕にはターンテーブルの違いはきき分けられないと思っていたのだが、確かに音は違う。DDX1000の方がふくよかな音だ。ターンテーブルシートをパイオニアのJP501に交換しようとしたら、DDX1000のターンテーブルはLPのレーベル部分が盛り上がっていて、そこに大きなドーナツ状のゴムシートが乗っていた。仕方なくその上からJP501を乗せたので、ターンテーブルシート二枚重ねになってしまった。その事が音質に関係しているようにも思うし、ターンテーブルの質量その他による音質の違いなのかも知れないが、とにかくDDX1000の方が好ましい音だった。  2003.6.30

音はDQX-500よりDDX-1000の方が好ましいので、それがわかってしまうとDQX-500を使う気にはなれない。しかし、KENWOODは動かないのでDDX-1000とKP1100の比較は出来ない。型番の数字で言えば1100の方が優位である。

カメラマンの田中さんのHPを読むと、コンパクトなデジカメに対して相変わらず優しく、そして厳しくもある。カメラやクルマやコンピューターはとにかく欲しい人が沢山いて、本当に感じたことを書こうがほめ倒そうが大量に売れて、しかも後継機は確実に進歩し改良されて出てくる。もしかするとオーディオ機器は、銀塩カメラ並みに完成しているのかも知れない。つまり、ほとんどの問題は使い手のイメージにゆだねられていて、困ったことに「ほら、ここんところが歪んでいるだろ」って言っても、音は目に見えないから認識できなくて、しかも歪みや細かな強調感をすべて無くしたりすると音楽としてはつまらなくなる。

今日は出来る限りの大音量でRCサクセションをきく日 2003.7.1

 

 

一緒に届いたオーディオテクニカのアームを取り付け、銀線のクライオZYXで音を出してみた

DDX-1000は見た目がごつい割には弾力のあるインシュレーターが付いていて、LINNやGOLDMUNDほどフワフワではないが、ROKSANのフローティングとかウエルテンパードの「ずれるような感じ」に近い状態だ。そのせいかどうかわからないけど、思ったより柔らかで包容力のある音だ。KENWOODはインシュレーターも外して完全にリジッドにしていたのだが、あれはちょっといけなかったかなと思い始めている

そんなわけで、DDX-1000のことは割と好きになりつつある

 

先週末の作品展のゴミ捨てがやっと終わり、今日は久しぶりにゆっくり音楽をきいている。このところずっとクラシックをきいていなかったので、今日はクラシックが中心。今朝はチャイコフスキーのピアノ曲をきている。でも、僕はチャイコフスキーをそれほど好んではいない。理由はあの華麗すぎる感じで、勝手ながらロシアの作曲家全体に対して似たような印象をもっているかも知れない。でも、このピアノ曲は好きで時々きいている。1月2月とかいう題がついてるやつです。今日はヤナーチェクのピアノ曲もきこうっと。ヤナーチェクと言えば、映画「存在の耐えられない軽さ」には全編ヤナーチェクの曲が使われていた。映画をほとんどみない僕が、何度もみた映画だ。この映画のトマシュや「ばらの騎士」のオクタヴィアンには、つい自己を投影してしまう。医者のトマシュが女性に「服を脱いで」って言うのを見る度に、いつもなにかが入り混じった気分で笑ってしまう。アラーキーみたいに毎日ヌード写真撮っていれば、「こんにちは、ごきげんよう」=「はい裸になってね、おお猥褻でいいね」になるのかも知れない。

上のプレーヤーは、けっこう具合が良いので、当分どかしたくない感じ。AT1100はオイルダンプだから、今度OIL入れてみようかなあ。 

僕が愛用しているMacは、G4Cube(450Mhz)という二年ほど前に生産完了になった物だが、ファンレスのためほとんど無音なので、売れなかった割に熱狂的な愛好者が存在する。この春、僕はちょっとしたミスでCPUを壊してしまったが、800MhzのCPUに載せ換えて復活した。スピードはほぼ倍だから、起動も画像処理もすごく速くなって快適だ。ところが、小さなファンがついてしまってそれが耳障りでならない。それで、大きくてゆっくり回るファンに付け替えようと考えている。近所のコンピューター屋さんにその事を相談しに行くと「OK、1.2GhzのCPUもつけて大丈夫かどうか試してみましょう」なんて言う。いやはや、どの世界にも親切で極悪な人っているものだ。もし1.2GHzのCPUでも熱暴走しなければ、こちらを欲しくなったりするわけで、そしたら今持ってる800MhzのCPUはどうするんだ? 誰かCubeを持ってる知人をだまして押しつけるしかない。なんて書くと、Cube愛好者の知人5人のうち3人は毎日このHPを読んでいるはずだから、頭の中で「800MhzのCubeは夢のように速いかな」なんて想像しちゃうだろうな。

ジェット機みたいなデザインの新しいG5はアナログ音声の入出力端子だけでなく、SPDIF(TOS)の入出力などもついていて、あれこれ遊べそうである。将来はコンピューターがオーディオ機器の役割も担うのだろうか。こちらは最先端で、ほとんどSACDみたいな世界だ。これほど速くなくてもいいから、そこそこ速くて多少の拡張性があって20〜23インチの液晶ディスプレーが使えて、そしてファンなしで無音のコンピューターを出して欲しい。 2003.7.3

僕はジョアン・ジルベルトがちゃんと来日して予定どおりに歌ってくれることを毎日祈っている。

10ヶ月間パンを焼き続け、ほぼ自分が思った通りのパンを焼くことに成功したので、僕はもう自分で焼くのはやめることにした。

先週の作品展が終わった後、左右のスピーカーを入れ換えたのと、置く場所を少し移動したら音が今ひとつシックリこない。ここ数日は来たばかりのDDX-1000を使っていたので良くわからなかった。おとといの撮影でまた少し動かしたし、週末はこのあたりの調整をやってみよう。

(株)PSDという会社から、小型のスピーカーが発売される。僕のスタジオで二度試聴し、一回目はかなり優しい音、二回目はもっと明るくメリハリのある音だと思った。低音も良く出るし、可能性のあるスピーカーそしてメーカーだ。造りを見ると、非常に内容の濃いスピーカーであることは確かなのだが、あまりにカタチがAVALON的なので、その事を指摘する人は多いかも知れない。音を直接比較したわけではないが、AVALONの一番小型のタイプより使いやすくバランスも良さそうだ。 2003.7.4

永福町のJoaoに呪縛をかけられたらしく、このところ自分の音に少し疑問がわいてきた。アルゲリッチと付き合っていたベロフみたいに、僕はこのまま再起不能になってしまうのだろうか。と言いながら、来週はまた永福町に遊びに行くかも知れない。今度はバナナブレッド持参かな。そうそう、最近Macの警告音を彼の「ば、ば、ばかもの!!」という声にしたので、僕はよく怒られているのです。 2003.7.5

自分の音は自分がもっとも気に入るようにもっていくしかない。それで今日は少しスピーカーの位置を変更した。そして、DDX1000はオーディオテクニカのアームを取り外し、マイクロのMA505Xを装着した。これだと色々なカートリッジが使えるので、今日からはBENZMICROのL0.4にした。これはまあまあ良さそうだ。 2003.7.6

今日も、僕としては珍しく細かな調整を行っている。と言ってもそれに専念するわけではなく、他のことをやりながら色々な音楽をかけて、なるべくあっちもこっちも不満を感じないポイントを探す。そして今年のテーマは深く濃くだから、そういう方向へ仕向けている。

DDX-1000の音は良い面もあるのだが何かが今ひとつで、ずっと何か違うなあと思っていた。それで、一緒に付いてきたブロンズ製ターンテーブルシートにしてみるとこれは正解だった。L0.4はこの程度メリハリのきいた音でなければならない。よしよし、この方向で進めていけば何とかなりそうだ。

理屈ではなく、経験的なものだけど、LP12みたいなフワフワしたフローティングのプレーヤーにパイオニアのJP501のような柔らかく弾力のあるシートは合わない。言葉では言い表せない「へんな音」になる。STUDIETTOも同様だ。KENWOODはリジッドだったからJP501はすごく良かったが、DDX-1000のインシュレーターは割と柔らかいタイプなのでブロンズ製シートが丁度良いのかも知れない。 2003.7.7

去年から雑誌「エスクァイア」を一年間だけ定期購読していた。特集も面白かったし広告をながめるのも楽しかった。この他にもスタジオに遊びに来る女性が雑誌をおいていったりするので、時々は女性雑誌もながめている。今、目の前に「SPUR シュプール」という女性雑誌があって、ここに掲載されている一連の広告を見ると驚く。女性雑誌だから女性をターゲットにしているはずだが、「エスクァイア」の広告より断然きわどく、そしてエロチックなのだ。これらは他の競合誌などにも同じものが掲載されるケースも多いので女性誌に掲載される広告の全体的傾向と考えて良いだろう。

「SPUR」8月号、表紙 裏の浜崎あゆみの造り物のような顔はともかく、次のDiorからしてなかなかだ。T2宅ででかい音を出したら波打ちそうな大きなオッパイがほとんど見えている。化粧品にしろファッションブランドにしろみんなこの調子で、圧巻はTIFFANYとGUCCIだ。GUCCI  ENVYの顔を寄せた男女の写真(男女が唇をくっつけていて、女の指は男の唇の中に入っている)には驚いた。うぶ毛がきれいだし、男もきれいで最初は女性同士かと思った。TIFFANYの写真は端正である、だがこれもかなりきわどく美しい写真だ。興味のある方はコンビニで立ち読みでもしてみて下さい。父の世代なら嫌悪感をもつかも知れない。

僕は読者だから、半分「おやおや」と思いつつこれらをながめているが、もし「GUCCIやTIFFANYのような表現をしていいよ」という撮影依頼があったら絶対に引き受ける。

このことをオーディオや音楽に置き換えて考えてみよう。もし自分がCDプレーヤーの設計技術者だったとして、仮にチャンスが与えられるのならSACDやDVDオーディオプレーヤーの開発に携わりたいと願うだろう。多少不安定な面や、過剰な部分があったとしても、新しいことは楽しい。もちろん、オーディオ愛好者としては、半分「おやおや」と思いながら接するかも知れない。それでも、僕は新しい物を取り入れてゆきたいと思っている。コンピューターなんか持たなくても生活は出来るし、ある面では銀塩フィルムの方が安定した結果が確保されているが、やっぱりOSは新しい方がよく出来ているし、使い物になるのならデジタルカメラで仕事をやりたい。

数年前、グルダが亡くなったと聞いたとき、「もう、大家、大物はみんな死んでしまった」と思った。「JAZZは死んだ」「ロックは終わった」という人もいる。誰かにエベレストを登られてしまえば、「何故そんなにまでして登るのか ? そこに存在するから」という理由も薄れる。でも、しょうがないんだよな。心地よいメロディはまだ残っているのかも知れないし、オーディオは古いものも新しいものもあって、色々な風に楽しめる。 2003.7.9

現在スタジオで鳴っているCDの音とLPの音を単純かつ大まかに比較すると、CDの方が良い。これはきっと毎日天気が悪いせいだなきっと。くそー、この一週間けっこうマジにDDX-1000を使ってみているのに、あと一歩の所が決まらないのは何故だ? ターンテーブルシート、アーム、フォノケーブル、この三つぐらいしか理由は思いつかない。それともDDX-1000の脚をもっと硬い物にしてやろうか。  2003.7.10

加入していたプロバイダ(246.ne.jp)がイッツコムに吸収されてしまったので、できるだけ速やかにHPのデータ移行、URLの変更、メールアドレスの変更を行わなければならない。このHPは写真と文のみの、我ながら最低の単純なつくりで、大幅リニューアルをもくろんでいるわけではないのだが、少しはつくりを変えようかとも思っている。

 

 

大好物のバナナブレッドとマーマレードを持って、
  穴の中に「プークマさん」(Joaoあらため)を訪ねた

  これがその装置
 

午後は東京文化会館小ホールで井出よし江さんのピアノリサイタルをきいた。リストのソナタも感動したが、シューベルトの作品142の第三楽章と第四楽章が素晴らしい演奏だった。もう10年以上前、同じ場所で井出さんの演奏を初めてきいた時「日本にこんなピアニストがいたのか」と驚いたが、今回もまた同じように感じた。お客の入りは相変わらずで600人のホールで300人程度か、ああもったいない。三日後に同じプログラムで演奏会が開かれたら僕はまたききに行く。

だから、夜はパワーアンプに灯をともす気にならなかった。 2003.7.13 

CDは何も変えていないが快調だ。LPはブロンズシートのDDX-1000+MA505X+BENZMICRO L0.4で大変良く鳴っている。でも、あれこれ条件が変化しているので、久しぶりに全ての結線を外して掃除をすることにした。

銀線のZYXは音が今ひとつで、「何だかへんだな」と思っていた。使い慣れたKENWOODのプレーヤーならもっと正確な判断も可能だが、なにしろターンテーブルもアームも替えている状態なので、そちらのせいかも知れないしなあと思っていた。昨日ZYXの中塚氏から電話があり「あれちょっと中低音が薄いでしょう」と言う。僕は迷わず「はい、その通りです」と答えた。ちょっとした線のつなぎ方で音が変化するそうで、送り返してくれればその日のうちに直すとの事なので昨日送った。予定通りなら明日には改良品が届く筈だ。

変化には二通りある。何かが良くなった代わりに他がダメになる変化と、全体が良くなる変化だ。BENZMICROのL0.4はすごく良い感じで鳴っているので、僕は全体が良くなっているものであって欲しいと思っている。常用しているウエスタンエレクトリックの古い銅線を使ったクライオZYXは、今、たまたま手許になく、全体的な判断が出来ずにいる。明日は銅線のZYXも戻ってくるので、これで銀+銅のクライオZYXが揃うことになる。 2003.7.16

今、トップページに掲載しているインターネットを使ったTV電話はなかなか面白い。笑ってしまうくらい簡単に相手の様子も声も出てくる。無線や文字チャットのように一方通行ではなく、電話のように双方向の送受信だし、自分の話し声が相手のスピーカーから聞こえてもくるので、「この程度のタイムラグで届いているのか」ということも確認できる。声に関してはものすごくリアルで驚いた。

このところ連日天気が悪く涼しいので一時体調をくずしかけたが、ずっと涼しければそれはそれで体調も安定するし、ある年齢を超えると寒さより暑さの方が耐えられなくなるようだ。適当に涼しいとエアコンが不要なので音楽をきくには好都合だ。先ほど銀線のZYX改良版が届いたのでシェルにつけて音を出している。午後はずっと使っていたビンテージ銅ZYXも戻ってくるのできき比べる予定。今後、広木さんが扱っているスケルトンタイプは「Cosmos コスモス」という名称になる。だから今日届いたのはコスモスシルバーだそうだ。 

いつかは未定だが、近い将来このHPはURLが変わる。やっと新しいメールアドレスやURLが決まったところだ。どうせなら違う体裁にしようかとか、全面的に見直そうかなどとも考えている。次のステージに突入すると、それまで苦労して作り上げそれなりに気に入っていた内容も、陳腐で取るに足らないことに思えてくる。オーディオと同じだ。 2003.7.17

コスモスシルバーは音がしっくりこないので、送り返して「コスモスビンテージ」(ずっときいてきたZYXクライオのこと)の方が自然で良いと伝えるつもりだ。コイルの巻き方を変えているようで、技術者としてはどんどん新しい事に挑戦したいのだろうけど、頻繁に仕様変更をしたりマイナーチェンジを繰り返すのは好ましくない。このあたりの匙加減はきわめて難しい。

例えばLINNのCD12のように高価な物を購入できる人は限られているが、モデルチェンジをしないのはとても良いことで、高価だけど価値は下がらないという状態になる。発売当時は「何ていう値段だ」と驚いたが、今となってはDDコンバーターやクロックの方が高いわけだから、「考えてみるとあれに比べりゃ、そう高くもない」ということにもなってくる。「CD12でひたすら音楽を楽しんでます」と言える人はうらやましい。

CD12はずっと以前、発売直後に一度スタジオで試聴したことがある。僕はその時GOLDMUNDのmm10で広がる音場を追求していたので、それに比べるとCD12は「濃く、真ん中に寄る」という印象だった。今はKEF105とTL-2以外は全部入れ替わっているし、僕の方も6年加齢されているので、どう感じるかは興味深いところだ。そのうち一度CD12を貸してもらって、一人できいても勿体ないので、戯れる会で試聴してみたいと思っている。 2003.7.18

日頃遊んでばかりいるものだから、たまにまとまって仕事をすると疲労する。仕事は楽しいし、大きく言えば仕事=社会との接点でもあるから、自分なりにちゃんとやろうと思うので、けっこう目一杯になる。今日も撮影で出かけるので自分の装置で音をきくのはお休み状態だ。あと30分後に出かけなければならない、機材の用意はしてあるのでその間だけでもスイッチを入れようかな。 2003.7.21

 

 

今日は試したいものや試したい事柄が沢山ある

戯れる会の巡回試聴であちこちまわったAETのケーブル(SCR)とコーンズが2セット戻ってきたので、これをプリ-パワーやフォノに入れてみたいし、先ほど
プークマ氏にこういう爆弾を置いて行かれ、現在爆発している

こいつは素晴らしいカートリッジで、僕が今まで所有してきたカートリッジたちとは比較にならないぐらい強力だ。強力の意味を説明すると、濃くて押しが強いということになる。これを標準としたら他のカートリッジは全てハリボテかも知れない。でも、決して重苦しい音にはならないところが素晴らしさのこころだ

これはずっと貸しておいてもらって、プークマ氏が遊びに来たときはいつもこれでLPをかけて接待することにしよう、うん、それがいい。ボトルキープじゃなくて、カートリッジキープか常連さんのマイカップだな

真面目なハナシ、これがあればMC30superでのみ味わっていた世界の別バージョンが手に入るのだ

山本様

遅くなりましたが、「極悪人代表が家に来たら、自分の音が急につまらなくなった事件」の後日談です。

前回岡崎さんにおいでいただいた時点で、我が家の音はある種「完成された世界」であったのだろうと思います。要するに「こじんまりと」まとまっている世界。それが「なんかツマラナイ…」ということにつながったのではないかと、今ではそう分析しています。

naim、LINNの世界観の中でのアップグレードパスは「アクティブ」というマルチアンプ駆動になるわけで、現にそうなっている方が多いです。私がいろいろな制約の中で「次の一手」を考えたときに、「アクティブ」というのは、まるでなかったわけではないのですが、やはり必要とするスペースの問題で(アクティブには外部ネットワーク+アンプ3組必要)現実的ではありませんでした。

で、出口のないまま迷走しつつあるような状況で、おうかがいさせていただいた岡崎邸での「GOLDMUND Mimesis3を使うと良いんじゃない?」という囁きは、とても意外で、「思ってもみなかった」だけに、とても興味を惹きました。「ああなるほど!」ではなく、正直言って「え、なんで?」というのが第一印象で、それがかえって頭から離れないという…。Mimesis3で鳴らすisobarikというのは、まったく想像がつかなかったので、かえって「やってみようか…」という気になったんだと思います。岡崎邸の音をBGMに囁かれたわけで、それはやはりあらがえない力があるわけですが(笑)。

これが世に言う「極悪人の囁き」なのでしょうか(笑)、出ている音ももちろんなのですが、そこにいたる課程、例えばIEEE1394ケーブルの試聴が象徴しているように、「気になることを放っておかない」という、岡崎さんのオーディオに対する真摯な姿勢が、「囁き」に、ものすごい説得力を持たせているのだな、というのを、思い知りました。

で、多少の紆余曲折はあったものの、あらがい難い「目に見えない力」に後押しされたのか、めでたくMimesis3が我が家にやってきました。現状のLINN、naim、GOLDMUND、の混成システムから出てくる音は、私の予想とは違う方向で、とても魅力的な物でした。上手く表現できないのですが、あえて言うなら「柔らかく、かつ芯のしっかりした音」という印象です。

しかし、やはりnaim+LINNとGOLDMUNDの「世界観がぶつかりあっている」状態でもあるのでしょう。システムとしての完成度は、やはり少々未完成な感が否めませんし、このシステムの中ではMimesis3が十分に実力を発揮できていないであろうことは、私にも想像がつきます。

…プリにMimesis2…という話になるのはまぁ当然の流れだろうと、私も思ってはいました。しかし実際に再び我が家を訪れた岡崎さんに…しかもMimesis3の時よりも熱心に囁かれ…。

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というわけで、(続く)になってしまいましたが、続編の予定は今のところありません(笑)。

それでは、また。  パートIVの最初に出てくるNさんからのご報告  mm2はそろそろ値段もこなれてますね。 2003.7

10カ所以上を巡回して戻ってきたAETのSCRラインケーブルは、まずプリ-パワーに入れ、加えてアームからフォノイコにも入れてみた。フォノの具合が良ければ、DIN5ピン-RCAという物を作ってもらおうかという考えもある。

このSCRラインケーブルはあちこち回ってきたので基本的な慣らしは終わっていると思うが、ケーブルは接続してすぐに本領を発揮などしない。アンプ同様、最低二日から三日ほどの通電が必要だ。トーレンスのカートリッジもききたかったし、SCRラインに対する評価は急がないことにした。

このところ異様に涼しいので、昼間もエアコンを使わずに済むので音楽をきくには良い。ところが、ななめ向いの長谷川逸子建築事務所が外装の補修をやっていてけっこううるさい。それでも今日は朝から晩まであれこれ音楽とオーディオを楽しんだ。音の方はなかなか良い具合だと思う。 2003.7.24

SCRラインケーブルはまずプリ-パワーに入れ、試しにSTUDIETTO-ブーメスタのフォノイコにも入れてみるとこれまた良い。AETのSCRラインケーブルは、この路線の定価15万ぐらいの物と比較しても勝ち残りそうなので、それほど高価ではないこともあり、現代的機器を使ってオーディオを楽しむ人たちの標準的なケーブルになっていくかも知れない。とにかくこれできいていて、大幅に越えるものが出現したらその時考えるというのが良さそうだ。SCRのフォノケーブルも欲しいのだが、こちらは自作するしかなさそうだ。 2003.7.25

スケルトンKENWOOD KP1100は捨ててしまおうかと思っている。もし、直して使いたい方がいらっしゃいましたら差し上げます。

トーレンスのカートリッジは、その姿かたち通りの堂々としたサウンドである。ところがとても繊細な表現ももっていて、僕はこの堂々に支えられた繊細さに大きな魅力を感じる。それと、音楽の大きなうねりみたいなものをよく出すことがMC30superと共通する。別の言い方をすると、単純な抑揚ではなくvs動的な抑揚ということになる。そのあたりを丸一日楽しんで、こりゃもう他のカートリッジは楽しめなくなっちゃうのかなあと思いながら試しに同じLPをZYXできくと、これもまた別の魅力があって最高である。

トーレンスのカートリッジの影響は大きくて、日頃きく気が起きなかったLP(例えばデュ・プレのエルガーとかが大変良いのだ)をまとめてきいたりしている。僕の機器への依存度が高いか低いかはわからないけど、確実に影響はある。まあ、新しいカメラを買うと少しは違うタイプの写真を撮れたり、新しいアプリケーションを手に入れると、それまでとは違うことができるようなものかも知れない。

多分8月中にはこのHPのURLが変わる。HPの立ち上げはさほど難しくないが、運営は日々の更新に追われることにもなり、長い間続けるのは大変かも知れない。そして増築と建て増しの繰り返しだから、長い間続けるとサイト管理が一番面倒だ。ずっと、もう少しまともなやり方をせねば思いつつ、面倒なので放ってきた。しかし、この機会に再構築をしたい。

クルクル回るとか、光るとか、音が出るとか、そういうつくりにはほとんど興味がない。僕は、アクセスすると突然大きな音が出るHPは心臓に悪いので、なるべく訪れないようにしている。結局は文章と写真(あるいは絵)、この二つに尽きるだろうと考えている。長い巻紙状態で左右の幅も字体もマチマチで閲覧されているのだから、Webにデザインはあってないようなものだと思う。

パートI〜IVはプリントアウトして読んでいるという話もよく聞くので、背景は白にしないとインクをごってり使わせることになる。そして、プリントして読むのなら、更新部分を下にしている現在の体裁は正解だろう。

長すぎる文は読む気が減退するので、なるべく短い文で、出来れば多くの事を語りたい。感想文も出来るだけ短くして欲しい。基本的には実名で、ペンネームの場合はずっと同じ名前で通してもらう。機器の感想や誰かの音への印象にウソは書かないが、書かずにいることは多々ある(口頭では言えても、文章での公開は出来ないケースが沢山あるので誤解なきよう)。

自分のページはほぼ毎日更新していて、多いときは5回も6回も更新しているが、一日一回見てもらえば済むと思う。他のページもあるので更新履歴は書いていない。すべての更新履歴を作ったら、それだけでけっこうな手間になるのです。誰かが誰かの家に行ったとか、「新しい機器を試している」なんていう情報が入ったときは、このページで紹介しているので、あちこちみてもらうと何かが更新されているかも知れない。これは以前インタビューでドン・キホーテの社長に会った時、「うちの店は買い物を宝さがし的に楽しんでもらっている」という話を聞いたことに影響されている。探してもどこも変わってないぞと怒らないで欲しい。

こんなことを書いているだけでアッと言う間に一時間近く経ってしまった。あと45分で今日は戯れる会なのだ、スタジオ内を片付けなくちゃいけない。それにしても文を書くっていうのは効率が悪い。 2003.7.26

富田さんは最近dCSのヴェルディを購入したらしい。すごく良い音だそうだ。

 

 

このようなカートリッジが存在したことさえ知らなかった。カンチレバーがものすごく短くて、レコードをかけると、ほとんど盤面にくっつきそうになる。サウンドは非常に現代的で、切れの良いタイプだ

このカートリッジをダイナベクターのアームに取り付けると、発売後20年ほど経った今でも近未来的レコード演奏風景が出現することだろう

KARAT NOVA 13Dはもうダイヤモンドカンチレバーがないそうだが、KARAT NOVA 17D は現在も針交換可能だという。こういうあたりもダイナベクターという会社の日本ばなれした雰囲気が感じられる

直してくれれば使う気は充分あるし、DDX-1000を体験してみた上で、もう一度KENWOODを使ってみたい気もするのだが、動かないプレーヤーは邪魔なので捨てることにした。長い間楽しませてもらったけど、今後再び僕が自らKP1100と9010を使うことはないだろう

AETのSCRラインケーブルが入って約一週間が過ぎ、夜、まわりが静かになって条件の良いときにきき慣れたソフトをかけてみると、やはり好ましい変化が起きていた。トーンアームとフォノイコ間にもSCRラインケーブルが入った状態で手持ちのカートリッジをあれこれきくと、現時点で最高に良く鳴るカートリッジはBENZMICROのL0.4だった。KENWOODのプレーヤーの時は全体的にもっとソリッドな音だったのでL0.4だとクラシックの弦はちょっと辛かったのだが、ターンテーブルMicro+トーンアームMicro+BENZMICROと、名前がMicroでくくられているせいかオールラウンドにすごく良い。何より中低音の厚みが一番良く出る。パートIの頃、同じMicroのアームにL0.4を付けたきいた時「この組み合わせはダメだ」と思ったが、今はかなり良いので、やっぱりオーディオはよくわからない。トーレンスのカートリッジはL0.4の感じともまた違って不思議な風格みたいなものがある。大鵬と北の海みたいな違いである。ZYXは僕が大好きだった金剛とか旭道山ですかね。 2003.7.29

ああ疲れた。久々にロケのダブルヘッダー、しかも炎天下で撮影だったし、夜はマルチフォーカスチューニングの取材で本当にヘトヘトだ。疲れを吹き飛ばす音を出してくれりゃいいんだが、そうはいかないので疲れは倍満。 2003.7.31

今日から8月、StudioK'sも7年目に突入。お盆の頃の夜、「何とか潰れずに7年目パーティ」をやります。ベルギービール ヒューガルテン(生)用意するつもり、先着20リットル様。遊びに来て下さい。

さて、これから2週間ほどは原稿書きだ。暑いとどうもうまく考えがまとまらない。その点、写真撮影は体力勝負みたいなところがある。EOS10Dを買って二ヶ月ほど使ってみた。かなり良いと思うけど、昨日みたいに建物の撮影なんかをやると、やっぱりフルサイズのデジカメが欲しい。でも1Dsのボディ80万とあの大きさは躊躇する。そうそう、10Dでもけっこう手ブレが目立つ、先日ダイナベクターのカートリッジの撮影をした時、三脚立ててるから大丈夫だと思って1秒でシャッター切ったら3枚のうち2枚がブレていた。 2003.8.1

 

 

 暑い

今日の午後は熱くなるアンプの音をきいてきた

時々は家庭訪問もしなければいけない

HPのデータ移行はものすごく大変で、うんざりしてきた。しかしAdobe GoLiveに付属のアップロードソフトってのはどうしてこんなに使いにくいんだろう。ずっと使ってきたFetchもOSX版はなんか今ひとつなので、色々試した結果「NetFinder X」というソフトを使おうかと思い始めている。ドラッグドロップでさっさとアップロード出来ないとね。5500円のシェアウエアなんだけど、毎日の更新がスムーズになれば安いものです。

OSXにはかなり慣れた。色々あったけど多分僕はもうOS9に戻れないだろう。HPの作成とアップロードをOS Xから行えるようなれば、メールにWordその他の書類が添付されてきた場合と地図ソフトを見る時以外は、旧OSを開かなくて済むかも知れない。年内に出ると言われている次期OS PANTHERが待ち遠しい。Cubeには念願のグラフィックカードを装着し、カエターノのDVDを見ると、時々息つぎをするような感じの一瞬停止がなくなって、動きがスムーズになった。そして、トップページの通りデュアルモニタだから横幅は23インチのモニタより大きい。これにより、ずっと困っていたPhotoshopでほんの少しだけ変形をかけるという行為がやりやすくなり、撮影のデジタル化はますます進もうとしている。2003.8.4 

SCRラインケーブルは本領を発揮し始めたようで、久しぶりにビートルズやカーディガンズのCDをきいてみると、納得のいく音がきけた。暑いのでビヨークの「ホモジェニック」をきいてみると、これもなかなかで我ながら驚いた。もう1台フォノイコがあればSTUDIETTOもさっと使えるが、ケーブルを差し替えるのが面倒なのでもっぱらDDX-1000を使っていて、カートリッジは相変わらずトーレンスとベンツマイクロがついている。 2003.8.4

富田さん宅ではCDトランスポートとかSACDマルチで何か変化があったらしい。夏休み中に一度遊びに行ってこようかと思っている。  

今夜はプールに行って1.000mほど泳ぎ、帰ってから食事をして、今はすごく久しぶりにモーツアルトのピアノコンチェルトをきいている。20番と21番、アシュケナージのCDだ。アシュケナージのベートーヴェンは御免だけどモーツアルトはきいている。アシュケナージのは23番と27番のカップリングのCDもあって、何というか「晩年のモーツアルトを想って泣く」には良い演奏です。

おかげさまで音質的には満足のいく状態が続いている。一年ほど前までは、何かしら無理をしている感じの音だったのだが、今はそれがなくなって僕が本来求めている普通の音って感じになってきた。ものごとをあるレベルに引き上げるには時間と根気が必要だ。  2003.8.5 

DDX-1000は6月末から使っているので、一月強が経過した。さすがに一ヶ月使い続けるといろいろわかってくるので、良い面を引き出すことができる。こんな風だから、やっぱりオーディオという遊びは時間がかかる。だから本当は機器に対する評価も短期間で行ったものと長期試聴によるものにわけるべきだろう。

メーカーや輸入代理店は立場上当然ながら「パッときいて、良い評価」が欲しいわけだ。ユーザーにはユーザーの立場があるのでそうもいかないのだが、ユーザーもけっこういい加減だから(ユーザーはある面いい加減でも良いのですがね)、そのあたりがうまくからむと時にバカ売れしたり、逆に性能は良いのに誰も理解しなかったりってなことになる。自転車の部品なんか変速機一個が2500円もあれば数万円もあるわけで、競争すると当然脚の強い2500円が勝つわけだけど、オーディオやカメラはもう少し機器の性能の占める割合が多いから脚が弱くても夢を見られる世界ではある。

広告もスポーツも報道もファッションも風景も、分野を問わず写真を撮る仕事は体力勝負みたいなところがある。そして短期集中、ピークが高く手離れが良い(とされてきた)。ポジは撮影してラボに出し、OKカットに印をつけて「よろしく」で終わりだったのだが、最近デジタルになり、あれこれ後処理が出来るもんだからついやってしまい、少し手離れが悪くなった。原稿を書くというのは後処理95%の仕事で、書くべき内容が無い場合も困るが、書きたい事が多すぎても収拾がつかない。今回は確実に後者だ。仕方がないのでうんと久しぶりに上田正樹の「悲しい色やね」をきくと、ますます収拾がつかなくなった。 2003.8.6

今日のLPは「ナンバーワンバンド」 もも と 東京あたり。今月の戯れる会は300Bシングルのアンプを集めての試聴をやる予定で、普段はJAZZだのクラシックだので試聴をするんだけど、そいういうのもちょっと飽きたから、ナンバーワンバンドとかタモリの「戦後日本歌謡史」で楽しみながらやろうかと思っている。僕は持っていないんだけど「スネークマンショー」もいいな。雑誌もこういうのでやればいいと思うんだけど、やっぱりダメだろうなあ。 2003.8.7 

午後は取材でとても魅力的な音をきいた。ボルダーの超高価なフォノイコを初めて見てきいた。他の部分が支配的なシステムなのでボルダーのフォノイコがどれだけ貢献しているかはわからないけど、とにかくとても心に染みるタイプの音だった。僕が知っている限りで、今日のお宅と勝負できるのはプークマさん宅ぐらいでしょうか。良い悪いの問題じゃなくて傾向とか「捨て具合」のことです。 2003.8.8

PerpetualTechnologies社のP-1AとP-3Aはやっぱり、電源を入れたり切ったりすると音が変化すると思う。音が思わしくない時は強化電源への電源ケーブルを一旦抜いて再び差し、気に入った音が出たとこでおさめるのが良さそうだ。 2003.8.9

川崎さんと鹿野さんが富田宅や岡崎宅を訪問したみたいだ。多分お盆が明けたら感想文が届くだろう。噂によるとAVALON友の会も怪鳥をむかえて会合をひらいていたらしい。僕はやっとのことで原稿を書き終えた。しかし、こう能率が悪くては物書きとしてはやっていけそうにない。

さあ、これでパーティの準備もできるぞ。よく潰れずに6年もったものだ。8/15-16は夜6時からスタジオの床に段ボールを敷いてパーティ&陶器市です。暑いので音は出さないけど、遊びに来たい人はどうぞお出かけ下さい。ベルギービール(生)ヒューガルテン ホワイト 20リットルは輸入元がお盆休みのため、すでに届けられていて、飲まれるのを待っている。 2003.8.11

ケーブル類はMITにしてもAETにしても解像度を出してくるタイプを選ぶことが多いので、セッティングを解像度追求型にすると限りなくオーディオ的になってしまう。大まかな傾向として、最近はゆるい音を求めているので、セッティングはなるべくユルユルにしてバランスをとっている。自分としてはちょうど良い具合だ。

新潟の友人から野菜が届き、陶芸作家からは陶器の作品が届き、スタジオ内はごちゃごちゃである。その上一大決心をして和室の押入を片付けているので、ますます散らかり、おかげで音は良い。そういう状態で、井上陽水だのアン・ルイスだのルル・サントスだのをごちゃ混ぜにきいている。ああ、大家さんに借りたブタミントンを返さなくちゃいけない。 2003.8.12

お盆休みで街が静かなので、こういう時はじっくり音楽をきくことができる。しかもあまり暑くないからエアコンを止めても5分で汗だくなんてこともない。今日の昼間、川崎さんが遊びにきたのであれこれ話をしたのだが、僕は「この機器を導入したからこんな音になり、あの機器だからこうなった。とかいう話や行為にはあまり興味がなくなってきていて、もっと不思議なと言うか、理由のわからない、でも良い音を出したいと思っている」と伝えた。だいたい、僕のような機器は誰も使っていないから、元々そういう路線ではあるんですけどね。 2003.8.13

自分史上最高の音を手に入れた極悪人代表は、さらに最高を更新するため、極悪メンバーのお宅をあちこちの訪問している。僕の家庭訪問より15倍ぐらい積極的である。また、関西の欲張り義兄弟もあちこち行ってたので、感想文も更新されることだろう。僕はひたすらスタジオの片づけとパーティの準備と、マルチフォーカスチューニングの原稿書き(一旦送ったものの、色々考慮した結果、自らペンディングにしてもらって書き直し中)。
2003.8.14

しかし、気が滅入るほど雨が降る。今夜のパーティに下田からやってくると言っていた小柳津さんから「雨の影響で電車が動かないので、行かれない。残念だ」というメールが届いた。地盤がゆるんでしまうのだろう。これだけ雨音がするとまともに音楽もきけないので、オーディオはお休みで料理だの生ビールのセッティングだのをして、さあ掃除をして食料を買いに行こう。 2003.8.15

大雨のせいか、今夜のパーティは出足が悪く、午後8時の段階で「まさか4人しか来ないなんてことないよね」なんて話していた。ところが、そこへオーディオ関係の皆さんがつるんでやってきてくれて、95%オーディオ関係者になった。「えー、こちらが有名なフィルさん」「この方はあそこのHPに出ているHAさん」「Shuksさん」「極悪人代表さん」「YTAさん」「CHELさん」「YUさん」「にしだや漬け物店」「磁器瑠博士」に「迷い羊」「SS25」「カーマ」さんなどなどで、とにかく驚いた。オーディオ関係者ばかりがこんなに集まることは珍しい。それで、座ってビールを飲んでるだけじゃつまらないと思い、僕は急遽アンプのスイッチを入れてCDで3曲とLPを2曲ご披露した。その後、参加できなかった下田の小柳津さんとは「iSight」で、テレビ電話をやったのだが、実況中継をしてあげたかった。 2003.8.15

先日大阪へ行った時、川崎さんと鹿野さんに会い、「インターネットのおかげで、バラバラだったオーディオ愛好者たちが情報交換をしたり、会ったり、機器の貸し借りなどをやり始めている。でも、例えば関東近県でそういう事をやっているアクティブな人たちの数は多分100人以下なのだろう」なんて話をした。昨夜は偶然そのうちの13〜4人が集まったことになる。これに加えてT2goroharamoto紫音RUBYIDEさんがいたらどうなったのだろう? 凄すぎて火花が散る? 血を見る? いや、僕は大変おだやかで紳士的な流れになると思うな。 2003.8.16

 

 

 教祖様特製

巨大フルーツゼリー(v6.5)の儀

組み体操をやっているのはドラマーの柳田君、Joao来日のニュースを持ってきてくれた人です。僕が「ホントに来んのかよ、どうせ気が変わってさ、こないよ」と言うと、ものすごく怒って「そんなこと言わないで下さいよ、山本さん(自分だって内心あぶないと思っているんだから)」と言った。あと一月、ちゃんと来てくれよなJoao、彼はチケット10枚も買ったんだぞ

土曜日のお客様はカレー屋に行かない人たちだったので、僕は金曜日に焼くつもりだったピザを10枚近く焼いた

左の写真にはオーディオ関係の人が三人写っている

来年もスタジオが潰れず、7周年パーティを開催できたら、またベルギービールを飲みに来て下さい

理由はわからないが、眠れない夜だった。そして、アナログプレーヤーのことをあれこれ考えていた。DDX-1000もすごく良くなって不満はないけど、貸してもらっている身で贅沢を言わせてもらうと「至極まっとう」である。僕はもう少し意外性のある機器を好んでいる。使ってみたいアームも、もうほとんどない。どうしたものか。

もしもユニバーサルプレーヤーかSACDプレーヤーが今使っているCECのTL-2とP-1A+P-3Aの音質を凌駕するのなら、CDプレーヤーは1台でやっていきたい。めんどくさいのはアナログだけで十分で、CDやSACDはなるべく手軽に楽しみたい。 2003.8.18 

スタジオ内はまだ片付かず、和室には陶器がまだ半分ほど置いてあり、床は段ボールが散乱し、相変わらず天気が悪く、今日の午後は腹まで痛くなってきた。

タイに行っていた戯れる会会員のMさんから、ドリアンが送られてきた。そんなに臭いのかなあと不安。彼の調査によると、バンコックにあった(という情報をつかんでいた)GOLDMUNDのアナログプレーヤー STUDIO は数ヶ月前に韓国人が買ってしまったらしい。 2003.8.19

まいったなあ、お腹が痛いと思っていたら、いきなり風邪みたい。熱もあるしけっこう重いタイプだ。あまりだるいのでちょっと寝たら突然右の肩が痛くなってしまった。よく考えたら、僕には休みというものがない。直るまで更新はお休みします。実はこのところあちこちから感想文が届いていて、全部アップロードはしてありますので、そちらを読んでて下さい。 2003.8.19

 

いきなり暑くなったのでちょっと辛いけど、やっぱり夏はこうでなくてはいけない。

先日のStudioK's6周年パーティでは偶然オーディオ関係の人ばかりが集まり、一気に顔と名前が一致した人たちもいた。どんどん知り合って、お互いの音をきかせ合って楽しんでもらえたら良いと思う。

「戯れる会」っていうのは会員制で有料ですが、月に一度StudioK'sに集まって複数の人で音をきき、時にはブラインドで、時にはソフトに加えて機器を持ち寄っての試聴を行っている。レストランや飲み屋に集まっても音をきくことはできないし、最低でも6人ぐらいの参加がないと色々な意見も出ない。その他に、メーカーの協力を得て、機器の巡回自宅試聴んども行っているので、そういうことを望んでいる人にとっては大きな特典がある。 2003.8.23

ドリアンを食べて、頭がちょっとおかしくなってきた。激しく拒否する自分と、得体の知れない官能的魅力を感じて抵抗できそうにない自分が半分半分だ。こういう音楽ってあるよなあ。で、結局最後は病みつきになる。僕にとってはR・シュトラウスだな、ある人にとってはワーグナーかな。そういえば、いつもこういうネットリとした音を出している人もいる。僕は毎日それだと耐えられないだろうな。 2003.8.24

 

今日は日曜日

昼過ぎにスタジオに来ると、このような機器が届いていた

上は300Bのシングルアンプ、下はヤマハののフォノイコライザー HX-10000、コニサーよりこちらを欲しがっている人もいるかも知れない

希に両方持っている人もいる

8/31の戯れる会には、コニサーとHX-10000を持っている人が、別の300Bシングルアンプを持ってきてくれることになっていて、上のエレキットと対決させる予定だ。そちらの球はウエスタンエレクトリック製300Bで、エレキットのオーナーを「知らなきゃ良かった」にさせる計画である。いやはや、ひどいおじさん達である。ついでに言うと、どこだかに三栄無線の845シングルもあって、これをきくと「300Bは甘美すぎる」となり、「やっぱり中国球のエレキットでいいや」っていう結論になれば素晴らしい筋書きである。欲張るときりがないから、どこで納得するかが問題だ。 2003.8.25

HX-10000は長い間お休みしていたようなので、とりあえずいい加減にきくことにした。PHONO1とPHONO2の二系統の入力があり、各々MMにもMCにも切り替えられるし内部抵抗もゲインも変えられる。こういう親切なフォノイコって現在は皆無と言って良く、それだけで感激してしまう。

ZYXクライオのついたSTUDIETTOをPHONO1に接続し、マイクロのMA505XをPHONO2に接続した。最初は音が出たのだが、MA505Xのカートリッジを取り替えると右チャンネルから音が出ない。試しに他のカートリッジにしてもやはりダメなので、まずカートリッジに問題はないと判断し、次にSTUDIETTOからのケーブルをPHONO2に差すと、これはOKなのでフォノイコはPHONO1・2とも問題なし。となると、アームからのケーブルを疑う事になる。

 

MA505Xには 秋葉原 平方電気 03-3253-3054 の中村さんに作ってもらった、DINをRCAに変換する装置を使っている

これはノイマンの柔らかい線を使った物で、例えばLP12などでもフローティングの動きを妨げることなく、好きなケーブルを使うことが出来る

好きな線で作ってくれるし、なにしろ今はこのDINプラグも手に入らない時代だから、一つ作ってもらっておくと便利です

僕は今度、SCRラインケーブルで作ってもらうつもりでいる

それで、ここからフォノイコへいってるケーブルやらこの装置やらをテスターで当たってみたが、問題なし、ってことはアームの内部配線が断線してるしか考えられない。で、これをテスターで調べると案の定導通がない。多分ここらだろうと思って先端部分を開けてみるとMA505Xのハンダがとれていた。ここまでくるのに約1時間ほど要したのだった。

よく観察したり軽く引っ張ってみたが、線に余裕が無くまるで届かない。本格的に修理するなら内部配線を全部取り替えてオーバーホールするしかないとして、仕方がないのでカートリッジのリード線を短く切った物を継ぎ足してハンダ付けし、音は出るようになった。

最低でも三日ほど通電は必要だと思うが、今のところHX-10000の音は大変やさしい音だ。そして、時々ものすごく深みのある音がする。Alephono、LINTO、コニサー、ブーメスター、色々なフォノイコを使ってきたが、そのどれからもきいたことのない、深みがあって上品な音だ。先日音が今ひとつだと感じた銀線のZYXクライオをHX-10000できいたらどうかと装着したら、音が片方からしかでなかったのだった。

アームの断線も直したことだし、銀線のZYXクライオはよっしーさんに送ってあげると約束したので、その前に早いところきいてみよう。そう思って試聴するとこれが良い。まいったなあ、とにかくブーメスターのフォノイコで「悪く言うとちょっとシャキシャキしすぎ、ギスギスしてるかな」と感じたカートリッジをHX-10000でかけるとみんな良い。プレーヤーとアームはDDX-1000とMA505Xだし、ケーブルも同じだ。その代わりブーメスターで最高に良かったBENZMICRO L0.4は低音がボテボテだった。すでに良い状態のカートリッジの音はそのままに、このL0.4の低音をどうやってきくに耐える状態にするか。僕はこれがセッティングとかチューニングだと考えている。

一つ一つ書いてゆくとキリがないほどあれこれ色々な事がわかってきた。僕は長い間KENWOODのプレーヤーを愛用し、ある安定は得ていた。でもKP1100が壊れ、KENWOODが修理をしてくれないので僕はちょっとさまよいはじめた。いや、元々さまよってはいるんだが、それは一定の軸を中心にしたさまよい方だった(それをある安定と書いている)。そして、今はその軸が無くなり、持ち主の好意で僕のところへDDX-1000がやってきた。これは僕にとって意外な面を沢山持っているプレーヤーで、新しい軸を中心にした断面が展開し始めた。

今度のじゃなくて、今後の戯れる会ではこのあたりの音の違いやセッティングによる変化を、みんなにも検証してもらおうと思い始めている。言葉では表現不能、理解不能な音の違いは実際に体験してもらうしかない。 2003.8.26

 

 

最近買ったCDの中で、写真に撮る気になったもの

チック・コリアのニューヨークライブはSACDとのハイブリッドなので、いつかSACDプレーヤーできいてみたい

プークマ氏に教えてもらった荒木一郎のCD

朝日美穂のHOLIDAYとアン・サリー

このところ、狂ったように音楽をきいている。オーディオ的にも楽しくなってきているし、ききたいソフトも沢山あるのでとても充実している。米の不作は困るが、気温が低いのでエアコンは入れず、何とか扇風機でしのぎつつ、ひたすら音楽をきいて暮らしている。CDもLPも、今年になってから一番楽しめていると思う。 2003.8.29

YAMAHAのフォノイコHX-10000はなかなかの美音で、いろいろな不満を解決してくれる。弦楽器とか声は最高に良い。かたちの事を言うと、「中身半分でいいから背の高さも半分ならもっと良いのに」などと考えてしまう。一方で僕は正反対のソリッドな音を求めてもいるのだが、とにかく今の僕にはこのサウンドが必要なので、譲ってもらって自分で使うことにした。

昨夜、僕は持ち主にしかるべき金額を渡し、HX-10000は正式に僕のものになった。その時、テーブルの上は、新しく作ったPowerMacG4Cubeのページの撮影をしたままだったので、僕の大好きなCubeの予備が一式セットして置いてあった。春にCubeのCPUを壊してしまった時に、もう1台買ったものだ。壊したCPUはその後速度二倍のCPUを搭載したので、こちらのCubeは余っていた。

強力なMacユーザーであるHXの元オーナーに「Cubeは静かだし、色々改造すると面白い」という話をして、「使う?」って聞いたら、本体だけ欲しいと言うので、一旦彼のフトコロに収まったHXの代金は戻ってくることになった。メモリも576MBだし、無線LAN用のAirMacカードも付けてある。彼の家はすでに無線LANが構築されているので、自由な場所で使える。iSightもやれる。

お互いこんな事になるとは思ってもみなかったが、結果的にHX-10000はCubeと物々交換をしたカタチになった。そんなわけで、僕のところには15インチの液晶ディスプレーだけが残った。 2003.8.30

今日は戯れる会でスタジオに10人の人が集まった。内容はたいへん盛りだくさんですごく面白かった。HX-10000の音も300Bシングルの音も、ナンバーワンバンドもみんなで楽しんだ。日頃このHPに書いていることは文章では理解してもらえそうにないので、必要に応じて説明をしながら再現し、納得してもらっている。 2003.8.31

新参者のくせに態度がでかい?HX-10000  手前はエレキットではなく、Audionの300Bシングルアンプ。みんなが帰ったあと、アイワンと両方使ってバイアンプを試みている。

300BシングルとOTLアンプによるバイアンプなんて、やってる人は極めて少ないだろう。単体で比較すると、エレキットにしてもAudionにしても、i-1より300Bシングルの方がメリハリ調のサウンドだった(僕はもっと甘美なサウンドを想像していた)。そして、KEF105は能率が高いので6W〜8Wでも十分鳴る(だからやめられない)。SDサウンドのi-1は55〜60Wぐらいだから、バイアンプをやるのにそれほどの出力差があって良いのかと思うことだろう。でも、それは理屈で考えている人の想像でしかない。300Bを中高域、i-1を低域に接続してみると、300Bのボリュームはフルではなく、1時半から2時ぐらいでちょうど良い。ああ、今日から9月だ。     2003.9.1

出来ればシステムを大げさにしたくないのだが、バイアンプってのは実に効果的で、クルマで言うと1500ccと1800ccみたいな違いが出る。まあ300Bだからね。   2003.9.2

マルチアンプということになると、色々な設定や調整がからむので僕なんかの知識と経験では負えない感じがするが、バイアンプはマルチに比べれば手軽なわりに効果が大きく、失敗も少ない。ある程度力のあるパワーアンプでも、全帯域を受け持つには手が回らないのだろう。ウーハーだけ動かしていれば良いって事になると、また別の仕事をし、別の成果を上げるようで、アイワンをKEF105のウーハー部分専用にすると深みや重さが出てくる。 2003.9.3

では、試しに300Bを低音側にもってきたらどうなるのか、これもやってみなけりゃわからない。次回の戯れる会はこのあたりをやってみようかなんて考えている。HX-10000のおかげでわかったことが色々ある、これまで音質にちょっと疑問を感じていたカートリッジをHX-10000できいてみると、これがなかなか良かったりして、心の中で「ごめん」などどつぶやいている。 

今日は忙しかった。午前中は歩いて湯島天神近くまで珈琲を買いに行き、昼からホリプロで五十嵐なんとかちゃんというタレントのポートレートを撮影し、スタジオに戻ってその画像処理をしサムネイルをプリントアウトしてデータをCD-Rに焼いていたら、電話がきて画像のデジタル修正を依頼され、必死で1時間半でこなしたと思ったら、教祖ちゃんがゴッテリ荷物を持ってきて、彼が帰った頃に、以前撮った建築写真をプリントして欲しいというメールが入り、CD-ROMを探し出してA4を12枚、プリンターを働かせながらキャンプの準備(荷物が沢山)をしつつ、包丁を研ぎ、食事を作り、インクを二回入れ替えて、Joaoのチケットのことで電話がかかり、そのことで電話をし、オークションで売ったグラフィックカードやらなんやらを発送し、その旨メールを出し、もう疲れて半分はキャンプに行くのがいやになり、これを書いてアップロードしている。  2003.9.4

小野川湖のキャンプ場は僕+3人の他にほとんどいなかった。こんなに参加者の少ないPouchMeetingも珍しい。一人の人間のやれることって限りがあって、会う人みんなに「キャンプ行こうぜ」って言ってるとキャンプの参加者はドッと増えるし、オーディオに一所懸命になればそちらが充実する。

スタジオに戻り、今日はゆっくり音楽でもききたいところだが、スタジオの床はテントやコールマンのスチールベルトやら真空保温ナベなどが散乱している。そういうわけで、あと二日ほどは落ち着かない。本当はあれこれカートリッジなどをきいてみたいのだが、現実が許してくれそうにない。それにしても300Bとのバイアンプはけっこう良くて困ったね。あくまでKEF105の当社比だから、正反対のタイプのスピーカー愛用者には「どこが?」ってなもんだろうけど、低音がズシッと深く重くなる。 

9月のキャンプに行く日の昼はいつも黒磯のレストランに寄る。そのためにわざわざ東北自動車道を途中下車し、4号線を右折して黒磯方面へ進み橋を渡ってしばらく直進し、一つ目のガソリンスタンドの角を右折して郵便局のところをまた右折して、ボーリング場の先、左側にあるレストランへ行く。一年に一回しか行かないので店の名前は知らない。黒磯ってのはなかなかのところで、SHOZOという喫茶店(那須にもあるけど)も良い。特別高級なテーブルや椅子は一つもないがすごくセンスが良い、そして若い店員がキビキビと働いている。僕が黒磯に住んでいて、娘や息子がSHOZOで働きたいと言ったら賛成することだろう。デートで那須方面へ行き、SHOZOやあのレストランに行ったら得点UPは確実だ。  2003.9.8

そろそろオーディオベーシック誌が発売される頃だ。僕はこの号で大阪のお宅を3軒取材した。仕事で大阪に行ったと友人に言うと「おいしいもの食べたんでしょ」と言われることが多いが、この取材で僕と金城さんは新幹線の中で弁当を二回食べ、スターバックスコーヒーでの朝食だった。いちばんまともな食事は鹿野宅でいただいたちらし寿司だったが、どんな味だったのかまったく記憶がない。大阪まで行き二日で3カ所取材って事になると、音楽をきかせてもらうだけで夢中で必死だし、それに加えて写真撮影もあるのでかなり忙しい。それで、僕はロケ用に新しいストロボを購入することにした。 2003.9.9

壁コンセントからJOBスィーターへの電源ケーブルはAETのクワッドを使っている。JOBからP-1AとP-3Aの強化電源へはMITのZコードII、同じくJOBからCECのTL-2へはGAIA ACを使っていた。300Bとのバイアンプにしてみてから、なんとなくこのあたりの電源ケーブルが気になる(根拠はゼロです)。それで、MITの代わりにAETのツインを入れるとこれは良いとダメが両方出る。そこで、JOBから強化電源までをGAIA、JOBからTL-2をMITのZコードIIに入れ替えてみると、これはなかなか良い。こういうのは組み合わせが沢山あり、マジメに全部比較なんてやってられないから、「いいな」と思ったところでさっと決定する。以前も書いたけど、P-1AとP-3Aは同じケーブルでも電源ケーブルの抜き差しで音が変化するようだし、「これだと思ったら迷わない」が一番だ。  2003.9.10

家から自転車で来る途中、谷中の裏道を時速25kmぐらいで走っていると、僕を追い越す自転車がいて、見るとアレックス・モールトンだった。けっこうピカピカだし、新しいタイプの部品なので買ったばかりかな、ダイナベクターもがんばって売ってるよなあ、などと思いながら信号や何やらの読みで僕はモールトンの先を行き、しばらく走っているとまた後ろからきて追い越す。彼には彼の気持よく走れるペースがあるから仕方がないけど、狭い道でそんなにスピードを出したいかなあと思いながらピッタリ後ろをついてゆく。妻恋坂の信号では汗をふいているし、彼もそう楽々ではなさそう。僕はこの信号を渡ってから右折して蔵前橋通りを清水坂下まで上る。信号を渡ったあたりでチラッと見ると、どうも同じコースらしい。仕方がないので僕は42×13で清水坂下までの数十秒を立ちこぎをすることになる。チューブラータイヤだとこのぐらいの坂なら時速35kmぐらい出るけど、僕の700cだとせいぜい30km/hってところだ。二ヶ月ほどタイヤに空気を入れてなかったのでスピードを出すのは辛く、スタジオに着くとドッと汗が出た。ま、オーディオも似たようなもんでしょうかね。 2003.9.10

今夜はジョアン・ジルベルトのコンサート。

ジョアンの歌をきいて、呆けている。どうも今日は体調がいまひとつだったのだが、そういうことはすべて忘れてしまうような歌? 一種のパフォーマンスだった。あれは何なんだろう。二回も三回も体験する必要はないかも知れないが、体験できない人と体験した人がいたとしたら、体験した人の方が絶対に幸せだろう。今夜は長い間CDできいていてずっと疑問に思っていたことがスッキリした。例えて言えば、紙ヒコーキを飛ばしているような歌で、風に乗って変幻自在なんだが、今にも失速しそうな緊張感を伴いつつ折り返し、飛ばすたびに毎回違う軌跡を描いて着陸する。絶叫などしないし、同じだと言えば始めから終わりまで全部同じなのに、どれも飽きないという不思議な体験だった。 2003.9.11

ジョアン・ジルベルトの来日公演というのは我々に言わせれば、ビートルズの来日に匹敵するような歴史的出来事だと思うけど、興味の無い人にとっては(音楽やオーディオが好きだったとしても)どうでもいいことなんだろう。僕の受けた感銘、同時に居合わせた人たちも似たような感銘を受けたと思うが、街はいつもと同じ、なにも変わらない。

聴衆は割と若い人が多かった、ファッショナブルな女性も多く、「ジョアン・ジルベルトは、知る人ぞ知る存在ではあるが、最高にメジャーな知る人ぞ知る存在」らしい。一人+ギターで、数千人の聴衆が1時間20分も待たされて大して文句も言わず、歌が始まれば2時間も全員の意識を集め続けるわけだから、これには参る。しかし、あの「Wave」は草書の世界だったなあ。

9/12の演奏もやはり一時間近く遅れて始まり、最後の曲は「イパネマの娘」だったそうだ。こういう、神様のような人の生演奏を体験しておかなければ、「オーディオは生演奏を超えるのではないか」などという、不遜の極みのような錯覚に陥ってしまう。

もちろん、あの感動は生でなくては味わえないのだが、それとは別に、あんなに沢山の聴衆が家に帰った時に彼らがいつもきいているCDやレコードから、より多くの感動を引き出す行為をやってくれたっていいのになあと思う。

オーディオベーシック誌に、ヤマハの定価60万円のパワーアンプが出ていた。どのような音なのかはわからないが、久しぶりであることは確かで、興味をもった。日本のオーディオメーカーの多くが、ピュアオーディオから撤退してしまっているので、ヤマハのパワーアンプは単純に嬉しかった。

荒川手輪の会という手話サークルが創立30周年をむかえ、今日は現役員が数人スタジオに来て、僕がこの会に入った頃のことや会長をやっていた時代のことをいろいろ取材していった。僕は「25年以上も前に手話をやっているのって、恋愛してるみたいに楽しかったんだ」と伝えた。ここ数年のインターネットを利用したオーディオファイルの動きは、ちょっと似た感触がある。 2003.9.12

今日は戯れる会で、予告通り前半は1)TOPSTONEi−1のみ、2)300Bシングルアンプのみ、3)300B中高域+i−1低域のバイアンプ、4)i−1中高域+300B低域のバイアンプ、をみんなできいてみた。後半は色々なカートリッジを試聴した。

それと、三人の人がそれぞれのお好みの豆と器具を持参し、各々の方法でいれた三種類の珈琲を飲み比べたのだが、これはなかなかおいしく、気合いも入り面白かった。スタジオにあるカリタのナイスカットミルではご不満だった人もいたみたいで、彼の場合、次回はミルも持参ってことになるらしい。 2003.9.15

やっと涼しくなったので、音楽もきく気になる。どうも、暑いとクラシックに手が伸びず、お手軽に良い気持ちにしてくれそうなソフトに手が伸びる。それからオーディオ機器もあまりいじる気が出ない。そろそろ、いくつかのことをやってみたい。

昨夜、横浜でのジョアンはなんと3時間ほど演奏をして、最後は拍手を受けながら約20分間ほど動かずブラジル人のスタッフが舞台に出てきたらしい、途中で泣いていたようだったという話もきいた。今夜で最後の公演だけど無事に歌ってあと何千人かをしあわせにしてあげてほしい。 2003.9.16

一昨年ぐらいまでは、夜中に何かをやり始めて止まらなくなることがよくあった。新しいトーンアームを手に入れては明け方まで、違うセッティングをしてみて気がつくと朝の4時、なんてことが度々あった。最近はそれがない。ある程度わかってきて必要なくなったのか、熱意が失せたのか、体がもたないのか、多分全部だと思う。結局ピントを合わせるのは一カ所でしかないのだから、いじるのは最低線ということになってきている。 2003.9.17

彼はああして固まってオーディエンスの心を感じ取っているようです。足早に登場したご友人に肩を叩かれ、「ごめんなさい。真心が一つ一つ見えるものだから、、、、アリガト」と一言。泣けました。
 
国安真奈さんのHPより無断転載しました。

新しいPowerMacG5を見て触ってきた。かっこよくて、とにかく速い。そして静かだ。コンピュータの速さとか便利さの感激は大体1週間か2週間で失せ、それが基準になる。オーディオもよく似ていて、「音が良くなった」という感激は、手持ちのソフトの主なものを3巡ぐらいきくと当たり前になり、それを下回る状態は受け付けない。だから、愛聴盤を沢山持っていた方が楽しめる期間も長くなるのかも知れない。300BシングルアンプとSDサウンドの真空管OTLアンプの組み合わせは、きき慣れたソフトの新しい一面を僕に提示してくれるので当分楽しめそうだ。本当は300Bもラックに入れて、正式なセッティングをほどこせばもっと良くなるはずだが、借り物なのでそこまではやる気が起きない。 2003.9.18 

昨夜HAさんのところで、トーキングヘッズの「ストップ・メイキング・センス」のDVDを見せていただいた。久しぶりにみたがとても刺激的だった。あれは随分前にキヤノンサロンの西田さんがタルコフスキーの「ノスタルジア」のLDと一緒に貸してくれて自宅で見たのだった。ノスタルジアの最後のシーンと、デビッド・バーンの大きなスーツは一度見ただけで頭に焼き付き、離れずにいる。

高価なウエスタンエレクトリックの300Bを毎日10時間も使うのは申し訳ないので、暗室の裏から三栄無線のMOS FET A級10Wのアンプを引っ張り出してきて、これでバイアンプをやってみた。これも悪くないが、Audion300Bより感度が低いようで、ソフトによってはアイワンの音量を絞りたくなる。で、再び300Bに戻すとこちらの方が肉声感が強く濃い、そして低音は深いところからきこえてくる。何をきいてみても今の好みは300B+アイワンなので、三栄無線は暗室の裏へ戻っていった。 2003.9.19

そうなるとやはり、SDサウンドのアイワンを二台使ったバイアンプを試すしかないかなあ、、、。アナログプレーヤーも試してみたい物がでてきた。まあ、どこがどうなったところで自己満足の世界だから、自分が気に入っていればそれでいい。 2003.9.21

今年の3月頃よくきいていたギル・シャハムのシューベルトをきいてみた。このCDはTL-0を借りていた時もよく試聴に使ったのだが、現在は、この冬に超高級CDトランスポートを借りた時に出た音を軽く超えている。これは色々な人に確認してもらっているので、ウソではない。超高級機器の提示するものを「ああなるほど、こういうところが違うのか」と体験して、そうなるように寄せていった結果だと思っている。トランスポートとDAC・DDなどは買い替えていないし、置き方もほとんど同じだ。違うのはJOBスィーターの追加、電源ケーブルの入れ替え、あとはAETのSCRラインケーブルかな。

柳澤さんのところも随分良くなったらしい。やはり手強いスピーカーは、最低一年や二年かかる。 2003.9.22

AETのデジタルケーブルURがマイナーチェンジしたそうで、早速DD-DACに入れてきいてみている。まだ数時間だが、確実に進化していると思う。しなやかだし、シンパルのシズル感みたいなものも違う。

最近古いカメラがブームらしい。僕は古いカメラが好きだ、設計者やメーカーの色々な工夫や思想が反映されていて実に面白い。でも、さんざん使って遊んだので今はもう興味がない。銀塩はモノクロームしか撮る気がないし、モノクロームのためにはキヤノンF−1と、かなり古いレンズがついているMamiyaの二眼レフを残した。もちろん仕事用のEOS-1やRZ67は残してあるので、イザというときはこちらを使う。

最近のカメラ操作は、小さなボタンを押しながら何かを回すことが多い。これは無機的で楽しくない。音楽だって、同じ楽譜から演奏しても、有機的なメロディ有機的なリズムというのがあるわけで、機械の操作も同じだ。あるところまで重たくて、それを過ぎるとカクンと軽くなるような気持の良い感触のレバー操作なんてものは、もうカメラには求められなくなってしまった。

どうも僕はその欲求不満の解消をオーディオ機器に求めているらしい。

そのあたりを満足させてくれるオーディオ機器と言えばやはりアナログプレーヤーしかない。そして、レバーがついているようなやつがいいなあと思っている。 2003.9.24

いきなり気温が10度近くも下がったので、真空管アンプを二台つけていてもまるで暑くなくなった。20度前後だと、暑くもなく寒くもなくちょうど良い。こういう時はいっぱい音楽をきこう。

どうも最近ボリュームのあるタイプの椅子が視覚的に耐えられなくなっていて、少しスタジオの椅子も入れ替えることにした。6年前にこのスタジオを始めた時にアーロンチェアとバランスチェアとスパゲッティチェアとYチェアを買って以来、僕は一体何脚の椅子を買ったんだろう。

スタジオの流しの前には、先日の戯れる会で行ったコーヒー試飲会でみんなが置いていってくれたコーヒー豆があって、これをそれぞれ単体で飲んだり、挽き方の荒さを変えたり、混ぜて飲んでみたりしている。オーディオも似たようなもので、DDX-1000のインシュレーターを浮かせて硬い物で支えたので、銅のターンテーブルシートを外してオリジナルのゴムシートに戻してみると、これは割と良い感じだった。

生ジョアン・ジルベルトを体験してから、CDのジョアンがきけなくなってしまった。当分ダメみたいで、特に「声とギター」は現在のジョアンに最も近いので、ジャケットを見ても手に取ることはなく無視している。

カエちゃん:「日本はどうたった? ジョアン」
 Joao : 「素晴らしい聴衆だったし、またいつか行きたいね」
カエちゃん:「そう、じゃあ僕も久しぶりに日本に行こうかな」

こういう会話にならないかなあと思っている。 2003.9.25

 

今日はこんなソフトをきいて過ごした

エリック・クラプトン(イボンヌ・エリマンの声がききたかった)CDとLPの中身はほとんど同じだけど、一部違う

カーディガンズ ジョニ・ミッチェルのベスト盤 何故か突然ホレス・シルバー、

ダコタ・スィート ユーロトラディショナル  

 Djavan ボッケリーニと

 相変わらず脈絡はない

AETのデジタルケーブルの新しいバージョンは徐々に真価を発揮しているようだ

SISに顔を出したら、SDサウンドのOTLアンプが中古で入荷していた。僕が初めて使ったタイプで、フッターマンから乗り換えた時の物と同じやつだ。それと、66C33のも同時に入荷していた。どっちみち中古で高価ではないだろうし、二台買ってバイアンプをやるのも良さそう。 2003.9.26

僕がオーディオベーシックに書いている原稿の量なんてたかが知れているので、自分が書いたことはみんな覚えている。春に出た号の訪問記事(古いタンノイの人)の冒頭の部分は川崎さんに向けて書いたし、現在売っている号の訪問記事(大阪)の御田さんのところは中村匠一さんに向けて書いているのだが、そのように受け止めてもらえているかどうかちょっとあぶない。川崎さんにはチラッとその話をしたが、「はあ?」って言ってたからなあ。もう一人の人は自分のこととして読んでくれているのだろうか?

SISでは、お客がタンノイのスターリングとJBLの4344Mの比較試聴をしていた。ここで僕はいくつかの事を考えさせられた。
ショップで、ポンと置いてまわりにはたくさんのスピーカーがある状態で試聴してるわけだし、煮詰められた音が出たらそっちの方がおかしい。とにかく両方ともバリバリ鳴っている。コルクがついていないスターリングだったけど、すごくハッキリ、シャッキリした音だった。
試聴していた人は「当然だがJBLとタンノイは全然違う音だ」どちらにしようかなあ、と悩んでいた。それもよくわかる、ところが、大まかに言うと僕には両方とも同じ音にきこえるのだ。そのお客が試聴のために持参していたソフトは僕が普段きいているソフトも数枚あって、僕はどうしたって自分が出している音と比較してしまうわけで、そういう観点からするとJBLもタンノイも似たようなものだった。

要するに若い音なのである。その後スタジオに戻り自分の音をきくと、今度はさっきの音が基準になっているから、自分のシステムから出ている音がひどく老成した音に感じられる。例えば戯れる会で僕は、参加者が10人いれば彼らが持ってきたソフトを10枚以上、その場でかけるということを繰り返してきた。
そんな風だから、破綻のない、どんなソフトでもこなす音になってきていると思う。特にこの二ヶ月ほどはその傾向が強い。「もしかすると、面白みが薄れてきているんじゃないだろうか?」そんな気さえする。
いや、もちろん僕は自分の音が大好きだし、そういうことはわかっていてそのまた先の先の話だ。さらにもう一歩、もうかなり限界なんだけど、若さや色気を出したいと考え始めている。いつだってそうだけど、「もうダメだ」って思ってからが本当の勝負だから。 
2003.9.28

最近、アナログプレーヤーが欲しいと思っている。KENWOODのKP1100はスケルトンとオートリフトアップが気に入っていたわけで、オートリフトアップを求めなければ自由な選択が許される。そう考えるとこれは楽しい気もする。STUDIETTOはオートリフトアップだが、プラッターがメタクリレイトなのでクランパーを使わなければならないのが面倒だ。

そういうわけで、もし欲しいプレーヤーが手に入ったとして、アームをどうするか、フォノイコライザーの組み合わせをどうするか、あれこれ考え始めている。アームが三本にフォノイコ三台、その上カートリッジが20個ほどあると、手持ちの機器を全部組み合わせてみるなんてことは出来ない。

クレルのプリアンプKRC2には電源を共有するフォノイコがあって、これはずっとマイクロのMA505sで使ってきた。モノラルカートリッジ専用みたいになってた時もあるし、ここ数ヶ月はトーレンスのMCHIIが付けられていて、すごく良い。このカートリッジは借り物で、おつき合いし始めたところだが、その再生音には驚くべきものがあるので、別の角度から能力を探ろうと考えていた。

DDX-1000+MA505XにZYXをつけて、それをブーメスタのフォノイコできくと、やけに硬質なものになる。それで、ヤマハのHX-10000にしてみると硬質さは改善される。でも、ベンツマイクロL0.4はゆるゆるになる。HX-10000には入力が2系統あるので、アームを3本使ったとしてもクレルのフォノイコとHX-10000があれば全部音は出て、ブーメスタは不要となるわけだが、僕はブーメスタをラックから外すことはせず、ずっと通電していた。このあたりは勘なので理由はない。

トーレンスのMCHIIは横綱大鵬みたいな堂々とした音で、押しても引いても投げても強い、しかも柔軟で華がある。このカートリッジがすでに生産完了とは残念だ。昨日、しばらくお休みしていたブーメスタのフォノイコに「もしや」と思ってトーレンスのカートリッジを接続してきいてみると、これは正解で、「あれはどうだ、これはどうだ」と一日中レコードをかけ続けてしまうほどだった。そんなわけで僕は初めて向かい合ったトーレンスというメーカーに、ある驚きと畏敬の念をいだき始めている。 

それで、次期ターンテーブルはトーレンスのTD124にしようと思っているのだが、なにしろ古いものなのでさしあたり適当な物は見つかっていない。うまく手に入れることが出来、具合が良ければずっと使いたいと思っている。KP1100だって僕は死ぬまで使うつもりだったけど、あちらが先に死んでしまったのだ。トーレンスは電子回路など入っていないので、KENWOODみたいなことにはならないだろうと思っているが、甘いかな。

そういうわけで、DDX-1000は欲しい人に譲ってあげていいですねと持ち主と話している。欲しい方はメールを下さい。アームベースもいくつか付いているし、中古屋さんではけっこうな値段になりそうだが、それほど儲けたいわけではありません。 2003.9.30

トーレンスのTD124が欲しいなどと書いていたら、昨日からDDX-1000はやけに音が良い。まいったなあ、やめるのやめようかな。今はダイナベクターのカートリッジで鳴っているのだが、ダイナベクターXV1としては過去最高の再生だろう。昨日、アームとHX-10000をつなぐケーブルをSCRラインにした結果かも知れない。とにかくよくわからない事態が起きているので、DDX-1000とはもうしばらくつき合うことにする。過去に、別れると告げたら急に良い子になる相手ってのもいたような気がする。

それまでの相手とそれまでの方法でうまくいっていたからと言って、新しい相手ともうまくいくとは限らない。そんなことはわかっているから、フォノイコライザーまで導入して何ヶ月もあれこれやってみているわけだ。でも、暑いと少し怠惰になったりもするし、秋になればプレーヤーも僕も新しい季節をむかえるようで状況も変化しているらしい。だからDDX-1000の可能性をさぐると言うか、いつも書いたり言ってるように、機器から自分がどれだけのものを引き出せるかやってみよう。10月の戯れる会はこのあたりの変化を確認してもらうことになりそうだ。

オルトフォンのMC30superとトーレンスのMCHIIの比較というのはとても面白い。昨日久しぶりにMC30superで弦楽器のLPをきくとやっぱりこれが最高で、一番好きなカートリッジは何かと問われればやっぱりMC30superにとどめをさす。一番高性能とか、最も使いやすいとか、最高にハイスピードとかいう基準なら別のものになるのだが、これはやはり言葉では説明出来ない世界なので10月の例会はこのあたりを体験してもらうことにしましょう。

涼しくなるとクラシックをきくようになる。今日はピアノのCDをいっぱいきいた。武満徹もシェーンベルクも、珍しくパガニーニもきき、最近入手したシュトラウスの「四つの最後の歌」ヤノヴィッツのLP(LPがあったなんて知らなかった)をきいた。第四曲目の冒頭がCDだとものすごいフォルテで、いつも「うるさいなあ」って思っていたが、LPはそうでもない。どっちが正しいんだろう。

ダイナベクターのカートリッジXV-1(今はsになって定価35万かな)はものすごく良く鳴っている。ずっと「ひずみ感がなく優秀」という印象で、ややおとなし目と言うかいつも余裕ありすぎって感じだったのだが、今は才能のある人が額に汗しているような状態、あるいは切なさが伝わってくる。とにかく理由はわからない。アームはマイクロのMA505X-平方電気の中村さん作のDIN-RCA変換器-AET SCRラインケーブル-HX-10000-MIT MI330-クレルのプリ、こういう接続だ。DDX-1000のインシュレーターは柔らかすぎるので、コーリアンの角柱で支えてリジッドにし、銅のターンテーブルシートをやめオリジナルのゴムに戻した。それと、先日撮影でバックの紙を吊った時にKEFを20cmほど後ろに下げた。

そんなわけで、この組み合わせで大変楽しくあれもこれもときいている。

 

はて? 我ながらきれいにとれた

 約二十年前の超高級カートリッジ

音はLPをかけること片面3枚ほどで蘇った。針圧は0.8g!でしっかりした音が出る

下の写真にある変換ケーブルを使ってアームからHX-10000を全部SCRラインケーブルにしてもう一度試聴すると、このカートリッジでしかきくことの出来ない世界を味わえて、欲しくなってしまうほどだった

これだから、アナログはやめられない

最近やっと比較的高級な一体型SACDプレーヤーがぼちぼち出てきてる。僕の場合、もし一体型SACDプレーヤー1台で済めばそれが一番望ましい。デジタルケーブルも不要だし、今DDとDACが置いてある棚だけでCDとSACDが大きな不満なく楽しめれば最高だと思う。そうすればCDトランスポートが置いてあるところが空いて、そこにパワーアンプをもう1台置く事も可能なのだ。
SACDはソフト(フォーマット)に依存する面もあるから音質に不満は感じないものとして、従来CDを再生した場合の音質が現状を超えてくれなくてはならない。もうそろそろどうかと期待しているので、機会があれば一体型SACDプレーヤーの試聴には興味がある。

DDX-1000はすごく良い感じで鳴り始めたので、古い103やAT33MLなんかをつけてみてもすごく良い。だからつまらない。 2003.10.6

 

平方電気の中村さんに作ってもらったAETのSCRラインケーブルのDIN-RCA変換ケーブル

DINプラグがけっこう高価なのと、1m12.000円のケーブルを60cm使っているので、店頭売価は20.000円とのことだった

いっそのこと1.2mほどにしてもらって先端をピンにしてもらえばSCRラインのフォノケーブルになる

これはあくまで変換用なので、この先にぶっといのをつけることも同じAETをつけることも可能なわけです


そんなわけで、手持ちのカートリッジ約20種類をとっかえひっかえしてきいてみている。写真に写っている物のおかげでどのカートリッジもより良くなった。SCRラインケーブルはHX-10000の美しさを保ちつつ、やや力感やコントラストに欠ける面をよく補ってくれる。10/6の「よく鳴っているのにつまらない」というのは、やはりまだ突き抜けていなかったのだろう。ついに思い描いたサウンドを得る事が出来たので、この変換装置は僕にとって2万円以上の価値があった

ずっと不満を感じていたベンツマイクロのL0.4をつけてみると「これならOK」という状態になった。DDX-1000とヤマハのHX-10000だとL0.4はずっと本来の力強さとか明るさが出せなかったのだ

やっぱり「トロピカリア2」はL0.4できくのが一番です。というか「L0.4がこのぐらい溌剌と鳴って、クラシックの弦なんかはソフトによって少々きついかもというのが一つの目安で、そのポイントを見つけられれば、他も良い状態になる」これはこの4年間で体験的につかんだことだ

            2003.10.8

いきなり寒くなり、パワーアンプ暖房じゃ足らないぐらいだ。今年は天候が不順なのでずっと体がおかしい。音は快調だけど、季節のせいか心が不調でちょっと憂鬱。明日はインターナショナルオーディオショウだけど何か面白い物はあるかな。

朝から東京フォーラムへ行き、一日中各ブースをまわり撮影をし、色々な人に会い、ものすごく疲れた。現実的じゃない物を抜きにすると、特に欲しい物は無く、ティアックのブースにあった一番安いフローティングのアナログプレーヤーだけが妙に気になって、撮影終了後個人的興味でもう一度見に行ってちょっと触ってみた。

まる一日中ド迫力の音を沢山きいたので、スタジオに戻りお茶を飲みつつ画像の処理をしながら好きな音楽をきくと心が安まる。

二〜三日前からDDX-1000が面白い状態になっている事がわかった。今まで、あるカートリッジが良い具合になると他のカートリッジはうまく鳴らない事に遭遇したことがある。反対にそのうまく鳴らないカートリッジを良く鳴らすと、それまで良かったカートリッジのご機嫌が悪くなったこともあった。

常用カートリッジであるZYX、ベンツマイクロ、MC30super、あるいは懐の深いトーレンスMCHIIなどは良いのに、ちょっとがっかりするような音が出るカートリッジがあって、僕はそのカートリッジがおかしいのだと思ってきた。だって、いくつかの物はすごく良く鳴っているのだから、その状態で妙な音が出ればそれはやはり妙な音を出すやつが悪い。ABCDEさんとは楽しく過ごせるのに、Fが僕の気分を悪くさせるのならFとはつき合いたくなくなるのは当然でしょう。
ところが、不思議なことに今はどのカートリッジを装着しても実に魅力的な音楽を奏でてくれるのだ。多分KENWOODのプレーヤーだったらこの状態は得られなかっただろう。いつかKENWOODの社長に会うなんてことが実現したら「修理ぐらいして欲しい」と直訴しようと思っていたが、今はその気持がなくなった。いくら引き止めたところで、去っていく物は去っていくわけで、一年に一度壊れしかも修理がきかない物じゃどうしようもない。他にも魅力的なプレーヤーは沢山ある。

しつこく説明するが、KENWOODがダメでDDX-1000が良いという事ではない。今やっとたどり着いた状態というのは本当に偶然で、もしかしたら逆、つまり他のプレーヤーがダメでKENWOODによって全部具合良くなる可能性もありなのだ。僕はいじくる事が趣味なわけではなく、自分にとって好ましい状態を追求しているだけだ。 2003.10.10

自分にとって好ましい状態というのは、音に加えて操作性とか操作感、そして色やかたち、つまりデザインとかたたずまい全てで、それは個々の機器だけではなく全体のバランスも関係してくる。メトロノームカリスタは操作感もデザインも最高級のCDトランスポートだが、僕のところに置くと何かしっくりこない気がする。カリスタには主役をはらせてあげたいけど、STUDIETTOだの昔なら改造KP1100だのがあり、みんなスケルトンではカリスタの個性も生きないし、その前に買えないから分不相応ってのが一番アンバランスということになる。

カリスタは4日間借りて試聴し、僕は多くのことを学習した。この学習機能はかなり問題で、あっちこっち行って音をきかせてもらっても学習機能が低い人は自分の音に反映することができない。ああ、次回のマルチフォーカスチューニングはどうなるのだろう。マルチフォーカス初回、彼は僕に向かって「山本さんはデザインにこだわる人ですか?」と言い、僕は答えに窮し絶句した。僕が十分こだわっていることをわかっている相手になら「こだわらないことにこだわる」なんて言うのもありだが、あれはそのずっとずっと手前のまた手前、スタートラインより手前の問題だった。 2003.10.12

昨日から生暖かい風が吹いているので、ボーっとしている。冷房入れようかと思うほどの気温で、体の中から芽が出そう。こういうときは何か買いそうで危ない気がする。 2003.10.13

今日は一転して寒くなり真空管アンプ暖房がちょうど良いくらいだ。色々あってTAOCのラックの予備を組み立てて空いているところに置いた。スパイクではなく革をはさんで水平を出し、左のラック同様棚板もスパイクは使わずゴムが挟んであるので、わりとゆるゆるした状態にしてある。300Bのアンプをここに移して音を出してみると、やはり床に棚板だけの時とは音が違う。300Bアンプの電源ケーブルはクワド(ツインだったかなあ、似てるので定かではない)よりTAITANの方が良いようだった。

ラックを組んで置き場所を増やしたので、CD12でもSACDプレーヤーでも新しく入手するつもりのアナログプレーヤーでも、何でも来なさい状態になった。

昨日の午後、近所に来たプークマ氏がスタジオに寄ってくれた。LPをかけ、僕は台所で何かやっていると地震があった。いきなり縦揺れがきたので、いよいよかと思った。

揺れがおさまった後、
プークマ氏「このトーンアームはダイナミックバランス?」
     「そうです」
プークマ氏「スタティックバランスだったら針が飛んでいたかも知れない」
という会話があり、僕は「うーむ、オーディオマニアだ」と思った。
あの時僕は「今日はSTUDIETTOが縦に揺れているな」と考えていた。 

 

その時は「音のエジソン」のモノラルカートリッジでベートーヴェンの弦楽四重奏をきいていた

手づくりの、あまりパッとしない外観で不安を感じるが、音は良い

このカートリッジできくと、埋もれていた音が沢山きこえてきて、モノラルレコードにおけるSACDみたいな表現をする。太く濃い音ならオルトフォンCG25Dだけど、繊細さや情報量ではエジソンだろう。クラシックにも良い

この機種は4万円台で買えるし、これからの季節でも安定した性能を発揮するので、モノラルLPが好きな人にはおすすめです   

300Bシングルアンプとアイワンのバイアンプが良かったのか、SCRラインケーブルのおかげか、モノラルレコードをきいてもCDをきいてもすごく良い感じで、まったく不満がない。すごく良いところに着地したみたいなので、当分このままにしようと思う。結局、DDX-1000を使いこなすのには3ヶ月以上かかったことになる。DDX-1000は予想より大物で、なかなか手強かった。適当なトーレンスTD124があれば欲しいと思っているが、これはまだ見つからない。欲しいと思っていればそのうちやってくることだろう。やっとDD-X1000が良く鳴るようになったのだし、この秋はそれを楽しみつつ暮らすことにしよう。 2003.10.16

このところの音質向上のおかげで復活したソフトが沢山ある。LPもCDも「あれ、このソフトはこんなに良い音だったのか」と再認識した物がけっこうあるので、この数日はずっときいていなかったソフトをきくようにしている。明後日の午後は戯れる会なので、DDX-1000がどう絶好調なのかを確認してもらいましょう。

ヘンに誤解されたくないので、戯れる会への入会勧誘はあまりしないのだが、特にCDもLPも両方好きな人なら、年会費を払おうが、参加費を払おうが「会員になっていて良かった」と思う事が今後沢山起きると思うので、迷っている人には「入った方がいいですよ」と言っておきましょう。 2003.10.17

今日は読書の日。家で本棚を見ていると「本格小説」というのが目についた、配偶者は僕とは違い活字ジャンキーなので話題になった小説はだいたいあるのだ。僕は「おいおい、そんな題名ありかよ」と思いながら、10行読んだだけでこの本を読んでみることにした。文章のリズムと言うか呼吸みたいなものが、自分が書いている文みたいに自然だったからだと思う。オーディオにはまったく不満がないので、音のことは何も考えず、ききたいCDやLPをかけて読みたい本を読む。ホルショフスキーやアーリン・オジェーをかけ、その合間にベン・ワットなどをきく。 2003.10.18

今日の午後は戯れる会であれこれ音楽をきいた。参加者持参ソフトはどれも音の良いものばかりだったが、ドリアンM氏が持ってきてくれた超絶ウクレレは面白かった。後半はカートリッジのきき比べで、音のエジソンのモノラルカートリッジから始めて、DL1000、MC2000、MC30super、トーレンスMCHII、ZYX、L0.4、などであれこれきき続け、最後はウイルソンベネッシュのカートリッジをつけた。ウイルソンベネッシュのカートリッジは最近やっと魅力を発揮し始め(と言うか、やっとそれがわかるようなセッティングになった)妙に妖しい音を出すようになった。以前紹介したマグネパンのユニトラックのアームのような音で、会が終わってからも一人であれこれきき続けている。このところCDの音も良くなって、音質はどちらも不満などないけれど、カートリッジ交換により色々な表現を楽しむ事ができるので、これをやらないのはもったいないと思う。 2003.10.19

「本格小説」は最高に面白かった。確かに本格小説で、世界に引き込まれ度が高くとても楽しめた。文学における「本格小説」という題名は非常に新鮮で、この題名でなければ僕はこの本を手にしなかっただろう。でも、考えてみればクラシック音楽の題名は「半音階的幻想曲」だの「超絶技巧曲」だのは当たり前だ。絵画は?陶芸は?現代美術は?書道の題は?どうか。 2003.10.20

次回、来月の「音と戯れる会」ではついにライラのTITANが登場するようだ。
今回かけられなかったダイナベクターも来月はみんなで試聴したい。

ウイルソンベネッシュのカートリッジだと古楽器が最高に良い。でも、ちょっと飽きてきたので今日は宗教曲にしてみるとこれがまた絶品なので、カリオペだのGimellだののレコードが引っ張り出されている。タリス・スコラーズもきくのは久しぶりだ。

どうも僕にはレコードプレーヤーの方式の違いなどよくわからないようで、DDとベルトのどちらが良いのかも多分ブラインドだったら判別不能だと思う。だから、クオーツロックが良いのか悪いのかなんて気にしたこともない。STUDIETTOもKENWOODもDDでクオーツロックだけど何の疑問ももたずに使ってきた。ガラードはアイドラードライブだからベルトに比べれば力強く回るのは確かで、その代わり直接振動が伝わるからややSNが悪いと言われている。まあでもそんなことはレコードのサーフェイスノイズみたいなもので、音楽が良く鳴っていれば気にならない。

オーディオってのは教室にいる学生に向かって講義をしているようなもので、江戸時代の蘭学塾じゃないから、彼らの意識は散漫だ。ボーっとしているぐらいならまだしも、下手をすれば隣の学生とおしゃべりをしたり物を食べたりする。それを、うまいこと集中させられるかどうか。使いこなしっていうのはそういうことみたいだ。 2003.10.21

多分これからケーブルの値段は下がると思う。そして性能は上がってゆく。そうならなくちゃいつまでたってもオーディオは異常な趣味を脱することができない。ケーブルはクルマにおけるエンジンオイルよりはるかに重要な位置を占め、もしかするとタイヤに匹敵するほどかも知れない。でも、この太いケーブル命みたいな感じでケーブルに頼るのは絶対にやめた方がよい。タイヤだけ良くてもしょうがないわけで、まずは機器をまともな環境に置き、良い社会みたいなものを作る。その上で好ましいケーブルを選ぶ。これは簡単そうで意外に難しいのだが、そこまで到達している人の数が増えていけば、ケーブルメーカのみならずオーディオメーカーも変化していくと思う。 

まいったなあ、新型iBook。価格据え置きで(124.800円)G4/800Mhzでコンボドライブかよ。これって去年出たPowerBookの12インチとほぼ同じだぞ。Pantherも入っているし、デジタル機器は進歩変化が速い。くそー、ついに僕のCubeもiBookに追いつかれた。いっそのこと1.4GHzのCPUのせてやろうか、などと考えてしまうおバカな私。しかしいいよな、BluetoothとAirMacExtreme。 

11/24-26はスタジオで写真展。金曜日と土曜日の夜8時からはパーティです。遊びに来て下さい。

この写真展の次は11月末に「闇のカーニバル展」を開催予定。オープンキッチン同様のオープン暗室をやろうっていうアイデアは僕が出したのだが、知らない間に「日本初のエアギターコンテスト」(練習しておかなくちゃ)だのDJだのをやるらしい、そういう中でモノクローム写真のプリントをやるのって楽しい?気が散って迷惑? やってみなくちゃわかりませんね。でもとにかく、新しい試みや誰もやっていないことをやるってのは大好きです。 2003.10.23

写真展なので、オーディオはお休み、写真展だけど明日は朝から晩まで外で撮影、月曜日も早朝からまる一日撮影なので、多分あまり更新は出来ないと思います。 2003.10.24

パート5に移行します

 

 

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みなさん誤解しているかも知れませんが

StudioK'sは写真撮影のスタジオです

 写真撮影の仕事に対する意欲は満々です

 

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架空セカンドオーディオ

 


 

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僕のオーディオ装置 スケベ根性ありありの中庸 パート1  1997年〜2000年まで
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僕のオーディオ あんまり膨大なのでパート2 2001年

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さらに膨大 パート3 2002年