パート1
僕のオーディオ装置


僕のオーディオ生活 

指揮者は一生懸命音を混ぜよう混ぜようとしているのに、何故オーディオマニアはそれを分解してきこうとするのか?

「小沢征爾が僕にこう言うんだよ」と、亡くなったオーディオ評論家の高島誠さんが笑いながら話してくれた。僕ももちろん音を分解してきいて喜んでいるし、それがさらに心地よくブレンドされていたらもっといい。そんなわけで、この話をきいたのは随分前の事なのだが、結論は死ぬまで出そうにない。



他のページでは僕の友人たちのサウンドや、どんな風に音楽が楽しめるかを紹介しているのだが、自分で自分の音に対するコメントを書くのは難しい。それで、僕のところへききに来てくれた人に、感想を寄せてもらう事にした。「なるほど」と思う意見もあるし、「そりゃないよ」と思うものもあるのだが、とにかくそのまま掲載する事にした。

山本サウンドはこんな風だ


スピーカー      KEF105 3s + PT-R9
CDトランスポート  CEC TL2
DAコンバーター   ゴールドムントmm10 → PerpetualTechnologiesP-3A+PA+P3(MONOLITHIC SOUND)
           デジタルケーブルはAET
プリアンプ      オーディオカレント パルティータ C1→パスラボ X2(00.3)→パスラボ×1(01.7)
フォノイコライザ   パス ラボ Aleph Ono LINN LINTO ブーメスタ    
パワーアンプ     ゴールドムントmm8→ マランツ MODEL8B(二週間)→FUTTERMAN OTL4
           SDサウンド製 OTLアンプ(01.5)
           SDサウンド製OTLアンプ三台によるバイアンプ(01.11)
アナログプレーヤー  ゴールドムント STUDIETTO
           KENWOOD KP9010 スケルトン + アーム多数
カートリッジ       ZYX クライオ  Ortofon MC30Super 他
  インターコネクトはMIT MI330 ストレートワイヤー クレッシェンド
  SPケーブルはオーディオクエスト(インディゴ・ブルー 低音)とISODA(中高音)を使用
         01.11より MIT MH750(低音)AET ガイア(中高音)

目指してるサウンドは

1)音楽が楽しめて、2)長時間きいても疲れず、3)出来るだけワイドレンジで、4)立体的にきこえて、5)艶と迫力が両立する

    というものです。言葉で説明してもわかっていだだけないので、興味のある方は連絡をいただいて直接体験していただくのが一番かも知れません。


☆パワーアンプをmm8にした 98/3
☆ゴールドムントのmm6からmm8に買い替えたのだが、実はその前にmm9をきいてみた。当初、上位機種であるmm9の方が良いと信じていたが、試聴してみると我がシステムではmm8の方が良かった。mm9のグッと重心が下がって余韻の長い音も魅力的だったが、スピード感や開放的な感じが失われるのでmm9は購入を見合わせた。そこへ、mm8がやってきたので早速持ってきてもらいスタジオで試聴した。mm8はmm6の良い面を失わず、腰がすわり弦の音は美しく響くのでmm8を購入することにした。

約3年半使用したmm6は購入価格が27万円(中古)だった。今回の下取りは18万円なので僕は3年半で9万円しか使っていない事になる。mm8は30万円だったので差額12万円でmm6→mm8になった。

☆TL1もきいてみた 98/5
かねてからきいてみたいと思っていたCECのCDトランスポート、TL1をStudioK'sで試聴した。ゴールドムントのmm9と同じで、弦の艶やかさと全体的なふくよかさにはハッとさせられるし、情報量の多さも感じられる。だが、反面シャープさはスポイルされる。TL2の方がソリッドというか、ややドスのきいた音で、これはこれで良いと感じたので、TL1は購入しない事にした。

この事務所を借りる契約をしたのが97年の7月だから、スタジオK'sもそろそろ二年になろうとしてる。これまでにやってきた事をまとめてみよう。

☆最初にオーディオ機器を運び込んで音を出したときは、泣きたいぐらいひどい音だった(97/8) 僕のスタジオに来た人は「これだけ広くて良い条件ならいい音も出て当然」みたいに言うけど、最初の音をきかせてあげたいと思ってしまう。実はこの最悪の音をきいたくせに、それ以来一年半もききに来なかった人が一人いて、僕は長い間「あれは許し難い」と思っていた。

☆TAOCのラックに入れただけで希望が持てる音になった(97/9)やっぱり振動の問題って大きいんだよな。
☆YAMAHAのパラメトリックイコライザーを導入した(97/9 それほど積極的な使い方はしていなくて、低域をわずかに持ち上げる程度の使い方だが、効果は絶大だと思う。アナログにはイコライザを通していないのだが、低域は充分出ている。中低域の厚みという点でもアナログとデジタルは隔たりがあるようだ。
☆各機器の下と上にフェルトを入れた(97/10)
☆壁にフェルトを貼った(97/11)
☆PT-R9を追加した(98/1)結局0.47のコンデンサーのみでオーケーみたい
☆パワーアンプをゴールドムントのmm8にした(98/3)
☆CDトランスポートとDACを結ぶケーブルをISODAにした(98/7)


☆99年のもくろみはズバリ、アナログの再開
 LP12+バルハラ+LVIIが手に入った 99/4
LINNのLP12というプレーヤーはとても好ましい。嫌味のないカタチだし、気楽でありながら、実にまともな音でアナログディスクを楽しむ事ができる。アナログを極めようとすると、どうしても超弩級のプレーヤーになりがちだが、いくらいい音がしたとしても僕はあのタイプを使いたくない。何故って? クラウンやダンプカーでドライブしても楽しくないもんね。秋葉原のサウンドクリエイトにLVII付きのとても程度の良い物が入ったという知らせがきたので早速見に行くと、本当に大切に扱われてきた感じのLP12だった。数日後、調整が施された上で、届けられた。

99.5/20 LP12を購入したときLINNのASAKAというカートリッジが付いてきたのだが、これは「優雅、典雅」な表現をする針だった。友人がオーディオテクニカのAT33MLをくれたのでつけてみると、こちらはASAKAとは正反対のバキッとしたサウンドで、弦以外は楽しめる。さらに、富田徹さんからオルトフォンのMC20スーパーを貸りてきいてみた。MC20は何というのか、大人っぽくて懐の深い音がする。ここまできて、アナログには「強い表現」を要求している自分を理解した。AT33MLの元気さを確保しつつ、もう少し複雑な響きも表現するカートリッジが欲しいだけなのだが、良いカートリッジを見つけるのは予想より困難で、僕は困ってしまった(=楽しいという説もあるが、、、)。一個ですべて満足させてくれるなら定価20万以上のカートリッジでも良い(いや、安いに越したことはないけど)のだが、今のところそういう確信の持てるカートリッジはない。面倒だから、アナログプレーヤーを2台にしようかとさえ思ってしまう。そうなるとフォノイコライザももう1台必要かも知れないし、どうせならIKEDAのアームでも買おうかと思うのだが、良いターンテーブルがない。まあ、贅沢は言わないで、明日は別の友人がベンツマイクロのGLIDERを持ってきてくれるし、当分カートリッジ選びを楽しもう。

☆カートリッジはBenz MicroのL0.4に決定!
99.5/26 友人に借りたGLIDERはなかなか好ましかった。それで、その上位機種のL0.4を(株)YUKIMUから拝借して試聴した。僕はGLIDERから付けかえて、レコード一枚(約10秒間)きいただけで気に入ってしまった。ジャズのベースがモリモリ出て、しかも単に量感が増すだけではなく微妙な響きが良く抽出された上での量感なのだ。となるとさらに上位機種のREFERENCEとかRUBYあたりが気になるところだが、値段の問題もあるし、ここらで手を打つのも悪くないと考えてL0.4を標準カートリッジとすることにした。色々きいてみたけど、クラシックもジャズもロックもポップスもみんないけます。ちゃんと血や肉が感じられるサウンドです。それにしてもカートリッジ選びはけっこう大変だった。

99.6/15 "SIS"に行ったらISODA製1.5mピンケーブルを4000円で売っていた。新品なら2.5万ぐらいだから、心の中で「ヤッホー」と叫び、手に入れた。僕がISODAのファンだと知った角(すみ)さん=ヤマギワ5Fのトップだった人だ=が「イソダさんに特注して作ってもらったフォノケーブルを持っている」と言う。しかも、今は使っていないそうだ。「是非、使わせて欲しい」と頼んだ数日後、LP12にISODA製フォノケーブルをつけてみて、僕は「やっとアナログも自分の音になった」と感じた。それぐらい音は変化する。このフォノケーブルはそれなりの値段だったみたいだし、もらっちゃったから角さんには借りが出来てしまった。

ISODAケーブルを付けるとLP12のフローティングの動作に影響があるので、キューブ状のインシュレーターで本体を浮かせた。L型のコネクターに付け替えようかとサウンドクリエイトの花木さんに相談してみたら、花木さんは「ISODAは太くて堅いのでL型にしても引っ張られるから、LP12の脚の下にもっと高さのある物を置いた方が良い」と言う。それで現在は高さ10cmほどのアルミの円柱の上に乗せたセッティングになった。


99.7 ☆ GOLDMUND STUDIETTO 購入
カートリッジ交換で簡単に別のサウンドが得られる事は、アナログの魅力の一つでもある。しかし、LP12のアームは固定式だからカートリッジ交換はちょっと面倒だ。プレーヤーが二台あればその問題はかなり解決するわけで、「もう1台プレーヤーが欲しい」と思い始めた。我ながら「欲深な人間」だ。僕はまずウエルテンパードのClassicを貸してもらって試聴した。これは大変美しい音のプレーヤーで、夜中に弦楽器のレコードをきいてから寝ると音が夢に出てくるほどだった。ウエルテンパードをきいてからLP12に針を付け替えると「LP12は荒れた音がする」とさえ感じた。僕のBENZMICROは何度も二台のプレーヤーの間を行ったり来たりした。ウエルテンパードの独創的で単純な機構のアームには納得させられるし、モダンなスタイルも魅力的だったのでほとんど購入寸前だった。☆だけど、僕はウエルテンパードCLASSICを買わなかった。二週間悩んだ末、購入を断念した。理由は「全体的に、ある方向に偏りすぎる」事だ。オルトフォンの"HMC30"というやたらと元気の良いカートリッジがウソみたいにまともな音になるのはおかしいと思う。オイルダンプされたアームにすべての音が支配されて、腕白な子も神経質な子もみんな良い子になってしまうように感じられた。僕がきいたのは旧いアルミのアームで、現行のclassicや上位機種のREFERENCEにはあてはまらないのかも知れないが、多分似た傾向はあるだろう。それに、悩んだ末に購入して良かった事は一度もない。大体一晩から半日で決めて割と長く使うのが僕のパターンだ。

色んな機器を試聴するのは新たな感動を求めているからだと思う。世の中のオーディオ機器の音を全部知ってるわけじゃないし、試してみなければわからない。そんなわけで、その後もライラのカートリッジ(パルナサスd.c.t)とエアーのV3Mark2をきいてみた。ライラは体験したことのない精密な音で欲しいと思った。エアーは(凄すぎて)僕のシステムの中では良い面が出せず半日きいて試聴をやめた。

その頃、ダイナミックオーディオのマインドショップにGOLDMUNDのアナログプレーヤー「STUDIETTO」があるという噂をきいて、僕は「どうしようかな」と思った。GOLDMUNDのプレーヤーを使っている知人は二人いて、音の良さは認めるものの調整や修理は大変だときいていたからだ。だけどLPからあんな風に空間感を出すプレーヤーは他に無い事を知っているので見に行くことにした。

GOLDMUNDがアナログプレーヤーのアームからスタートしたのは有名で、オーディオマニアなら誰でも知っている。だけどそれはアナログ末期だったし、リニアトラッキングというやや特殊なメカで高価だった事もあって、日本に存在するGOLDMUND製ADプレーヤーは極めて少ない。超弩級のREFERENCE(最終価格は680万!)、そしてスタンダードなSTUDIOがあって、その下にSTUDIETTO(当時75万)なのだが、とにかく中古で出てくる事はきわめて稀なプレーヤーだから、入手は困難だ。台付きのREFERENCEはともかく、フルオートでコントローラー付きのSTUDIOだったら置く場所に困るところだが、STUDIETTOはかなり簡略化されたメカとスタイルなので、タオックのラックの上に乗せる事が出来る。

マインドショップの厚木氏に「音も確かめたいし、ちゃんと動くかどうかが心配だから」と交渉して一週間ほど貸し出してもらう事になった。厚木氏とは彼がサウンドハウスにいた頃ちょっと話をしたことがあったが、面識はないに等しいので、このあたりは秋葉原から徒歩5分にリスニングルームを持つメリットだとも言える。

STUDIETTOを「StudioK's」に運んでもらい、付いていた「光悦」を外してBENZMICRO L0.4を(けっこう苦労して)装着し、針圧を1.8gにして(これも苦労した)音を出してみると、これがすごくいい。僕がずっと探し求めていたサウンドそのものだった。繊細で、しかし芯があって、響きがきれいで、陰影があって、しかも上品な音だ。そしてLP12でもウエルテンパードでも感じられない立体感がある。僕は数時間で買う事を決め、翌日お金を払って自分の物にした。

99/8 昔のSTEREO SOUND誌を読んでみても、GOLDMUNDのSTUDIETTOが「すごく良いプレーヤーだ」とは書いてない。だけど僕はすごく良いと思っている。STUDIETTOやSTUDIOが新品で売られていた時代は、BENZMICROもLYRAも無かったし、試聴もJBLの4344とかで行っていた。JBLは優れたスピーカーだけど、僕が最優先課題にしている「音場感」は出にくいタイプだ。もしB&Wの801+現代的なカートリッジで試聴し直したら評価は変わるだろう。

リニアトラッキングのプレーヤーは今も存在するが、GOLDMUNDのリニアトラッキングはなかなかユニークな動きをする。理論と曖昧さをうまく融合させたシステムを文章で説明するのは困難なので省くが、他にこんな動き方をするアームはないと思う。アナログの音はカートリッジが単体でつくっているわけではないので、適当にアームの(良い)響きがのってくれた方が望ましいのではないかと思う。

4月から再開した僕のアナログもここらで一段落という感じだ。アナログに集中したために捨て置かれたCDの音も見直して、今は機器をいじる事なく音楽を楽しめる状態になっている。本音を言えばアナログとデジタルの音にはかなりの差があって、デジタルをもう少し良くしたいとは思うけど、それは来年の課題にしよう。冷房も暖房もいらない季節は音楽をきくには最高だし、アッと言う間に100枚を越えたLPをもう一度丁寧にきいてみようと思っている。

8月は岡崎宅と柳澤宅を訪問して、色々な刺激を受けた。良い写真展や美術展を見てきたような感覚で、僕の中で何かが動いた。富田さんのところもそろそろ落ち着いたみたいだし、涼しくなったら一度お邪魔しようと思っている。

99.8.21 夜、岡崎さんと富田さん、それにSISのお客の北村さんがStudioK'sにやってきた。CDの音をきいてもらった後、STUDIETTO+L0.4によるアナログの再生をした。彼らの感想は「すごい、STUDIETTOはすごい、どっかで見つけたら買う」「山本さん、死んだら譲るって遺書書いといて」というものだった。僕は「おいおい、まったくひどい奴らだなあ、機器じゃなくて僕の使いこなしは誉めてくれないの?」と思っている。

99.8.26 STUDIETTOの針圧調整は非常にやりにくい。今まで使ったプレーヤーの中で最もやりにくい。鉛のウエイトをネジで固定する原始的な方法で、ネジを強く締めていくと微妙に位置が変わる。そのため、狙った針圧の前後を行ったり来たりして、何度もうまくいかないと気が狂いそうになる。そこで微調整専用のサブウエイトを設けることにした。ガタつき防止のロックナット付きです。本当は、上から見てアームの軸上にしたいのだが、どうにもそのスペースがなく、オフセットした位置にした。もし問題があるようなら、ネジをもう一組つければ解決すると思う。

メインのウエイトに穴をあけて、タップを立ててネジを取り付けた、右の写真の状態で針圧は2.22gだが、子ネジを伸ばすと2.1以下まで、縮めれば2.3gぐらいまでの調整が出来る。写真のデジタル針圧計は借り物だが、返却しても、メインのウエイトを外すことなく2.1〜2.3gの針圧調整が可能になった。最近L0.4の針圧は2.1〜2.15gぐらいできいている。

99.10 せっかく手に入れたLINNのLP12だが、STUDIETTOを購入したので手放す事にした。僕は機器を割と長く使用しているので、数ヶ月で買い替える事は稀だ。LP12+LVIIの音って外観から想像するより「かなり明るく開放的」だったが、これはこれで良いし、何よりアームを操作する感覚と別れるのが辛かった。STUDIETTOに感じる唯一の物足りなさは「レコードをかけている感じが稀薄なこと」だ。これは長いこと鉛筆や万年筆で文を書いてきて、ワープロで文章を書いた時の違和感に近い。

99.10 柳澤和男さんがスタジオに来てくれた。音をきいてもらうのは初めてだったし、なにしろJBLの愛用者だから(つまり対極の音を愛してるので)緊張する。「中高域はすごい、低域も充分出ているが、骨格感が甘い」というコメントだった。STUDIETTOの事は柳澤さんも気に入ったみたいで、僕は「今度どこかにSTUDIETTOが売りに出たら、その争奪には血を見るかも知れない」と思っている。どなたか持ってる方、放出してみませんか?

studioK'sのシステムも3年目なので、1)富田さんを真似て、スピーカーセッティングで低音を出す努力をする、2)スピーカーケーブルをバイワイヤリングにする、3)そして最後にYAMAHAのパラメトリックイコライザを外す、という事を三日間かけて試みると、大幅に音が変化した。以前はイコライザなしだとまるで低音が不足していたのに、ほとんど不満を感じなくなった。KEF105を手に入れて以来2年間ずっとパラメで低音を出し続けたので出るようになったのかも知れない。僕の鳴らしてる時間は、一年365日平均8時間以上、ソースはクラシック全般を中心にJAZZ、ロック、ポップス「レッ・チリ」「ゆら帝」「カーディガンズ」「ロン・セク」なんてのもかかったりする。それに加えて4月から約5ヶ月間アナログディスクをかけ続けたので、ウーハーに対してCDとは違う刺激を与えた事も事実だ。理由は定かではないが、このあたりがオーディオの不思議なところで、サウンドは生き物の様に変化する。イコライザを外すと50Hz以下の低音は不足するので、友人宅へ里子に出していたYAMAHAのスーパー・ウーハーYST-SW500を持ってきて使う事にした。CDには必需品のスーパー・ウーハーだが、アナログ再生時には使用していない(アナログは低域が厚いので必要がない)。

 

変わったかどうか

その他のコメント

富田徹

激変

KEF105を鳴らしきっている

高野昌樹
スッキリしたが正直「激変」とは感じない 以前より分析的な聴き方をするような方向になり、フュージョン/ポップ系の音楽では以前よりも客観的、冷静になった。

大野雅彦

ほぼノーコメント

大野さんには誉めてもらった事がないのです(山本)

則島香代子

すごく変わった

何のCDをかけても音が良くなったのでビックリ

岡崎俊哉

こりゃ激変

スーパーウーハー追加も正解、次はプリとトランスポートですね

99.11 フォノイコをパスラボのAleph Ono にした
僕にも「黒田恭一氏にとってのM1」にあたる人物が二人存在する。一人は岡崎さんで、もう一人はSISの大野さんだ。二人とも頭文字がOなので、O1とO2と呼ぶことにした。黛氏同様、二人とも悪魔だったり神様だったるする。岡崎さんはオーディオショップの店員じゃないから、僕にやたらと「今度はあれを試せ、それがダメならこれを聴いてみろ」とすすめまくる。自分の儲けとは無関係だから気楽に、下心など無く"純粋にオーディオ的興味で"上の表の様な発言になり、僕がちょっとKEFへの不満を口にすると、「いっそKEFの105もやめた方が良いのでは」とさえ言う。大野さんはオーディオショップの店員だから、岡崎さんほどアレコレすすめたりはしないが、タダで売ってくれるわけじゃないし、すすめられてつい上級機種を買ったりもするから危ない事に変わりはない。

岡崎さんから電話がきて「山本さん、パスラボのアレフォノがSISに入ってきますから是非きいてみて下さい」と言う。僕が使っているベンツマイクロのPP1は、小型だが音も良いし、ケーブルの差し替えがしやすく、1台のフォノイコで複数のADプレーヤーを使うには大変便利だった。でも、もうプレーヤーはSTUDIETTOしかないし、もっと音の良いイコライザがあって、交換差額が5万円位ならPP1をやめてもいいと思っていた。実は一月ほど前に、LINTOとADYTONを借りてPP1と比較してみていて、この三機種ではLINTOが一番好ましかった。僕のシステムの中だと、岡崎&富田さん愛用のADYTONは「情報量が増えオーディオ的快感は増すが少々音が薄く」、PP1は「高域の切れは良いものの中低域の表現がやや一本調子」な点が不満だった。それに比べてLINTOは「一番中庸で、しかも全域にわたってしっかり表現がある」点が良かった。だから、僕はLINTOの中古を待っていた。岡崎さんのすすめに従って、アレフォノを試聴してみるとなかなか良い。一晩通電してからきくとさらに良い。PP1より低域に表情があるし、全体的に余裕があるので「買ってもいい」という判断をした。しかし、僕はその段階ではまだアレフォノの実力を理解しておらず、岡崎さんも大野さんも悪魔なのか神様なのかは定かでなかった。

大野さんがPP1を引き取りにきて、「このフォノイコは入力インピーダンスを変更できる筈だ」という。二人で取り説を読み天板を開けてみると、22オームの設定になっている。ベンツマイクロは500オーム以上が良いので、とりあえず800オームで音を出してみてビックリだった。高域の切れ、力感がまったく違うのだ。ただ、ちょっとやりすぎのようでもあるので、その下の475オームにした。このところ、CDの音が良くなってアナログの優位性が薄れていたのだが、これは「持ってるレコードを全部きき直したくなる」ような出来事だった。僕は彼らを神様のように思う事にした。

翌日、岡崎氏に「アレフォノの音は激変して最高に良い」というメールを出したら返事がきた。「じゃあ次は、パスラボのプリとスレッショルドのパワーアンプをきいてみよう。いやー山本さんもどつぼ一直線ですね。実に楽しい。」と書いてあったので、僕は「やっぱり悪魔かなあ、、、」と思いはじめている。

99.11 残り続けるTL-2

僕はCECのCDトランスポート「TL-2」を愛用している。僕としては珍しく新品で96年に購入したものだ。三年間に二度ほど修理に出したものの(他の中古機器の故障はゼロです)音は大変気に入っている。SISにワディアの「WT000S」があったので借りてきいてみた。多分柳澤さんがP0の前に使っていたそのものだが、僕はCECの音の方が空間感が出て良いと思った(その後、このトランスポートは岡崎さんが拾い上げ、改造を施され使われている)。ついでなのでGOLDMUNDの「mm39a」も借りてみた、こちらは色彩感が豊かで弦の音もグッとリアルなので「どうしよう」と思い二日間ほど試聴したがやっぱりやめた。理由は「高域にある響きがあって、しかも低音が薄いので長時間きいているとイライラして疲れる」と感じた。そんなわけでTL-2は毎日元気に重いスタビライザを回し続けている。

99.12 プリアンプを試した

岡崎氏の悪魔の囁きにのって、パスラボのアレフPというプリアンプをきいてみた。ついでにクレルのCDトランスポートも試してみたが、こちらは僕の装置では音が太すぎてダメだった、こういう特徴のある機器はうまくはまると良いのだろう。

パスラボのプリは現行のMark2ではなくオリジナルの方で、パネルもノブも真っ黒で、非常に使いにくい。Mark2は目盛りもついているしノブは白っぽいので視認性は普通になっている。肝心の音だが、パルティータC1と比較して、パスラボも悪くないという印象だった。高域にちょっと華やかな感じがあってチェロやギターの響きがよくきこえる。誰かが、このプリを(中古だから20万以下で)手に入れてハイエンドオーディオを始めたいと言ったら全面的に賛成できる。僕は二日間通電して試聴してから自分パルティータに戻したのだが、特に悲しいとか情けないとは思わないので、パスラボはパスすることにした。となると、まだきいてないのはエアーとCELLOぐらいかな。

99.12 クラモリン

オーディオライターの「小川ひろし」さんがやってきて、僕の装置の接点という接点に接点復活材をかけて帰った。彼は一缶2千数百円接点復活スプレーのおかげで機器の買い替えを思いとどまるどころか、「今まで以上のサウンドを手に入れた」そうだ。確かに僕の装置もおかげでかなりクリアになり、ベースの力感が増し、響きも豊かになった。悪くなった所は一つもない。約一週間ほど経ち、その間に何十枚かのCDとLPをかけたが、想像以上の音がしてハッとする事がある。

2000.1.18 Vpiのレコードクリーナー、そしてオーバーハングの再調整

LPはきれいな方がいい。それに、これからは「もうきかないからもらってくれ」と言って、知り合いからLPが集まりそうだし、Vpiのレコードクリーナーを買おうかと思っている。それで、今日はスタジオでVpiの使い心地と効果を試しがてら、沢山のLPをきいた。この二ヶ月ほどでフォノイコも変わったし、接点復活材もかけたので、音のバランスは変化していた(特にアナログが顕著だった)。そこで、もう一度なるべく正しくオーバーハング=リニアトラッキングだからオーバーハングとは言わないのかな?=を出すことにした。STUDIETTOのスピンドルに先端を輪にした細い糸をかけて重りをつけて垂らし、そこにスタイラスがくるよう調節をした。目で見ての調整だとやはり1mm〜1.5mmぐらいは狂うようだ。この方法でほぼピッタリにオーバーハングを調整してから音を出して驚いた。スピード感、情報量、力感、バックのコーラスが分離する感じ、すべてが良い方向に変化した。ああ、これをきかせるとまた奴らに「アナログは良いけどCDがね」なんて言われそうだから、隠しておきたい気もする。現状でCDもアナログも楽しく音楽をきくのに不足はない。CDはややBGM的に楽しみ、アナログは気合いを入れてきいている。

2000.1.20 そしてさらに再調整

昨夜、もう一度本当に本気でオーバーハングがゼロになるよう再々調整を試みた。すると音はさらに精密で瑞々しくなった。もう、どんなLPもみんなよく鳴るようになった。こんな音はきいたことがない、僕のオーディオ史上最強のサウンドだと断言してしまおう。昨日の夕方までは「CDはCD、アナログはアナログ」と考えていたが、そんな程度の差ではなくなってしまった。どうしたらいいんだろう。

2000.1.27 さあてどうかな

岡崎さんから電話がきて「アブソールのパワーアンプはなかなかの実力で、Bishopをよくドライブしてた」との事だった。あの真空管アンプは手頃な値段で、鳴らし難いSPをよく鳴らすみたいだ。あれこれ話していくうち「山本さんとこはアナログとCDの落差が激しすぎるから、どうにかした方がいいんじゃない?」と言う。僕だってどうしようかと悩んでいるのに、容赦なく鞭を入れる岡崎氏である。

しょうがないから、少し対策を試みた。僕としてはけっこう気に入った状態になったのだが、さて、これでどうかな。この状態で岡崎さんに鑑定していただきましょう。手作りバナナブレッドくらいなら用意します。機器の買い替えで解決する方法もあるけど、セッティングの変更など別の方法で解決すればそれに越した事はない。ただ、中域の解像度が上がったせいか、音量調節はシビアになった。このあたりは致し方ないのだが、僕としてはもう少しいい加減で楽しめる方が嬉しい。

2000.2.1 あれまどうしよう

対策=スピーカーのセッティングを変更して、かなりいい感じになってきたので「よしよし」と思った。午後、石丸電気に行き予約してあったLPを購入したのできいてみると、すごく良い。CDの音も変化したが、アナログも同様に良い方向に変化したので差は埋まっていない。あ〜あ、嬉しいような情けないような複雑な気分。こうなったら、もう1台アナログプレーヤーを手に入れてアナログ中心のオーディオ生活を送ろうかとさえ思ってしまう。じゃあ「何故LINNのLP12を売ったのか」と突っ込まれそうだが、それは違う。もし、もう1台ADプレーヤーを手に入れるなら、手軽にカートリッジ交換が出来るアーム付きだ。となると、ガラード301+FR64Sあたりがいいなあ。そう言えばこの組み合わせで持ってる人が身近に一人いる。

2000.2.2 もう一度スピーカーセッティング変更

このところのセッティング変更とは、スピーカーに付属のスパイクを取り付けた事を指す。僕は一般的にスパイク受けを好んでいないので、この辺は今まで手を着けていなかった。KEF105には4本のスパイクが付属しているが、最初は前2本のみをスパイクにして後ろには黒檀のキューブを置いた3点支持で音を出した。これでそこそこの成果があったので、今度は試しに4本ともスパイクにしてみた。スパイクが床に刺さるので、TAOC製ステンレスベースやら10円玉やらと試してみた。スパイク+金属のベースだともろにベースの響きがのってくるので、あるソフトには良くても別のソフトはダメというようなバラツキが生じる。そこで、最後に小さな黒檀の板でスパイクを受けてみるとこれが一番良かった。さらに、接点を全てアルコールで清掃した上でクラモリンを塗り、ついでにCDトランスポートのレンズもアルコールで清掃した(これはすごくきいた)。その結果、CDとアナログの違いはあるが、両方ともかなり良い感じになった。この状態でダイナミックオーディオの厚木さんが聴きに来てくれた。彼が前回僕の音をきいたのは、もう半年以上前で、機器はほとんど同じだが(前回はフォノイコがPP1だった)音は随分変化したから、その事にも驚き、音楽も楽しんでくれたみたいだった。

2000.2.6 これからやるべきこと

2/3には富田さんが来てくれて、山本サウンドはこんな風だにあるようなコメントをくれた。要するにやっとスタート地点にたどりついたという事だ。富田さんと一緒に音楽をききながら、僕は自分の音に対する問題点を発見していた。どういう事かというと、今までのややソフトな状態ならBENZMICROのL0.4は良いバランスだったが、現状ではちょっと元気が良すぎて、みんなバキバキしてパッとした音になってしまう。これはこれで、そういうソフトなら最高に良いのだが、僕としてはもう少し含みのある大人っぽい音を望んでもいるので、もう一度カートリッジを物色しなくてはならないのかなと思っている。あるいは、ここのところも機器の買い替えではなく使いこなしで乗り切れるのかは、まだわからない。

2000.2.22 STUDIETTOのアームが下りない!!

BENZMICROのREFERENCEを借りてきいてみたのだが、思ったほど良い感じにはならなかったので、カートリッジはL0.4でいくことにした。だから僕としては次はプリアンプあたりを試したいのだが、以前に比べて音はすごく変わっていて、どのソフトをきいても新しい発見がある状態なので、しばらくこのままで楽しむ事にした。

2/20に友人がスタジオに来た。まずCDをきいてもらって、「じゃあアナログでもいきますか」と言ってLPをかけたのだがCUEINGのスイッチが壊れたらしくアームが下りない。アーム基部に付いている突起でならアームの上げ下げは出来るので、アームを上下させるモーターの故障ではない。音は出るが不便なので、Dr.Y氏(安田オーディオラボの安田登志信氏)にSOSのメールを出した。メールを見たY氏が電話をくれたので症状を訴えていると、もう1台の電話が鳴った。
電話に出ると名前も名乗らず突然
「ご愁傷様です」と言う
「ハ??(先週義母が亡くなったのでかかってきた電話かな)」と思っていると、
「(ちょっと楽しそうに)富田です。STUDIETTOが故障だって?」と言う、ウーム僕の不幸には耳がはやい。
「今、Y氏とその相談中だから後でね」と言って電話を切った。Y氏はそれを電話の向こうできいていて
「誰?」と言うので
「ねたむ富田さんががSTUDIETTOが故障ときいて電話してきた」と言うと、Y氏は大笑いしてこう言った。
「なんて奴だ、遺書なんか書かないぞって言ってやれ、この話は笑えるから山本さんのHomePageに載せよう」
って事になり、早速このページを書いている。まあ、バッチリ直してもらうから、僕が頓死したらみんなで奪い合って下さい。


STUDIETTOは修理&調整&改良に出すことになったので、僕は大野さんからガラード301+FR64Sといくつかのカートリッジを拝借してきた。それにしても我ながら貪欲だね、興味のある事には一直線で速攻だ

ガラードにはSISにあったけど誰も買わないSONYのXL-MC7というカートリッジを付けてきいている。僕はかつてこの上のMC9という機種を持っていたのだが、アナログを中断した時友人にあげてしまった。XL-MC7は大変良い音なので買うことにした(シェル付き5.000円)。大野さんからはBENZMICROのL0.4も借りてきたが、僕はSONYのXL-MC7でけっこう満足してるので、こちらを付けっぱなしにしている。一緒に借りてきたYAMAHAのMC2000も買う事にした(これも5.000円)。こちらは穏やかで上品な音だから、良さが分かり難かったけど、突っ張った所がなく、これもなかなか良い。それから、久しぶりにアームを操作して「やっぱりこの感じはやめられない」とも思ったので、安いADプレーヤーを手に入れて、しょうもないレコードはそれできこうかと思い始めている。だけどそれをするには、差し替えるのが面倒だからフォノイコがもう1台いるなあ。

ガラードの音を体験した僕は思わず富田さんに電話をかけた。

「で、ガラードの感想はどう?」
「富田さんもほとんど同じ物を持ってるわけでしょう? すごくいいじゃない。こんなに良いものを持ってる上にSTUDIETTOも欲しいなんて贅沢ですよ。中低域の密度が高くていかにもアナログサウンドって感じですね」
「そう、STUDIETTOをフェラーリだとするなら、ガラードはアストン・マーチンかな」
「トルクが太くてグイグイもっていってしまう。僕も去年からLINNのLP12を使い、ウエルテンパードも試し、それからSTUDIETTOになった後でのガラード+FR64Sだからこそ、それぞれの違いもわかるってもんです」
「ね、両方あると最高でしょ?」
「そうですね、大変贅沢ですが両方欲しいという気持は良くわかりました」

2/20に来た友人は、「管球王国」第5号に掲載の上杉佳郎氏設計TAP3というパワーアンプを作って持ってきた。一週間ほど試聴して、こちらの報告もする予定ですので楽しみにしてて下さい。管球式アンプの新しいページを作ろうかとも思っている。

2000.2.23 ああ!! こいつがホントのご愁傷様(涙、涙×20)

GOLDMUNDのプレーヤーは、その素晴らしい発想と音質に惚れ惚れするものの、「アホか?」と思うような稚拙な作りもアチコチに見受けられる。とにかく基本構造すらよくわからないので、ヘンにいじって壊すのもイヤだし、最低線のお付き合いしか出来ずにいた。僕はこのスーパーカーみたいなADプレーヤーを長く使いたいので、CUEINGのスイッチの故障をキッカケに、問題点は全て解決したいと考えた。それは、フローティングの動きを妨げないよう出力用端子の位置や配線を変更する事であり、同時に僕自身が全体的な構造を理解し、いじっても良い箇所とそうでない箇所を覚え、自分で調整出来る事は自分出来るようになる事だ。それで、しばらくDr.Y氏に預けて動作を完璧なものにしてもらい、同時にSTUDIETTOとの付き合い方も教えてもらう事にした。

STUDIETTOをDr.Y氏のもとへ搬入するために持ち上げて、スタジオの階段を下りかけたた時、腕の中で何かが移動してぶつかる感じがした。一瞬何が起きたのか分からなかったが、明るいところで見るとアームが水平移動してスピンドルに当たり、L0.4のカンチレバーは見事に失われていた。BENZMICROってスタイラスカバーがないからこういう事になりやすい、多分他のメーカーより針折り事故率はずっと高い筈だ(メーカーの陰謀か?)。あんなに調整したんだから、きっとスタイラスはスピンドルの中心に当たった事だろう。それにしても、僕はこの一年間で一体何度カートリッジを交換したんだろう? 何十回もやったから、時には手が滑りそうな事もあったが、いつも集中し緊張し注意して行ってきた。僕はプレーヤー本体を傾けるとアーム全体が滑り出す事を失念してしていた。反対に傾ける分には問題がなかったが、暗くて黒いのでウッカリした。出会い頭の交通事故のようなものだが、泣いても悔やんでも元には戻らない。「僕は友人にも恵まれて良いことも沢山あるし、このぐらいしょうがないよ」と合理化モードで自分を慰め、「こういう時はホントの交通事故や交通違反に充分気をつけよう」と考えて、STUDIETTOを運ぶことにした。

Dr.Y氏のお宅にSTUDIETTOを運び、CUEINGをしてみるとちゃんと動く「接触不良なんて、こんなもんですよ」とY氏。「えー、じゃあ僕はただ単にL0.4の針を折るために運び込んだのか?」とも思ったが、目的は完璧な状態にする事だ。近い将来、僕のSTUDIETTO姫はさらに美しくなる予定です。「黒田恭一氏のイゾルデ姫=LINN CD12」と「STUDIETTO姫」を目の前に置かれて、どっちか一つあげると言われたら僕は迷わずSTUDIETTOを選ぶ。

2000.2.25 SONYの佐藤さんがきた

SONYでスピーカーの設計をしている佐藤和浩さんがメールをくれ、スタジオに遊びに来た。佐藤さんはメーカーの人だから、ここには書けない話もきけてなかなか楽しい時間だった。彼はSCDと一緒に発売されたスピーカーの設計に携わっているそうだ(その前のコンデンサー型も)。僕の音への感想は「山本サウンド」にアップしましたのでご覧下さい。CDとアナログの表現を「違い」ととらえるか、「差がある」ととらえるかのは人それぞれだと思うのだが、佐藤さんの感想を読んで、岡崎氏はまた「CECをやめろ」と言う。僕は差と言うよりは違いだと思うし(確かに差はあるけどね)、特に不満はないので当分機器の買い替えはない予定。羽毛の性能は素晴らしいけど、フリースも捨てがたいでしょ? そして今後さらに高性能なフリースが出るという状況なんだから、しばらくは様子を見ていたい。その点アナログはフォーマットが変わるなんて事はないから、とても平和です。

STUDIETTOが直ってきた 2000.3.2

1)CUEINGのスイッチ交換とその付近の放熱対策、☆フローティングにストレスを与えないために、2)コントロールパネルとモーターの配線を細い物に交換して、3)RCA出力ピン位置を移動し、4)アーム基部がスムーズにスライドするよう調整し、5)カートリッジがスピンドルに当たるのを防ぐストッパーを設けてもらった。その他、電源ケーブルの接続端子もしっかりした物に交換されていた。そして基本的な調整の方法(水平の出し方やアームの高さ調節)を伝授してもらった。

夜中にスタジオに戻った僕はガラードとSTUDIETTOを入れ替えた。修理はたった一週間ほどなのに、ずいぶん懐かしい気がした。やっぱり音がききたいのでセッティングをして、SISから借りてきたLYRAの新型カートリッジ「HELIKON=ヘリコン」を付けてみた。そんな事をやっていたから家に帰って寝たのは朝の4時過ぎだった。

LYRAの新型カートリッジ「HELIKON=ヘリコン」は、すごくまともな音だった。「LYRAのカートリッジって解像度が高くて良いんだけど、ちょっとクール過ぎる」と思っている人にはおすすめ出来る。シンバルや金管の金っぽさや空間感は従来通りだし、低域の瞬発力があるし、それでいてあの冷徹で痩せた感じは無くて、なんでもこなすバランスの良さを持っている。

佐藤さんからコンデンサーが送られてきた 2000.3.3

SONYの佐藤さんからスーパーツィーター用の「RIFA」製コンデンサーが送られてきたので、早速つけてみた。僕の耳で違いがわかるのだろうかと不安だったが、これはハッキリ違っていた。今まで使っていたFOSTEXのU-CONが「しょっぱいだけの塩」だとするなら、こちらはニガリの入った赤穂の塩やどこかの岩塩みたいな味わいで、違いにビックリした。特に違うのがギターの音で、妙にリアルな音になった。単にソフトになるわけでもなく、けっこう強調してくる部分もあるが、味わいとしては甘みがある。日本では売ってない代物だそうで、それにしても、僕は色んな人に音をきいてもらって、色んな事を教えてもらっている。佐藤さんは3月3日の夜も遊びに来てくれて、もう一組コンデンサーをくれた。こちらはこちらで甲乙つけ難いそうだ。音の違いを楽しみまくるのも良いが、今はとにかく「RIFA」のゴージャスな音を充分楽しんで、落ち着いたらまたあれこれやってみよう。それにしても、スーパーツィーターはサウンドに対する影響力が大きい。

やはりアナログは面白い 2000.3.7

LYRAのHELIKONはとても良い印象だったけど、L0.4も修理中だし、今の僕には10数万のカートリッジを買うことは出来ない。手元には5.000円で買ったSONYのXL-MC7とYAMAHAのMC2000(代金未払い)しかない。SONYはL0.4とも共通するサウンドで、ある程度いけると予想出来るので、戻ってきたSTUDIETTOにはYAMAHAを付けてみた。最初は大人しいだけの何だかパッとしない針だと思っていたが、レコード片面を30枚ぐらいかけて、あれこれやっていくうちに良い音になってきた。アナログの場合、この、良い感じってのは「花が咲くみたいに」突然やって来るので不思議だ。そんなわけで、L0.4が戻ってくるまではYAMAHAでオーケーみたい。オーケーと言っても古いカートリッジだから、「15年前の美女、誘われておめかし」程度なんだけどね。

STUDIETTOは快調、そしてDr.Y氏との会話 2000.3.9

今週は仕事がヒマなので、午後はオレンジマーマレードを作り、夕方ヒジキの煮物を作っていると電話が鳴った。Dr.Y氏からで、僕がSTUDIETTOのアーム調整の方法をメールで質問したので電話をくれた。GOLDMUNDのHPには生産を完了した古いアームの取り説のページがあって、このあたりは敬意を表する。「あれ読んだ?」「一応読みました」という会話になった。あれの中で僕が質問してるのは、ここの部分の事です。

- Potentiometer no 0 (no engraved mark) : This potentiometer is accessible through the only hole visible on the top of the rail when the carriage is in the rest position. This is the adjustment of the delay for the automatic cueing up at the record's end.

- Potentiometer no I (one engraved dot) To reach this adjustment, you must push the carriage toward the center of the record. The potentiometer no I adjust the speed of the correction motor. A too -fast speed is not good for the sound quality. When the speed is too slow, the motor may have not enough strength to pull the carriage and the correction way not be performed properly.- Potentiometer no 2 (two engraved dots) : Adjust the cueing speed.

これを翻訳ソフトで和訳するとこうなる。なかなか笑えるので紹介しましょう。

- 電位差計いいえ0(彫られたマークでない):乗り物が休み位置にあるとき、この電位差計はレールの上に見える唯一の穴を通してアクセスできる。これは、記録の終わりで上で合図しているオートマチックのための遅れの調整である。
- 電位差計いいえi(1つの彫られた点)はこの調整に達する、あなたは記録のセンターの方へ乗り物を押さなければならない。
私が速度を調節する電位差計いいえ訂正モーター。Aも-、速い速度は、音質によくない。速度があまり遅いとき、モーターが乗り物と訂正道を引く力を十分にしないかもしれなくて、正しく実行されない。
- 電位差計いいえ2(2つの彫られた点):合図している速度を調節しなさい。

GOLDMUND製リニアトラッキングの動きを大ざっぱに説明すると下のアニメのような動きをする。針先がレコードの溝によって移動すると、センサーがそれを感知して、アームの基部=乗り物=carriageがそれを追うように右に移動するという動きを繰り返す。数秒ごとに尺取り虫のように移動するわけだから、現物はもっと繊細な動きだが、厳密には少しトラッキングエラーが生じている事になる。だが、普通のアームに比べればゼロに等しいとも言える。STUDIETTOのT5というアームは上級機種であるSTUDIOやREFERENCEに付属しているアーム"T3シリーズ"を簡略化したものだ。

2000.3.14 このところ毎日LPを片面20枚ぐらいづつきいていたら、MC2000は妙にいい音になってきた。どうきいても何をきいても確実に違う。やっぱり毎日使って可愛がってあげると変化するものですね。「誘われておめかし」を続けているうちに「それも板についてきた」ようだ。近頃まわりはいかにしてCDを良い音できくかの嵐が吹き始めているのだが(それはそれで試聴記を準備中ですが、、、)、僕の方はアナログ三昧だ。

ソニー佐藤が送ってくれた、もう一組のコンデンサーにしてみた。僕は元々敏感に音をききわける方じゃないのに、今年から花粉症になったみたいで、どうも判断に自信がないのだが、、、、。「RIFA」じゃない方のは「ASC」で、こちらにするとグッと上がのびて、余韻が多く滑らかな音になる。ウーン、この肌触りのよい感じもいいなあ。さらにレコードをかけてみると、中にはシャキッとするものも出てきて、単に滑らかになるだけではない。とにかく細かいニュアンスが良く出るので、コンデンサー選びは「ASC」で決定かな。それにしても近頃のMC2000ときたら、ますます艶やかになってきた。

2000.3.21 ソニー佐藤からスーパーツィーターを拝借して、みんなできいてみている。SS-TW100EDはカタロクデータよりずっと感度が高いようで、組み合わせるメインのSPにもよるが、ネットワークを40khzに設定しても富田さんのアセントだとアッテネーターが欲しくなる。そして、12dbカットと言ってもけっこう下の方がきこえてくる。アセントIIで20khzに設定すると特に岡崎さんには拷問だったようで、あれこれ秘密を白状すると言うような状態だった。超高域の感度に関しては個人差が大きいようだ。

3/18に小林悟朗さんがきてくれて、「今の音はやたらとHifi調で音楽にひたれない、以前の音の方が良い」「そしてスーパーツィーターも耳につく」と言う。僕は「それはわかるけど、もうこういう路線でやりだしちゃったんだし、戻るわけにもいかない」と答えた。以前はイマイチだったソフト(CD)がすごく良く鳴っているのは事実で、そのかわり「くぐもったような、穏やかな表現はスポイルされた」のも確かだ。多分、現在の解像度をキープしつつ甘さと暖かさが加わればさらに良いのだろう。それじゃあと言って、僕がこのところはまっているLPをかけると「いいね、いいね、でも、こういうのって反則技だよねぇ」との事だった。チェー!どうせ、オイラは無理矢理絞り出したハーモニーの汚い音と反則技さ。

本日入った情報によると、3/19日現在、小林悟朗宅はデジタルプリ&チャンディバを新型に変えてけっこうHifi&ハード路線を邁進中らしい。

2000.3.23 小林悟朗さんに「きき心地の良い部分がなくなった」と評されたおかげで、僕は二日間不眠に陥り、少し反省もし、ここらで試しに後戻りをしてみようかと思った。それから二日間セッティングを変えてみたが、良い結果は得られず、結局3/18の状態に戻した。去年の秋に小林悟朗さんや高野さんがきいてくれた音は、僕が二年間かけて作り上げた最終型だった。ある面で完成もしていたが行き詰まってもいた。僕はそこから大きくハンドルを切り、機器の買い替えという要素は抜きにサウンドを変化させてきた。ここまでやった上で、足らない部分を機器によって補うのならば、一段高い場所へも行けそうな気がする。この下の方に☆パワーアンプをmm8にした 98/3 と書いてあるのだが、今の状態ならmm9の重心が低くて余韻の長い音が必要なのかも知れないし、TLよりTLが良いのかも知れない。将棋のプロは何百手も先を読むそうだが、それは一直線に「あーきてこうきて」ではなく、「こうした場合で10手先を読み、ああした場合で10手先を読む」から、10通りで10手先を読めば100手という事らしい。オーディオもそうだ。

結局、BENZMICRO L0.4は新品交換となり、3/22からSTUDIETTOに取り付けられた。新品なので以前のL0.4とは音が違う、個体差もあるだろうし、何とも言えないが、ここしばらくYAMAHAのMC2000だったから、目が覚めるような音になった。そしてジョニ・ミッチェルの「BLUE」をきく、このLPはとても不思議で、LYRAのカートリッジにとっては天敵らしい。不思議なので今まで試した一覧表を作ってみた。心当たりのある方、メール下さい。

2000.3.25 僕のプリアンプ選びは、わりとあっけなく終わった。この間二台のプリアンプを試し、もちろん電源は落とさず、夜中はCDをリピートにして家に帰った。ちょうど娘の大学入試の発表の時期と重なっていたが、僕にとってはアンプの方が10倍気になっていた。1月20日に「僕のオーディオ史上最強のサウンドだと断言してしまおう」と書いているのだが、確かにあれは最強のサウンドだった。と言うか、正しくは最強でしかなかった。最強最高を目指してよじ登ったら、そこは断崖だったので楽しく音楽もきけなくなっていた。でも今は、明るく、生命感に満ちた世界だ。

2000.3.26 パスラボの「X2」(バツニじゃなくてエックス・ツー)という、特に高価という事もないプリアンプのおかげで、誰かに誉めてもらいたいとかアッと言わせたいとか(もちろん思ってるけど)、そういう事がどうでも良くなってしまった。音楽を1秒1秒楽しめるようになったので、あのソフトのあの部分はどうきこえるのか、というきき方はせず、ソフトを一枚一枚、始めから終わりまできいている。だから、かなり長い間このまま楽しんでいられそうだ。

2000.3.31 それにしても、プリアンプによる音の変化は大きい。今でも「プリアンプは不要だ」なんて言う人がいるけど、そういう人とはお友達にはなれそうもない。2/6頃、アナログの音も少しバキバキしてると感じてカートリッジを試聴したのだが、「X2」のおかげでその必要もなくなった。アナログは独特の中低域の厚さによって、以前もさほど悪いバランスってわけでもなかったから、聴感的変化の度合いはCDの方がずっと大きいのだが、アナログの方も緊張感を保ちつつ、のびやかで、そして落ち着いてきいてもいられる。良いタイミングで「パスラボX2」を放出してくれた元オーナーにはここでお礼を申し上げます。

岡崎氏から、「山本さんは乾いた雑巾を絞り続けている」と、この数ヶ月言われてきた。雑巾はKEF105で、乾かしているのがその他の機器で、それをさらに絞っているのが僕の行為らしい。現状が乾いているとは思えないが、これを「水を含んだ雑巾」と感じるか、それとも「水を得た魚」ときくかはその人によって異なるのだろう。

2000.4.5 何故次はプリアンプだと思ったかと言うと、それは去年の11月にマーク・レビンソンのML6ALを借りてきいてみた時の印象によるものだ。あの時のML6ALも重心の下がった音だったけど、僕のシステムの中での「パスラボX2」のはまりようはあんなもんじゃない。この二週間ほど、僕は音の変化についてほとんど何も書いていないのだが、あまりの変化で書きようがないというのが実状だ。書こうと思えば3ページでも書けるだろう。パルティータが悪かったってわけでもなくて、実際パスラボの前に試聴したGOLDMUNDのプリはパルティータの音の延長だった。偶然パスラボをきいたら、これがとんでもなくうまい具合だったのだろう。

2000.4.13 プリアンプを替えてから、Dr.Y氏こと安田さん&ソニー佐藤&富田さん&ダイナの厚木さんがききにきてくれた。感想はおおむね良好で「プリでここまで変化するとは驚きだ」「以前より音楽を楽しめる」というものだ。とにかくシンバルの音からしてまるで違うし、弦の艶やかさ、メインの歌声とバックのコーラスの分離、余韻の長さ、かたまって出る低音の質感や量感、音場の前後左右の広がりと、全部改善されたので以前との比較で何段階アップしたかわからないのが現状だ。4/7-8はスタジオで写真展を開催したので、スピーカーを大きく移動した。皆さんから「再び良い位置を出すのは大変だろう」と言われるのだが、僕のセッティングときたら、ミリ単位どころか10cm単位ぐらいのラフなものなので、全然問題がない。僕が鈍感なだけという気もしなくはないのだが、とにかくあまり神経質でない事は確かだ。これは部屋の広さ&スピーカーのキャラクターが大きく関係していそうだ。そんなわけで、ひたすら毎日持っているCDやLPを頭から終わりまできいて楽しんでいる。

2000.4.19 昨夜、ソニー佐藤&富田さんがきてくれた。音をきくためと言うより、日本では買えないCDをソニー佐藤が持ってきてくれたので、それの受け渡しが目的だった。

僕があまりいい加減にセッティングをしてるものだから、「前回に比べて音がおかしい」と富田さんからクレームがつき、広げすぎていたSPを少し寄せて、角度も少し内振りにした。確かにこの方がフォーカスが合うし、密度感も上がった。敏感な友人は有り難い。その状態で「もはや、富田サウンドと山本サウンドはかなりの隔たりがある」とお互いに認識しあった。富田サウンドはもっと肉感的で濃密でマッシブで甘美だと思う。僕の方はステージが広くてちょっと薄い感じになっている。

ちょっと理由があって、彼らが帰った後、明け方までかかってラックの置き方を変えた。アンプ類が入っているラックをSPの中央にして、右側にあったSTUDIETTOが乗っているラックをアンプ類の左側に置き、フォノイコをアンプのラックに移し、CECのトランスポートをSTUDIETTOの下の段に移動した。ラックの最上段はけっこう揺れるので、ちょっと使いにくいが、CDトランスポートは下の段の方が音質的には有利かも知れない。このようなセッティングにしてからCDの音を出してみると、理由はわからないのだが、少々濃密な音になっていた。1)置き場所を変えた2)電源ケーブルやピンコードが届かないため、何カ所か入れ替わった、結果だと思うが、僕の好みからすると音が中央に寄り過ぎるので、SPはまた少し広げた、と言っても富田さんから中域が弱すぎると指摘された時程は広げていない。

 

2000年5月1日 レイアウトを変更した理由は、KENWOODのKP9010というアナログプレーヤーが入るからだ。CECのCDトランスポートを下にして、背の高い方のラックにKP9010を置けるようにした。僕がかつてアナログを中断した時、最後に使っていたプレーヤーがKENWOODのKP1100で、KP9010と中身は同じ物だった。何故今更そんな中級プレーヤーを欲しがるのかと言われそうだが。1)アームを操作する感覚が欲しい2)何でもSTUDIETTO+L0.4では勿体ない3)あれこれカートリッジを取り替えて楽しみたい という理由からだ。そして、現在のシステムでかつて使っていたプレーヤーの音を確かめたかった。MicroのMA505sというアームからKP1100にして、ものすごく音が良くなって愕然とした記憶は僕の中にずっと残っていて、もう一度そのあたりを比較してみたいと思っている。実を言うとMicroのMA505sは残してあって、BENZMICRO L0.4にはイマイチだったが、LINNのASAKAとの相性は良かった(一体どうやって確かめたのでしょうね)。僕の予想ではMA505s+YAMAHA MC2000がベストマッチだと思う。それはともかく、シェルの指かけから軽く円弧を感じながらアームを下ろす感覚からは逃れられないようだ。そして、KP1100&9010はオートリフトアップ(これはSTUDIETTOもそうですが)で、オートストップなのだ。僕のちょっと広めのスタジオで、レコードが終わったからと言って必死でプレーヤーに駆け寄る必要はない。レコードをかけたまま出かけても問題ない。

KP9010は友人の芳垣真之さんが見つけてくれた=有り難う=僕が彼の持っているダイナベクターのアームを「使ってあげるね」なんて言うから、彼は危険を感じてダイナベクターやFR64sも探し出してくれそうだ。芳垣さんは古いアンプをもらったり安く手に入れて「直すのが趣味」という不思議な人で、僕は彼に大変お世話になっている。最近彼も自分のHPを作った。ステレオサウンド派には興味ないかも知れないけど、パイオニアM22の話題なんかもあって、古くからオーディオをやってる人には懐かしいかもね。http://www.yk.rim.or.jp/~yosigaki/

芳垣真之さんが欲しがっていたSAECのセラミックシェル、手に入れてあげたからね〜〜。左は新品未使用箱入りです。右側は僕のもので、指かけには静電気対策のテープが巻いてある。何故か新品未使用の方が黄ばんでいる、セラミックだからその時の焼き具合で違うんだろうか。
yahooオークションを見ていたら、SAECのセラミックシェルを二個売ってる人がいる。それで、見てみたら、何とこの写真が出ているので驚いた。売り主のpaso906kaiは僕ではない。オークションでは左側が一個2万7千円、右側が1万8千円にもなってるんだから、写真の使用料払って欲しいもんだね

4月29日の朝、芳垣宅からKP9010がやってきた。音は? 「うん、思った通りけっこういける」。僕は嬉しくなって持っているカートリッジ3個とSISの大野さんから貸りたカートリッジ(大野さんはSPUのエージングを進めたいらしく、SPUをいっぱい使ってと言っていた)を2〜3巡させてみた。音はどんどん良い方向に寄ってきているので、アレコレ僕なりのビジョンが実現しそうだ。乞うご期待!! このプレーヤーはSTUDIETTOと共に使う事にしたので、アームからのケーブルをRCAの端子に改造して、ISODAケーブルできいている。

2000年5月5日 KP1100&9010というプレーヤーは、ほとんどの部品が×型のシャーシに取り付けられていて、木製キャビネットは洋服を着ているような構造なので、僕はずっと「キャビネットを外したスケルトン状態」で使ってみたいと考えていた。TAOCのラックの一番上に9010を置くと、キャビネットが鬱陶しいし、オリジナルのインシュレーターも背が高くて気に入らない。音を確かめたら、次はキャビネットを外してみたくなった。だが、アームを取り外すのが非常に面倒なので、キャビネットを破壊することにした。破壊と創作が同時に行える体験は非常に稀で、ほとんどトランス状態の解体作業が約1時間続き、最後はトリマまで動員して、このようなカタチになった。スケルトン状態にして一番最初にきいたLPは写真の通り、荒井由実の「ひこうき雲」だった。今のままだとスイッチ類が使いにくいので、何か考えなくてはならない。 

 

結局、押ボタンは外してスイッチは上の写真のように、タクトスイッチ直にした。この方がオブジェっぽい危なさがあって良い。STUDIETTOの黒に対して、こちらはシルバーだ。隣あわせに置いても全く違和感がない。今のところ、フォノイコが1台しかないので、パスラボのアレフォノをSTUDIETTOと共用しているのだが、ケーブルの差し替えが面倒なので、KENWOOD用のフォノイコが1台欲しい。安いものでもいいから、普通の音がするフォノイコを探そう。ゴムのターンテーブルシートはあまりに静電気が起きて使いにくいので(LP12のフェルト状シートも静電気が起きて使いにくかった)、捨ててしまい、代わりにきかないレコードを2枚置いてみた。STUDIETTOのクランパーで固定して音を出すと「まあまあいけそう」なので、当分これでいくことにした。シートとして使っているレコードの外周を2〜3mmほど均一に削る事が出来れば、さらに使いやすくなりそうだ。

2000年5月12日 フォノイコは、今のところShelterの216を使っている。価格の割には良いフォノイコだと思うが、今のところAlephOnoとの比較には「触れたくない」。Shelter216にはSONYのXL-MC7が一番良さそうなので、9010にはこの組み合わせで使っている。STUDIETTO用にもっと良いフォノイコを手に入れて、AlephOnoを9010につなげられたら最高だ。それにしても、欲望には際限がない。

フォノイコを置くために、mm10をパワーアンプの下に置いたので、ちょっと音が変化した。低域にまとまりが無くブワブワしているので、SPの位置を調整し直した。10cmほど奥に下げたらなかなか良い感じになったので、次の日さらに10cm奥にすると、これはやりすぎで音が分離しなくなった。そこで、4cmほど前に戻すと非常に良い状態になった。富田さんや岡崎さんは1cmで音が変化するらしいが、僕のところは3〜5cmだ。SPの前面が壁から2m以上離れているし、天井も2.7mだし、リスニングポイントも遠いからだろう。あるいは僕の耳が鈍感だからなのかも知れない。

パスラボのプリアンプが入って一ケ月以上過ぎたが、とにかく音楽をきくことが楽しくてたまらない。こんな風にオーディオの事ばかり書いてるから、多くの方々に誤解をされそうだが、僕は楽しく機器いじりもしているけど、当然一番は音楽をきくことだ。CDもアナログもDATも、すべて楽しんでいる。誰かがききに来てくれて、仮に「大したことないサウンドだ」とか「どこどこの方が良い」と批評したとしても(もちろん、それは悲しく腹が立つけど)、僕が今、音楽を楽しめていることにはほとんど影響がない。オーディオに限らず、友人達との関係は楽しくて、一緒にワイワイやるのは大好きだけど、一人の時はいつも、その時の気分に合った音楽をきいている。

2000年5月13日 おやおや!! この状態はどうやったんでしょう。予想通りMA505s+YAMAHA MC2000はいい感じだった。すごくふくよかと言うか、FR64s的な太めの音がする。10年以上前の僕の装置では、この音よりKP1100のアームの方が断然良いと感じた。それは装置の問題か、僕自身の受け止め方の問題なのか、多分「装置3:受け止め方1」くらいかな。MA505sも捨てずに取っておいて正解だ。だけど、この組合わせは低音の力感が問われるので、フォノイコはAlephOnoクラスじゃないとダメそう。ウーム。

アームはそれぞれ個性を持っていて、みんな自分の鳴り方を押しつけてくる。FR64sやMA505sは下半身を押しつけてくるタイプ、それに対してKP9010のアームは高域に張りがあって、若くて明るいから胸を押しつけてくるタイプかな。GOLDMUNDのアームは理知的+繊細+透明+陰影ありだから、脚がきれいでオシャレで賢くてしかも娼婦にもなるけど、それだけに付き合うには少々覚悟がいるってところでしょうか。やっぱりオーディオ機器の中ではトーンアームが一番セクシーだ。操作感の官能度1位はMA505s 2位FR64s 3位ぐっと離されてKENWOOD。GOLDMUNDは官能度という点では宇宙人的だ。ここへきて奥さん3人、ああ嬉しい、でも身は一つ。

2000年5月18日 約一週間上の写真の状態であれこれ楽しんだ。色々わかって面白かったが、3本のアームと2台のフォノイコと4個のカートリッジのリーグ戦にも少々疲れた。そこで、今日はMA505sを外して9010のアームを徹底的に使ってみる事にした。カートリッジは厚木さんにもらったDENONのDL302、フォノイコはShelterの216に固定という事でいこう。Shelter216も、一週間以上通電して最初より音は良くなった。DL302は最初からバランスの良い音だが、レコードを100枚ぐらいきけば、さらに「いい感じ」になる事だろう。やっぱり愛情が一番です。

2000年5月20日 友人がスタジオに来て、貸してあったオーディオテクニカのAT33ML0ccを返してくれた。それで、33MLを9010に装着してShelter216できいてみた。僕はかつてKP1100と33MLを使っていたので、現在のシステムの中でこの組み合わせがどんな表現をしてくれるのかとても興味深かった。結果を先に書くと「もう9010には他のカートリッジをつけたくないぐらい良い」ので驚いた。去年、LP12+LVII+PP1+33MLを組み合わせた時は「ちょっと耐えられないぐらい品のない表現」になるLPがあって困った。その耐えられないLPとは「ジャック・ルーシェトリオのPLAY BACH 2」で、今、念のためきいてみているが、今日の組み合わせだと、けっこう楽しめる範囲に入っている。それぐらいだから、他のLPに関しては「魅力的なサウンド」になった。元々33MLは「はまるとすごい」タイプだから、うまく合うソフトだとすごい。この結果はプリアンプの影響やセッティングの影響もあるから、これを読んで、短絡的にLP12+LVII+PP1がダメだなどと誤解しないで欲しい。現在の状態でこのセットを持ち込めば、去年とは全然違う音が出て「使いこなせなかったのに手放しちゃって、ゴメンね」という事になるのかも知れない。

そういうわけで、5/21にはこういう状態になり、MA505sにDL302をつけてみた。スケルトン状態でキャビネットがないから、ロングアームでも、ショートアームでも追加オーケーだ。MA505s+DL302は穏やかな表現が、9010+33MLは若々しく元気の良いサウンドが魅力だ。STUDIETTO+L0.4は宇宙人だから別格。岡崎さんは「超美音系フォノイコ、例えばLUXのE-06αとかを試してみたら?」と言っていた。ここまでくるとそれも面白いかも知れない。

2000年5月25日 まわりのみなさんの興味はもっぱらデジタルのアップコンバートに向かっているようだが、僕は参戦できずにいる。それでもっぱらお茶の水のディスクユニオンや古本屋をまわって100円〜1.000円ぐらいのLPを買ってきいている。今日は、懐かしいゴールドバグ「メデューサ」とOrtofonのMC30super(IIではない)とテクニクスの針圧計がスタジオにやってきた。このところ毎日仕事をやっていて、今日は久しぶりにヒマなのでこれらを使ってみている。

OrtofonのMC30superはMA505s+AlephOnoできいても、9010+Shelter216できいても非常に美しい音がする。響きが長く、いやな音は出さない「ほめたおしサウンド」だから、こいつははまる。かつてはMC30も高嶺の花で、有り難過ぎて音もよくわからなかったが、今きいてみると、非常に客観的な評価ができるので面白い。遅々たる歩みのオーディオ生活だが、やっとそれくらいは出来るようになった。このカートリッジは富田さんも持っているそうで、「すごく魅力的な、"キュッキュッキュッ"っていう音がする」と言う。9010を見に来た時、一緒にバイオリンのLPをきいたのだが、本当にその通りの音がする。

ごく個人的で情緒的な表現だけど、MC30superは「くすぐったいような音」がする。シェルは昔MC20を持っていた時使っていたものに取り付けてみた。ダイナミックオーディオの厚木さんにきかせたら「バーモントカレー甘口」と言われそうだなあ。

☆ワンポイント写真講座 この写真は光沢のあるテーブルの上で撮影していた。すると蛍光灯が写り込むので、なるべく良い感じの所へ蛍光灯を入れてシャッターを切った。それと、カメラについてるストロボは絶対に使用しない。

先日YAMAHAのMC2000の針が折れた。誤ってターンテーブルに針を接触させたらカンチレバー先端の針が付いてる所から折れてしまった。普通こんな事では折れたりしないのだが、古い物だから仕方がない。この数ヶ月、とても美しい音をきかせてくれていたから、あれはMC2000の白鳥の歌だったのかも知れない。それもあって、MC2000の穴を埋める美音カートリッジが欲しかった。そこへやってきたのがOrtofonMC30superで、僕はこれを買うことにした。テクニクスの針圧計も買った。これでやっとデジタル針圧計を角さんに返す事が出来る。WINDSのデジタル針圧計とテクニクスを比べると、ほぼ同じ値が出る。スイッチを入れてから5分ぐらい安定しないのはどちらも同じだ。

お茶の水の古本屋で100円のレコードを見ていたら「静電気防止マット」(スウェーデン製)があって、これも100円だったので、買ってきて9010のレコード製シートの上に置いた。何てったって100円で静電気も起きないんだから、少々音が悪くなろうが、甘くなろうが許してしまう。それにレコードをかけ替える時も、取りやすくなった。ただ、レコードを置いただけの音とSTUDIETTOのクランパーで固定した音はかなり違う。クランパーで固定すると、輪郭のハッキリした音になる。

2000年6月1日 駿河台下ですごく楽しそうな中古レコード屋を見つけた。いつもCDできいている金子晴美の「スペシャル・メニュー」のLP(盤質A)が200円だった。一週間ほど前、ディスクユニオンにも同じLPがあり、こちらはキズだらけのものが700円か800円だったので買わなかった。ミシェル・ベロフがピアノを弾いている「世の終わりのための四重奏曲」(メシアン}も300円で買えたし、この店は当分宝探しが楽しめそうなので、時々行ってみよう。駿河台下バンビの二階で、LPが段ボールに入れてあって、それがまた重なっていて、そのまた上にLPが平らに置いてあるような店で、一時間もLPあさりをすると指が真っ黒になる。

2000 年6月7日 バクーン・プロダクツの乾電池フォノイコを(株)タキオン「試聴屋」から拝借してきいてみた。一言で言うと「真綿のようにやわらかな音」だった。友人の横田さんが、すでに「SATRI IC」を持っていたので、これは彼が作る事になった。今日はLINTOを借りてきいている。LINTOは去年の秋に一度借りてきいて割と良い印象だった。とりあえず、MA505s+MC30superにつなぐと、やはり定評のある機器だけに安心してきける。これからSTUDIETTO+L0.4とか、9010のアーム+AT33MLとかにもつないできいてみようと思っている。LINTOはスタンダードなフォノイコとして1台持っていても良さそうだ。

昨日ソニー佐藤からメールが入った。メールの題は「大変動の兆しが・・・。」というもので、「ここ3年くらいは大きな変化もなく平穏無事な我が家のシステムですが、眠っていた ムシが騒ぎ出したという感じです。危険です。」という内容が書いてあった。ウーム、柏方面で大爆発でも起きるのだろうか? 僕は「僕のせいじゃないもんね〜」という返事を書いた。

9010のアーム+AT33ML+LINTOも良かったが、Shelter216でちょっと元気良く鳴らすのも悪くないので、次にSTUDIETTO+L0.4+LINTOをつないでみた。これも悪くない。MA505s+MC30+AlephOnoは独特の濃い表現で、弦の音は無敵なのだが、LINTOだとこの感じが薄まるので「MA505s+MC30のためにAlephOnoは固定」とする事にした。それで、STUDIETTOのためにLINTOを買う事にした。こうやってまた借金をかさねるから、この夏は「UNIQLOのチェックのシャツ」すら買えない。

やっとアーム3本フォノイコ3台体勢になったので、今日はしばらく放っておいたSTUDIETTO+L0.4を中心にきいている。すると色々な発見があった。ここ一月の間にお茶の水界隈で中古LPを20枚ほど買っていて、そのほとんどは、かつて所有していた物で、大した希少価値がある物でもない。だから、それらのLPはもっぱらKP9010できいていた。気楽にLPをきくためにKENWOODを手に入れたのだから、それは当然だ。しかし、かつて所有していたLPをあらためてSTUDIETTOできいてみると、「えー!20年前から知っていたこのLPって実はこんな感動があったのか」という物も出てくる。だから、これからはLPを 1)STUDIETTOできくにふさわしいもの2)MC30superだとはまるもの3)AT33MLがピッタリくるもの に分類する事にした。

☆ 結局僕のアナログシステムは以下の表の通りになった。両方とも国産DDというところが気に入っている。この一年間、数台のアナログプレーヤーを使ってみたが、その中でもっとも回り方が印象的だったのは「ウエルテンパード」だった。あれは静かに美しくまわる。独特のアームは麻薬的世界でビックリしたが、あのターンテーブルにダイナベクターのアームを付けて鳴らしたら楽しいだろうなあ。それはともかく、「世界は広いというページ」でリンクしている「ターンテーブル・ギャラリー」を見ていただいてもわかる通り、僕たちが知り得ているプレーヤーなんて、ごくごく一部でしかない。

プレーヤー&アーム

カートリッジ

フォノイコ

国籍

ドライブ方式

特徴

GOLDMUND STUDIETTO T5

BENZMICRO L0.4

LINN LINTO
スイス+スイス+イギリス

DD 

モーターはビクター製

精密、剛柔のバランスよし

艶やか、知的、分析的、

立体的音場、スポーツ万能

KENWOOD KP-9010+付属アーム

AT33ML occ

Shelter 216

日本+日本+日本

DD 

松下製 ?
お気楽、若々しくて活発、

Micro MA505s

Ortofon

MC30super

Pass Labs

AlephOno
日本+デンマーク+アメリカ

同上
響き豊か、腐る寸前の果実のごとき甘さ、文学的

このようにオーディオを楽しんでいると、電話が鳴り「SISの大野です、うっひっひ」なんて言う。なんだかヤバイ事が起きそうだなあ。

大野さんの電話は「AyreのK3が入るので、きいてみたいか?」という事だった。僕は去年からK3が入ったら試聴したいと伝えてあったので、連絡をくれたのだが、プリアンプはパスラボを買ったばかりだし「ホントにききたい?」かどうかを確かめるために電話をくれたのだった。僕は「せっかくパスラボでいい感じになったのに邪魔されたくない」という思いと「でも、一応音をきいてみたい」という欲求で揺れた。パスラボにしてまだほんの少しなのに、もし、K3が滅茶苦茶良かったらどうしよう。こういう体験は女性関係でも起こりがちで、その場合は徹底的に隠し通すけど、オーディオはそうもいかないからなあ、、、。

結局、「一応音を確かめたい」気持を押さえる事は出来ず、6/10の夕方K3がやってきた。音を出すと、もちろん良い。まだ通電したばかりだから、本領を発揮するのは最低でも数時間後だが、さすがに「なるほど」と思わせるサウンドが展開され、大野さんは横でニヤニヤしている。パスラボの×2より、やや明るめでちょっと柔らかくて横に広い音場だ。それに、リモコン付きだからすごく便利だ。正直「ヤバいなあ」と思った。

アナログをかけてみる。STUDIETTO+L0.4(硬派的)MC30super(軟派的)の図式はそのままだが、K3にするとSTUDIETTOの硬派が少し軟派方向にシフトする。という事はMC30の方はさらに軟派になり円熟度が増す。このあたりの変化を好ましいと感じれば、好ましい方を選ぶしかない。

試聴を始めてから3時間以上経過してるので、かなり音はまとまってきたので、そろそろある程度の判断は出来そうだ。ソースをCDに戻し、ロバート・ワイアットの「シュリープ」をかけてみる。このCDで「パスラボ ×2」以上の表現をされたら、K3を買うしかないと思ったが、このCDは圧倒的にパスラボが良い。どこでも同じ結果がでるとは思えないし、K3で追い込んでいるわけでもないから、一般性はないかも知れないのだが、僕が感じた事を書くと、パスラボの方が少しストイックな感じの音で、音像が小さく、前後に良く分かれるようだ。つまりAyre K3はパスラボと比較すると、やや明るい音で、良く広がり、奥行きに関しては少し平面的だった。だから、僕は「パスラボ ×2」を使い続ける事にした。やれやれ。

もし、AyreのK3を先にきいていたら多分僕はK3を手に入れていただろう。そして、パスラボには興味を示さなかったかも知れない。「もし、君と先に出会っていればね、ああ、僕がもう一人いればなあ」ってやつだ。でね、まさかとは思うけど、まだ、見たこともきいた事もないが、僕が愛用してるパスラボにはお姉さんが二人いるらしい。オーディオの世界では妹からお姉さんに乗り換えるのはあまりヒンシュクを買わないようだし、やっぱり、一番上の人はともかく、すぐ上のお姉さん「パスラボ×1」が出現したら一応どんな風だか確かめてみたくなるだろうなあ。AlephOnoにもそんな関係の「×Ono」ってのがいて、もしみんな囲ったら置く場所がない。

2000年6月20日 「何故3台ものフォノイコが必要なのだろうか」という疑問はずっとある。昔はプリアンプにフォノの入力が沢山あって、プリを買えば、MMでもMCでもプレーヤー二台ぐらい楽勝だった。ちょっと楽しみたければ、トランスかヘッドアンプを買い足せばそれで済んだ。もし、音質劣化がほとんどないセレクターがあれば、フォノイコを3台も持つ必要は無く、AlephOno1台で済む。あるいはちょっと贅沢路線でAlephOno+LINTOも可能だ。そんな事を考えて、僕はSISからCELLOの「エチュード」を借りてきた。「ちょっとこれ貸して」って言ったら、角さんが「今更何を血迷っているの? 山本さん、オーディオってのはプリが音を決めるんですよ」と言う。僕は「わかっとう、わかっとう、僕もHPに"プリが不要などと言う人とはお友達になれない"って書いてます。でもさあ、たまにはそのダメなはずの音も確かめておきたいしね」と言って借りてきた。

だが、しかし、「エチュード」はセレクタにしては非常に高い。良いフォノイコが買えるほど高い。バカだなあ。と思いながら、全てのPHONO出力を「エチュード」に集め、そしてAlephOnoに接続した。さて、音はいかがなものか? 決して悪くはない、便利だし、とにかくあれこれきいてみることにした。だが、一時間か二時間ききつづけると、どうもイライラしてきた。なにかいつもと違うようだ。それで、僕は「エチュード」のセレクタ使用はやめて、プリの代わりに使ってみる事にした。

パスラボの「×2」にして初めて富田さんにきいてもらった時、彼は「このプリはエチュードみたいな音がする」と言った。僕はエチュードなんて興味もなかったから、「フーン」って感じだったけど、富田さんはかつて使っていた事があるから「山本さんの新しいプリはエチュードみたいな、すごくストレートな音がする」と言ったのだろう。僕はあの時、富田さんの感想を否定する気は無かったが、100%信じたわけでもなかった。

パスラボの「×2」と「エチュード」を入れ替えて音をきいてみると、ほとんど同じ音がする。ブラインドできいたら多分わからないぐらい、同じ音がする。ワイアットの「シュリープ」のきこえ方も同じだった。これには驚いた。多分、富田さんがきいても驚くぐらい似た音がする。しかも、当然だが「音の鮮度は上がる」。僕は少し混乱して、「おいおい、困るなあ」と思いながらあれこれきき続けた。仕事をしながら、あるいはMacをいじりながら、僕は二日間、CDやLPをかけた結果、やっと、ある傾向をつかむ事ができた。エチュードを使うと「ものすごく良く鳴るソフトと、理由はわからないが妙に神経質でイライラさせられるソフトに分かれる」ようだ。ものすごく良く鳴る物も相当数出現するので、これにはまり、プリアンプは要らないと思う人も多いだろう。だけど、トータルでの音楽性から判断するとプリアンプがあった方が良いと思う。

ああ!RUBY2!! 「僕は何もわかっていなかった」
 または、山本=ミイラになりかけ のはなし
2000 年6月24日 友人の中島浩さんは、今、カートリッジを物色中だ。BENZMICROのGLIDERを使っていると言うから、以前僕のスタジオに遊びに来た時、GLIDERとL0.4の比較試聴をさせてあげた。その差は歴然で GLIDER=若い L0.4=大人 という印象で、僕は「ほらね」って感じだった。ところが、中島さんは「どうせ買うなら気になるカートリッジはみんなきいてみたい」と言って、OrtofonのMC JUBILEEだの、BENZMICROのREFERENCEやRUBY2だののデモ品を借りまくった。そして、彼が試聴し終わる度にそれらは僕のところへやってきて、僕もきいてみた。MC JUBILEEはOrtofon本来の柔らかさに加えて解像度を増し、当然ワイドレンジで「なるほどこれが現代のOrtofonなのか」と納得した。だが僕はL0.4とMC30superを持ってるわけで、MC JUBILEEはその中間のちょっと中途半端な印象を受けたのも事実だ。

そして6/21の夜、中島さんがRUBY2を持ってスタジオに来た。「カートリッジの試聴をするんだけど、ヒマなら来ない? お好み焼きならご馳走するよ」とメールを出したら、ソニー佐藤もやってきた。中島さんを紹介して(彼らはCELLOのプリ兄弟なのです)、僕が作ったお好み焼きを男三人で食べながらあれこれおしゃべりをした後、RUBY2の試聴をした。

BENZMICRO REFERENCEは以前サウンドクリエイトから拝借してきいてみたのだが、L0.4と比較して「どうしても欲しい」とは思わなかった。L0.4は定価135.000円、REFERENCEが170.000円、RUBY2は285.000円だから、REFERENCEとRUBYの差は10万以上だし、L0.4が二個買える値段だ。果たしてそれだけの差があるものかどうか、非常に興味があった。

STUDIETTOにはL0.4がついているので、まずLPを5枚ほど、一枚につき2〜3分づつきき、それからRUBY2にとりかえて、同じLPをきくという方法で試聴した。RUBY2は一聴して「上品な音だ」と思った。余韻が長く、背後で鳴っているシンバルや細かな弦の表情がよくわかる。全体的には音場がひろく、そして一つ一つの音像は小さい。これには三人ともノックアウトされた。

次にフォノイコの比較をしてみた。LINTOとAlephOno、両方ともそれぞれの魅力があり、どちらが上とか下とは言えないのだが、簡単に言うと、LINNは端正な感じ、AlephOnoは伸びやかで少しふくらみがある。

ききなれたレコードをRUBY2できいてみると、あまりの素晴らしさに愕然とする事がある。そして、その頻度は異常に多い。ある時はリアルさに驚き、またある時は艶と甘さに酔う。ふくよかなのに締まるところは締まっているし、力もあるし、RUBYは僕の知る限りで最高のカートリッジだ。28.5万はもちろん高価だが、考えようによっては安いとも言える。20数万円のEOSと600万画素で300万円のデジカメの比較のようなものだ。デジタルにも銀塩にも各々の良さがある。RUBY2は28.5万だしdcsは300万コースだ。

今日、RUBY2を返却するためにSTUDIETTOのアームから取り外した。もう、L0.4をSTUDIETTOのアームに戻す気にはなれないので、L0.4はシェルに付けてKENWOOD 9010のアームで使う事に決めた。RUBYあるいはRUBY2が僕の所にやってくるのは、数ヶ月後か、一年後かはわからないが、それまでSTUDIETTOが本領を発揮する事はない。

GLIDERを使っていた中島さんにL0.4をきかせた結果、中島さんはRUBY2を買う事になり(彼は翌日注文をいれた)、僕もRUBYにやられてしまった。よし、こうなったら新旧RUBYを4個ぐらい集めてききくらべてやるぞ。

オリジナルRUBYのオーナーは「RUBY2なんて音が悪い」と言う。それも言い過ぎのような気もするが、確かにオーディオでは改良なのか改悪なのか疑問に思う事がよくある。製造元にとっては改良でもユーザーにとっては単なるコストダウンでしかないなんてザラだ。RUBYとRUBY2の音の違いを簡単に書くと「RUBY2の方が音が濃い」ということらしい。同じRUBYでもシリアルの若い物と後期ではまた違うという説もある。ハッキリ言って「やれやれ」だし面倒くさい。だが、そう言ってしまうと、このHPに書いてあることは全部「やれやれで面倒なこと」ばかりだから、それがイヤなら仕事以外は毎日家で寝ているのが良い。まあ、「登り始めた山」みたいなもんだから、新旧RUBYを集めて対決させるのも楽しいではないか。と、言うものの僕のところにはまだ一つもない。

2000 年6月25日 L0.4はシェルに付けてKENWOOD9010できいている。L0.4+LINTO、そしてMC30super+AlephOnoの組み合わせはなかなか良くて、KENWOODからはこれまでになく高級なサウンドが奏でられている。JAZZとかロック、それとオーケストラなんかの低音ではL0.4の方が良いと感じる場合も多々ある。だから、将来RUBYを手に入れたとしても、L0.4を手放す気はない。

中島さんからメールが届き、「視力 に例えると、GLIDERは1.0、RUBY2は3.0というところでしょうか」と書いてあった。そして、「RUBY2の28.5万を安いと思う僕らの金銭感覚は正しいが、財布はカラだ」とも書いてあった。ホントにそれはそれは、僕もそうです。「メインはRUBY2で落ち着きそうだが、僕はあの若さと腕力(?)で聴きたいディスクも多いので、GLIDERも並行して使ってます」との事だった。僕もL0.4やAT33MLOccを捨てる気にはならない。そして、すぐにRUBYを手に入れられない事も、それはそれで楽しもうと考えている。カートリッジはいっぱいあるし、いくらRUBYが良い音でも、手に入れて毎日使うようになれば、当たり前になって有難味も薄れるのは見えている。オペラでいうと「ロジーナの気をひくためにあんなにあれこれやった"リンドーロさま"も、フィガロが結婚する頃には、妻に見向きもしなくなる」ようなものですかね。

アナログはだいぶわかってきた。それで、あらためてCDをきくと「なるほど、至らない面は多々ある」。でも、今のところ、これはどうしたら良いのかわからない。98年5月にCECのTL1を試聴してみて、あの時はTL2の方がシャープで良いという判断をしたのだが、最近の音の傾向からすると、現在も同じ判断をするかどうかは疑問だと思っている。だけどTL1はあのカタチだから毎日見るのはイヤだしなあ、、。定価180マンエンのTL0ってのを一度きいてみたいものです。
2000.7.10 ここ一カ月に購入したLP(約30枚)のうち、僕がすごく気に入っているLP(クラシックの部)です。これらは広木明彦氏から譲ってもらっている。彼はバロック音楽のマニアで、沢山のLPを所有していて、きかなくなったLPを僕たちに処分してくれている。だから、380円という事はないが、何万円という事もない。オーディオのハードをいじるのは楽しいが、それはすべて楽しく音楽をきくためだ。そして厚木さんに言わせると「ソフトは最後の切り札です」となる。僕はカリオペに酔い、エテルナの素朴さに驚き、クイケンの無伴奏フラウト・トラベルソにはまっている。広木氏は多分今週も「zyx=ジックス」のカートリッジを持って遊びにきてくれるだろう。広木氏の連絡先はもう少しスクロールすると出てきます。

7/13に広木氏が持ってきた国産高級MC カートリッジ「ZYX=ジックス」の試作機はなかなかの解像度で驚いた。ただ、ちょっと蒸留水っぽい面も感じる、あれで、もう少し中域の厚みとふくよかさが加わったらすごいと思う。だが、作りたてのカートリッジだし、二時間くらいの試聴ではわからない事も多いので、最低一週間ぐらい使って、色んなレコードをきいてみたい。そういうわけで、RUBYが買えないからと言って楽しみがゼロというわけでもない。でも、欲しいなあ「RUBY」。僕はRUBY購入にそなえて、Shelter216とVpiのレコードクリーナーを処分しようかと考えて始めている。

最近思うのだが、KEF105はどうも以前より低音が出るようになってきている。元々アナログ再生時はスーパーウーハーが不要だったのだが、CDでも不要かも知れないと思うことが多くなってきた。セッティングの変更など、大きな要素を与えずとも、やはり音は確実に変化する。スーパーウーハーも不要になれば、また新しい展開も可能になるなあと考えながら、このところはひたすら音楽を楽しんでいる。そして数日後スーパー・ウーハーは不要だと判断したので、使うのをやめた。二ヶ月ほど前までは絶対に必要だったのだが、KEF105もついに一人前になったらしい。三年前、初めてStudioK'sにKEFをセットした時の、どうしようもない低音不足は一体何だったんだろう。

毒を食らわば皿まわしじゃなくて皿まで ここまできたらStudioK'sは「アナログハウス」と呼んでおくれ
2000年7月17日 「近頃、更新が途絶えていますね」と言う人がいる。本当にそうだ。そうそう機器も買えないし、気に入った状態になれば、充分楽しみたい。だが、水面下ではあれこれ起きていて、この分だと多分黒いお皿を皿まで食らう事になるだろう。

yahooオークションのターンテーブルというサイトを見ると、今はもう売っていないプレーヤーやアーム、そしてアクセサリーの類が売りに出されている。懐かしい吸着式のターンテーブルシートや、金属製のシート類、シェルなどがあり、嬉しくなる。いくつか欲しい物があったが、オークションなので異常に値段がつり上がってしまう物もある。SAECのセラミックシェルは2万以上で驚いた。テクニクスの針圧計もけっこうな値段で取引されている、WINDSのデジタル針圧計が高価なので、適当な値段の針圧計が欲しいという人は多いのだろう。僕はFRのカートリッジキーパーが欲しいと思ったが、どんどん入札が入って8000円以上になってしまった。あれは秋葉原で新品が11000円で買えるので、5000円ぐらいじゃないと意味がない。

僕はyahooオークションでFR64sが付いたマイクロのBL91というターンテーブルを発見した。FR64との事だったが、色とラテラルバランサーの形状からFR64sだと判断した。入札開始価格は65000円からだったが、数日間誰も入札しなかった。アームだけで35000円ぐらいから始めていれば、沢山の入札が繰り返されただろう。僕はこのプレーヤーとダイナベクターのDV505が非常に気になった。もし、両方手に入れれば、MA505sと合わせて、国産ダイナミックバランス型アーム3機種のきき比べが実現する。それに、アームが5本あればカートリッジキーパーにもなる(持ち運ばなければね)。今まで誤って沢山の針を折ってきたが、アームに取り付けてレコードをきいていて折ったことはない。イヤ、一回だけあった(YAMAHA MC2000)。

2000年7月21日 FR64s付きのマイクロBL91はオークション終了数時間前に何件かの入札があり、僕は75.000円まで確認しその時点での最高金額「76.000円」で入札し家に帰った。あと4時間ほどあるから多分誰かが僕より高い金額を提示してしまうだろう、でも一応参加したわけだし、それで良いと思いながら家に帰った。

翌日スタジオに来てメールをチェックすると、yahooから「落札おめでとう」のメールが来ていた。誰も僕より高い値を入れなかったようで、僕はFR64s付きのマイクロBL91を購入することになった。それならそれで、ダイナベクターも手に入れてやるぞと思って観察する事にした。

BL91+FR64sはすごいスピードで四国からやってきた。梱包を解きプラッターを装着しアームを組み立てて、ピッチ調整用のストロボスコープで回転を合わせ(ついでにKENWOOD9010とSTUDIETTOの回転も確かめたが、これらはクオーツロックなので、両方とも微動だにしなかった)音を出してみた。最初はDL305+LINTOできいてみたが、腰のすわった深い音がする。DL305で半日きき、次にL0.4にした。これも良い。LINTOの端正でスッキリした感じがAlephOno寄りにシフトする。

ダイナベクターDV505はついに47500円までなってしまったので、僕は入札を断念した。友人の芳垣さんは現行機種であるDV507を秋葉原の宝島「サウンドクリエイト」から50.000円で手に入れている。ここで無理して高いDV505を買う理由はない。

MICROのBL91って大げさな感じがなくて良いプレーヤーだけど、縦横高さのバランスが悪いと思う。アームの右側のキャビネットを2cmほど切り落としたら、そして手前も1cmほど切ったらとてもスッキリしたデザインなんだがなあ。ううう、切りたい。

2000.7.23 広木氏の紹介で、新しいカートリッジ、ZYX=ジックスを購入した。写真のようなスケルトンモデルで、なかなかカッコいい。製作者の中塚氏は「壊しやすいから」と言ってスケルトンモデルは「扱いに慣れていて、且つ納得している人」にしか作ってくれない。音をきいてみると解像度が高くスピード感あふれる音だった。古楽器に使われているガット弦の「イガイガした感じ」を非常に良く再現する。そして、人工的な感じや着色された印象はなく、非常に自然で好ましいものだった。僕はZYXをFR64sで二日間約25時間ほど使ってみて、「これはかなりいける」と判断した。そこで、RUBY2ショック以来まともに使っていないSTUDIETTOにZYXを装着する事にした。STUDIETTOにZYXをとりつけてきいてみると、ZYXの良い面がさらに出てきてたまげた。この瞬発力はLYRAのHELIKONを思い出すが、ZYXはあれほどクールではない。

クラシックのLP(特にバロック)を売って欲しい方は広木明彦氏に連絡を取ってみて下さい。

僕は久しぶりにSTUDIETTOでレコードをきいて、「やっぱり最後に1台プレーヤーを残すなら君だ」と再確認した。瑞々しいという言葉はこのサウンドのためにこそある。だけど、RUBYがきたらどうしよう、RUBYもリニアトラッキングでききたい。しょうがいないからGOLDMUNDのプレーヤーをもう1台手に入れるしかないのかな。

2000年7月27日 ZYXが大変身をした
このところずっと「ZYX R00FS」のスケルトンモデルをSTUDIETTOに装着してレコードをかけ続けた。昨日アームの高さを数ミリ低くしたら低音の出方が良い感じになった。このあたりがアナログの醍醐味で、こういう変化を感じ取れるのは耳の良さではなくて、機器全体の調整がうまくいってるかどうかによるものだと思う。その状態で一日きいた後、AlephOnoの蓋を外して中のデイップスイッチでインピーダンスの設定を475オームから10オームにすると、音は激変した。今まで感じられなかった艶や肉感のようなものがでてきて、これはこの一年間のアナログ再生でも最も良い部類に入る状態になった。数日前に書いていたことは、もちろんウソではないが「僕が能力を目一杯発揮できるかどうか」をカートリッジに試されていたのだろう。あの淡泊な印象はなくなった。以前MC2000の時も書いたが、このような変化は「パッと花がひらくように」訪れる。長い長い尾根道を抜けて稜線に出て急に視界がひらけるような、そんな感じがする。残念ながらデジタルの再生ではこの感じはほとんどない。

ちょっと前にOrtofonのMCJUBILEEは中途半端で気に入らないと書いてたのだが、あれも5日ほど格闘すれば花が咲くのかも知れなかった。ちょっと反省。でも、MCJUBILEEよりスケルトンZYXの方がカッコいいもんなあ。

結局、ここまで音をつめてくると、フォノイコはカートリッジごとに必要だという事を思い知らされる出来事で、やはりセレクタでの切り替えでは良い結果が得られない。LINTOは良いフォノイコだが細かい設定変更は出来ない造りだから、基本的にはLINNのカートリッジ用で、その他に対しては「なんとなく良いあたり」を追求している。プレーヤーやカートリッジをあれこれ差し替えるならLINTO、ベストを求めるならAlephOnoになる。こんな当たり前の事を一つ一つ体験しては納得させられている。

2000年7月31日 明日からStudioK'sも4年目だ。それにしても3年間よく音を出して遊んできたものだ。まだまだ遊び足りないから、このHPもまだまだ続く予定です。

Yahooオークションでもう一つ売りに出されていた黒のダイナベクターDV505は40.000円で終了したようだ。終了3分前に40.500円を入れる事も出来たが、グッとこらえた。何故こらえたのかというと、先週FR64sがきてたばかりなのにダイナベクターでもないだろう、が一番の理由だ。だが、それとほぼ同率一位で「芳垣真之さんがダイナベクターDV507を貸してくれた」のもこらえる力になった。

先週、芳垣さんと念願の物々交換をした。僕は彼にSAECのセラミックシェル未使用新品を用意し、彼はWINDSのデジタル針圧計0.01のタイプを持ってきてくれて交換した。お互いが手にいれた値段は安過ぎて書くのをはばかる。そして彼は「しばらく貸してくれ」というお願いに応えてダイナベクターDV507も持ってきてくれた。そして、僕は彼にYAMAHAのパラメトリック・イコライザを貸してあげた。

美しいMA505S、アバンギャルドなダイナベクター、精巧でしっかりした造りのFR64s そしてWINDSのデジタル針圧計
僕にはコレクションの趣味がないので、全部使いたい物ばかりだ
国産ダイナミックバランス型アームの揃い踏みなのですが、わかっていただけけるだろうか。ショートアームでダイナミックバランス型って、他に何かあったかな、あとはIKEDAのIT345とLINNのLVII&EKOSあたりだろうか。昔のライカを今作ったらもの凄く高価になってしまうように、これらのアームが数万円で買えるなんて、今だけなのかも知れない。ダイナベクターのDV507も(現行品150.000円)、もう採算が取れないので在庫限りで生産終了だそうだ。

2000年8月4日 「こんなにあれこれ集めてバカみたい」と呆れる人がいる。そいつは良くわかる。我ながら普通じゃない。だが、一応僕にも言い分はある。友人たちはこれらの機器を使った経験があって「×××はこういう音で、あれはこれよりああで、こっちよりこれははこうだ」と教えてくれる。それらの感想は全部正しくて、その都度「なるほど」と思う。だけど、あくまでA対B、あるいはB対Cの比較であって、ABCDと並べて比較した人は極めて少ない。僕は出来る限り横一列に並べての体験をしてみたいと思っている。そこまでしたって、「あくまで僕のシステムとしての、しかもその時々の感想や結果しか得られない」のだが、それでもそれ以上の比較方法はない。

こういう中に、例えば「スペースデッキ」がやってきたらどう違うのか? 「スペースデッキ」はBL91+FR64sを捨てたくなるほど良いのだろうか? 僕はそういう事を知りたいだけだ。昔は「STEREO SOUND誌」がこういう比較をやってくれたものだが、近頃はブラインドテストなどの過激な(というかある意味でマトモな)試聴記事はほとんど期待できないので、仕方なく自分でやっている。

2000年8月10日 久しぶりにデジタルの話題
昨日SONYのSACDプレーヤーSCD1が数枚のソフトと共にStudioK'sにやってきた。SACDの音は今まで何度か体験しているが、自分のシステムに組み込んで試聴するのは初めてだ。冬からさんざんきいたヨーヨー・マのコダーイを一枚きいただけで「これはすごい、予想以上にすごい」と感じた。SACDのソフトをかける限り、我が「CEC TL2+mm10」は勝負にならない。audioquestのBLUSE QUESTというソフトをかけた時は、この一枚のためだけでもSACDプレーヤーが欲しいと思ったほどだ。この立ち上がりの速さと音の実体感は限りなくアナログに近い。だから、今後は「SACDおよびSCD1の音は大したもんじゃない」という人がいたら、「そんなことはありません」と言う事にする。

だが、問題は普通のCDだ。SCD1できく従来CDの音は、ちょっと若い感じの音がするので、これはCEC+mm10の方が良い。それではSCD1をトランスポートにしてSCD1のデジタル出力をmm10に入れてきいてみるとどうか、悪くはないけど僕にはCECの方が良い(ききなれた音だからね)。デジタルケーブルを吟味したり、あれこれやれば、何とかいけるかも知れない。SCD1は安いプレーヤーではないと思うが、非常に高級という事もないので、もう1〜2ランク上の機種が出れば期待できそうだ。

だが、SACDプレーヤーを手に入れても、普通のCDがSACDになるわけではないので、欲深な友人達はdcsのDDコンバーターでアップコンバートを試みているというわけだ。Macintosh(アンプじゃなくて)で言えばG3カードみたいな物でしょうか。こちらは自分のシステムで試した経験を持たないので、何とも言えないが、かなりの可能性はありそうだ。将来、従来CDもSACDもDVDもかかって、従来CDはアップコンバートしてくれて、一体型で定価100万ぐらいのコンパチブルプレーヤーが出れば買うしかないだろうと思う。

SCD1を二日間試してみての感想だが、ソフトによって「妙に気に障る響きがある」これは一体何だろう。ス-パー・ツィーターの影響ではないかという説もあり、位置を動かしてみたが解決しない。CEC+mm10では感じないし、もちろんアナログは感じない、と言うか逆にアナログはそういう面で特に心地よい。置き方や電源ケーブルでの変化量が多いと聞いていてるので、じっくり本気で取り組めば解決するのかも知れない。それはともかく、新フォーマットの可能性は認識させられた。

8/14 試しに電源ケーブルをMIT Zcord2にして、ちょっと置き方を変えてみたら、気に障る音はほとんど無くなった。ずっとスイッチは切らず通電状態なので、このあたりの変化は微妙で理由はよくわからないが、良い方向に動いたのは確かだ。なかなかクリティカルな機器だ。

8/13の夜は二人のオーディオファイルが(別々に)スタジオを訪れたので、SCD1もきいてもらった。感想はこちら。非常に良く鳴っているので、「StudioK'sがオーディオショップだったら、これをきかせれば何台か売れるかも知れないね」と言って笑った。

8/15 午後、富田さんから「夕方行ってもいいか」という電話がきた。SACDも大分良い具合になってきているし「どうぞ」と答えた。SACDソフトをSCD1でかけた音が、現時点での"StudioK'sにおけるデジタル再生として最高"だという事を確認して、「dcsによるアップコンバートはどうか」ときいてみると「SACDとも比較したが、ほとんど差がないので、ブラインドだと区別がつかないくらいだ」との答えが返ってきた。それからLPをかけると彼はZYXの音が気に入ったようだった。

富田さんが帰ってしばらくするとソニーの佐藤さんがきた。今回、彼の計らいでSCD1+ソフトを貸し出してもらったのだから、結果について報告するのは当然だろう。そして、こんなに高価な機器やソフトを貸して貰っているのだから、せめて自分のでき得る範囲最高の使い方をしなければ申し訳ない。

彼はあちこちでSACDの再生音をきいているので、僕が「ヒャー!すごい、自分史上最高」なんて単純に喜んでる音に対して「いやいや、よそはこんなもんじゃありませんよ」なんて言われたりするから面白い。ソニー佐藤は若い割に人間が出来ていて、面と向かって「イマイチだの、まだまだだの」とは決して言わない。それで僕はその時の反応で「口じゃ誉めているが内心はイマイチと思ってるに違いない」などと顔色を読んで判断している。

またまたデジタルの話題ですが
2000年8月21日 SACDのソフトをSCD1で再生した場合の音が、僕のCEC+mm10を軽く凌駕するのはわかった。だけど、SCD1は定価50万(超高級機ではないけどね)気軽に購入できる金額ではない。戦略商品かどうかは知らないが、ちょっと前にソニーからすごく安いSACDプレーヤーが出たのは僕も知っていた。定価8万円のSACDプレーヤー「SCD-XB9」は一体どんな音がするんだろう。SCD1と比較して40万円の差があるのだろうか? そして、こやつもSACDのソフトをかけると僕のCEC+mm10を越える音を出すのだろうか? もしそうだとしたら、これこそ「誰にでもおすすめできる、買っても良い機械」なんじゃないだろうか。

そんなわけで、「SCD-XB9」もStudioK'sにやって来ることになった。ただ、この三日間はStudioK's設立三周年パーティをやっていたので、まだよくきいてない。だから、ちょっとしかきいてないのだが、けっこう良さそうなのでビックリしている。

SCD-XB9の音は「モスのテリヤキバーガーみたい」と言えばわかってもらえるかも
8/23 SCD-XB9を三日間きいてみた。これもSACDソフトをかけると従来CDを軽く越える。SCD1はPLAYボタンを押してから音が出るまで30秒近くかかるので、「壊れているんじゃないか?」と思うが、SCD-XB9のアクセスはもっと早い(CECと同じくらい)この点は圧倒的にSCD-XB9が優れている。このところずっと従来CDをかけてきいているのだが、これがけっこういける。SCD1だとマジにCEC+mm10との比較をして「あれが不満これが不満」って事になるが、SCD-XB9だと「まあいいじゃん、定価8万でこれだけ鳴れば充分だ」になる。

8/30 結局SCD-XB9の良いところは

1)楽しい音がする 当然SCD1の方が高級ではあるのだが、SCD1は緊張を強いるような感じがあり、それを解決するためにはケーブルやセッティングを吟味したい。これが楽しいのだとも言えるのだが、SCD-XB9はもっとお気楽に陽性の音が出てくるので、「面倒な事はいいから楽しく音楽でもきこう」となる。どこにも欠点が無いが面白味もない優等生タイプではなく、至らないところもあるが長所でカバーするタイプと見た。

2)アクセスがはやい これをソニーの佐藤さんに言うと、「SCD1はソフトもないのに作ってたんですから、しょうがないんですよ」という、それじゃあまあしょうがないねえ。

3)使い勝手が良い SCD1のパネルはどれがPLAYボタンで、どれがポーズでというのがわかりにくい。その点SCD-XB9はすごく普通で操作性が良い。そして、つまみをグルグルって回すダイヤル方式だから、例えば6曲目を選曲する場合、6回押さなくても良く、これは非常に使いやすい。

4)安い これだけ楽しめて実売価格6万円台ってのはすごい。この4点に集約出来る。

8/31 このところ珍しく仕事が忙しい。あれこれやることがあって、SISにも行かれずにいる。すると大野さんから電話がきて「入りましたよ」なんて言う。今度は何が入ったのだろう。財産は無いのに散財の予感。

SISの大野さんからの電話は「GOLDMUNDのフォノイコPH01が入ってくる」というお知らせだった。岡崎さんが使っているのと同じタイプで、現行のPH7と中身は同じだが別電源の分「音はPH01の方が良い」とも言われている。僕はオーケーという返事をした。岡崎宅であれだけの音が出ているのだから、多分僕のところでも新しい発見はあるはずだ、手に入れてみてダメなら処分すればいい。でも、それだけでは済まず、大野さんからは毎日電話がかかってくる。そんなにあれこれ良い物があるのかなあ。 

デジタル新時代の幕が確実に開きつつある
2000年9月5日 この一週間で、僕のところへ新しいDACが二台届いた。両方ともこれから店頭に並ぶもので、自宅で試聴した人はまだ極めて少ないと思う。この二台に共通するのは、小型&低価格(定価18万と16万8千円)で、BIRDLANDはDDコンバーター内蔵(従来CDのデジタル入力は24bit88.2khzに変換)、PERPETUALはとりあえず24bit96khz対応DACだが、将来は192khz及びDSDにも対応するというものだ。

9/7 実はSCD1を貸してもらってる間にCECのトランスポートTL2を修理に出した。一応動いてはいたが、いくつか気になる事が起きていたのだった。その間に二台のDAC=BIRDLANDとPERPETUALがやってきて、僕はずっとSCD1のデジタルアウトでこれらを試聴した。TL2なら多分こんな感じだろうと想像しながらの試聴だったから、TL2が戻ってくるのが待ち遠しかった。そして、今朝TL2が戻ってきた。修理内容はピックアップの交換、モーター交換、ディスプレー交換というものだった。スピンドルの摩耗により少々ノイズが発生していたそうだ。96年に珍しく新品で買って以来、毎日々々よく使ってきたから仕方がない。ベーシーのLP12にはかなわないと思うけど、CDの方が高速回転だから僕のCECもけっこう痛んでいたようだ。

戻ってきたTL2で音を出して、「やっぱりこれが自分の音だ」と再確認した。しなやかな高音と厚い中低域、そして空間感が独特だと思う。機会があればTL1とかTL0も使ってみたいが、今のところこれで不満を感じない。それにしても、新しいDACには恐れ入る。この半年間LPばかりきいていた僕が、この一週間はCDをきいて過ごした。このところずっとSCD1を使っていたので、すぐに音が出てしまい、PLAYボタンを押してから(ちょっと何かを片づけたりという)用が足せない。

9/10 今僕は自分のDACを持っていない 二週間ほど前、BIRDLANDのODEON-LITEという特に高価とも言えないDAC(定価18万、アメリカでは980ドル)の音をきき、デジタルは新しい時代に突入したと実感した。僕はBIRDLANDを接続し、一晩で20枚ほどCDをきいてみて、4年間愛用したGOLDMUND mm10を処分する決心をした。

その次にやってきたのはPERPETUAL TECHNOLOGIESのP3Aだった。これは定価168.000円、アメリカでは699ドルという低価格のDACだが、こちらもすごく良い音で、僕は最初P3AもDDコンバーターが入っていると勘違いした。それぐらい、実体感のある鳴りかたをする。一緒にきいていた富田さんに「これは24bit96khzの音だよねえ」と言うと富田さんも「確かにそういう音だ」と言った。もうmm10も売れちゃったし、僕は今DACを持っていない。SCD-XB9は今日から「きいてみたい」という友人宅を巡回し始めていて無い。借り物のSCD1を返却したら、暗室で使っているフィリップスのポータブルしかない。

9/13  今日は(株)ユキムからBAIRDLANDのODEON-LITEが送られてくる予定だ。SISが試聴用に買った物を「CECのトランスポートできいてみたい」とワガママを言い、こちらに送ってもらう事になった。今日は仕事がなかったし、古いバナナが残っていたので、久しぶりにバナナブレッドを作っているとチャイムが鳴った。宅急便が来たので「よーし、BIRDLANDだぜ」と思い、ベタベタの手で品物を受取りに出ると、茶色の袋を渡された。開けてみると中には「綾戸智恵のCD、SACD、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲のCDが二枚」が入っていた。

綾戸智恵のCDを制作している(株)イーストワークスの阿部さんという人が、僕のこのHPをよく読んでくれているそうで、(先日ソニーの佐藤さんと会った後、メールで「あなたはあの佐藤さんですか」と確かめたとか)SCD1が僕のところにある間に、この綾戸智恵「LIFE」SACD版をきいて欲しいと書いてあった。

バナナブレッドのタネをオーブンに入れ、今、本当にききながらこの文を書いている、8曲目に日野元彦のタップが入るのだが、僕は外で誰かが何かを叩いている音がすると思って一瞬窓の外を見てしまい、2秒後に苦笑した。もちろんMacに向かっていて、ほとんど左耳できいてるからなのだが、それにしても非常にリアルな音がする。そして中身もすごくいいから(好きな曲がいっぱいだし)、このCD&SACDは僕だけじゃなくて、これから僕のところへ遊びに来る人たちを感動させ続けるに違いない。

ところで、GOLDMUNDのPH01だが、あれは今Dr.Y氏のところでリファインされている。電源が無かったから、電源を作ってもらい、MCしか使わないから20オームと500オームの切替式(元々の設定は47kと600)になり、各部の調整が施されてくる予定だ。そうなるとフォノだけで3系統になり、それに借り物のSACD&普通のCDとなると5系統のソースになるが、パスラボのプリは入力が4系統しかない。それを色々な人に話すと皆「今時、ピュアオーディオをやっていて入力が足らない、などと言う奴はあんただけ」と言われる。そうだよなあ、フォノ3系統がいけないんだよなあ。となると、AlephOno VS LINTO VS PH01のバトルはどうなるんだろう。どれも残すか、フォノを減らすか、プリを買い替える? ああ、そういう手もあるな。

そろそろ僕のDAC選びは、とりあえず、ある結論が出つつある。機器の事は、正直に書けば書くほどわからないことだらけだ。最近「あれとこれとではどっちが良いですか?」とか「こんな装置を使っているが、このアンプではどうでしょうか?」というオーディオ相談室のようなメールをもらう事が増えたのだが、僕は「わからない」としか返事が書けない。自分の音の事もわからないから、こうしてあれこれやっているわけで、メールをくれた人には申し訳ないのだが他の人の事は本当にわからない。

新しいDACをあれこれ試聴したものの、なかなか決まらない理由はいくつかある。一つはSACDだ、どうしてもSACDと比較してしまい、それには及ばず不満を感じる。それとアナログだ。SACDも良いが、アナログも負けず劣らず、ある面ではそれ以上良くて、何をやっても従来CDがこれらに届くには、もう少し時間がかかりそうだ。そんな中で「PERPETUAL P3A」の鳴り方は、僕の知らなかった音で、「作った人が同じだからもしや」という思いと、富田さんの「オーディオアルケミーのDACが家であそんでるから、しばらく貸してあげますよ」という言葉に甘えて、オーディオアルケミーのV2.0を借りてきいてみた。これは「これだけ鳴ってくれてこの値段(SISには48.000円で2台ある)なら買ってもいいな」と思うぐらい良くて、僕のDACは当分アルケミーでいく事になった。この二週間、ものすごく真面目にDACをきいて少々疲れたし、しばらくアルケミーで頭を冷やす事にした。いやはや、肩すかしのようで誠に申し訳ない。

2000年9月22日 午後、共同通信社「オーディオベーシック」編集長の金城さんが打ち合わせも兼ねてスタジオに遊びに来た。あまり時間が無かったのでアナログは抜きにして、綾戸智恵のSACDとCDをソニーのSCD1で比較してもらった。それから、ヨーヨー・マを二枚かけてから、CEC+オーディオアルケミーで綾戸智恵をかけた。彼はこのCEC+アルケミーが気に入ったようだった。

9/25 色々考えてみて、一番印象が良かったDACはPERPETUALのP3Aだと思う。そして、ステレオサウンド誌にも書いてないし、輸入元もDDコンバーターはP1Aだと言うのだが、どうもこのDACはやはり単体で24bit96khzにアップコンバートしているらしい。音で判断する限り普通のDACとは比較にならないし、インターネットでアメリカのサイトを見たりすると「P3Aは16bit44.1khzのデジタル信号をP1Aなしで24bit96khzに変換する」と書いてある。そういうわけで、P3Aに心ひかれた僕はPERPETUALのサイトから直接購入する事にした。多分今週中に届くだろう。そして、「P3AはP1Aなしに24bit96khzに変換するのか?」というメールを送ると「その通りだ」という返事がきた。

9/26 その後もう一度PERPETUALからメールが届き、

The P-3A will perform sample rate conversion like the PA using the same Crystal chip set. It will convert any sample rate below 96 kHz to 96 kHz automatically. It does not affect the bit rate, however. とあった。要するに16bitはそのままだが、96khz以下のサンプリングレートは96khzにコンバートしているらしい。だからやっぱり普通のDACとは違う音がすると感じたのだろう。

9/27 色々な人から「P3Aはいつくるの?」「きたらきかせて」と言われる。だが、まだ来ない。何故かというとクレジットカードの承認がおりないからだ。理由はわからないが、何かの手違いで承認されず、「他にカードを持っていたら、そちらの番号を知らせてくれ」というメールがきていた。僕は基本的にクレジットカードを使わない生活だが、外国から物を買うときはクレジットカードが一番便利で、例えばCALUMET PHTOGRAPHICから暗室用品を買う時などはこのカードを使っている。だから、「承認がおりない」というメールがきても「そんなわけないでしょう」という感じだった。番号や住所が間違ってないかとか、有効期限の事でこの二日間に何通かメールでのやりとりがあった。ネット通販もなかなか大変で、こういう事も「良い経験」と楽しめないとやってられない。今朝きたメールには「承認がおりたので早速送る」と書いてあったので、多分あと3日か5日後にはやってくるだろう。もしこれが初期不良だったりすると、送り返すという問題も生じるわけで、そういう面倒に耐えられない人は日本の店で買った方が良い。ユーザーにとって有益で正確な情報提供と、何か問題が生じた場合のフォロー、そして適当な価格設定、それらが満たされれば、輸入代理店の存在理由は充分ある。

秋は心しずかに音楽を楽しみたい そういう時はCECのトランスポートとOrtofonのMC30superがお友達だ。それで、KENWOODのプレーヤーにMA505sを取り付け直しMC30superで音を出してみた。僕は今、ISODA特製フォノケーブルとDr.Y氏特製MIT330フォノケーブルを持っている。試しにMA505s+MC30super+MITできくと、以前の柔らかで艶っぽい音ではなくてもっと解像度の高い音が出てきた。それで、ISODAにしてみると「おー、これこれ」って感じの音がよみがえった。何でもかんでもMITが良いというわけでもないらしい。さあ、これできき心地の良い部分は確保したから、暇なときはうたた寝しながら音楽を楽しもう。実は最近素晴らしい寝椅子を手に入れたのだ。でも、風邪をひかないように気をつけてね。

10/1 やっとP3Aが届いたと思ったら 
さあ、早速音を出そうと包みを開けると、中にはP1Aが入っていた。しかし、なんという商品管理だ。しょうがないから、P3AじゃなくてP1Aが届いたから早くP3Aを送って欲しいというメールと、届いたP1Aの画像を送った。やだねまったく。まあ、こういう事に耐えられる方は、ネットで直接購入もよろしいのではないでしょうか。僕はHPのネタにもなるし、これも「まあいいか」と思っている。修理から戻ったCECのTL2もキュルキュルとバードコールの様な音が出るので、再修理って事になりそうだし、僕のCD再生はなかなか多難だ。

P1Aを買うかどうかは決めかねている。P3Aも来ないし、しょうがないからまたアナログをきくことが増えた。BL91についているFR64sを外して、芳垣さんから借りたダイナベクターDV507を(非常に安直に)取り付けて音を出してみると、これもすごく良い。それで、以前から気になっていたBL91のベルトを交換にしてみた。BL91は少しワウフラを感じていて、ずっと不思議に思っていたのだが、ベルト交換でこのワウフラ問題は解消した。ベルトのテンションが不足していたらしく、極端な例で説明すると、クッションコードを使ってクルマの牽引をしてるような状態が起きていたようだ。ベルトを交換するとワウフラが解消されただけでなく、全体的にスッキリした音色に変化した。ベルトを交換してからFRのアームは使っていないが、僕はダイナベクターの音をかなり好んでいるようだ。

僕はP3Aが欲しくて注文したのだから、とにかく早くP3Aを送ってくれというメールを出した。だが、今のところP3Aは届かない。この状況を楽しむ気持はそろそろ薄れて、「あきらめ」の心境へと変化しつつある。ネットで注文したことを後悔してるという事もないのだが、ちょっと面倒になってきた。

ISODA製 真空管アンプ「パラディオン」の美音には困った。 今、イソダエレクトリック製パワーアンプ「パラディオン」の音をきいている。管球アンプも今まで何台かはきいてきたが、このアンプほどの超個性的美音には出会った事がない。WE 300Bのにじむような美音とも異なるし、とにかく弦楽器の再生には特別のものがあり、久しぶりに夜中まで音楽=まさに音楽にきき惚れた。刺激的な音を出さないウエルテンパードのプレーヤーのようなアンプで、もしここにウエルテンパードのプレーヤーを持ってきて組み合わせたらどうなるか? 非常に興味深い。このアンプの音は「僕の普段の音を好んでくれていて、メインの音を良く知っていてくれている人だけにしかきかせてあげられない」と思う。詳しくは「管球探検のページ」をご覧下さい。

☆それにしても、オーディオは楽しい。大好きな音楽を毎日好きな音できけるし、機器をかえずとも、置き方を変えるだけで音楽の表情が変化する。オーディオはマイナーな趣味だという事になっているが、どうしてみんなこんなに楽しい趣味を追求しないんだろう。


おっと、なんで僕のところにウエルテンパードREFERENCEがあるんでしょう? 中村匠一さん(通称「たくみ」さん)がオーディオユニオンお茶の水店で購入したのを貸していただいた。

このプレーヤーは、いつの間にか定価120万になってしまった。初期のclssicについていたアルミのアームほどの「まったり滑らか度」は少ない、そして重心の下がった音が出るのは確かだが、やはりガリガリゴツゴツした音は出さない。だからISODAのパラディオンとの組み合わせは行き過ぎになるようだ。磨かれすぎてカタチが無くなるというか、煮込みすぎてトロトロというか、何事にも限度がある。たくみさんはLP12も持っているそうだから、そちらはハードでシャープ路線を追求し、ウエルテンパードは柔らかなきき心地の良い音を追求したら楽しそうだ。それしてもREFERENCEは重い、見た目よりずっと重くて驚く。

写真ではわかり難いかもしれないが、指かけは細い針金で作った。これが一番使いやすいと思う。針金の角度調整は、何回か使ってみて良い具合のとこをを探す。

Perpetual P3Aはまだ来ない
P3Aが無くてはP1Aが必要なのかどうかすらわからないから、とにかくP3Aを送って欲しいというメールを出したのだが、返事も来ないし現物も来ない。色々な質問その他に対する反応はとても素早かったから、これは担当者が長期休暇か在庫が無くて送れないかのどちらかだろう。このページを読んだ宮腰さんという方から以下の様なメール(抜粋)が届いた。

P1Aの16bit→24bitのアップコンバートを最大限に活かそうと思うと、DACのS/N比が高くないとダメなんだそうです。(Ptechが言うには、理論的には144db必要なのだが、P3Aは140db確保しているので、ほぼ24bitのデータをノイズフロアに埋もれることなくレンダリングできる。いわゆる高級DACでもこのレベルのS/N比を確保できているものは数えるほどしかない、とのこと)
実際、P1Aを、AlchemistのTurtle(TSD1)に接続して聴いてみたのですが、P3Aに接続したときほどの効果は感じられないように思います。逆に言えば、DACのS/N比が優れていないとP1Aの真の効果はわからない可能性があります。ですので、PA1の導入に関しては、P3Aとのペアでの試聴後に判断されることをお勧めいたします。

次にP1Aを通して24bit/96KHzにアップコンバートしたときと、アップコンバートをしない時(P1Aで16bit/44.1KHzという通常のCDフォーマットのアウトプットを選択してP3Aに送り込んで聴いた状態)の比較ですが、アップコンバートをしないときの音に比べ(実際にはサンプリングレートをP3Aが自動的に96KHzにアップコンバートしてしまっていますが)、P1Aで24/96に変換した時の音は、音自体がきめ細かくなり、音場感というか空間情報が明らかに多くなります。また、一つ一つの音のエッジが「きつくなくなる感じ」がします。(エッジがぼけるというのとはちょっと違います。エッジの音のグラデーションが細かくなった結果、キツさが無くなるという感じでしょうか。)結果として、音のリアリティ(生っぽさ)が高まっているという感想を持ちました。個人的には、ペアで購入して非常に満足しています。P1-Aだけ購入していたら、後悔していたかもしれません。

僕の場合、「手続きが完了した」というメールが来てから商品が届くまでは5日くらいだったと思います。(UPS Expeditedを使用。木曜日にメールが来て月曜に商品着)クレームのメールを入れてからP3Aが届くまでに1週間もあれば十分なはずです。未だに届かないようであれば、担当者にメールを出されるのも手かもしれません。奇しくも同じ担当者の場合は(小さい会社なので可能性は大ですが)「社長(Mark L.Schifter)宛に対応が悪いという苦情のメールを出すぞ!」と軽い脅しをかけるのも手かもしれません。

うーん、そうねえ、それより「yamamotoは個人のHPを持っていて、彼のDAC選びには日本中のオーディオファイルが注目している。P3Aがなかなか届かない事も少しづつHPに書いているから、あまり対応が悪いと今後の日本での商売には少なからず影響があるだろう」という大げさなメールを誰かに、出来れば複数の人に送ってもらうのがいいかもね。 2000.10.11

なんて、書いていたらP3Aが届いた。今日、朝一番でインターナショナルオーディオショウの撮影に出かけている間に届いていた。120V仕様なので昇圧トランスを入れ、まずP3Aからきいてみる。前に借りた物より力感もあるし、しなやかな感じも良い。それでもまだどことなく荒削りな感じもする、多分一週間ぐらい後はかなり音が変わるだろう。楽しみでならない。

さて、肝心のP1Aだが、デジタル信号をP1Aへ入れてもうまくロックせず、DDを通した音はなかなかきけなかった。途中でイヤになり、送り返そうかと思ったりもしたぐらいだ。そして、夜、岡崎さんから「インターナショナルオーディオショウの会場からそちらに向かう」という連絡がきた直後、TL2からの信号をAES/EBUでつないでみたら「アレッ」っていう感じでつながり、P1Aを通した音が出た。その10分後に岡崎、富田、柳澤というdcsオーナーの三人がスタジオにやってきた。通電もしたばかりだし、置いてつないだだけの音だったが、三人ともある程度の納得をし、楽しんでくれたようだった。

確かにこのサウンドは今まで体験したことのないもので、「何が違うのか」を書けばキリがないほど違う。これらの機器(DD+対応DAC)をまともに使っている人たちは、心の中で「DDでアップコンバートしてない人や疑っている人ってバカじゃないの」と思っている。☆☆☆と書くと問題のようなので、一回ぐらいは「「DDでアップコンバートしてない人や疑っている人ってバカじゃないの」などと感じているかも知れないと読み替えて下さい☆☆☆。良い時代になったものである。こんなサウンドが非常に低価格で手に入れられるようになった。こりゃP1Aも買うしかない。 2000.10.13 深夜

山本様

今HPを見ましたが、「DDでアップコンバートしてない人や疑っている人ってバカじゃないの」という発言はちょっと過激過ぎませんか。僕もDDを使っている側ですが、使っていない人に対し「バカじゃないの」と思ったことはありません。それよりもあれだけの音質差しかないのに、大金を使ってしまっている自分の方が「オーディオバカ」だなと感じてしまっているぐらいです。
まともな感覚の人なら、CDで音楽を鑑賞するのに何百万もつぎこみはしないでしょう。そういうまともな人に対し、特殊なことをやっている者が「バカじゃないの」と思うことは絶対にありません。逆にまともな人が特殊なことをやっている人を「バカじゃないの」と思うことはあると思います。また特殊なことをやっている者同士でそう思うことはあるかもしれません。
先の発言は、一般の多くのHP訪問者を不愉快にさせると同時に、DDコンバータを使っている我々が誤解される恐れもあります。おそらく岡崎さんも柳澤さんも同意見でしょう。少なくとも我々はあのように思っていないので、その点誤解されないような表現でお願いします。

トミタ

心の中で半分反省。半分は、「アップコンバートするバカ、しないバカ」同じバカなら、どうしたものか。という阿波踊りのような感じでしょうか。まあ、いきなり音が良くなったりすると、このぐらい過激な気分にもなるって事で、お許し下さい。富田さんが言うように気分を害した方がいらっしゃいましたら、お詫びします。

一難去ってまた一難 PAはアメリカに送り返す事にした
僕のPAは同軸のデジタル入力だけロックしない。AES/EBUや、オーディオアルケミーのDTIを使用して同軸を2に変換した信号は受け付ける。このトラブルのために随分苦労した。念のため千駄ヶ谷に住む三村さんに彼のPAを持ってきてもらい接続してみると、こちらはちゃんとロックする。やはり僕のPAはこの部分が不良だった。だから、最初にアルケミーのDACにつないだ時も動作しなかったのだ。TL2はキュルキュルとバードコールのような音をたてるので再修理に出したし、PAも不良なので送り返すことにした。そんなわけで、CDはSCD1のデジタル信号をP-3Aに入れてきいている。

しかし、アメリカへの運賃は8.000円だから「来て帰って来る、一往復半」ともなると、運賃だけで24000円になり、これでは25%引きも何もわけがわからなくなる。まだ、僕とPerpetual社の間に信頼関係はないわけだし、ヘンにイチャモンをつけていると誤解されても困る。バカらしいのはお互い様だけど、何度も不具合だというメールを出すより、現物を送った方が早いと判断した。注文してないPAを送ってきたのは向こうだし、さらにまともに動作しないPAが存在する事が悪い。それがたまたま僕のところに当たったの偶然の不幸としか言いようがないし、僕がこの目に遭わなければ他の誰かが遭遇していた事だろう。Perpetual社が不具合を認め、しかも25%の値引きをし、かつ、僕が元払いで送った送料も負担すると言ってきたら、大したものだと思う。

しょうがないから、気を取り直してまたアナログで楽しむ事にした。明後日の夜、ウエルテンパードの持ち主がききに来る事になったので、それまでしばらくこれを使ってみている。ピアノをきいてみると、以前借りたウエルテンパード「CLASSIC」よりは硬質な感じも出るようだ。そして重心の下がった太い音が出てくる。午後Dr.Y氏が秋葉原に来て「TANNOYのIIILZ」と、古い「オーディオノートのカートリッジ」を貸してくれたので、しばらくこれでも遊べるだろう。それにしてもIIILZ+ISODAパラディオンによる絶妙なコンビネーションには参った。このあたりは「管球探検」のページをご覧下さい。

もう置く場所もないし、資金もないので、マイクロのBL91+FR64sは友人の横田さんに譲る事にした。すると(僕が頓死したらと、SISの大野さんが狙っている)MIT製フォノケーブルが一本余る。それで、KENWOODのKP9010にこのフォノケーブルを使おうと考えた。だけど9010のアームには普通のフォノケーブルをつける事が出来ない。このプラグはどこにも売っていないので、ご近所の(株)ダイナベクターにお願いしてフォノ用の5pinのプラグ(アームの中についているもの)を分けてもらった。快くプラグを分けてくれた(株)ダイナベクターにお礼申し上げます。この端子をハンダづけしたので、9010のアームでも普通のフォノケーブルが使えるようになった。 2000.10.18

オーディオノートのカートリッジ「SOARA」って、やはり銀線なんだろうなあ。柔らかくて艶やかだから、僕は銀線の音が好きみたいだ。MC30superも銀線だし、僕のZYXは銀線のタイプだ。古くて高級なカートリッジを借りたりもらったりしてきくのは大変楽しい。僕は古いカメラもさんざん遊んできたが、まったく同じ感覚だ。音楽にひたれる音がする。このあたりのビンテージとは呼ばない程度に古い機器で遊ぶのもなかなか楽しいので、「管球探検」のページをあらためて「古いオーディオ機器」のページに変更する事にした。
CECのTL2が戻ってきた
TL2が戻ってきたし、PAは送り返してしまったが、TL2+P-3Aでやっと自分のCDの音がきけるようになった。SONYのSCD1をトランスポートにした音が悪いというわけではないのだが、かなり音質が異なる。CECの方が柔らかくてきき心地が良い。ウエルテンパードREFERENCEもオーナーの許へ運んだので、その場所にTL2とPerpetual P-3Aを置くことにした。いかがですか? 色も合ってるし、コンパクトでなかなか良いでしょう。

トランスポートが完調になり、置く場所も決まらなければ音もつめていかれない。これでやっと本格的に取り組む事が出来る。TL2は結局メカを全部交換されたようで、夏以前に比べると音が少しメリハリ調になった。それにしてもCECの真面目な対応には感謝です。P-3Aは単体でも充分良い音なので、取りあえずP-3Aを購入して、それから誰かにPAを借りてみて、効果が認められたら追加するという方法も考えられる。ああ、早くPAが戻ってこないかな。そして、PAとP-3Aの専用外部電源 MONOLITHIC SOUND P3が届くのが楽しみだ。これらはTAOCの下の段に置くしかないのだが、そうするとDDとDACをI2Sで接続するにはケーブルが足らない。

ZYXのカートリッジを作っている中塚氏が広木さんと一緒にスタジオに見えた。僕の音や音楽の楽しみ方の事を、まあ気に入ってくれたようで安心した。逆の立場から見れば「自分のカートリッジが一体どんな環境と価値観のもとで鳴らされているのか」という不安があるわけで、中塚氏は中塚氏で安心したようだった。その時、ZYX製のトランスを貸していただいたのだが、僕はトランスを使った経験がほとんどなくて、音の変化にちょっとしたショックを感じた。よくトランスは音が甘いという声をきくが、甘いというよりは「やわらかでしなやかな音」だった。それで、これからは機会があればトランスの音もあれこれ体験してみたくなった。 2000.10.28

10月末の金土日はパラダイス展だった。パラダイス展というのは、StudioK'sの暗室でモノクロ写真のプリントをやっている会員たちの写真展で、会期中はギャラリー状態となり、KEFを片づけなければならない。昨夜は三日ぶりで元に戻したのだが、ずっとまともな音がきけず寂しかった。これを機会にKEFのスパイクは外し、置く位置も20cmほど前に出してみた。これで、後ろの壁からバッフルまでは約2.8mになった。最初はパイオニアのスーパー・ツィーターPT-R9なしできいてみたが、CD一枚(数曲)で必要だと感じて取り付けた。そして、いつもは床にカーペットを敷くのだが、部屋が狭く感じられるので、試しにカーペット無しで音を出してみている。「床からの反射で音がきつくなったらボリュームを絞ればいいや」と割り切ってみる事にした。今きいてみているが、思ったほどひどい音にはならないようなので、しばらくこの状態でいこうかと思う。 2000.10.30

スタジオに来ると、Perpetual社からFaxがきていた、まったく同じ内容のeメールもきていて、とにかく不具合PAは無事に届いたらしい。そして、ソフトウエアのアップデートに2週間を要するなどと書いてある。わからない、わからない、なんで修理にソフトウエアのアップデートが必要なのだろう。だが、そんな疑問を英語で書いて出すのも面倒なので、とにかく「Faxとメールは受け取った。毎日待っている」と書いて送った。それともさらに良い音になった物がやってくるのだろうか。僕としては「ああ、めんどくさい。さっさと代替品を送ってくれや」と思っている。

良い音とは一体何なんだろうという事をずっと考えている。もちろんこのHPを読んでいる皆さんも同じだろう。例えば自動車は、走る止まる機能以外の部分があまりに便利になってしまったから、20年も前のパワステ&エアコンなし、間歇ワイパーなしのクルマはちょっと苦痛かも知れない。バイクは多分オーケーだと思う。初めて乗ったHONDAのCL50でもSL250SでもDT1でもDAXでも、今、僕の目の前にあったらすごく楽しく走れる。オーディオはどっちなんだろうと考えて、古いオーディオ機器をいろいろきいてみたいと思い始めた。そこで、「管球探検」は「古いオーディオ機器」のページにあたらめることにした。もし将来、管球アンプが沢山集まってきたら、もう一度「管球探検」というページも復活させます。 2000.11.1

  先にP3が到着した
PAはまだ来ないが、今日、専用強化電源のP3が届いた。架空セカンドオーディオにも登場する「シカゴ在住の川崎さん」にお願いして送ってもらった。この場でお礼申し上げます。AC100Vと書いたシールが貼ってあるが、僕は僕の責任で無視して117Vで使ってみている。真似して何かあっても当方の責任ではありません、念のため。CDをかけたまま現像所に出かけ、秋葉原をまわって帰ってきてから真面目にきいてみた。どこがと言われても困るのだが、しなやかな音になったと思う。弦楽器のCDをきいてみているが、深みのある音になり、これは嬉しい変化だ。低域が力強くなったし、弦楽器の「ため」が出るようになった。つまり僕のところでは、メリハリ方向への変化ではなく、重心が下がる方向に変化した。ますますPAの到着が待ち遠しい。 2000.11.6

PA&P-3A専用強化電源のP3を入れたら、音が良くなった。質感はものすごく良くなったのだが、ちょっときこえ方というか定位の感じが変化した。それで、スピーカーのセッティングを少しいじった。こういう場合は超アバウトな僕でも、10cm単位ではなくて3cmぐらいづつ動かす。が、結果的には10cmの移動も珍しくない。

夜、ソニー佐藤が遊びに来て一緒にCDの音をきいた。「では電源を普通の物に戻してみようか」という事になり、スタンダードのACアダプターにしてみた。すると、これはまったく本当に情けない音で、大人と子供ぐらいの差がある。ただ、こちらの方がスカスカしている分、広がってきこえる。これでPAを入れて再び広い音場になれば言うことなしだ。それにしても、電源でこんなに音が変化するとは驚きだ。一般にデジタル機器は何をやっても(アナログほどは)変化しないのだが、この電源に関してはカートリッジ交換ぐらいの差が認められる。日本での定価は7万円だそうだが、ちょっと高いケーブル程度の値段でPAにも供給できるわけだし、これは買っても絶対に損はしない。

さて、ソニー佐藤のボーナスの行方はどうなるのだろうか? 財形貯蓄もしなければならないし、クルマのローンや経費もあるから、キャッシュでdcsセットってわけにもいかないだろう。dcsは仕事でいくらでもきけるんだし、自宅はまるで別路線の「古いオーディオ機器」とかにすればいいのになあと思うのだが、そうもいかないらしい。 2000.11.7

と、ソニー佐藤にメールを出したら、こんな返事がかえってきた。「で、昨日聴かせていただいたP3はdcsへのブレーキになるかとも思ったのですがますます期待が高まる結果になってしまいました。危険です」

危険と言うかこれは病だ、それも重病、僕も病気だけど僕の方がバランスの良い病気だと思いますがいかがでしょう? 大差ない?こんな事をすぐさま書いて更新している事自体が、かなりの病気とも言える?。

このように頻繁な更新をしていると、僕のまわりで起きていることを全て書いていると思われるかも知れないが、実は極めつけの情けない話や「バカだなあ」って感じの笑える話がまだまだある。そういう話の方が面白いのは言うまでもないのだが、色々な影響が多すぎて今はまだここには書けないでいる。いつか将来、オーディオ生活に関する単行本でも出せる事になったら、絶対に書いてやる。ああ、早く書きたい うずうず。

 システムが安定した時は何をするか?
アナログもデジタルも一年前とか半年前に比べたら随分安定した。あとはPAを待っている。まあ、PAが良い物なら良い音が出るだろうし、大して効果がないものであれば大して効果がないのだろう。全体的な安定を得た時はこういう気分になれる。そういう時は何をするか? 僕はかけたCDを一枚づつ全部きくことにしている。LPなら最低でも片面一枚、出来れば両面ををきき通し、部分的にきく事はしない。機器が変化し、出ている音が大きく変化してる時は、「この新しい状態であのCDやLPのあの部分はどうきこえるのか?」に終始する。これは楽しくもあるが、本来の楽しみではない。僕はCDを約400枚、LPは約200枚ほど所有しているが、その大部分をきいている。レンタルCDや図書館でCDを借りたり、友人が持ってくる物もあるから、実際はもっときいているが、持っているソフトの絶対数は少ない方だと思う。だが、気に入ったソフトは何度も何度もききたいので、いきなり2000枚とかに増えても全部をきくことが出来ない。そして音楽をききながらたまには読書でもして、電源ケーブルの組み合わせを変えたり、絡んだケーブルを整理しながら、なんとなくきいてみて、一番心地良いところを探す。そんなわけで、すごく久しぶりに「アビーロード」をきいてリンゴ・スターのドラムソロってこんなに低音入ってたのかとか、「やっぱり愛した分だけ愛してもらえるんだよね」などと思っている。

今週は何とか岡崎宅を訪問しようと考えている。パーセル+ST2二台の音はまだきかせてもらってないし、最近GTラックを処分してソリッドスチールにして音が激変したそうで「今は、山本さんちの音が中庸にきこえる」との事なので楽しみにしている。本当は金町の柳澤家も訪問したいのだが、金町はちょっと遠いし、まだ実現しないでいる。 2000.11.20

 さて、そろそろ再起動
寒くなってきたので真空管のパワーアンプを使ってみたくなった。StudioK'sは滅茶苦茶寒い場所で、12月-3月半ば頃までの期間、冷え症の女性は近寄らない方が良い。 真空管アンプなら暖房の代わりになるかも知れないし(しかし不純な動機だが)、音も部屋も暖かくなれば一石二鳥だ。そんなわけで、数ヶ月前に試聴し、かなり良い印象を持っていた「アブソールHS-4」を借りてきた。今、僕の手許には色々な経緯でEL34が3種類ある。AMPEREX、テレフンケン、テスラが各4本づつあるので、アブソールにそれらを差し替えて音の違いを楽しんでみようと考えた。

アブソールのドラゴンを抜き、最初はAMPEREXできいてみた。だが、何かが違う「?????」の音だ。それで、テスラにしてみた。テスラにすると少し良いのだが、暖まってくるにつれて似たような音が出る。良いところもかなりあるのだが、とにかく弦楽器の音がきつくて耐えられない。「こんなわけない、以前借りたときとは全く違うぞ」とずごく不思議な気分だった。借りたアンプはSISにあった試聴機で以前借りた物だし、テスラの真空管も同一だ。DACをPerpetualにしたから、それとの相性が悪いのだろうと判断して、LPをかけてみた。するとどうだ、「もっとひどい」。僕はLPを二枚きいて首と肩が凝ってしまった。他に音が変化する要因としてはMITのインターコネクトしかない。僕の装置全体+ケーブルがつくっている音と、アブソールのカーブのある部分が重なって、ある帯域だけ強くきこえてくるらしい。ある程度音をつめていくと「何となく良く鳴っている」状態ではなく、きわどいバランスでの成り立ちになり、こういう事が起きる。ISODAケーブルに戻せば良いのだろうが、それも面倒だし、後退もしたくない。

仕方がないのでアブソール君は返して、代わりに「マランツMODEL8B」(復刻版)を借りた。「また、同じ結果になったらどうしよう」と思いながら音を出してみると、こちらは美しい弦の音がでてきた。同様にテスラの球にして、バイアス調整をしてみるとさらに良くなった。やさしく、美しく、暖かく、音楽が楽しめる音だ。マランツMODEL8Bは1961年に発表されたのだが、これが約40年前に作られていたのかと思うと、オーディオ機器は一体どこが進歩したのだろうと思ってしまう。便利になっただけなんだろうか? マイクロのMA505s+Ortofon MC30super+AlephOnoで、久しぶりに夜中までLPをきいてしまった。

それではこの冬はマランツ8Bかというと、そうでもない。マランツ8Bは音楽をきくには充分すぎるほどだし、もちろんオーディオ的にも充分だが、何か物足りない。わがままと言われそうだが、8Bは女子テニスの美技を見てるような気分になる。男子テニスプレーヤーのサーブからリターンエースを取って「ざまあみろ」と思いたい僕もいる。今回は空振りだったけど、アブソールは男子テニス的傾向だ。「8bが物足りないなら、あとは何だ? あれしかないぜ」 うーむ、あれはヤバイ。置いただけでうまく鳴るとは思えないし、不調になればダブルフォルト100連発にもなりかねない。第一、真空管が手持ちの4本セットじゃダメだ。8Bじゃ物足りない、9は手に余る。となると8.5じゃなくて8.2という手もある。こちらは別々の真空管でも良い方法と同一が望ましい方法とがある。 2000.11.22

それにしても8Bにはソフトをかける度に感動させられ続けている。そして、徐々に本領を発揮してきていて、最初に感じた物足りなさは減りつつある。とにかく弦楽器の美しさは特に特に格別だし、弦楽器に限らず、僕は今までCDからこんなに濃くて艶っぽい音はきいた事がない。今、使っている機器やケーブルとは円満な関係のようだ。

マランツMODEL 8Bがやってきて三日目になった。相変わらず良い感じで鳴っているので、ずっときいていたくなった。どんなソースもこなすし、この音楽性と表現力は、見事あるいは驚異としか言いようがない。こんなに音の良いアンプが中古とは言え10数万とは嬉しくなる。GOLDMUNDのmm8を下取りに出せばお釣りがくる。僕のHPに出てくる人は高い機器を使っている人が多いから、出来れば僕はあまり高価ではなく中庸の機器を使っていたい。その観点からすると、8Bは良い選択ではある。さて、どうしたものか、夏になって暑くてたまらなくなったら何か考えることにして、この冬は8B1台でいってみようかという気持になり始めている。僕のように一日10時間以上もアンプをつけっぱなしという条件で、球の寿命はどんなものかも試してみたい。 2000.11.23

マランツMODEL 8Bの音は非常に好ましかったが、細かいところでいくつか気になる面があった。全体的に迫力不足だったし、ピアノのCD(愛聴盤)で一部妙な響きがのっていたし、バイオリンは艶っぽくなったにもかかわらず、やや刺激的になるCDがあったりした。そこで、この三日間は電源のとりかたを変え、真空管をテスラからAMPEREXにして、DACの位置を変えたりした。その結果かなり解決したが、あともう少しだったので、最後に「スーパー・ツィーターのコンデンサーをRIFAからASCにしてみた」ら、これはバッチリで、気になる部分がなくなった。この状態だとほとんどのソフトがGOLDMUND mm8を越えている。そんなわけで、僕のパワーアンプは「Marantz MODEL8B」一本でいく決心をし、mm8は早速大野さんがSISに持っていってしまった。これを読んでいる皆さんが半信半疑なように、大野さんも「ホントにいいんですね」と言いながらやってきたが、音をきいてもらった後は「なるほど納得しました」と語った。その時は、富田さんも一緒に遊びにきてくれて、弦、ピアノ、オーケストラ、ジャズ、ユーロ・トラッド、ポップスなど幅広いソースをきいて帰った。富田さんの感想はどのようなものか、5行か8行ぐらいでいいから、ちょっとお知らせ下さい。 2000.11.25


5行か8行ぐらいでいいからって事でしたが、こんなにちゃんといっぱい書いてもらって感謝です。(山本)

山本氏のマランツ8Bサウンド    トミタより

オーディオとは不思議なものである。
ここ最近、周りの変動が実に激しい。安定志向の岡崎氏は綱渡りをしているかのような危ない音を好み始め、原音再生を目指していたかと思っていた山本氏は、真空管アンプの妖しい魅力にとりつかれ、ついにマランツ8Bを購入!ときた。
私自身、マランツ8Bは10年以上使ってきたし、復刻のマランツ9もごく最近まで使ってきた身である。だから山本氏が8Bに行く気持ちがすごく良く分かる。この変化は後退ではなく前進であることに疑う余地はない。何が素晴らしいのか、どう鳴らすと凄いのかという問を繰り返してもそこに決まった方程式はない。よくオーディオ機器はこうでなければ良くないとか、これがこうだから良い音が鳴るはずはないとかの意見を聞くが、どんなものであっても、すべては鳴らす人次第である。高級機が良い音を出すというのは錯覚である。高級機がズラッと並んでいるにもかかわらず退屈な音しか出ていないシステムをいやというほど聴いてきたし、また、逆に手作りスピーカーに安い真空管アンプで、恐ろしいほど魅力的な音に遭遇したこともある。
山本氏が8Bを使って鳴らそうとしているのはハイフィディリティの世界ではなく、それよりもっと音楽を聴く上で重要な要素である「いかに音楽が魅力的に鳴るか」という観点で取り組まれていると思われる。その見方からするとこのシステムはとんでもない威力を発揮していると言って良い。ここ最近これほどオーケストラが魅力的に鳴った例を知らない。自分の装置では絶対に表現できない世界をまざまざと見せつけられたのだ。
こんなことがあって良いのか。それがあるから「オーディオは不思議なもの」と冒頭に述べた。ある意味ではマランツ8Bなら当然なのかもしれない。私がオーディオを始めてからもっとも凄い音を聴いたと思っているそのシステムには、8Bが使われていたからだ。山本氏のこの音を聴くとその時の記憶がまざまざと蘇ってくる。



今日の午後は古いTANNOYを使っている「Mr.Mこと宮田さん」のお宅へ行き、音をきかせてもらった。宮田さんのSPはユートピア製ミニオートグラフで、これは、今、僕が和室に置いているIIILZと殆ど同じユニットが使われている。だが、サウンドは随分違いがある。エンクロージュアが大きいから堂々としている。そして何をきいても不満がない鳴りっぷりの良さに驚いた。そして、刺激的な音のない、すごく優しいサウンドが印象的だった。ここまでにするにはかなりあれこれやっているに違いない。彼はマランツ7二台に加えて、マランツMODEL 8BとMODEL 9を使っているので、マランツ初心者の僕は色々なことを教えてもらってきた。そして夜はDr.Y氏の友人である國松さんがスタジオに遊びに来た。國松さんは僕の知らないソフトを沢山知っているので、これからもあれこれ教えてもらえそうです。今日は(も?)そういうオーディオ三昧の日曜日だった。これでPerpetual PAがやってきたらどうなるのか「早く送ってくれー!!」と、ますます期待はつのり、楽しい毎日である。 2000.11.26


山本様

こんにちは、佐藤です。

それにしても岡崎さんの最新サウンドは刺激的で、完全にノックアウトされてしまいました。ちょっと細身の所とか、灰汁の抜けた洗練されたところは以前と変わらない印象でしたが、とにかく音場感が大幅に立体的になったのと、ローレベルのSN感が段違いに向上したため、音楽の訴えかける力が全然違うのですね。どうすればこうなるのか?判断がつかず混乱してしまいなんだか昨日は、無口になってしまいました。これは最初に富田さんのお宅にお邪魔したとき以上の衝撃です。

それに対して、山本さんの変化は十分に納得のいく変化で、とくにヴォーカルの肉声感はすばらしいなと思いました。それと音の消え際は美しいですね。このあたりは真空管の持ち味なのでしょうか?

こうなりますと、心は乱れまくってしまい、ほんとにボーナスはどうなることやら。でもこんな音を聴いてしまうとかえって1回休み(貯めとく)ってことに落ち着いてしまうかもしれません。

それでは


昨夜は共同通信社「オーディオベーシック」編集長の金城さん&ソニー佐藤+僕の三人で岡崎宅を訪問した。パーセルを入れた事によって、すごくクオリティが上がったために、表現の自由度が倍増という感じだった。一例をあげると、より静けさが増す方向に変化すれば、対比として「ドカン」も以前より少量で効果があったりする。静けさ、艶、エッジの立ち方などなど、さまざまな要素でこういった変化が発生し、結果としてソニー佐藤はノックアウトされたらしい。

その前に金城さんとソニー佐藤はStudioK'sで僕の音をきいた。金城さんが「マランツの複刻は単に古い物が欲しい人のためじゃなかったんですね」と言う。この頃のマランツが非常に高性能だったのは誰もが認めるところだが、その高性能とは、40年経ち、まわりの機器類が変わってもまだ通用するほどだった。懐古趣味の複刻ではなく、現代の機器と組み合わせてガンガン鳴らすための複刻だったという事を、遅ればせながら理解した。

こんな生活をしているのものだから、昨夜遅く家に帰り、パワーアンプの電源を切り忘れた。「まる24時間以上電源を入れておいた音はどうなんだろう」と思い、音を出してみると、これは驚くほど良くて、芳醇って言葉はこの音の変化のためにあるという感じだった。真空管アンプで一年中電源を入れっぱなしだったらどうなるんだろう。それともスタンバイ状態みたいにしておく方法はないのだろうかと思ってしまう。当然だが、GOLDMUNDの時はmm6もmm8も電源は切ったことがなかった。GOLDMUNDはあまり熱をもたないアンプで、完全に電源を切ってしばらく放置すると、再び電源を入れてから三日間ぐらいまでは徐々に音が変化した。 2000.11.29

昨日、秋葉原に来た岡崎さんがチラッとスタジオに寄ってくれた。その感想はこちら そう言えば、高野さんはどうしてるんだろうなあ。

マランツ8Bは非常に良く鳴っていて、このところあまりCDをきいていなかったものだから、CDを中心に日頃きいてなかったものをあれこれきいてみている。今までと全然違う音がするので新しい発見があり楽しくてしょうがない。MODEL8Bの小さい方の真空管でも探そうかと秋葉原を散歩していると、携帯電話が鳴った。電話の相手は富田さんで、「山本さんフッターマンってアンプ知ってるでしょう? すごい音だよ、一度きいてみなよ」などと言う。こっちはマランツと蜜月状態だから「そんな事言ったってさあ、8B良い音だし、そんなにアレコレ試すのも面倒だし、、、、そんな事したら節操ないし、、、、元々ないけど、、、、。まあ、"StudioK'sHPお正月ネタ"のためにフッターマンもきいてみるかねえ」と話した。

フッターマンと言えば、OTL=トランスを使わない真空管アンプで、これが一体どんな音かは興味深い。噂によると音は良いが非常に壊れやすいとか。だが、今、SISにある物は対策済みだから「大丈夫、壊れない」と元ヤマギワ社員の角さんは言う。しかし、ひどい人たちだ。もしフッターマンがマランツより良かったらどうしてくれるんだ。困るじゃないか。僕はマランツと付き合ってまだ二週間も経っていない。 2000.12.2

急遽、岡崎さんと富田さんがソニー佐藤宅を訪問した。その感想が届き次第、佐藤さんのページにアップロードした。以前とは随分違ったサウンドになっていて、ご両人を(オーディオ的にも音楽的にも)充分納得させるサウンドが展開されたらしい。いいね、いいね、こういう展開にならなくちゃ面白くない。 2000.12.4

色々な事情でフッターマンはまだ届かない。その間僕はずっとSPケーブル選びをしていた。マランツ8B+ISODAは弦や声が素晴らしく美しいがピアノに不満を感じる。それでMITのケーブルを借りてみた(MH750SG)オーディオ辞典"名は体をあらわす":MITのスピーカーケーブルMUSIC HOSEの意。これはちょっとゴリゴリする事を除けばかなり良かったが、中古(しかない)でもそこそこの値段になるし、二本束ねた太いケーブルだから足を引っかけそうになり、スタジオ内バリアフリー度は著しく低下する。それで、以前使っていたオーディオクエストの「インディゴブルー」にするとこれはけっこういける。ISODAとMITの中間ぐらいだった。でも、これもイマイチなので半年前のようにISODAとオーディオクエストのバイワイヤリングにしてみると、これが一番良かった。これならケーブルは購入せずにすみそうだ。 2000.12.5

いつのまにか本編が「管球探検」になりそう
フッターマンがきた。こいつはマランツ8Bとは違って、紛れもなく男子テニスプレーヤーだ。とにかく音は滅茶苦茶良い。素直に認める。適当に置いて一枚CDをかけただけで、僕は大野さんに「音は8Bよりこっちの方が良いです」と言った。それから5時間きいたが、どんなCDも目が点になるほど良い。多分LPもすごそうだ。目から落ちたウロコ三千枚、「危険なかおり」と言うと文学的だが、コンデンサーがこげるような、きな臭さも漂う。

マランツが紅雀なら、こいつはBlack bird ?

これを見たら、「あらら、天板まで外しちゃって、写真撮ってる」と思うだろうけど、こうでもしなくちゃ、この危うさはわかってもらえそうにない。

  

「決して買えとは申しません。元々そう安定してる機器ではありませんし、古い物ですから、どこまでちゃんと動作するかも保証できません。ただ、あまりに魅力的な音なので、是非StudioK'sのシステムで試聴していただきたく、無理を承知で持参しました。山本さんのHPのネタにでもなれば、こういう商売もやっている甲斐があるというものです」大野さんはこんな事を言いながらフッターマンを持ってきた。わかっているさ、半分はその言葉通りだ。そしてもう半分は、「マランツも良かったが、より魅力的な音に出会った時、山本さんはどうするのかを楽しんでやろう、こいつは見ものだ」と、そう思っているに違いない。

フッターマンの発売は1982年だそうで、この個体がいつ作られたものかは知らないが、まあ、新しくはない。設計の古さにかけてはマランツの方が上なので驚きはしないが、この、鮮やかな音は一体何なんだ! バイオリンのCDをきいた時のまるでLPをかけているような「こすっている音」は何だ! 声のリアルさは何だ! 大野さんが麻薬密売人に思えてきた、すると富田さんはその手先? いや、彼はこの一年間で僕の5倍ぐらい金を使ってるから常習者だな。ジャンキー富田、ジャンキー岡崎、ジャンキー佐藤、、、、。

フッターマンOTL4は、GOLDMUNDmm8の良さとMarantz MODEL8Bの良さを足して二で割るのではなく、二をかけたぐらい魅力的なのだ だから、どうしてもマランツには戻れなかった。これが人間だったら訴訟にもなりかねないし、読んでいる方々も「何て奴だ」と思われるかも知れないが、事実だからしょうがない。多少暑かろうが、電気代が月に5000円増えようが、時々メインテナンスが必要だろうが、しょうがない、僕は音楽の感動のためなら何でもする。だから最後にもう一度マランツ8Bをつないで鳴らすなんて事もしない。きみとはお別れだけど、最後にもう一度寝ようなんて言うのはいけないもんね。
そんなわけで、良妻賢母タイプのマランツ嬢とはたった二週間足らずでお別れして、魅力は満点だが明日はどこかへ飛んで行ってしまいそうなBlackbirdと暮らす事になった。  2000.12.8
フッターマンに対して、音質的不満はほとんどない。ここ数日、何人かの友人がききに来たが、みんな「こりゃすごい」と言って驚く。不満は、「ファンの音がうるさい」ことと、KEFのインピーダンスが4オームなためか、大きな音を出すとギリギリのところでほんの少し歪むことぐらいだ。最上級機種のOTL1(モノラルで別電源だから4筺体)や、その下のOTL3(モノラルで2筺体)にすれば歪み問題は解決かも知れないが、何とOTL1の消費電力は900w(もしかすると片チャン?)だった。そんな電気オーブンみたいなアンプは困る。音楽をきいていたらパウンドケーキが焼けるんならいいけど、それで一日10個作って売れるとしても、やっぱりイヤだ。
とにかく、僕のOTL4でも音の不満はないが、火を噴く、煙が出る、真空管の予備もない、といった不安はいっぱいある。フッターマンを知る人は口を揃えて「あれはヤバイ、故障率100%」だと言う。音はたいそう気に入った、そして、似たような音のアンプは存在しないようなので、どうしたものか。こういう場合の態度は二つに一つだ、適当に楽しんでさっさと手を引くか、とことん付き合うかのどちらかしかない。大げさに言えば、思い出にするか、死ぬまで連れ添うかだ。とことん付き合うのなら、不安定をまねく要素や操作を排除し、予備機を持ち、やばいときの兆候の見定め方を研究するしかない。これを読んでいる方で、フッターマンの情報や、体験、ジャンク品をお持ちの方がいらしゃいましたら、ご教授&情報提供をお願いします。 2000.12.10

フッターマンがやってきて、約一週間だが、それまでのセッティングのままですごく良い音だ。何も問題を感じない。今の状態とはよほど相性が良かったのだろう、ラックに納めただけだというのに何も不満がない。一番すごいのは弦楽器で、特にバイオリン、ビオラなどがすごい。マランツでは少々引っ込んでしまい不満だったピアノも、GOLDMUNDできいていた時みたいなキリッとしたエッジの立ち方だ。オーケストラをきけば空気が動くし、小編成のものはリアル過ぎてBGMにならないという贅沢な悩みさえ生じている。 2000.12.11

CECのTL2が戻ってきてから、SACDはあまりきいていなかった。SCD1はGOLDMUNDのパワーアンプだとやや冷たい音調になり、音楽性よりクオリティの高さの方が目立つ鳴り方だった。ところがわからないもので、フッターマンにしてからは「SCD1ってこんなに音楽を楽しめたのか」と、SACDを再認識させられた。これに対してアナログは今一歩だ。つまり、フッターマンがきてCDの音がアナログ並みの、濃く、存在感のある音へとスライドしたので、以前丁度良かったアナログは「ものすごく良いものもあるが、やわらかすぎてダメもある」という感じに変化した。アナログに関しては、少し調整が必要みたいだ。期待の星はDr.Y氏宅で電源を作ってもらっているGOLDMUNDのフォノイコPH01かな。 2000.12.12

このスタジオを作ってからずっと音楽を楽しんできた。夜も昼も夜中も、年中無休、ワインのプールで泳ぎながら飲むみたいに音楽をきいてきた。酒にしても麻薬にしても、もし毎日やってて素面の時が極端に少なくなったら、どっちが日常だかわからなくなる。僕も生身の人間だからそうそう100%音楽と対峙するのは苦労で、結果として流してきくことになる。だが、フッターマンOTL4は僕に流しぎきを許さないかのような音楽を奏でる。だから、朝スタジオに来てアンプのスイッチを入れる時に「今日はどんな音楽をききたいのか、どうしてもきかねばならぬのか」と、こんなことを考えるようになった。GOLDMUND mm8の時は一年中電源を切らなかったし、マランツの時もスタジオに来ればためらわずスイッチを入れた。

それにしてもP1-Aはどうしたんだろう?
11月の始めに3週間ほど待ってくれというメールが来たが、あれ以来Perpetual社からは何の音沙汰もない。多分何か問題があって解決出来ずにいるのだろう。二三日前、「P1-Aが届くのを昼も夜も待っている。スケジュールを知らせて欲しい」というメールを出したが、何の返事もこない。一体どうなってるんだろう。今年も残りはあと半月、年内に届くかどうかが危ぶまれてきた。年内に届くかどうか? Y氏のフォノイコとどっちが先か? 心配するシカゴの川崎さんがPerpetual社にメールを出してくれて、そのやりとりを転送してくれたが、それによると1月の中旬頃になるらしい。それならそれで、連絡ぐらいよこせよと思うのだが、あちらにはあちらの都合があるのだろう。音はすごく良いし、安いし、BIRDLANDと共に価格破壊的DACだ。

先日、小林悟朗さんと原本薫子さんが岡崎宅と富田宅を訪問した。小林悟朗さんからの感想を岡崎さんのページに掲載したので、興味のある方は是非ご覧下さい。 2000.12.18

フッターマンがやってきてそろそろ二週間なので、いろいろわかってきた。パワーが小さいので(OTL4の出力は16オーム60wだから、4オームのKEF105は94dbと言えども限界に近い)大音量で楽しみたいソフトは全滅だ。音量を上げていくとちょっとハイ上がりというか高域にピークを感じるのは多分歪みの出始めなのだろう。ここはやっぱりOTL3を試してみたいものです。MJ副編集長桂川氏によると、「OTL3にするとOTL4の切れ味はなくなるかも知れない」との事だった。試してみなければわからないが、OTL3の余裕が良い方に出れば、歪み感からは逃れられるのかも知れない。だが、こちらは左右で出力管12本だ。MJ桂川氏も自宅ではOTLアンプを使用してるそうで、僕が「今度StudioK's OTLアンプコンテストを開催したい」と言うと「そいつは面白い」と言っていた。年に一回ぐらい実現したら楽しそうだなあ。 2000.12.20

実は今三種類のパワーアンプを楽しんでいる
フッターマンを二週間きき続け、緊張感の強さに正直少々疲れた。それで、昨日から「今はなき三栄無線」のキットMOS FET A級10wパワーアンプ(MJにいつも広告が出ていた物)にしてみた。僕はStudioK'sをつくる前はこれでヘッドフォンをきいていたのだが、このアンプもけっこう良い音というか、GOLDMUNDの温度を少し上げたような音でとても懐かしい。このアンプを持っているので、マランツにもフッターマンにも踏み切れたのは事実だ。この音にならいつでも戻れる。フッターマンを良いという人も沢山いるだろう、でも、その後でこの三栄無線にすれば「こちらもいいね」とか「むしろこちらの方がリラックス出来て良い」と言う人も多いと思う。

そして、ISODAのパラディオンがある。これはなにしろ別世界で、細かい音はきこえず、みんなホールの音にしてしまうアンプだから、「解像度って何?」って感じで日頃やってるオーディオに疑問さえ感じてしまう。オリンピックに出てくる女子選手の筋肉も美しいが、やっぱり着衣の女性がきれいでしょ? とにかく、これで音楽をきくと眠くなるというα波アンプで、アナログディスクに妻が三人いるように、今はパワーアンプも三人である。正月はISODAでモーツアルトでもきこう。

このところフッターマンの緊張感に疲れ気味だった。最初は未体験の美質にうっとりもしたが、よく付き合うとあれこれ欠点も感じるようになってきた。まあ、最初から「魅力的だけどわがままな女性みたいだ」とは思っていたが、このまま野放図にさせておくわけにもいかないから、少し飼い慣らしてやろうと思っている。今まできいてくれた人と、あと半月後に来た人とではかなりの差があるんじゃないかな(なんて書いているときは、すでに半分ほどその状態になっている事が多い)。 20003.12.26

それで、暮れから正月はなにをするか
多分昨日で写真撮影の仕事は終わりなので、あとは多分オーディオ三昧の暮れと正月だ。何をしてみようかな。パワーアンプを5〜6台借りてきて、あれこれ試聴してみようかと思う。ききに来たい人はメールを下さい。今のところの予定では12/29と1/3あたりかな。
☆「サウンドクリエイトからLINNクライマックス拝借」 感謝!
「暮れから正月はパワーアンプの試聴会をやりたんだ」と話したら、サウンドクリエイトの金野さんが台車でStudioK'sまで運んでくれた。ありがとう、すごく良い体験ができそうです。「最低20分か30分通電してからきいて欲しい」とのことだったので、CDを一枚かけっぱなしにしてからきいてみた。感想は「さすが」という感じがする。この押しつけがましさのない自然さ、そして余裕、これを買えば「上がり」になれるのかも知れない。この上品さに比べるとフッターマンはかなり悪女なんだが、僕はこの悪女と付き合っていこうと思っている。
突然P1-Aが届いたが、不具合はなおっていない
今朝スタジオに来ると、P1-Aがきていた。やれやれという気分でつないでみたが、アンバランスで接続するとバチバチブチブチと激しいノイズが出るし、ところどころ音が途切れる。「なんじゃこりゃ」と思いながら試しにバランスケーブルで接続してみるとノイズは出ない。これじゃあ送り返す前と同じではないか。面倒なのでちょっとイヤになってきた。P1-Aを通した音はP3-A+P3の音よりずっと良い。滑らかになるし、SN感も良い。

フッターマンが来てから、MA505s+MC30superは素晴らしい音だったが、ZYX+STUDIETTOの音はずっとヘンだった。その理由はフッターマンとの相性だと思っていたのだが、LINNのクライマックスできいてもやっぱり音がヘン(透明感がなくボケボケだし歪む)なので「これはフッターマンのせいではない」と判断し、針圧とオーバーハングの再調整を試みた。何故かわからないのだが、7月にピッタリに合わせた筈のオーバーハングゼロが0.5mmほどずれていた。それを直してやると音は見違えるようにクリアになった。よしよし、これでPH01が届いたらどういう音になるんだろうかと期待がふくらんきた。


山本様

どうも、佐藤です。

楽しいアンプ試聴会でした。
さて、聴かせていただいたアンプの感想なのですが、もしこの中から現時点で一台くれるといわれれば、僕はリンのクライマックスを選択すると思います。で、中古屋でお金に換えて、別のアンプを・・・。ということは考えなくはありませんが、音質以外の使い勝手(熱くならない、小さい、電気くわない)もあわせての選択です。現実的には値段がネックです。240万円を出させるほどの魔力というか吸引力は僕にとっては残念ながらありませんでした。

しかし我が家の場合、様々なソフト、つまりクラシック、ロックからJ−POPまで聴きますから、録音の悪いソフトもそれなりに聞こえてくれないと困るわけでその点、クライマックスは安心という感じがします。しかしながら、ロックやブルースを聴くとこれはちょっと油が抜けた感じになりそうですね。

次点はスペクトラルです。あの大きさであの音なら文句なし、それにあの値段ですから。ただし、スペクトラルの場合は録音を選びそうですね。優秀録音盤なら、すばらしいパフォーマンスを聴かせてくれるのでしょうが。

で、フッターマンは現状を打開して、電力契約をアップし、エアコンを入れて(鼻炎の私にはつらい選択です)環境を整備した後なら、文句なしにこれが一番欲しいです。このアンプにはその決断を後押しするほどの力があると思います。何より、音の強弱、音の堅い・柔らかいなど音楽的な表現のダイナミックレンジがとにかく広いのですね。これには降参です。それに趣味でオーディオをいじっているのですから、機械としてもおもしろい方がいいですから。その点、クライマックスはメルセデスのEクラスみたいなもので、いいけど、退屈みたいなところがありますね。その点フッターマンはイタ車みたいなものでしょうか?僕にとってはあこがれのランチャ・デルタHFインテグラーレみたいなものですね。元気なときはめいっぱい楽しく、しかし月の半分は入院みたいな・・・。でもどちらの車も所持したことはありませんが。

追伸:デジカメの進歩にショックを受けました。次の買い換え候補です。

それでは                           2000.12.29

いつもスピーディな感想を有り難うございます。

今日12/30の午後は、あのままクライマックスできいています。とてもリラックスできるサウンドで、しかもやる時はやると言うか、見かけよりずっと力感もあって、羽目をはずさず、欠点というものが見あたりません。かと言ってヘロヘロでスカスカの音でもなく、控えめながら説得力もあり、ある程度値段も納得させられます。でも、あまりに普通なのでクライマックスだとむしろKEFへの不満というか、もっと激しいスピーカーなら丁度良いのではないかという感じすら受けます。そこへいくとフッターマンときたら、ものすごい魅力があるものの、わがままで「炊事洗濯まるでダメ、一言小言を言ったなら、はいそれまでよ」です。あるいはAT車とマニュアル車の違いとでも言いましょうか、コーナーをギリギリで攻めて、目一杯濃くうたうのでちゃんときいてあげなくちゃねって感じでしょうか。

デジカメの進歩は早くて、今年出た機種はどれもかなり満足のいくレベルです。それで僕もオリンパスの3030とE−10を買ってしまい(キャノンサロンの西田さんから裏切り者めと言われそう)、仕事や趣味に使い始めています。アナログとデジタルの関係はLPとCDの関係であり、モノクロームの印画紙のRCペーパーとバライタ紙の関係も同様です。すでに、現像をせずプリントを手にする事が出来る時代だし、近い将来「昔はフィルムを入れて写真を撮ってたっけなあ」なんて思うようになる事でしょう。モノクロームは銀塩写真が(アートとして)残るのかも知れませんが、これも50年100年先のことはわかりません。CD、LP、ほぼ完成された銀塩フィルムとカメラ、そしてデジカメ、このように色々な種類の楽しみを体験できる時代に生きている事は幸せなのだろうと思います。

新年は1/3の午後アンプ試聴会を行いますので、ききに来たい方は連絡の上お越し下さい。    2000.12.30

「僕のオーディオ装置」があまりに膨大になったので、2001年1月から

僕のオーディオ あんまり膨大なのでパート2 2001年〜

として新しいページを設ける事にしました。


楽しいオーディオにはまった人々の欲深な記録

川崎一彦 著

☆「H君の初オーディオ」

        

 


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