1999年の3月にジョニ・ミッチェルの「ブルー」(SYMPLY VINYL盤)を購入した。5年ぶりにアナログを再開し、4月にやってきたLINNのLP12+LVII+ASAKAでB面の一曲目をきいてみたら、音が歪んだ。僕は少なからず失望し、レコードを買った店へ持っていって交換してもらおうかと思った。だが、友人から借りたAT33MLにしてみると歪まなかったので、これはカートリッジの問題だと判断した。富田さんから借りたオルトフォンだとやはり少し歪むのだが、ウエルテンパードのアームにASAKAをつけてきくとまったく歪まない。BenzMicroはGLIDERもL0.4もまったく問題がなかった。
その後、ライラのPARNASSUSd.c.tを借りてLP12+LVIIにつけてきいてみると、「全くトレースしない」という現象が起きた。単なる個体差かと思っていたが、ずっと疑問に思っていた。さらにその後、ライラのHELIKONを借りてFR64Sにつけてきいてみたら、やはり同様に「全くトレースしない」、原因はわからないが、このレコードはライラの天敵らしいと判断した。でも、それは僕が購入したレコードだけの問題なのかも知れないので、決めつけるのは良くないと思っていた。
その話を(株)ユキムのBさんに言うと、「このレコードはLINNのアーカイヴIIで音が歪む」とお客から言われた事があるそうだ。よそでも起きている現象らしい。
<おことわり>
LYRAのカートリッジが超高性能なのは誰もが認めるところだし、この記事はLYRAを誹謗中傷するものではない。フェラーリがガソリンスタンドに入ろうとして歩道の段差で底を打ったからと言って、フェラーリの高性能を疑う人間はいない。だけど、これは一体何故なんだろうという疑問は残っている。
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LINN ASAKA |
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LV II | ||
LINN ASAKA |
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ウエルテンパード | ||
BENTZMICRO GLIDER |
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LV II | ||
BENTZMICRO L0.4 |
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LV II | ||
BENTZMICRO L0.4 |
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T5 | ||
ORTOFON MC20 SUPPER |
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LV II | ||
AUDIO-TECHNICA AT33ML |
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LV II | ||
LYRA PARNASSUS d.c.t |
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LV II | ||
LYRA HELIKON |
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FR64S | ||
SONY XL-MC7 |
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FR64S | ||
YAMAHA MC2000 |
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FR64S | ||
YAMAHA MC2000 |
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T5 | ||
LINN ARKIV II | ●(未確認) | (未確認) | ||
ZYX R-100FS |
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FR64S | ||
ZYX R-100FS |
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T5 | ||
SAEC C1 | 最も歪みが少ない | KP 9010 | ||
VICTOR MC-L1000 | バッチリOKいい音 | SAEC506/30 |
その後、あちこちで同じ事を言って不思議がっている人に出会ったので、やっぱりこれは僕のところでだけ起きている問題ではないという確信を持つに至った。 2002.7