僕のオーディオ生活 パートII

新世紀も楽しくオーディオ三昧
さあ21世紀だ。まずは2001年1月3日14:00開始のアンプ試聴会から。用意したアンプは以下の通り
☆ニューヨークよりやってきてStudioK'sに滞在中の ジュリアス・フッターマン OTL4
☆SISの倉庫にたまたまあった そして僕がきいてみたことなかった スペクトラル DMA80
☆スコットランド出身  サウンドクリエイト経由でやってきたLINN クライマックス
☆静岡生まれの アブソール HS-4
☆これに加わえて番外編でエソテリックP2s
ここにパスラボのX350とCELLOのアンコールモノあたりが加われば、かなり楽しそうだが、あまり多いとわけがわからなくなるし、なにしろみんな借り物なので贅沢は言えない。

TL-2とPerpetualのP1-Aを同軸ケーブルで接続するとノイズが出るので(P3-Aとは大丈夫)、あれこれ試した結果、SISから借りてきたSAラボのデジタルケーブル(旧型)でTL-2とP1-Aをつなぎ、P1-AからP3-Aはソニー佐藤が貸してくれたワイヤーワールド製(金色で、これもバランス)にしてみると、今までで一番良い感じで鳴るようになった。そんなわけで今僕は魅力的な悪女のごときフッターマンのしつけに成功しつつあり、これを書いている12/31の午後から元旦にかけては久しぶりに1人で楽しく音楽をきいた。

CECのTL2とPerpetualのDD+DACをどう置くかはなかなか難しい。あれこれ考えた末、写真のような配置になった。P2sなら非常にスッキリと置けるのだが、色が合わないのが気になる。音は当然P2sの方がオーディオ的だけど、クレルみたいに太めではないし、ゴールドムントみたいにエッジが立ってやや棘のある音でもないという意味で、CECとP2sは同じタイプの音がする。1/3の試聴会に来た人たちとも一緒に試したのだが、P2sとCECの音の差よりゴールデンドラゴンのEL34とAMPEREXのEL34の音の差の方がずっと大きい。

          2001年1月3日

中村です 新年明けましておめでとうございます 今年もよろしくお願いします。
先日は佐藤さん共々大変お世話になりました。パワーアンプの聴き比べ大会ということで、楽しみにしていたのですが、予想以上にそれぞれのアンプの個性がよく判り、私にとっては大きな収穫となりました。やはり、追い込まれたシステムでは、それぞれの機器の違いがはっきり出ることを再認識しました。

自分自身の感想としては、山本さん、佐藤さんとの会話の中で述べたように

スペクトラル  ・・・ 若干クールながら解像度、鮮度ともに高く、スピード感がある。
クライマックス ・・・ 全ての面でバランスが良い、余裕のある鳴りっぷり。
アブソール   ・・・ 中低域が厚く、温度感が高めながら、ダイナミズムや解像度にも優れる。

といったところでしょうか。ただ、最後にフッターマンで、ルービンシュタインのピアノを聴いたときには、「ああ、やはりこれが山本さんのサウンドだな。」と感じました。それはあたかもジグソーパズルの最後の一ピースがはまったように、収まるべきところに収まったという印象を与えてくれるものでした。

以前伺ったときには、「真面目に聴け」と言わんばかりのあの鮮烈な音に思わず居住まいを正してしまったものですが、今回はその音の面影を残しながら、静的な部分の表現力がさらに上がり、リラックスして音楽に入っていける音に仕上がっていたと思います。KEFの足回り変更等、細部のチューニングが見事に成功していると感じました。山本さんの使いこなしに脱帽、といったところでしょうか。

あ、あとパスラボのプリは自分でも使ってみたいと思うようになりました。なかなか良いプリに巡り会えない昨今、また一つの有力候補に出会えたことを山本さんに感謝しなければなりませんね。

あと、リンのシステムはアースの取り方によってかなり音が違ってきますので、機会がありましたら、サンクリからアコースティックリバイブのRE−1だったか、名前忘れました(^^;)を借りたりして、試してみるのも面白いかもしれません。また、少し先のことになりそうですが、山本さんがモノラルLPを再生するにあたり、どんなカートリッジを選択されるのかも楽しみにしております。KP9010の一日も早い復活をお祈りいたします。あと、コンデンサーではASC以外では、コイズミで扱っているインフィニキャップがなかなかいい音がします。(特性は酷いらしいですが)余裕が出来たら遊んでみてやって下さい。

ではまた、お伺い出来る機会を楽しみにしております。有り難うございました。

今回のパワーアンプきき比べの感想は他の方からも頂戴しましたが、代表して中村匠一さんからいただいたメールを掲載しました。文中の佐藤さんはSONY佐藤ではなく、FR64s+FR66s(二本所有)の佐藤浩義さんです。1/3は佐藤中村山本で遊んでいたので、ここに鈴木さんが来たら最高でした。

今日1/4の午後、スタジオに宮腰龍也さんが来た。P3-Aがなかなか届かなかったときにメールをくれたのが宮腰さんだ。最近僕のところに送られてきたP1-AとTL2を同軸で接続すると、パチパチプチプチとノイズが出るのだが、エソテリックのP2sの同軸だとノイズが出ない事が判明した。そこで宮腰さん所有ののP1-Aを持ってきていただき、もしこのP1-Aでもノイズが出ればCECのトランスポートとP1-Aは×って事になるし、出なければ、多くの問題は僕のP1-Aの方にあるという事になる。持ってきてもらったP1-Aを早速つないでみた結果、ノイズは出なかったので、やはり僕のP1-Aがおかしいという結論を得た。

その時宮腰さんから一つ情報が提供された

「どっちみちP3-Aは入ってきた信号を96khzに変換するのだから、P1-Aには24bitへの変換だけをさせ、サンプリングは44.1khzのまま送り出した方が(二度変換をかけないから)音がよい」という。それはPerpetual社も認めているそうなので、宮腰さんの帰りぎわに僕もやってみた。1人になり、しばらくLPをきき、Macをいじりながら、宮腰さんと一緒にきいたCDがトランスポートの中にあったので、そのままPLAYボタンを押し「何の気なしに」きいていた、ふと気づくといつもより音量が大きくきこえる。「ヘンだなあ」と思ったのだが、ボリュームはいつもの通りだ。そこで、44.1khzのまま送り出した方が音が良いと教えてもらった事を思いだした。これはかなり大きな音質の変化で、鮮明度や押し出しがまるで違う、シンバルのシズル感がまるで違うし、声のリアルさが2ランクぐらい向上した。だから、僕はまたまた、このDDとDACのコンビに驚かされ、さらに好きになった。こんなに安くて小さいのに大したものだと思う。今はなにか問題をかかえているらしいのだが、今月の半ば過ぎにはそれらが解決されるという情報もあるので、春頃は本領発揮かも知れないから、その頃なら買っても良いと思う。そして、購入した人は是非P1-Aを24bit 44.1khz で使ってみて欲しい。宮腰さんも僕の音をきいて多少は参考になったかも知れないが、どう考えてもこの情報を教えてもらった僕の方が得をしたようだ。2001.1.4

二週間ほど前からKENWOOD9010のアームが降りなくなった。アーム上下用モーターが壊れたとも思えないし、多分基板だろうと想像している。だが、なにしろ僕の9010は「違法改造」をしていて、持ち運ぶにも電源トランスがブラブラしてる状態だから、KENWOODに修理を出すには勇気がいる。もう1台買って、またキャビネットを壊すか、それとも基板だけ取り替えてみるか。昨年末に再調整の結果STUDIETTO+ZYX+AlephOnoは非常にイキイキした感じになったが、基本的に柔らか目の音だし、9010+BENTZMICRO L0.4+LINTOの明るく張りがある音も捨てがたい。近所の中古レコード屋で100円とか380円で買ってくるLPはこちらの方が良いので、僕はこのプレーヤーがちゃんと動かないとすごく悲しいし、それらのLPをきく気がしなくなる。

 
ある晩、夢をみた。場所はKENWOODの修理窓口だ。
「これは何ですか?」
「KP9010というアナログプレーヤーです。モーターを使ってアームの上下をするのですが、動きません」
「こんなことしたから壊れたんでしょう、やって良いことと悪いことがあります」
「でも、僕はこのプレーヤーをとても愛していて、毎日使っていたし、これからも使い続けたいんです、お願いですから修理して下さい」
「愛してるったって、あなた、こんな風にしちゃって、ご自分の娘をストリッパーにされて喜ぶ親がいますか?
 好き放題やって病気になったからって自業自得です」
「僕は自分のスタジオにK'sっていう名前をつけてKENWOODの応援をしてるくらいですから、何とかして下さいよ」
「誰もそんな事は頼んでません」
この数日はスペクトラルDMA80をきいて過ごした。通電二日目ぐらいから音に実体感が加わり、なかなか良い音だ。GOLDMUNDmm8より甘口というか、香りのようなものが感じられ、品が良くて好きなタイプの音だ。朝と午後はスペクトラルできいて、夜はフッターマンというのが理想的な使い方のようだ。でも、お金もないし、そろそろ返さなくてはならないのでちょっと悲しい。でもまあ、フッターマンに戻せばまたこれにはまってしまう僕がいるんだろうな。

珍しく仕事が忙しいのと、来週と再来週StudioK'sで開催するカラーの写真展の準備で落ち着いて音楽を楽しむヒマがない。オーディオ誌にいくつか原稿も書かねばならないし、ちょっと大変。

この一週間はほとんど毎日撮影が入っていた。最近仕事でデジタルカメラを使い始めているのだが、デジタルカメラのメリットは1)撮れているかどうかわからないという不安から逃れられる2)現像所に持ち込む手間が不要3)ある程度のメディアを用意すれば、フィルム代も現像代もかからない、この三点だ。ところが、撮影後の処理に追われて音楽をきく時間が減った。そこで、撮影した画像を効率よくまとめるためにバッチ処理のやりかたも検討したりと、本当に忙しかった。今日やっと撮影が一段落し、落ち着いて音楽をきけるようになった。1/4にP-1Aの送り出しを44.1khzにしてからの変化を、フッターマンではどうかと確かめながらきいているのだが、これは本当に良くなっていて驚く。  2001.1.16

武蔵村山に住む三浦さんという方から、「フッターマンの専門家の知り合いがいるので連絡をしてみたらどうか」というメールを頂戴した。それで、僕は早速電話をしてみた。北原さんという方で、「壊れたら修理はしてあげるから、そんなに怖がらずに楽しむだけ楽しんだらいいですよ」との事だった。どこかで使ってないフッターマンのOTL3を見つけたら、修理してもらって使ってみたい。 2001.1.18

どうしてもKP9010でLPをききたいので、KENWOODのサービスに連絡を取り、出張修理に来てもらった。その場で直れば言うことなしだったが、残念ながら簡単には直らなかった。「このようなカタチにしてはいるが、とても愛用していて、動かないと困る」と伝えると、ストリッパーのヒモ呼ばわりされる事もなく、引き取られていった。早く戻ってきてあの明るい音をきかせてくれるといいなあ。 20011.19

TANNOYユーザーのMr.Mさんは熱研の接点復活液がすごいので是非試して報告してくれと言う。僕は正直あまり気が進まない。効果を信じてないというわけではなく、このところ写真展などで落ち着いて音楽もきけないし、とにかく変化の要素を増やしたくない。でもまあ、試している人もけっこういるようなので、ネッケンのページを作った。興味のある方はご覧下さい。また、使ってみた方からの報告をいただければ掲載します。ただし、面識のある方に限り、ニックネームやハンドルネームではなく、本名と共に掲載します。

二週連続でカラーのグループ展をひらくため、スピーカーを片づけてしまった。音は出るが展示用パネルの裏からで、欲求不満になる。今日は「オーディオベーシック」の取材でヤスケンさんのお宅へ行った。前回はパトスのアンプ、今回はマッキントッシュのパワーアンプの試聴だったので、「次回はLINNのクライマックスをきいてみませんか?」と提案した。ヤスケンさんのJBL S2600+クライマックスがどういう音になるのかはとても興味深い。ヤスケンさんの音は僕の音とはまるで違うし、きき方も全然違うのだが、これはこれで魅力的だと思う。ただ、ヤスケンさんはパトスのアンプで鳴らした時の艶っぽい音も良いと言っていた。S2600に惚れ込んでいる事とは別に、ヨーロッパのスピーカーの音もけっこう好きそうで、僕のKEFの音も割と好みなのかも知れない。ノーチラス801が欲しいとも言っていたが、あのお部屋に801は入らないだろうし、どうするのかなあ。

昔憧れたことはあるものの、僕はJBLを所有したことがない。だが、確かにJBLも魅力があって、僕の架空セカンドシステムにはS3100が出てくる。あまりでかいのも困るし、あまり小さくても物足りないのでS3100あたりがいいかなと思うのだが、一度自分のところできいてみておきたいと思っている。まあ、仮にJBLを所有したとしても結果的には今使っているKEFと同じ様な感じで鳴らす事になるのはわかっている。スタートする地点が違うだけの事だ。 2001.1.24

StudioK's初のカラー展が終わり、10日ぶりにスピーカーを元の位置に戻した。ああ、なんて心地いいんだろう。夜の9時半にフッターマンのスイッチを入れたので(会期中は三栄無線のアンプ)夜中の1時を過ぎると絶好調になってきた。写真展で疲れ切っているし、原稿書きもせねばと思うが、あと三枚ぐらいはCDをきいていたい。 2001.1.28

KENWOODのKP9010が修理から上がってきた。修理代は約15000円ぐらいで済んだので良かった。パワーアンプがフッターマンになってから、CDの音はアナログ的な質感になり、ちょっとクールだったSACDがきわめて普通になった。アナログの方は、丁度良かったSTUDIETTO+ZYX+AlephOnoがソフトな感じに変化してクラシック向きになった。だから、ジャズやロックポップスをパリッと気持よくきくにはKP9010+BENTZMICRO L0.4+LINTOが良くなっていた。これですごく楽しめる。

KP9010の故障はフッターマンが来る前からだったので、僕はフッターマン+KP9010+BENTZMICRO L0.4+LINTOの音をまともにきいた事がなかった。今日、9010が直ってきて半日きいたが、今まできいたことのないほど鮮明な音になっていた。つくづくオーディオは組み合わせだなあと思う。ジョニ・ミッチェルの「ブルー」というLP(SimplyVinyl盤)などは、よく鳴らない時だとCDもLPもほとんど差が出ないのだが、今日の状態だとLPの圧勝だ。今日は「音の変化」に対して感激した。こういう事は久しぶりだ。 2000.1.31

山本 様 

先日は突然のメールでの依頼にもかかわらず、おつきあいいただきありがとうございました。今回の訪問は、私にとっては大きな収穫となりました。

山本さんの枠にはまらず、自分の耳で選んで、追い込まれたシステムの凄みを感じました。(凄みのある音という意味ではありません。)山本さんの音は熱い音でも、冷たい音でもない正しく平熱の音、「黄金の中庸」というべき音だと感じました。
鮮烈でありながら、誇張感がなく、一音一音の美しさや、静的な表現力を兼ね備えた音で、オーディオにある種のあきらめを感じ始めていた自分にも、「頑張れば、このような音が出せるんだ」という気にさせてもらうような音で、改めて山本さんの使いこなしに脱帽しました。また、数少ないゴールドムント STUDIETTOユーザーとしての、いろいろなアドバイスもありがとうございました。

ただ一つ残念なのは、あとでホームページを見て知ったのですが、お伺いした夜に山本さんが、ジョニ・ミッチェルの「ブルー」というLPを聞いたことでした。私はジョニの殆ど全部のアルバムを持っていますが、「ブルー」は最も好きなアルバムです。山本さんのシステムで「A Case Of You」が聞きたかった…

ではまた、お伺い出来る機会を楽しみにしております。有り難うございました。

                              浦川 健

なにしろ浦川さんはやってくる二日か三日前に突然メールをくれただけの初対面だったので、こちらもどう対応して良いのかわからず、多分いつもより「感じ悪い山本」でした。う〜ん、上の感想はちょっと誉めすぎかな。浦川さんがジョニ・ミッチェルを好きだと知っていれば一緒にきけたのに残念です。もちろん「A Case Of You」が入っている方の面をききました。僕は最近出たオーケストラバックの「A Case Of You」をきくと、どうも「遠い遠い過去を思い出しているような感じがして」調子が狂うのです。僕と同い年の傳さんは「あのジョニ・ミッチェルは毎日でもききたい」と言っていましたが、僕はダメでした。僕の方がガキなんだなきっと。今日は久しぶりに本気でセッティングをつめたり、接点を掃除したりという事を行ったので、音は昨日より密度の高い方向になりました。 2001.2.3

3月15日発売予定の「オーディオベーシック」18号にはけっこう深く関わっている。まだ原稿を書き上げていない状態なのだが、「仲間や友人と共にオーディオを楽しもう」というテーマを貫こうと考えている。それは、このHPも同じで、とにかく一人でやってるのは良くないし、そうしか出来ない人がいたらちょっとかわいそうだと思う。 2001.2.7

チェロのアンコールパワー(モノではなく、筺体は一つで電源ケーブルが二本出てるやつ)を借りてきいてみた。例の如く最初はボケボケの音だったが丸一日通電しておくと良い音になってきた。高域の美しさは格別で、シンバルなど今まできいたことのない美しさだ。不満なのは低域が甘い事かな。量感ではなく質感の話で、これで 低音がもう少しゴリッとしてたら欲しくなっちゃうかも知れない。SPがJBLなら丁度良いのかも。

さらに一日が過ぎ、通電もまる二日になると、かなり本領を発揮してきて非常に美しい音になった。GLOSSAレーベルのボッケリーニなんか最高に美しい。それにしてもチェロのパネルはきれいだ。ロゴも美しいし、これに比べると、どうもパスラボは鉄仮面っぽい。

パワーアンプがフッターマンになってから、どうも気楽に音楽をきけなくなった。こいつはどうしたものか。対策その1、どっちみち夏は暑くて真空管アンプには嫌気がさすから、適当なパワーアンプを手に入れてフッターマンと二本立てにする。対策その2、それならいっその事スピーカーも二本立てにする(おお、あれもきいてみたい、これもきいてみたい)。対策その3、きき流さず、いつもいつも真剣にきく。そのためには新型パワーブックG4を手に入れて、デジカメ画像の整理もHPの更新もすべてリスニングポジションで行う。さあ、どうしよう。借金は山ほどあるが、貯金はない。   

昨日やっとオーディオベーシックの原稿を書き終えた。読む人にとっては「当たり前の事が書いてある、どうってこともない文章」だろうと思うが、今回の原稿はちょっと苦労した。「読書は馬鹿者をつくり、作文は頭の良い人をつくる」という外国の格言があるとか、こんなにいっぱい書いてるのに僕の頭は煩悩ばかりだ。まあ、しょうがないね。    2001.2.14

今日、「もしや」と思いKP9010のカートリッジをL0.4からオーディオテクニカのAT33MLにしてみた。フォノイコはLINTOだ。これはなかなか良い結果だった。フッターマンでCDの音がアナログっぽく変化したわけだから、ちょっとど派手の33MLも艶やかになるってわけだ。しかし、単純にやわらかな音になるわけでもなく、相変わらず主張の強い音で、このあたりの変化は複雑だから言葉での説明が不能だ。まあ、一週間ぐらいは33MLでジャズやポップスを楽しもう。

☆架空セカンドオーディオはけっこう沢山の方から原稿をいただき、なかなかの量になってきた。時々見てもらうと増えている事もあります。

SISにSAECのC1があったので貸してもらってきいてみた。もう20年近く前のカートリッジだが、KENWOODできいてみると、なかなか魅力的なサウンドなので買う事にした。買うと言っても数千円の話です。数千円でこれだけ楽しめれば文句なしだ。僕の場合は一応ZYXだのBENTZMICROだのを持っているので、それらと比較して「魅力があるかないか」で決めている。長く使われていなかったカートリッジがいきなり本領発揮はない。でも、LPを(準備運動的に)10枚ぐらいきいてみれば、持っていても良いかどうかの判断はつく。こういう事をするにはKENWOODが最高に便利なので、直してもらえて良かったと思う。

今日は「オーディオベーシック」の取材で菅野沖彦宅へ撮影に行った。菅野氏は「ステレオサウンド」の取材で2/4にStudioK'sに見えていたので「おやおや、今度はあなたがカメラマンですか」という感じだった。撮影をしながらちょっとだけ音もきかせていただいたが、陰にこもった感じのしない鳴りぷりの良さが印象的だった。 2001.2.23

Perpetual Technologeis社からP-1Aが送られてきた。シカゴの川崎さんがメールを送ってくれたおかげだ。今度こそCECとP-1Aが同軸ケーブルでロックするかの期待は裏切られ、結果は×だった。おかしい、宮腰さんや三村さんから借りたP-1Aならちゃんとロックするのに、、、。もう僕にはわけがわからなくなってきた。アメリカにはCECユーザーが多そうだが、アメリカじゃちゃんとロックしているんだろうか? わからない。それはともかく、音も変化している。今日の午後岡崎さんがスタジオに遊びにきてくれたので、2/4のレコード演奏家訪問の取材の時にかけたソフトを同じ音量で再現したところ、どうも音が違う事に気付いた。以前の物より出力レベルが下がったようで、パスラボ×2のボリュームを2クリックぐらい上げないと同じ音量にならない。音質も歪み感が減り、滑らかでききやすい音に変化した思う。このところもっぱらアナログをきいていたのだが、そういうわけで今日からはCDをあれこれきいてみている。

StudioK'sHPのトップに先週のアクセス状況を掲載してみた。下の「ホームへ」というところをクリックしてみて下さい。何と一週間で6.000回以上もアクセスしてもらっている事がわかった。本当に嬉しいことです。

詳しく書くと、P-1Aを受け取ったのは2/24の夕方だった。すぐに接続してみたが同軸のデジタル出力がロックしなかったので、残念に思い通電だけして放っておいた。2/25の昼すぎにスタジオにやってきてCDを一枚かけたところで岡崎さんから連絡をもらい、1時間後に岡崎さんがやってきたので2/4のプログラムをその通り再現したのだが、どうも音量が小さい。それで、岡崎さんが帰ってから本気でCDをきいてみる事にした。聞き慣れたソフトをあれこれかけてみたが、やはりかなり出力レベルは小さくなっている。そして音質は確実に向上している。ソプラノが歪むのはフッターマンのせいだと思っていたのだが、P-1Aにも問題があったようだ。どのくらいの向上ぶりかと言うと、「相変わらず同軸でロックしない腹立たしさを棒引きにしてもいいか」と思うぐらいだ。

こんな体験を繰り返していると、「輸入代理店が儲けを考えて、1ドルを200円以上に設定するのはやむを得ないのかな」とも思えてくる。相手がアキュフェーズみたいな会社だという事はほとんどないから。

3月の半ばに発売される「オーディオベーシック」に、今までになく深く関わっている事は以前書いた。具体的に書くと、カラーページを8ページ任された。両方とも訪問記事だが、一つは編集長である金城さんの音を良くする企画で、もう一つは金城さんと一緒にオーディオの達人宅を訪問するというものだ。金城さんの音のことは連載で、一年間4回続ける予定だ。

昨夜、富田、岡崎、ソニー佐藤という悪さ満点×3の皆さんと一緒に柳澤和男宅を訪問した。僕は1年以上柳澤サウンドをきいていなかったのだが、昨夜の音にはちょっとビックリした。どう驚いたのかというと火山の大噴火のような感じだった。詳しくは柳澤さんのページでお楽しみ下さい。今日僕はスタジオにきて、自分の音を確認してしまった。まあ、自分の音には自分なりの魅力があって、比較してどうのというものでもないんだが、とにかくそういう気分になった。 2001.3.1

☆シカゴの川崎さんがAUDIO FANに投稿している「H君の初オーディオ」をまとめて読みたいという人は相当数いるらしい。でも、それだけのために川崎さんが自分のHPを始めるのも苦労なので、StudioK's(Kids'?)HP内にページを提供する事にした。僕たちがよく知らないアメリカのオーディオショップの様子も描かれているし、とても楽しいお話です。興味のあるかたはこちらも是非ご覧下さい。

先ほどオーディオベーシックの金城さんから電話があった。

「山本さん、僕の音を良くする企画はカラーじゃなくてモノクロページなんですよ、伝えていませんでしたっけ?」
「えーッ、僕はカラーのつもりで撮影もしてきたし、(あんなに何回も撮影に行って楽しみにしていたのに)
 みんなにもカラーだって言っちゃったのにぃ。それに僕はハッキリとモノクロページになったとはきいてませんよ」
「自分が出るとなると誌面を私物化してるようにも思われるという心配もあるし、なかなか、大々的にはやりにくいのです」
「そうか、僕の実績がまだ足らないわけですね」

という事だった。オーディオ雑誌に対して、僕は自分なりに読者の参考になる記事を考えている。金城さんの音を良くするページが「オーディオベーシック」の中で一番面白い企画かどうかはわからないが、僕にしてみれば全力投球の企画だし、多くのオーディオファンの参考になる筈だ。そして、金城さんのページと「達人宅の訪問記事をカップリングさせる」のが本来の企画だった。ああ、なんて情けなくて、面倒くさいんだろう。StudioK'sHPにおける僕は、編集長で記者でカメラマンで校正者だ、間違いはすぐに直すし、面白そうな事は何でもやる。金にはなっていないだけで、ほとんど仕事のように運営している。

 今後、紙のメディアとWebはどのような関係が望ましいか

つくり手の苦労とは無関係に、月刊誌も季刊誌も、雑誌はとりあえず一週間もあれば読み終わる。そして読者は次の号が出るのを待つ。StudioK'sHPのように一日に何度も更新しているのは稀だろうが、Webでは日常的な更新は当たり前だし、書き込み等もあるので、雑誌よりきめ細かに楽しめるのも事実だ。だが、社会での認知度は、歴史の長さ故、紙が圧倒的に勝る。仮にStudioK'sHPのアクセス数が一日10.000件になったとしても、「書くのが好きでヒマな山本が勝手に書いている」と思われるだけかも知れない。だから、今のところ広告を載せて雑誌と同等の料金をもらう事など不可能だろう。誰かがHPや掲示板でオーディオ相談を展開していても、その人をオーディオ評論家だとは思わないが、もしその人が雑誌から原稿を依頼されて書き始めれば周囲の対応は変わるだろう。そういう点でまだ紙に権威があるのは事実だ。

これからは紙のメディアとWebの共存関係が望ましいと思う。両方を読むことにより楽しみが倍増するような雑誌づくりと、連動したHP。HPに連動した雑誌や書籍。このような状態が理想的だと思う。

次号のステレオサウンド誌「レコード演奏家訪問」には(ほめられるのかけなされるのかはわからないけど)僕が出るし、富田さんはメリディアンのスピーカーの事をカラーで6ページ書いたそうだ。オーディオベーシックには「SISの大野さん」宅を訪問した記事がカラーで4ページ、金城さんの音を良くする企画はモノクロで4ページだ。僕が大野さんに登場を交渉し、写真を撮り、文を書いた。そして、大野宅と金城宅の訪問記事をカラーで連動させるのが(金城さんの中でつながっているだけじゃなくて、誌面上で並べるのが)僕の企画だった。こういう内輪のネタは堂々とやった方が良い、モノクロじゃ「STEREO」誌のピンクのページみたいになる。それはともかく、いつものように何頁か写真撮影だけも担当しているし、3月に発行されるこの二誌における僕と僕のまわりの人たちの露出具合はなかなかのものだ。富田さんや大野さん、金城さんもStudioK'sHPによく名前が出てくるから、「一度も会ったことはないが、このHPで親近感を持っている」という人たちもいることだろう。3月の半ばには書店に並ぶから、買って読んで、電子メールではなく、ハガキに感想を書いて編集部に送ってあげて欲しい。 2001年3月2日

  今夜は嬉しい気分

今は夜中の1時半だ。明日はロケで7時半に家を出る予定だから、家に帰らなければならないのだが、今夜の事をアップロードせずには安眠出来そうにない。先日柳澤さんのページに某S社のISB氏の事を書いたら、当のISB氏から音をききにこないかというお誘いのメールがきた。それで、ダイナミックオーディオの厚木さんに連れられて、ISB氏=磯部さんのお宅へ行ってきた。リスニングルームの広さは柳澤宅とほぼ同じ、JBLの4355も同じ、僕が悪友たちと柳澤宅へ行ったのが水曜日で今日は日曜だから、5日間に二カ所で同じスピーカーのサウンドを体験した。僕は磯部さんの音も人もいろいろも、すごく好きになったので、新たに1ページ設ける事にした。だって、「有名AV誌に掲載されるよりStudioK'sHPへの掲載の方が嬉しい」なんて殺し文句を言ってくれちゃう人なのです。   2001.3.4

  磯部和彦 ナンパ(師)の美学

早速メールが届き、磯部さんはこのタイトルを気に入ってくれたそうで、ウッシッシと思っている。富田さんからは「すごいね、で、どうだった?」という電話がきた。多分あちこちで話題になっている事だろう。僕の方は、この一週間の体験により、ますますやる気が出てきた。そして、僕の音量はいつになく上がり気味だが、フッターマンOTL4だとあと一息でかい音が出せないのが不満だ。くそー。

将来は紙とWebが平衡し、もしかすると、Webが逆転するのかも知れない。僕は自分のHPへのバナー広告はすべて断っているし、オーディオメーカーや輸入代理店からの広告をとるつもりもない。もっとも望ましいのはStudioK'sHPを読んでいる人々によって支えられることだ。シェアウエアのように、読んでみて面白かったら小銭を投げ入れてもらう方法が良いと考えている。もちろん金などなくても面白い事は出来るけど、潤沢な資金があればさらに発展できるのは当然だ。現状では、例えば岐阜のお宅や秋田のお宅へは行かれないし、栃木県のショップにフッターマンOTL3がある事も、OTL4を購入した翌週には知っていたが、買う事は出来ずにいる。 2001.3.7

「STEREO SOUND」138号を見た。自分が出てくるページはなんだか不思議な気分になったが、スッキリしたデザインの表紙が良かったし、全体的に意欲的な内容が多かったので、嬉しい気分だった。巻頭の特集は「評論家による架空セカンドオーディオ」のようだった。小林悟朗さんがガルネリ・オマージュとLP12を選んでいたしね。

ここのところ音が少しヘンだったので、フッターマンOTL4を点検に出した。「異常はない、元々こんなもの」と帰ってくればそれなりに使うし、もしかすると完璧に整備された状態ならもっともっと良い音なのではないかと思う。僕の所へきて三ヶ月だが、多分普通の人の4倍ぐらいはきいているから、一般的使用とすると一年くらいの感じだろうか。そういう意味では僕がフッターマンを使い続けるのは厳しい。

それで、今は三栄無線のアンプできいている。MOS-FET A級10wキットだ。以前も書いたが音はけっこう良い。たまたまDr.Y氏がスペンドールのBCIIを持ってきてくれたので、きいてもらうとY氏も「けっこう良いじゃない」と言っていた。スペンドールのBCIIはしばらくの間借りているので、ききたい人がいたらまた試聴会を開いてもいいかな。 2001.3.9

今日からはBCIIをきいている。この場所にずっといたかのように自然に鳴り、不満は何もない。「ニール・ヤングのアンプラグド」なんてKEFより良いかも知れない。僕はイギリスのスピーカーが大好きだから、スピーカーの方もわかっているのだろう。安田さんは「しばらく鳴らしていない」と言っていたが、丸一日鳴らしただけで本当に魅力的に音楽を奏でる。僕がKEF105にスーパーツィーターを乗せている一番の理由は「単体だともったりした感じで、イギリスのおばさんみたいな音」のKEF105が、PT-R9を加える事によりパキッとした感じが得られるからだ。が、スペンドールも以前使っていたロジャースのStudio1aもその点での不満はない。自然で、しかも透明感の高い中高音だ。さらに、BCIIの美点は「100Hz前後の一番おいしい低音が痩せずに出る」事だろう。大きさも手頃だし、沢山売れたのも納得できる。

10日ほど経過したので、僕の中の柳澤&ISBショックは少し薄れてきた。「凄いオーディオ」路線で彼らと張り合うのは到底無理だから、そちらは全部彼らにお任せして、「僕はどんどん縮小していっても良いのかな」などと考えてしまう。僕にとっての柳澤&ISBショックというものを説明すると、ガツンと一発食らって脳震とうを起こしたような状態だった。だから、その影響で、自分のオーディオとまともに向き合えなかったり、自分の音の良さも(一応あるんだが)わからなくなってしまったりする。とても辛い物を食べて、口の中が麻痺していたような感じだったのだが、しばらくスペンドールのBCIIをきき、そして昨夜からKEFに戻したら、とても良い音だった。友人に作ってもらった4万数千円のアンプだけど、良い感じで鳴っていて、VILLA・LOBOSの「ブラジル風バッハ」をきいたらすごく美しくて何も不満はなかった。今日は僕の49回目の誕生日で、仕事先の人たちがお祝いをしてくれた。このトシになると誕生日は悲しいような気もするが、考えてみれば10代までの僕は健康と縁がなく「いつ死んでも良い」と思っていたから、こうして楽しくやっていられる事を感謝しなくちゃね。 2001.3.13

川崎一彦様

突然,E‐mailを差し上げ恐縮です。私は、現在NYに駐在しておりますT.Mと申し
ます。山本耕司さんのホームページのセカンド・オーディオに出ておられるのを拝見
し、同じ米国におられることと、シカゴに異動になる可能性がでてきたことから、思
わず山本さんに川崎さんの連絡先をお教え頂けないかとE‐mailを出し、このように
ご連絡させていただきました。

私はアナログが好きで、米国と言う地の利を活かし、徐々に機器を揃えております
が、川崎さんも書いておられるようにこちらの販売店が機種を絞っていることから、
同条件で試聴が出来なかったり、またAyre,
Goldmundと言ったメーカーの取扱い店が、何故かNYCになかったり、Super Tweeter
を聴ける店が全くないため、他州まで行ったりと苦労しながら楽しんでいます。

現在の機器は、AnalogがGoldmundのStudio、DigitalがDVD好きのため、Thetaの
Carmen、アンプとスピーカーがCelloのSerafinというActive Speaker等という
ちょっと変わった構成になっています。

大阪に戻られると書いておられましたが、いつ頃でしょうか。私は、秋ぐらいの可能
性があり、シカゴで重なりましたら、もしお差し支えなければ、お会いできればなど
と思っております。

新たに始まった連載の方も楽しみにしております。店員とのやり取りなど思い当たる
ことがたくさんあり、実感を持って楽しく見させていただいております。

突然で失礼いたしました。日本人でオーディオがお好きな方との交流に乏しいことも
あり、また川崎さんのご経験の豊富さに感嘆しており、お近づきになっていただけれ
ばと思いE−mailさせていただきました。

                          T.M

他人のメールを勝手に掲載してゴメンナサイ。何か不都合があったらお知らせ下さい。すぐに削除いたします。こういうのって、HPをやり始めた当初はもちろん、あるいは今でも、思いもかけない発展だと思うので、ちょっと嬉しくて発表したくなってしまいました。(山本)

なんとStudio Kids'HPの週間アクセス数が8000件を越えた。もしかすると10.000件を越えるのも時間の問題かも知れない。下の、ホームへというところをクリックしてトップページをご覧下さい。

オーディオベーシック18号が出た。今回は今までになく沢山のページを担当しているが、自分の企画が掲載されている事が今までとは本質的に異なる。是非読んで、読者カードを送ってやって下さい。もっともっと自由に面白くてタメになる企画をやりたいものです。

サウンドパルは休刊だそうで、純粋なオーディオ誌が少なくなってしまった今、オーディオベーシックには頑張ってもらいたい。「ステレオサウンド」は凄すぎて受け付けず、「オーディオアクセサリー」ほど細かい事にはこだわらず、月刊じゃなくてもいいからちゃんとした情報が欲しいという層が、かつての「別冊FMファンの」読者だった。長岡さんのクリニックとか、高島誠さんの交友録、Dr.Whoのサウンド・アドバイスとかがあって、少しだけど海外製品の紹介もあった。今は時代が変化し、国産機が減り、海外製の占める部分が多いけど、年収が4〜500万、多くて1.000万という普通の人たちが数十万〜100万ぐらいでオーディオ機器を買いたいのは当然だ(僕もその仲間です)。そういう人たちが、参考にしてくれたり、楽しめる雑誌は必要だろうと思う。

フッターマンの音がイマイチだったのは、真空管の劣化だったみたいだ。他の部分はまったく問題がなかったそうだ。僕のところにきた時から、音量を上げるとチェロの音とかソプラノは歪みがちだった。あともう少し音量を上げたいところで音が歪むというギリギリのところだった。2月の末頃から確実に(しかも徐々に)音はおかしかった。三栄無線の10Wアンプの方がでかい音が出るので「やっぱりヘンだ」と判断したのだが、4オームだと8Wぐらいしか出ていないそうだ。4オームのKEF105に組み合わせて使うのが元々問題ではあるのだが、正規の出力は倍ぐらいだろうから(16オーム60W)、その状態で音をきいてみたい。しかし、この真空管6LF6を一気に8本揃えるのはかなり大変かも知れない。あったとしてもかなり高価(一本1万円以上?)らしく、ちょっと困ってしまう。どなたか不要な6LF6をお持ちの方はいらっしゃいませんか? かつてカウンターポイントのSA4を使っていて、予備にGEの6LF6を何本か持っているなんていう人がいたらなあなんて思ってしまった。   2001.3.21

ステレオサウンド138号を読み、一番良かったのは「ニアフィールドリスニングの快楽」だった。和田博巳氏によるこのページのファンは多く、「スペックやメーカーの歴史ではなく、音の事を(独断と偏見でOK)書いてくれよ」と思ってる僕は、いつも好ましく眺めていた。だが、今回は「すごい、異議なし」と思いながら読んだ。僕の行為やそれを記したこのHPは完全に和田氏が書いている内容と重なる。つまり、価格ではなく「良い音を追求する志=ハイエンド魂」なのだ。高価な機器を選択するしないは結果でしかない。僕は気合いの入った和田氏の文を読んで「とても自分にはこんな文は書けない」と思った。それは自分が情けないとか、くやしいとかという意味ではない。自分の言いたいことそのものを代弁してくれていて、そして、素晴らしい作品のような訴求力を持つ和田氏の文章に拍手を送りたい。

その和田氏のページの最後に「カエターノ・ヴェローゾ」のCDが紹介されていた。このCDは僕もちょっと前からきいていて、内容は良いのだが、非常にきつい音で、僕は一曲きき終わる前に疲れて音量を下げた。適当な音量できけない事が楽しみをスポイルするのは当然で、僕はこのCDをイマイチ楽しめずにいた。ところが、フッターマンを点検に出し、三栄無線アンプでこのCDをきくと、すごく良い音で鳴り、音も中身も楽しめるようになった。これは久しぶりに涙腺を(理由なく)刺激する音楽だった。音の話に戻そう、同様にと言うか逆にと言おうか、フッターマンだと何故か妙に柔らか過ぎだったSTUDIETTO+ZYX+AlephOnoも、三栄無線アンプだと、非常に具合が良い。パスラボのプリもそう高い物ではないが、さらに安い三栄無線アンプ=4万数千円は、充分ハイエンド的に使われている。もちろんフッターマンではすごく良かったが、今は「すごく」がとれてしまったソフトも多くある。入力機器を沢山持つと、その全てが「100%の満足と驚きを伴って鳴る」事は不可能なようだ。STUDIETTOの良さ、KP9010の良さ、手に入れた沢山のカートリッジ、CD、そしてSACDプレーヤー、沢山あるから僕は沢山の満足を得た。しかし反面、沢山の満足を求めた結果沢山の不満も発生した。 2001.3.22

そんなに三栄無線のアンプが良いなら「ずっと使えば良いのでは」と言われそうだが、そいつは別問題だ。普通に使うには殆ど問題なしだが、例えば先日手に入れたOrtofonのMC20Mark2にするとまったく音量が上がらないし、「トライシクル」のドッギューンが火縄銃になる。音の良い10Wのアンプをもう少しパワーが欲しいと言って20Wに改造しても、成功するとは限らない。同じバランス同じ音質でパワーだけアップしてくれれば良いが、そうは問屋がおろさない。身長170cmで素晴らしいプロポーションだった肉体がプロポーションを保ちつつ180cmにはならない。あるいは単純に拡大しただけではバランスが整わないものらしい。そんなわけで、パワーアンプには困っている。本当はプリアンプを試したい、一番はパスラボの×-1をきいてみたいのだが、それどころではない。

   激しい日
福島から吉成さんと森さんが遊びにきた。CDをかけてきいててもらい、僕は流しの前でコーヒーをいれながら、二枚目の二曲目が「ちょっと歪むなあ」と思った直後「ぶつっ」と三栄無線が逝った。音が出なくては仕方がないので、しばらく話をして過ごし、福島のオーディオ事情などをきいた。JBLの4350所有の吉成さんとしては「ISB氏のページが作られ、初めて画像が現れた時は鳥肌が立った」そうだ。吉成さんは「LNP-2」で検索して、最初に「角さんのページ」を発見し、戻って全体を読み「こんなHPが存在したのか!!」と思ったそうだ。それはよく耳にする。時々似たような内容のメールも届く。

「今日は少し待ってくれればDr.Y氏がハフラーという古いアンプを持ってきてくれるから」と言って、待っていた。ハフラーはMOS-FETを使った100Wのアンプだから、 三栄無線よりはちゃんと鳴るだろう。ハフラーさえあればこれでしばらく楽しめるだろう。もはやオークションに出しても値段がつかないような物だから、きいてみて良ければ安く譲ってもらい、「暑いときはハフラー、涼しくなったら暖房も兼ねて真空管アンプもいい」などと甘い事を考えていた。この寒いスタジオで、仕事が来なくてヒマしてる12月の午後5時に、真空管が灯っていたら、少しはなごみそうだ。

Y氏が到着し、「アポジーDAC改の所有者の吉成さんです」「それは、どうも」と紹介し、早速ハフラーを接続したが、こちらも「ぶーん・びー」とノイズを発し片チャンネル逝った。と、なると、パスラボのプリは大丈夫なんだろうね」という疑問もわき、僕はJORDANのフルレンジを暗室で鳴らしている小型アンプまで引っぱり出す羽目になった。こちらはちゃんと音が出て、プリはOKという事になり、Y氏は「スキーに行くので、しばらくいないからね、バハハーイ」って感じで去った。

僕がSISに行き事情を説明すると、元ヤマギワ社員の角さんは目を細めながら「それはね、フッターマンの呪いですよ山本さん」と声色つきで解説してくれた。富田さんは「三栄無線に無理させ過ぎ」と言った。ハイエンド魂も時としてトホホだ。で、僕はマコーマックの「DNA-1」を貸してもらってきた。これはなかなか良い音です。こんな事でもなければきく機会のないマコーマックだったが、出てきた音にはちょっと驚かされた。これで良いと思えば「上がり」になってしまいそうな音で、相性の良いスピーカーならバッチリだろう。安いしね。太くて濃い音です。

  僕にとっての真空管アンプはOTLしかない事を確認した

3/25の午後はスタジオでSDサウンド製OTLアンプの試聴をした。僕のフッターマンも完調になれば、こんな風に力強い音が出るのだろうかというほど、魅力的なサウンドが展開され、久しぶりに僕は欲求不満から解放された。

僕がフッターマンの魅力を体験した頃、岡崎さんと交わした会話だ。
山本「フッターマンをきいてみて、音の良さというか、切れが良くて、色鮮やかなのに驚かされています」
岡崎「僕が今まで本当に良いと思った真空管アンプは二台だけで、カウンターポイントのSA4とフッターマン(共にOTL)です」
山本「しかし、あの違いは何なんでしょうね」
岡崎「一般の真空管アンプは出力トランスを積んでいて、その影響はかなり大きく、真空管の音ではなく、実はトランスの音をきいているわけです」
山本「OTLアンプはトランジスタのアンプから替えても、何も違和感がない音がしますね」
岡崎「トランス付きの場合は、絵に例えれば額縁やキャンバスの大きさが決まっていて、その限られた範囲内でより良いものを描くという感じかな」
山本「OTLの場合は、その制約みたいなものがなく真空管そのものの音がきけるわけですね」
岡崎「その通りです。ただ、発熱による故障など、別の面での制約や問題があったために、本当の良さは理解されていないのが現状です」

こんな事は知ってる人はみんな知ってる事実なのだろうが、僕はOTLの事をよくわかっていなかった。フッターマンやカウンターポイントのSA4以外にも、例えばMJ誌を見れば、非常に少数だが国産OTLアンプは存在する。僕はそれらがどんな音なのだろうと興味を持っていた。種子島弘(たねがしまひろし)さんは、このHPから、僕がOTLアンプに興味を持っている事を知り、(株)SDサウンド社長の石上氏を口説き、同社のOTLアンプを4機種StudioK'sに持ち込んでの試聴を企てた。連絡をもらった僕は、もちろんOKして、石上氏、種子島さん、お友達の奥田さんと安田さんがスタジオに集まり、StudioK'sサウンド+SDサウンド製OTLアンプの試聴会となった。彼らの感想はこちらです。

音も文も絵画も写真も、真面目一方は面白くない。オーディオ機器に限らず日本の製品は真面目すぎて面白くない物が多い。「ちゃんとしてる」=「単に壊れないだけ」だったりする。まず最初に「官能や快楽」ってものをISB氏に教えてもらって来いよ、と言いたくなってしまう。だから、僕の側には「もしかするとフッターマンやSA4の良さは国産機には無いのでは?」という不安があった。持ち込む側には「KEF105ではヘロヘロの柔らかな音しか出ないのでは?」という不安があったようだが、その不安は双方とも見事にくつがえされた結果だった。これには僕も驚いて、ちゃんと紹介する事にした。興味のある方はSDサウンド 0489-65-5671 へどうぞ。

後ろ向きでラックに入っているのは、「AW−202」 40KG6というTV用の真空管使用で、28W(8オーム)フッターマンOTL4に最も近い。 完成品30万 キット24.6万(球込み) 発熱がとても少ないのでファン不要

手前中央 「AW−301」 6C33CB使用、38W(8オーム)完成品32.8万 キット25.8万(球込み)

手前左右はモノラル機「AW−302」 6C33CB使用、90W(8オーム)完成品63.6万 キット49.2万(球込み)この他に6080という球を使ったものもある

腕に覚えのある方はキットを作れば、非常に安く良い音を手に入れられる。出力トランスが不要なので、他の部品に贅沢をしても、こんな値段で出来るのはOTLのメリットとも言える

完全な状態のフッターマンとの比較はまだなので、どちらの方が良いという事ではないのだが、SDサウンド製OTLアンプは不完全なフッターマンとは問題にならないくらい良い。ハイスピード(GOLDMUND長期使用の僕がいうんだから間違いない)、リアル、弦も打楽器もみんな良い。そして何とも言えない深みのある音がする。ブラインドできいて真空管アンプの音だと言い当てられる人は多分いない。

40KG6機と6C33CB(ミグに積んであった真空管ね)機の違いを簡単に言うと、40KG6がGOLDMUNDなら6C33CBはKRELLかな。40KG6の魅力は中高域の透明感と切れの良さだし、6C33CB機は、イヤな音を出さず柔らかく甘みのある中域と太い低域が特徴だ。KEFが柔らかい音だから、僕の好みは当然40KG6の方です。やや荒らめ音の出るスピーカーなら6C33CBが良さそうだ。昨日は持ち込まれなかったのだが、40KG6を4パラで使ったモノラル機(8オーム70W)というのもあるらしい。普通に使うにはステレオ機で問題ないと思うが、モノラル機の余裕も捨て難いから、これもきいてみたい。しかし、モノラルだと280W×2だから、コタツとか電子レンジをつけっぱなし同等の消費電力だから、地球のためにはよろしくない気もする。

フッターマン同様CDからはアナログのような音が出るし、SACDとの相性も良く、BLUES QUESTをきいたときは一同驚きだった。そしてアナログとの相性も良く、音質にはほとんど不満がない。今日は種子島さんが置いていってくれた40KG6のステレオ機「AW-202」であれこれきいているが、合唱曲のフォルテで歪むぐらいで、こういうソフトは100枚に一枚もない。同じCDをフッターマンできくと歪むどころじゃなく、きく気すら起きなかった。やっぱり球が寿命だったのだろうか。 2001.3.27

広木氏が最新型ZYXを持ってきてくれたので、一緒にきいた。広木氏はSDサウンド製アンプの表現力に驚き、僕は新型ZYX=「1000 Airy」の音楽にたまげ、クライオ処理の効果を認識させられた。ちょっと良くなったとか、バランスが変化したとかじゃなくて、全面的に見通しが良く、空気感がよく出て、しかも自然さがあるので、今までのカートリッジの三段階ぐらい上をいっている。こいつは参ったなあ、今後何を何につけてメインと考えようか。フォノイコもだ、「オーイDr.Y氏スキーから帰ったら早くフォノイコの電源作ってくれ〜」しょうがないから、朝から遊びに行ってくっついていて作ってもらおうかね。早く作ってくれないとKEFの秘密ばらしちゃうぞ。

☆状態の良い替えの真空管を手に入れて、フッターマンOTL4を完全な状態にしようと思っている。その上でSDサウンド製OTLアンプとの比較をしたい。

今日の午後はシカゴから休暇で帰国した川崎さんが見えた。CD、SACD、アナログとあれこれ一緒にきいた。夕方はソニー佐藤と富田さんも遊びに来て、楽しく話をしたり、音楽をきいて過ごした。明日は一緒に富田&岡崎宅へ行く予定だ。 2001.4.2

今日も川崎さんと一緒に音をきき、僕は楽しすぎて疲労困憊だが、多分川崎さんも同じだろう。「昨夜は興奮してよく眠れなかった」そうだ。富田さんちの音は相変わらずすごかったし、岡崎さんもSONYのスーパー・ツィーターを導入して、強力さが増していた。彼らの音をきくと、やはり僕の音は「淡く、さりげなく、軽い」と思う。去年の末、マランツ8Bに始まった僕のパワーアンプ選びだが、もうそろそろ終わりにしたい気分になってきている。

フッターマン修理のためには6LF6が8本必要だが、素人の僕ではお手上げなので、SDサウンドの石上社長がバルブチェッカーで、プレート電流値を測り、ペアを組んでくれた

お世話になります

この日、石上社長は6C33CBのステレオ機も持ってきた。このタイプは前回の試聴で40KG6と比較すると中高域がスッキリしていなかったので、そこを改良したらしい。きいてみると確かに改良されている。そして元々持っている低域の厚みもあるので、こちらも捨てがたい。SISの大野さんがアンプを作ってもらっている工藤さんも「ある程度使ってもらった上で "もう少し音をこうしたい" という場合は出来るだけ応じる」と言っていた。このあたりはオーダーメイド感覚でなかなかおもしろい。

この6C33CBのステレオ機をまる一日以上きき続けると、音はさらに良くなってきた。どこがどう良くなったかを上手く説明はできないのだが、全体がまとまり、しっくりしてきた。やはり新しいアンプは最低二三日使わないと本領を発揮しない

40KG6機と比較すると6C33CB機は中低域が濃く厚く、低音に重量感がある。こちらは発熱が多いのでファン付だが、フッターマンよりずっと回転を落としてあるため、ファンの音は静かであまり気にならない。その上どうしてもファンなしでききたい時や、ファンが不要な場合にはON 0FFが可能だ。また、電源を入れたままピンケーブルの抜き差しをするためのスイッチが付いているなど、神経の細やかな造りの良さには心ひかれるものがある

色とカタチはこっちの方が良いが、ロシア製真空管はごつい

フッターマン用の6LF6は昨日宅急便で北原さんに送ったので、多分近い将来新品同様になって戻って来るだろう。あの危うく妖しい音に力感が加わったらどうなるのだろうと思うと、楽しみでならない。


山本さんと過ごした2日間は、僕のこれまでのオーディオ人生の白眉となる激しく楽しい2日間でした。何もかも大変お世話になりました。念願の山本さんの音にくわえて、贅沢にも富田さん、岡崎さんもお忙しいところを私の為に貴重な時間を割いて下さり、本当に「お金では買えない」経験をさせて頂きました。この場をお借りして皆様に心からお礼を申し上げます。この2日間は千葉の家内の実家から通ったのですが、帰宅後も興奮状態が続くため、48時間ほとんど寝ていない意識モーロー状態でこの拙文をしたためております。

今回の一時帰国休暇で私が接することが出来た3種の音は、サウンドステージを優先させるアメリカンハイエンドタイプを嗜好するオーディオ好きにとっては、なんとしても一度は聴いておきたいと切望する音でしょう。幸運にもこの栄誉に預かった私は、本HPをご覧になっている方及びステレオサウンド誌購読者の羨望の的となったであろうと想像いたします。

【山本サウンドを聴く】
1日目に約7時間、2日目に約3時間、CDとLPを楽しませて頂きました。パワーアンプはフッターマンが修理中でSDサウンドの真空管アンプでした。長時間の鑑賞に適した音という先入観から山本さんの音は「なごみ系」の暖かい音かと思いきや、意外にシャキっとした高解像度系の音で驚きました。しかし聴き疲れしないことは実際に体験して確認しました。訪問された菅野先生がご指摘されたように音は非常に端正なバランスです。低域がよく締っている。女性に例えるとライトブルーの服を着て優しく微笑むスレンダーな美女(?)という感じ。音場的には僕が欲しいと思う要素を全て満たした音です。何しろ広い空間ですから、見晴らしのよい広々としたステージが録音内容を克明に反映して自在に変幻する。特にスピーカー後方の大空間が、信じられないほどの深い奥行きを出現させ、余韻が遠ざかるように消えゆく様は圧巻でした。大ホールの臨場感をほぼ原寸大で得ることができる環境にあると思います。部屋自体はかなりライブでありながら、無駄な響きや耳につく響きが出ないのは奇跡的とも思えます。更には、あれだけ音が拡散するなかで個々の音像が実にしっかりと出るところが素晴らしい。意表を突くKEF+スーパーツイーターと真空管コンビの勝利なのでしょうか? CD音はアップサンプリングの効果と部屋の特性からか、直接音に間接音が理想的な配分で乗るのでCDで気になるエッジの強調感がありません。そのためソニーSCD-1によるSACDの再生音では、一聴したところCD臭さから解放されるメリットが薄く、山本さんに「CDとそれほど変りませんね」と述べましたが、聴きこむと、SACDは音楽の陰影を深めながら解像度を更に進めたオーディオ的美音と認識できました。この音には大きな可能性を感じます。アナログの音は実に多彩。まず、ベンツマイクロ、ケンウッド、リンのラインの確実、ハイスピードかつ豪快な方向の音と、ZYIX、ゴールドムンド、パスのラインの優美、繊細かつオープンな方向の音の2系統を楽しみました。私のアナログの音は後者の傾向で、似ていることに驚きましたが、いつも同じ色の音しかしません。しかし山本さんのところでは、2台のターンテーブル、3本のアーム、2台のフォノアンプに何種ものカートリッジを付け替えて演奏することが出来るため、同じレコードがまったく異なる表情を見せ、その世界の奥深さは計り知れません。山本さんの音の特色は、アメリカンオーディオファイルが泣いて喜ぶ見事にホログラフィックなサウンドステージの魅力と、中域から高域にかけて高度に追いこまれた音楽性の提示にあると感じました。特にソプラノの頭声が妖しく糸を引く様はため息が出ました。このような表現は非常にシビアな音域にあり、私自身もこだわって苦労している部分ですが、それが全体のバランスを崩すことなくさらっと出てくるところに山本サウンドの本領があると私は思いました。これはちょっと聴きではわからないかもしれません。しかし、同席されたソニー佐藤さんは、今日の音ではフッターマンで得られた妖しさが消えていると指摘されていましたので、更に上の音があるのかも知れません。心から音楽を楽しんだ素晴らしい体験でした。ありがとうございました。

シカゴに戻った川崎一彦さんから感想が届いた。富田さんや岡崎さんへの感想は、彼らのページに掲載しましので、そちらをご覧下さい。2001.4.8(山本)


 

yahooオークションでLUXのプリアンプを手に入れた。昔CL32という型番で売られていた物のKIT版だろうか。ジャンクという事で、買った時は電源が入らない状態だったが、SDサウンドの石上さんに修理してもらった。このアンプは友人のために手に入れたのだが(この話は将来オーディオベーシックで報告出来るかも)、どんな音かと思い、パスラボのプリと入れ替えてきいてみている

一番驚いたのはKP9010+BENTZMICRO L0.4をPHONOに入れて弦楽器のLPをきいた時だった。非常に艶やかな音がする。基本的にはL0.4のシャープな音なのだが、それに、何とも言えない美しい響きが加わり、僕はLPをきき続けた

こちら、KAラボのプリアンプは種子島弘氏提供によるもので、上のLUX 同様管球式のプリアンプだ。これも独特の美音で、なかなか艶やかな音が出る

このアンプは特に使う予定がないので、欲しい方にはお譲りします、オークションに出すのも面倒だし、メール下さい。中身の詳しい事はよくわかりませんが、キットで10数万したものだそうです。回路図その他はあるそうです

数ヶ月後オークションに出したら、76000円で落札された。すごい!!

明日から三日間StudioK'sで第三回カーニバル展を開くため、スピーカーはスタジオの奥に片づけてしまい、会期中はまともに音をきけない。僕の今回の作品「HOLD ME TIGHT」は、フィルム二本のみ、プリント半日、4点出品するうち2点はプリント一枚で決まった。手抜きなどと誤解しないで欲しい。僕は毎日構想を練っていたし、悩まないのはイメージがハッキリしているからで、今回の作品はけっこう気に入っている。お時間のある方は是非見に来て下さい。音の方は4月の後半にまたまたパワーアップする予定なので、自分自身楽しみでならない。

☆写真展を開催していたので、自分のオーディオの進展はないが、他の人のページや古い機器のページなど、何カ所か更新している。実はどこも更新していない日はほとんどなく、多い日は10回以上更新しているのです。

今日はクライオ処理したZYXの新型カートリッジが届き、今日から自分のシステムできき始めている。これは今まで僕のスタジオで使ったカートリッジの中で最も良く、もう元へは戻れそうにない。微妙だが誰がきいてもハッキリわかる差がある。もちろん僕は今でもBENTZMICROのRUBYが欲しいと思っているが、クライオZYX「Airy」はもっと標準的、健康的な高性能で、わかりやすく書くと「RUBY=フッターマン ZYX=SDサウンド」という図式が成立するようだ。GOLDMUNDのSTUDIETTOに装着してきいてもみたいが、他のカートリッジとの比較のため、今のところはシェルにつけてKP9010で使用している。  

実は日曜日、写真展開催中に最新の富田サウンドをきかせてもらってきた。何とdCSのパーセルと972のダブルコンバートでDSDに変換後、エルガーPLUSで受けるという使い方なのだが、972一台だけよりも確実に実体感のある音になる。しかし、このことのためにかかる金額を考えると、普通の人には手が出せそうにない。富田宅にあった972やエルガーは借り物なのだそうだが、近い将来いってしまうのだろうか? 僕の方もクライオ処理ZYXでアナログ再生は新しい時代に入りつつあるし、よそはよそですごい事になっているようだ。  2001.4.17

新しいZYXはかなり完成型に近いものの、まだ試作段階だ。カートリッジの場合、材料の段階でクライオ処理したものを組むのか、組立後にクライオ処理をするのかなど、様々な問題があり、最終的にはヒアリングで決めるしかない。そんなわけで、別のタイプの試作機が出来るまで最低50〜100時間ぐらい使ってみる事にした。時間があると毎日50回もLPをかけかえるわけだから、僕はほとんどLP演奏マシーン状態になる。好きなことだし、新型ZYXの表現力には驚きの連続なのでまったく苦にはならないが、これが生業だったら話は別だ。よくオーディオ評論家はメーカーから金や製品をもらっているから信用できないと言う人がいるが、自分がその立場になったら「とてもじゃないが、タダじゃできない」と思うかも知れない。

それにしても、ずっときいているが新型ZYXは非常に良くて、他のカートリッジを使う気がしなくなる。暖かみや質感が伴った上での解像力、そして空気感、深みのある響きと正確さが両立している。定価は23万ときいたが、これを体験すると今のところまだ高いDACやDDは買えないかなと思ってしまう。かなりいっちゃってる人でも、今のパーセルやエルガーPLUS並みの性能を持った物が一体型になって150万〜200万の定価にならないと、買えないのではないだろうか?    2001.4.18

CDトランスポートやDACを置いている、向かって右側のラックを三段の物に替えた。ラックを入れ替える時、横着をしてDDとDACの結線は外さずデジタルケーブルを持ってひっくり返して床に置いておいた。以前同様、入れ替えたラックの最上段にCECのトランスポートとP-1A(DD)P-3A(DAC)を戻して音を出すと、どうも音が違う。非常に力のある音に変化した。それに音量(出力レベル)も上がったようだ。しかし、よくわからない機器だ。同じTAOCのラックの二段と三段でこんなに音が変化するとは思えない。DDとDACをひっくり返して置いた時に何かが変化したのだろうか? あるいは他の機器からの目に見えない影響を受けていたのだろうか? 試しに昨晩きいたCDをきいてみたのだが、確実に激しく力強い音になっている。????? 20001.4.20

広木さんから新型ZYXの改良版が二個届けられた。これは良いと思う。良い機器をさらに良い面を引き出そうとして、インターコネクトやスピーカーケーブルを替えてみたり、スピーカーの位置をずらしたりと、そんなわけで、今夜も寝るのが遅くなってしまった。どうしてオーディオはこんなに楽しいんだろう。

それにしても、だんだん困った事になってきた。システムに新しい機器やアクセサリーを導入して「良い」とか「悪い」とか「低音が出ない」とか「ボーカルが不満」とか言い切れるのはすごく単純、幸せで、うらやましい。自分のシステムを疑ってないもんね。その基準(つまり、たまたま選んだその時々の機器と、その時々のセッティングによるサウンド)に合うか合わないかという、一方向、一面的な判断基準だけでオーディオ生活を過ごせればそれに越した事はない。尊敬する評論家や仲間の言うことを信じ、鵜呑みにしてその世界で生きられたら、これもまた楽で良い。

卓越した機器のその価値が、理解出来る範囲内なら問題は生じないが、その機器の能力を100%発揮出来ていない場合もある。それは優秀すぎる社員を持て余す会社のようなもので、その機器の存在が元になるシステムの不備を指摘してしまう。例えばSACDの試聴をして「なかなか良いけど、ここがダメ」と思ったとしよう、でもそれはもしかすると「SACDやそのプレーヤーに問題があるんじゃなくて、使っているお前さんのシステムの方に問題がある」という場合もある。

今、新型ZYXクライオの試聴をしているのだが、どうもあれこれきいていくと、こいつにはKENWOODのKP9010のアームじゃ不満らしいと思わせられ始めている。フォノケーブルはMITに交換してあるから、特に不備はなく、むしろそのあたりも一緒になって9010のアームでは物足りないと要求し始めているのではないか? そんな事に考えが及んできた。やはり、新型ZYXをSTUDIETTOに装着して音を出してみたい。 2001.4.23

どうにも我慢が出来ず、STUDIETTOに新型ZYXを装着した。STUDIETTOには「銀線のZYX」をつけていたので、長い間僕を楽しませてくれて有り難うと思いながら、記念にLPを一枚きいてから外した。新型との交換には約30分かかったが、LPを二枚きいて笑いが止まらない気分になった。やっぱりこうでなくちゃね。今まできいたカートリッジの中で、弦の音の響きが一番美しくそして端正で透明感も最高だ。KENWOODできいているのとは何もかも違う。川崎さんが来たときは、銀線ZYXだったから「僕のアナログの音はこういうふわっと良く響いて柔らかい感じです」という感想だったけど、今の音をきいたらものすごく驚くに違いない。僕自身も驚いている。やっぱりアナログは第一にカートリッジ、そしてアーム、それからフォノイコライザなのだ。久しぶりにリニアトラッキングならではの音になり、元には戻れないと再確認した。そして、また真夜中になった。 2001.4.24になって二時間

さらに、新型ZYX改良版が届けられた。これはKP9010でもなんとかいけそうなのでホッとした。試みに 1)アントレー 2)オーディオテクニカ 3)オーディオクラフトと3種類のシェルに付けてみて、今はオーディオクラフトできいている。ここらで完成という事でいいんじゃないかと思う。このカートリッジにしてから色々発見があって面白いのだが、一例をあげると、弦楽器の左手がビブラートをかけているのがすごくよくわかる。こういう体験は初めてだ。

昨日、ダイナミックオーディオの厚木さん宅へ行った。1年半ほど前に富田さんと訪問した時ほど激しくはなく、色々と感じる事が多くあった。厚木さんの部屋で、使っていないガラードを発見したので「しばらく貸して下さいよ」とお願いしてみた。「こういう機器は少しでも回した方がいいじゃない、僕が使ってあげますよ」とか言いだすものだから、同行者は僕の厚かましさに呆れていた。厚木さんの返事は「オーケー」という事なので、僕は再びガラードの音を体験できるかも知れない。 2001.4.25

なんて書いていると、早速StudioK'sにガラード用キャビネットが届けられた。これはかつて、ある方が使っていた物だが、現在は柳澤和男さんの所有物だ。「ちょっと貸して下さい」とお願いしたら、「今は、dCSの972が1台になってしまって、音は淋しくてきけないから当分映像であそんでるし、いいよ」と言って貸してくれた。この美しいハンマートーンのターンテーブルはモーターのトルクが足らず、残念ながら今は音楽を奏でる事が出来ない。スイッチをONにしても、手で助走をつけてあげないと回らない。まるで、どこかのプレーヤーみたいだ。どなたかガラードのモーターだけ譲ってくれる人が存在すれば、このセットは復帰する

僕は厚木さんのガラードを拝借して、このキャビネットに付けてきいてみようと目論んでいるのだが、その話を厚木さんに伝えると、「そのキャビネットを製作して売っている三重県の人は専門学校時代からの古い友人で、一緒にジャズ喫茶めぐりをした仲だ」と言っていた。いやはや、世の中は狭い 2001.4.27

フッターマンが戻ってきた。色々あるのでここに詳しく書くことは省くが、久しぶりにフッターマンの音をきいた。厚木さんには「戻ってきたらきかせて欲しい」と言われていたから、そして、厚木さんがフッターマンの音をどう感じるかにも興味があったので早速連絡してきいてもらった。結果だけを書くと「さすがにフッターマンはすごい表現力だ、SDサウンドは極めてまともで堂々としている。どっちか一方をくれるならフッターマン」との事だった。僕は「それはわかるけど、このきわどさを毎日きくのは耐えられないかもなあ」と思っている。僕は同じ種族という意味で「フッターマンとSDサウンドは似た音がする」と言い、厚木さんは同じ種族の中で「この二台は正反対の音がする」という感想を述べた。

このチャーミングなキャビネットには、クリーム色のガラードもなかなか美しい。やっぱり長期間の使用には美しくないとダメだ。そしてFR64s+クライオZYXできいてみると、KP9010のアームよりグッと重心が下がり、中高域の存在感も増す

カートリッジも含めて全部借り物で、しかも当日組み合わせて置いただけのセットから良い音が出たりすると、僕としては「ちょっと複雑な気分」におちいる

やはりアナログ好きとしてはFR64sは外せないところかな、とにかくCDと比較すると笑っちゃうぐらい音が変化するので、発見はたくさんある

僕のスタジオで現物を見て、このキャビネットとガラードが欲しくなった人が数人いる

☆ところで、dCSのDDコンバーターを二台使うやり方だが、考えてみれば僕がやっているPerpetual TechnologiesのP-1AとP-3Aも(P-3Aが自動的に96khzに変換するので)P-1Aには24bitへの変換だけをやらせているわけで、これも立派?なダブルコンバートだ。それでは、パーセル+P-1Aとか972+P-1Aという方法はどうなのだろう。今度試してみたい。

☆軽量なカートリッジにはやっぱり軽量アームだと具合が良いかと思うと、ごついアームから繊細な音が出たり、細いアームから太い音が出たり、アナログはワンダーランドだ。友人のためにを手に入れたLUXのアナログプレーヤーに装着すべく、Dr.Y氏からSTAXのUA-7を譲ってもらった。FR64sの剛も良いが、柔のUA-7もなかなか良い

UA-7はyahooオークションでもせいぜい15.000円ぐらいにしかならないアームだが、とても魅力的な音がでて、これは驚きだった。ZYXクライオにはUA-7が良く合う。このタイプの使いこなしで肝心なのは、ありのままを生かす事だ。つまり軽量級のアームが不満だと言って鉛だのゴムだのを貼ったり巻いたりをしない方が良い。甘い音が特徴の物を無理に辛口にしむけても、良い結果は生まれない

左の写真はZYXクライオ-LUX PD441+UA-7-LINTO-LUX A3032-フッターマンOTL4でKEF105を鳴らしているのだが、スケルトンZYXは軽量(針圧は2g)なのでUA-7との相性は良さそうだ

これらの機器もそのうちどっかのオーディオ誌に登場するかもね

本当はそろそろパワーアンプ問題に決着をつけたいが、諸般の事情でそれも出来ず、しばらくこのままになりそうだ。まあ、世の中そうそう自分の思い通りにはいかないものだから、仕方がない。クライオZYXとKP9010のアームから出る音がイマイチ(と言ってもかなり良くて、STUDIETTOや他の高級アームとの比較でだが)なのも仕方がない。でも、だからと言ってさっと別のアーム乗り換えられるわけもなく、思い直してKENWOODのアームの高さを変えつつ、針圧を変えてみたりしている。デジタルにしろアナログにしろ、もしかすると、ここいらあたりから先が、本当の意味での使いこなしなのかも知れない。

☆ オーディオベーシックの原稿を書いている。トータルで10ページ足らずの原稿なのだが、HPの更新のようには気楽に書けずにいる。 2001.5.7

☆ 先日、富田邸において、岡崎氏、佐藤氏が試聴したdcsパーセル・972IIのダブルコンバートによるDSDサウンドの実験内容は、DVDパラダイス上級講座、第17回において詳しく報告されています。興味のある方は、そちらも併せてご覧ください。

上級DVD講座 http://www.discstation.co.jp/VSshop/scripts/DS_dvd_lecture3.asp

オーディオベーシックの取材でヤスケンさん宅へ行った広くはない部屋(7〜8畳くらいだが、本とCDの山で実質6畳以下? )にノーチラス801が入ったというので、どんなにひどい音かと心配したが、予想よりずっとまともな音だった。スピーカーが大きすぎるのでサウンドステージは望むべくもないが、さすがにB&Wは音づくりがうまい、気はやさしくて力持ちという感じの音で、クラシックもJAZZも、弦も打楽器も、みんな安心してきいていられる。本やCDが山積みされているし、ぬいぐるみなんかも置いてあって、かなりデッドな部屋なのも音の破綻を少なくしているようだ

ただ、やはりこれは尋常ではないわけで、僕たちは寺島靖国氏の行為や文章を、プロレスの場外乱闘のように楽しんでいるが、ヤスケンさんも近い路線かなと思う。でも、寺島氏のように買い替えたりはしないのかな

それにしても、本当に膨大なCDで、総量は右の写真の5倍くらいか、買いに行くエネルギーだけでも尊敬に値する。これは見習いたいといつも思う


SDサウンド製のアンプはすごく音が良くて気に入っているが、もう少しパワーに余裕があればなあと思う。でも、いきなりモノラル機も辛いので、3パラ(つまり出力管を1.5倍の12本使ったタイプで、出力はほぼ二倍)のステレオ機が欲しいところだ。40KG6は12本でも発熱が少ないから、夏でも使う気になるかも知れない。で、値段が上がってもかまわないから、もう少しデザインが良くなれば最高だ。SDサウンドの石上さんには、そのように提案している。

このあたりの決着がつけば、この半年間ほどの総括が出来るので、それはその段階で報告する事にしよう。CDの音には特に不満がなく、SACDも良い、アナログはこちらの期待度が高く、いくつか試してみたい事がある。スピーカーはこれ以上大きいと鬱陶しいからやっぱりKEFが良い。入力が4系統しか無いのと、もう少しきめ細かく音量調整をしたいので、今かかえている問題が解決したら、プリアンプを試してみたいと思っている。

暖房も冷房もいらないこの季節は、音楽をきくに最適だ。機器いじりは中断して、音楽を楽しむべき季節だ。昔はよくきいていたけど、最近はきなかくなっていたソフトを出してみる。悪人の皆さんもやることが無くて大人しくしているみたいだが、こういう一見穏やかな時、彼らは多分次の何かを目論んでいるに違いない。と、なるとやっぱりこっちも何かしてやろうなんて思って、SISからマーク・レビンソンのNO.29Lを貸してもらった。何で今更NO.29Lと思われるかも知れないが、僕がかつて初めてSISに行ったのは、NO.29Lを買うためだった。入ったら知らせてくれるという事になって待つこと半年、結局29Lの中古は入らず僕はGOLDMUNDのmm6を購入したのだった。そんなわけで、今夜からは29Lをきいている。今はまだヘンな音だけど、まあ、明日の夜ぐらいまで通電しておけばまともな音になるだろう。他にトランジスタのアンプできいてみたいのはエアーのV3あたりかな、エアーは二年ほど前に一度試聴したが、あの時はイマイチだった。でも今はプリアンプが違うから、もう一度エアーの音は確かめてみたい気がする。

そんなわけで、今夜は「タワー・オブ・パワー」「フィガロの結婚 ハイライト盤」「ギレリスの告別」「CSN&Y」などをきいた。2001.5.15

マーク・レビンソンの中で最も安くて小型なNO.29Lを「上位機種よりかえって良い」と言う人を何人か知っている。僕はまったくきいたことがなかったので、「フーン、こういう音だったかあ」と、今思っている。途中経過を言うと「なかなか良い」。正月あたりから、色々なパワーアンプを試しているが、この半年できいたトランジスタアンプの中では一番良さそうだ。僕の場合、パワーは8Ωで50Wあればほぼオーケーらしい。不満はソフトによって音が中央に寄る場合があるのと、ところどころ強引で硬質な感じがする事、それ以外は満足できる。

ガラード+FR64sともお別れかも知れないので、きいてあげよう、とか思いつつ「LOVE PSYCHEDELICO ラブ・サイケデリコ」をきいてしまう。僕がこのあたりを好きなのは、カーディガンズを好きなのと共通してるかも知れない。写真好きの人に「写真新世紀展」の写真群を好きか、受け入れられるかどうかを質問すると面白い。僕には僕の立場があるので全面的には認めないけど、魅力的なものはいつだって魅力的だと思う。「木村伊兵衛賞」と「写真新世紀展優秀賞」のどちらかもらえるなら、僕は絶対に後者だったので97年に応募して、頂戴した。芥川賞とは違って、木村伊兵衛賞をもらっても、まるで食べてはゆけない

話がそれたけど、LOVE PSYCHEDELICOは写真新世紀的だと思う

望めばやってくるくる高感度アーム、MAGNEPAN UNITRAC こいつは当分楽しめそうだ
こういうのを使いこなせればアナログ上級者になれるかな

ほらほら、でも音が出るのに1時間半かかりました
と言ってもこれはスケルトンKP9010ならではの超スピードです
電車も無くなった事だし、もういいや、今夜はタクシーで家に帰ろう
銀線のZYXがパリッとした張りのある音に変身しますからね、アナログは面白くてやめられない

実はもう一本アームが届く事になっているのだが、それはまだ来ない。マグネパンも使いこなさないうちに別のアームを試すのもイヤだし、しばらくはマグネパンをいじってみようかと思っている。クライオのZYXを付けるとどうなるのかが興味深いところだ。LINTOは先週から金城さんに貸してあげてしまったので、もっぱらパスラボのAlephOnoできいている。

山本様

昨晩は遅くまでいろいろ聴かせていただきありがとうございました。
クライオZYXとマグネパンアームの組み合わせには驚きました。
また、聴かせてください。

はやくSDサウンドのモノラル機が手に入るといいですね。

昨晩ききにきた岡崎さんからメールが届いた。今もきいているが、確かにクライオZYXとマグネパンのアームは今まできいたことのないサウンドだ。もちろんおっとりした音になるわけはなく、繊細で高分解能の極みみたいな音だ。だからと言って音楽性がスポイルされるわけでもない、このあたりはSDサウンドのパワーアンプに負うところも大きい。

 と、こんな風な文はとっとと書けるのだが、次号「オーディオベーシック」19号の原稿書きで苦しんでいる。内容をちょっとばらすと、ダイナミックオーディオの厚木さんのお宅を訪問したのだ。厚木さんちの事は、このHPの「架空セカンドオーディオ」のページにも掲載されていて、当然ながら同じ事は書きたくない。両方読んでくれた人が両方楽しめる内容にしたいので、バカみたい=というかバカそのものって感じの時間がかかっている。発売は6月28日だったかな。皆さんが「ステレオサウンド」を読み終わった頃の発売です。

 山本様

聴かせていただいたクライオ&スケルトンZYXとマグネパンの組み合わせですが、一言で表現するなら「KEFがコンデンサースピーカーのように鳴る」って感じでしょうか?とにかく音の立ち上がり・立ち下がり早く、エコーの消え際の美しさ見事の一語です。ゴールドムンドがふつうに聞こえるのですから、これは尋常なことではありません。音場の表現に関して、両者を比較するなら、演奏者と距離を置き、ステージ全体を俯瞰するスタジエッタに対してマグネパンでは、さらにグッと演奏者に近づき、その上オペラグラスで演奏者のプレイをのぞき込む感じと言ったらおわかりいただけるでしょうか?とにかく高分解能とはまさにこのこと!といった感じでした。しかしながら「コンデンサーのように」といったのは、悪い意味も含んでましてローエンドがスパッとないのです。ですから、ステージの拡がり感はあまり感じられず、音自体も腰高な印象がありました。この辺りは、ケンウッドの限界+簡易アームベースといったことも影響しているのでしょうか?
しかしながら、複数のアームとカートリッジを使い分けられる山本さんのところでは、この辺りもさほど大きな問題にはならないでしょう。むしろ一芸に優れたおもしろいヤツ、というキャラクターが貴重に思います。興奮さめやらぬウチに書き上げました。明日になったら、また変わっているかもしれませんけど。

それではまた

これは昨晩、台湾産烏龍茶と一緒にやって来たソニー佐藤さんの感想でした。

岡崎さんと佐藤さんはちょっと好みが似ていて、マグネパンのアーム的な音には興味があるみたい。いや、もちろん僕も好きなのだが、僕はもっとあれこれ好きで(何でもいいわけではない)、「こういう音も欲しい、ああいう音も楽しい」と言ってはいつも厚木さんに呆れられている。
ほぼ同じカートリッジを付けて、同じフォノイコで比較して、STUDIETTOの音が「まったり路線」にきこえるのが面白い。僕自身の好みで言えばやはり大変面白い鳴り方をしてくれるわけで、このところはずっとクライオZYX+マグネパンアームできいている。原稿を書いたりHPの更新をしたりとMacの前に座る時間が長くなると、KP9010のオートリフトアップが便利だが、このところ腰痛がひどいのでLP片面きく度に立ち上がってかけ替えに歩くのも悪くない。困るのは音が魅力的なので、Macに向かいながらも意識が音に向いてしまうことだ。写真撮影は短期集中型の仕事だから、よほどの事がない限りLPをかけながら撮影はしない。
佐藤さんの「ローエンドがスパッとない」という表現を読んだ方は多分右の図のような音を想像されると思うが、もしそうだとしたらそれは誤解だ。いくらマグネパンのアームが個性的だと言ってもKEF105が小型スピーカーに変身するわけではない。現実にはもう少し複雑だが、単純な図で説明すると下の図のような感じだろうか、音が薄くなる感じと言った方が良いのかも知れない
低音の薄さは、良い面を言えば中高域の繊細さを引き立てるわけで、このあたりは微妙で、良い悪いではなく個人々々の好みにより評価は分かれる。軽さがたまらなく好きという人もいるだろうし、重くて濃くないとダメという人もいるだろう。右の状態で低音を良よくきこうとして音量を上げると、中高域が耳につき、ハイ上がりでダメねという人も出てくるわけだ。だから、一般的に陽炎的サウンドステージ派は必然的にやや音量が小さめになる
 
マグネパンのアームできくと、チェンバロ、リュートなどの引っ掻き系、それからピアノ、ギター、弦楽器など繊細な音の出る楽器は格別だ。このあたりは言葉でうまく説明が出来ないが、音をきけば、わかる人にはわかるだろう。録音の良いLPのピアノの弱音など気が遠くなるような音がする。そんなわけで、このアームによって「レレッ、このLPって実はこんな風だったの!!」という事になり、奥の方から浮上したソフトが何枚もある。
  SACD、SONY SCD-1の総括
SONYのSACDプレーヤーSCD1を借りて半年ほど使ってきた。この間、「おお!!素晴らしい」と思う事は沢山あった。部分的に「???」と思ったり、ハッキリ不満があったり、色々な事を感じたので、ちょっとまとめてみようと思う。
SACDのソフトをかける限り、従来CDはかなわない。これは、定価8万円のSACDプレーヤーでも同様で従来CDには歴然とした差をつける。従来CDがすべてこの音質できけたらなあと思ってしまう。仮に仮に世の中のソフト全部がSACD化されたとしても、僕は現在従来CDを約500枚ほど所有していて、これらを全部買い直す事はないので、従来CDはきき続ける事になる。で、SCD1での従来CD再生音に不満がなければSCD1が1台あればすべて解決というわけだ。しかし、従来CDに関しては僕が使用しているCECのTL-2+PerpetualTechnologies社のP-1A+P-3Aの音の方が良い。もちろんSCD1をトランスポートとして使って、PerpetualTechnologies社のP-1A+P-3A経由できけば、こちらの方が音は良くなる。要するにSACDの音を体験してしまうと、従来CDをそのまま16bit44.1khzのDACで再生したものでは満足できない。だから、殆どの場合SCD1はスタジオに僕の音をききに来た人に、SACDを体験してもらうために使われている。この場合、それまでSACDに疑問をもっている人もみんな「おお、なるほどSACDはすごいですね」という感想を述べる。音の緻密さ、リアルさ、切れ、広がりなど、特に最新のDSD録音ソフトの音質は素晴らしい。僕のところではパワーアンプがOTLになってからは特に良い。SCD1はちょっと間違うと冷たくい音調になるし、クオリティの高さだけがきこえてくるような鳴り方をする場合もあるのだが、何故かOTLのアンプとは相性が良く、あの激しいフッターマンでもSDサウンドでも、すごく普通の良い感じで鳴る。これはSACD従来CD両方に共通する傾向で、OTLのパワーアンプだとCEC+PerpetualTechnologies組との違いは非常に少なくなる。GOLDMUND mm8の時はSCD1の音はやや硬質でクール過ぎるのが難点と感じた。
  SONY様へ SCD1のバージョンアップを行ってはどうか?
SCD1に対する一番の不満は何かと言うと、「アクセス速度の遅さ」に尽きる。計ってみると約30秒かかる。CECも遅いと言われるが、これでも8秒以下だ。せめて15秒くらいにバージョンアップ出来ないものだろうか? 7〜8秒までは黄金の待ち時間かも知れないが、30秒は白ける。アクセス速度が短縮されれば、SACDはSCD1できき、従来CDはSCD1をトランスポートとして使い続ける途も出てくる。
バージョンアップAコース アクセス速度のみ
バージョンアップBコース アクセス速度+DAC部分の音質向上
というような事が実行されれば、記念すべきSACD第1号機であるSCD1の満足度は上がり、発売してそろそろ二年が経過する機器の寿命を延ばす事も可能なのではないだろうか?
  ついでなので、もっと高級SACDプレーヤーについて

先日パーセル+ステラヴォックスST-2を使っている岡崎さんと話をした。「ST-2二台をバージョンアップに出し、その間のつなぎに16bitの超高級DACを借りた。超高級機はそれなりの凄さがあるものの、パーセル+ST-2二台の音に慣れてしまった耳には確実に物足りない」と言っていた。僕は半年前から書いているが、「dCSのパーセル+デリウス」の機能が組み込まれた一体型高級SACDプレーヤーが欲しいと思う。1台でSACDがきけて、従来CDは24bit192khzに変換、もしくはDSDに変換する一体型SACDプレーヤーが欲しい。dCSがSACDトランスポートを出すらしいが、普通の人にはとても買えそうにない値段になりそうだ。dCSがいくら良くても、そして、仮にトランスポートとDD+DACで300万を下回ったとしても、尋常ではない。ここはひとつ、SACDのリーダーであるSONYから一体型で定価120万円ぐらいのプレーヤーを出して欲しいところだ。

さて、これは一体何だろう?

右側の物はすでに音を出しているが、なかなか良い

マグネパンに勝るとも劣らない魅力的な音だ、スレンダーな美女三人と遊ぶ私、とっても楽しい

☆結局、フッターマンは手放す事にした。金城さんは「えー、すごく魅力的な音だったのにもったいない」と言う。それもわかる。「自分で使うのはイヤだけど、誰かが持っていて時々きかせてもらうののは最高だ」彼はもったいないって言ったすぐ後にこう続けた。僕も同じ気持です。僕はSDサウンド製のOTLアンプの方が心安らかに長時間音楽を楽しめる。 2001.5.31 

フッターマンOTL4を使って良かったと思う事は沢山ある。CDからは弦をこすっているような感じが上手く出せずに困っていたが、アンプをフッターマンにするとそれがよく出た。これが一番だ。壊れる壊れると言われているが、僕が使っていたフッターマンは非常に安定していた。実はある部分に手が加えられている事による安定だったらしく、その結果出力は下がっていて、4ΩのKEF105に対しては7.5Wほどの出力だったようだ。その点現在貸してもらっているSDサウンドのアンプはほぼ倍の出力があるので、音量を上げても音が歪むケースは少なくなった。あと少し、せめて8Ωで50Wほどの出力があれば言うことなしだろう。SDサウンド製40KG6のモノラル機(合計16本使用)、又は3パラ機(12本使用)が待ち遠しい。

SDサウンドのOTLモノラルパワーアンプがやってきた。拍子抜けするぐらいスムーズな音で、昔のGOLDMUNDで言えばmm6や8とmm9の関係とでも言おうか、オーケストラの低音部などは力を入れずともスッと出るという、余裕のある鳴り方で、大編成のソフトも楽しめるようになった。これまでの、歪まないまでも、必死で目一杯だった感じがなくなり、不安なく音楽が楽しめる。その点でフッターマンOTL4は、良くも悪くも歪みのかたまりのような、きわどい音だった。まあ、KEF105は4Ωだからしょうがないけどね

これは40KG6を方チャン8本合計16本使ったタイプだが、秋には6×2の12本使ったステレオ機と、片チャン12本、計24本使ったモノラル機が出来るようだ。このモノラル機は軽く出力100Wを越えるので、どんな音が出るのか楽しみだ

そしてデザインの変更もありそうだ

☆クライオZYXをよく鳴らそうとして、色々やっている。

KENWOOD KP9010のアームとは相性がイマイチだなあと思っていた時にSTAXのUA−7できいてみたら、すごく良かったので「懐かしい、かつて流行した時には試す事も出来なかった、軽量タイプのアームできいてみよう」と思い始めた。それで、マグネパンのユニトラック、オーディオテクニカのAT1010&1100を試してみた。何しろスケルトンタイプZYXは自重2.9gなのだ

20年前にやりたくても出来なかったことを、今やっている。鬱憤をはらすというわけでもなくて、とにかく現在のシステムでどんな音になるのかを知りたい。それだけの気持が走らせる

針圧計でカートリッジの自重を計ったのは僕も初めてです

オーディオテクニカのAT1010とAT1100がきたので、まず定価が安い方のAT1100からきいてみた。これは細いアームの割に太い音で驚いた。太くて甘い音だ。次にAT1010にしてみると、これはさすがに高級機で、軽い感じの音だが、しなやかで艶っぽくて気に入った。シェルでカートリッジ交換が出来るのも便利だ。オーディオテクニカの出力端子は普通のアームと少し形状が違っていて、フォノケーブルの端子が長い物でないと合わなかったので、PC-OCCの物を使っている。AT1010はアームリフターの操作感が良く、LPをかけるのが楽しい。「アームリフターなんか使わない」という人には関係ないが、僕はFRのリフターが一番感覚的に合わない。FR64sはドンと降りて、ピョンと跳ねるように上がる。これに比べるとマグネパンとテクニカは、もっと情緒がある。AT1010のリフターはよく工夫されていて、リフターレバーのスピードとは無関係にゆっくり降り、ゆっくり上がる。

クライオZYXはさらに改良版が届き、先週まで一番良かった物が二番手になってしまった。そこで二番手をSTUDIETTOに装着し、一番良いのをAT1010につけてきく事にした。AT1010+クライオZYXは軽快に、かつ、深い演奏をする。そこで、僕は同じLPをAT1010とSTUDIETTOできき比べてみる事にした。カートリッジは殆ど同じ、フォノイコはAlephOno、違うのはアームとターンテーブルとケーブルだけ。LPはドミトリ・シトコヴェツキ+ジェラール・コセ+ミシャマイスキーによる「ゴルトベルク変奏曲」(弦楽三重奏版)でききくらべた。

結果はどうだったか? AT1010できくのがイヤになるほどの違いがあった。    2001.6.7

この半年間パワーアンプを沢山きいたが、一番好ましいのはOTLだった。どういうことかとまとめると下の図のようになる。

CD
STUDIETTO+銀線ZYX STUDIETTO+クライオZYX

SACD

GOLDMUND mm8

少々堅め

丁度良い
この時はまだ存在してない

ちょっと堅め

フッターマンOTL4

アナログ的に変化、良い

柔らかすぎ

同上

良い感じ

SDサウンド 2パラ

フッターマンの良さ+余裕

やはり柔らかい

良い感じ

良い感じ
SDサウンド 4パラ(モノラル機)

ステレオ機よりもっと余裕

 試してない

上よりさらに強力

さらに強力
マーク・レビンソン NO.29L

メリハリ強く筋肉質

試してない

弦楽器がゴキゴキしてダメ

堅めで良い

川崎一彦さんのインプレッションからの抜粋:アナログの音は実に多彩。まず、ベンツマイクロ、ケンウッド、リンのラインの確実、ハイスピードかつ豪快な方向の音と、ZYIX、ゴールドムンド、パスのラインの優美、繊細かつオープンな方向の音の2系統を楽しみました。

フッターマン以降のSTUDIETTO+銀線ZYXはちょっとメリハリが無かったのが不満だった。それはSDサウンドでも同じ傾向だったが、クライオZYXになり、この問題は解決した。それとは別に、KENWOODのKP9010のアームに不満を感じ始めたので、ガラード+FRやSTAXやマグネパンなどあれこれアームを試した結果、AT1010のたどりついた。KENWOOD+クライオZYXの組み合わせではAT1010が一番結果が良かったというわけだ。AT1010はBENTZMICRO L0.4とも、Ortofon MC30superとも相性は良く、しなやかで反応が速く、微妙な音の変化もよく出すのですごく良い。

 リングワンダルング
人間はA地点からB地点に移動しようとする際、目印(目標ではなく目印)がないと、あらぬ方向へ行ってしまうらしい。雪山や砂漠で、天候が悪くて星や太陽や建物などの目標物がなく歩くと、体の傾きなどにより、ぐるっと一回りして元の場所に戻ってきたりする。これをリングワンダルング(環状彷徨)と呼ぶ。

STUDIETTOという安定した場所から、更なる魅力を求めて出発した僕は「FRも良いが音が沈む」「マグネパンも魅力的だが、ちょっと解像度が高すぎて、スタンダードさに欠ける」などと思いながら、グルッと回ってAT1010にたどり着いた。AT1010は瑞々しい音で非常に好ましかったが、気がつくとこれはSTUDIETTOともよく似たバランスだった。知らず知らずのうちに好みの方向に戻ってきていたらしい。しかし、残念ながらこの行為は螺旋階段を上って上昇したのではなく、下って到着した場所だったようだ。同一のLPをきき比べると、明らかな差(好みではなくて)がある。簡単に言うと、音楽性の違いを示され、僕は愕然とした。STUDIETTOとAT1010は似て非なる物であるがゆえ、その差に驚かされた。

考えてみれば、KP9010は、本来300円で買ったLPを気軽に楽しむためだった。そこへあれこれ期待をして、もっともっとと欲を出すのがいけないのだろう。KP9010+いっぱい持ってる中級MCカートリッジ+LINTOあたりで普通にLPをきく分には何も不満はなかった。普通にしか出来ない子を、無理矢理学習塾に通わせる親のような行為だった。だが、しかし、どうしたものか。今後はしばらくAT1010とマグネパンを使う事になりそうである。 2001.6.10

そこへやってきたのがこれ、パスラボのX1だ。試聴の結果は大変良かった。失うものは何もなく、SDサウンドのモノラルパワーアンプによる重心の下がった音も、中高域もみんなコントロールして良い面を出してくる。これには参った。こうなると買うしかないって感じで、僕はまたまたMacを買い替えられない。音の静かなG4 CUBEが欲しいのだが、当分ダメそうだ。何とかプリアンプ買い替えの差額を捻出してしまうと、コンピュータの買い替えにはまわらない。今使っているPowerMac7600+G3カードは、もう満5年を過ぎそろそろHDもやばそうだし、せいぜいバックアップでもとりながら使おう。

このコントロール部は使い勝手が今一つだが、音は良い。スタジオに遊びに来て勝手にあれこれきいてる皆さんは「山本さんCDきくにはどうするの?」なんて言うだろう。ボリュームはX2より細かくコントロールが出来るし、リモコンが使えるのは便利だ

この上のX0もきいてみたいが、筺体3つはどうにも置きようがない。その上XOnoなんて買ったら、同じ筺体が5つになるわけで、そういうのは御免だにゃー

☆「オーディオベーシック第19号」は6/29発売です。ステレオサウンドを読み終わったら、こちらも読んでみて下さい。アナログ特集らしいのですが、アナログ狂いの僕はまったくノータッチです。僕は前号同様、訪問記事でダイナミックオーディオの厚木さんのお宅に行き、カラーになったマルチフォーカス・チューニング。それと僕の企画で「椅子の特集」をやらせてもらった。オーディオ雑誌で椅子を扱ったのは見たことがないから、かなり画期的な企画のつもりです。

KP9010は結局こんな風になっている。アームは4本あるが、今はフォノイコが1台しかない。AT1010は重量級のカートリッジでなければ、シェルで交換してきける。だが、このところZYXを除くと、BENTZMICRO L0.4とOrtofon MC30super以外くらいしか、きく気がしなくなった
最近楽しんでいるソフト:ゴルドベルク変奏曲
 オーケストラバージョンとジャズバージョンが交互に入っていてなかな か楽しめる。僕のところにもまとめて何枚か買ってありますが、
 問い合わせは(株)マーキュリー 03(5276)5959まで
 今度スタジオで写真展をやるときにはBGMにつかおうっと

パワーアンプがモノラルの強力タイプだと、部屋の空気の動き方というか、押し寄せる波が大きいので、ひどく疲れる音がでたりもする。もちろん、良いときは「何だこりゃ?、こんなの今まできいたことない」と思うぐらい良いので、これが6パラだったら一体どんな音かと思ってしまう。真空管24本のOTLともなると「モンスターアンプ」の仲間と言えそうだし、それはそれで体験してみたい。富田さんがチェロのパフォーマンスを入れたときに半年ほど苦労していた(=楽しめた)のを思い出す。あの時は他人事だったが、今の僕は、ややそれに近い体験をしている。置き方や挟む物ではもう限界みたいなので、今は試みにスピーカーケーブルを3本にしてみている。これはけっこう良さそうだ。際どいバランスになると、ケーブルはもちろん電源の取り方一つでも音が変化するので、しばらく色々試してみるしかない。プリアンプをパスラボのX1にしただけで、問題が解決するほど甘くはない。 2001.6.15

ステレオサウンド誌の「レコード演奏家訪問」について、色々な考えやとらえ方があるのは当然で、「頼まれても出たくない」人もいるし、「大変な名誉で、もし出られたらオーディオマニア冥利に尽きる」という人もいるだろう。自分から「載せて載せて」と売り込めるわけでもなし、僕の場合は「こんなもんで良いのなら、どうぞお越し下さい」という感じだった。良かったのは、オーディオ関係の仕事がホンの少しやりやすくなった事、それから、菅野沖彦氏がどんな感じの人なのかがわかったことかな。誰がどうオーディオで儲けようが、外車に乗ろうが、それはその人の才覚で僕には関係がない。直接迷惑を被ったり損をさせられた事などないから、むしろ、長い間楽しませてくれた事や、自分の知らない世界を教えてくれた事を感謝すべきだと思う。菅野沖彦氏とはデジカメの話も沢山したが、すごく好奇心が旺盛で、オーディオも写真もMacの事も詳しいから話が早い。似たような話をしても面白くも何ともない30代40代の人は沢山いる。失礼ながら、「あの年齢で、あの感覚は見習いたい」と思った。取材は2月だったが、たった4カ月で僕の音はかなり変化した、仮に今月取材されたとしても、あと半年もすればまた変わるから「レコード演奏家」として訪問取材されるのは「ゴールではなく、通過点」となる。そして二回目の訪問は無いのかも知れない。権威のあるなしは置いて、「僕のHPでの友人宅紹介」が「レコード演奏家訪問」と決定的に異なる事が一つある。あちらは点で、こちらは線だという事だ。柳澤さんも岡崎さんも僕も、富田さんも磯部さんもみんな、僕としては点のつながりによる線や関係を描いている。そして、その線は厚木さんのお宅のようにWebと雑誌にまたがっていたりもする。 2001.6.16

とにかく、あまりに疲れたのでしばらくは心が安まる方向をさがしたい。珍しくハードな撮影が週に3回ぐらいづつ入っているし、パワーアンプが来たと思ったらプリも来るわ、クライオZYXの最終バージョンも届くわで、酒池肉林快楽地獄でヘトヘトだ。音も、良くなってるところと、気になるところがごちゃ混ぜ状態なので、ひとまずパワーアンプを元の2パラステレオ機に戻してみた。こうすると、パスラボのX1の音が浮かび上がるはずだ。すると、ちょっと音が硬めだったので、昨夜からプリの電源ケーブルをMITのZコードIIにしてきいてみている。

X1の良さは解像度の高さ、音の深みと濃さといった面だろうか。X2より陰影がつくし、下手をすると音楽性を損なう危険性もはらんでいる。こういう場合は、行きすぎないように注意しながら進むしかない。思った通り、パスラボの能力は高い、最上級のX0はきいていないが、X2(定価38万)とX1(定価65万)をきく限り、「普通この音はこの値段では出ないよな」と思うし、(株)エレクトリの値づけはまともだ。しかし、まったくホントに使いにい。やって来て1週間を越えたが、まだ操作を間違える。リモコンはさらに使い難く、オペラグラスが欲しくなる。大好きなオペラのCDをききながら、オペラグラスを使って音量調節をしたら、本番をききに行ってる気分になるかな。それにしても、僕がききたいオペラは日本で上演されない。「C・クライバーのばらの騎士」は一回体験したから良いとして、「セビリアの理髪師」を良いキャストで上演してくれたら行きたい。来月は井出よし江さんが東京文化会館の小ホールで、ベートーヴェンのOP:110を弾くそうだから、それは久しぶりに是非ききたいと思っている。おっと、プリアンプの事を書いていたのに音楽のことになってしまった。

プリの電源ケーブルをMITのZコードIIにしてきいてみると、あの耳につく僕を疲れさせる高音が少しおさまり、そしてさらに立体的な音になった。そこで、パワーアンプをもう一度SDサウンドのモノラル機に戻してみた。すると、ステレオ機同様、強すぎる感じは少し改善されているようだ。これは、写真のピントをいったん合わせてそこからちょっと戻って、また合わせて、さらに行きすぎてボケて、戻して合わせるような行為に近い。それで今日は、久しぶりにカーディガンズの「First Band On The Moon」をきいたが、すごく立派というかオーディオ的カーディガンズになっていた。

例えば有名メーカーのアンプを買った人が、メーカーに対して「音のある部分が気に入らないから直してくれないか」とは言えない。そこで、普通は置き方やケーブルなどの使いこなしで解決する事になる。だが、手作りアンプの場合「ここが気になるから、もう少しこうして欲しい」という事も可能になる。僕にはどちらが良いのかわからない。安易にアンプの音を変えてもらうより、少々きつめの音をセッティングで何とかきける範囲にしたり、ダルダル、ドバドバの低音をバシッと締まるようにしむけて使う事が出来るなら、その方が結果は良さそうだ。ただ、今僕がSDサウンド製モノラルパワーアンプに感じている音のきつさは、他の人はあまり感じないらしく、何人もの人に「ここんところの音きいて、頭疲れない?」ときいてみるが、「全然疲れない」という答えが返ってきたりして不思議に思う。耳の構造やカタチ、耳と脳と体の感じ方は個人差が大きいらしい。

リバティで中古LPを買った。一枚平均380円だから5枚買っても2000円ぐらいだった。先日ネットオークションで1800円+振り込み手数料+送料で手に入れたLPを580円で発見!!がっぴょん(・o・)... 二枚あっても困るけどくやしいから買ってやった。今度誰かにプレゼントしよう、アーリン・オジェー(sp)がベルリンフィルのチェロ奏者たちをバックにヴィラ・ロボスの「ブラジル風バッハ」を歌っているLPだ。

そして、CEC TL-2の電源ケーブルをSAラボ製にしてみると、あの耳につく高域がおさまってきた。やれやれ。今日はこれから撮影なので、夜はプリに使っているMITのZコードIIとSAラボを入れ替えてみよう。そして良い方を選択するとしよう。正直、非常に微妙なのでよくわからない。昨日、出来上がったばかりのオーディオベーシック誌を持ってきてくれた金城さんは「ちょっと高域がうるさいのはうちと同じ傾向だ」と言っていた。しかし、「全然気にならない」と言う人も沢山いる。多分、耳の特性で、このあたりは個人差が激しい。

オーディオベーシックは明日から店頭に並ぶ。この一年間で、とてもまともなオーディオ雑誌になったと思う。最低一年間このレベルをキープ出来れば、読者にも認識してもらえるだろう。シカゴの川崎さんも2ページ執筆していて、なかなか良い感じのページになっている。面倒かもしれませんが、読者ハガキに感想を書いて出して下さい。よろしくね。

僕が音楽をきいている空間というのはトップページから「スタジオK'sご案内」を見ていただければわかる通り、変形ではあるが横幅最大5m×縦8mで、KEFのバッフルの位置は壁から2m以上離れている。SDサウンドのモノラル機の強力さを具体的に説明しよう。僕はこのHPの原稿をスピーカーから5m以上離れた場所にあるMacで書いている。右利きだからマウスは右手で扱うので、マウスはスピーカーから最も離れた壁際で動かしているのだが、最近ちょっと大きな音で音楽をかけると机の板を伝わってマウスが振動する事がある。スピーカに対して横を向いて、ほどんど左耳で音楽をきいているのだが、最近は右側の壁からの反射音がよくきこえるようになった。こんな事は初体験だ。GOLDMUNDのmm9でもこんな事はなかった。とにかくスピーカーから発せられた空気の波紋が非常に強力になっていて、収拾がつかなくなる場合があるので何か対策を考えなければならないかも。

     よしよし、これで楽しめるぞ

昨夜、ハッセルブラッドを持って富田さんが遊びにきた。彼は僕のところにあった「オーディオベーシック」を読みながら音をきいていた

SDサウンドのモノラルパワーアンプとパスラボのX1になってから、良くなってる部分も沢山あるが、全体的には何かが違っていて、ここには書ききれないくらいさまざまな調整を行ってきていた。マグネット式フローティングボードを試したりは、その最後のつめだった

ちょっと前にラックをTAOCの3段の物に替えたのだが、ここにはDACか、三台になりそうなフォノイコを入れようかと考えていた。昨夜、富田さんが、「山本さん、トランスポートとDACを同じ場所に置くのは良くないよ」と言った。僕も「確かにその通りだから、試しに下に置いてみよう、トランスポートもラック中央に置けるしね」と同意して、左の写真のようにした。横向きで黒いのはDACの強化電だ。PerpetualTechnologiesのDDとDACは小さい割に背が高いので置く場所には困るし、あれこれつながっているので、動かすのが面倒だったのだ

だが、これは驚くほどの良い結果で一気に突き抜けた。まさにジグソーパズルの最後の一片を探し当てたかのような変化が起き、このところずっと不満に思っていた事が一挙に解決した

音が軽やかになり、ずっと感じていた重苦しさが一掃され、透明感としなやかさも向上した。以前の中高域に低域の力強さが加わり、無条件で音楽を楽しめるようになった。僕がオーディオベーシック誌でやっている「マルチフォーカスチューニング」はここでも行われているわけで、やはり一人だけでやってるのは良くないと思う    2001.6.29

この人はSAラボ&AETの小原薫さん

少し電源まわりを強化すると良いですよ、というアドバイスをくれた

この日一番驚いたのは、彼が作ったAETのデジタルケーブル「オルフェウス」(RCA)でCECのトランスポートTL-2とPerpetualTechnologeisのDDコンバーターP-1Aを接続すると、ちゃんとロックした事だった。まるでロックしなくて、アメリカへ送り返したりしていたのに、このケーブルだと問題なく使えるのは何故だ? よくわからない

その事を言うと彼は「うちのケーブルは75Ωでキッチリ作ってますから」と当然という顔で答えた

それで今はAETのオルフェウスを貸してもらってきいてみている

あれこれやって、やっと音はまとまりつつある。一日きいていても疲れなくなった。音が強力になったので、スピーカーの幅も20cm近く広げたが、音が薄まる事はなく、かえって濃密になった。「山本さんはもう150%、いや200%と言っても良いぐらいKEF105の能力を引き出していて、もう限界だから、そろそろ他のもっと手強いスピーカーに替えたらどうか」とダイナの厚木さんが言う。「でも、他に使いたいスピーカーもないし、お金もないし、第一僕は(厚木さんがJBLを好きなように)イギリス製スピーカーの音を気に入ってるから、やっぱり当分買い替える気はない」と思っている。 2001.7.2

☆オーディオベーシック第19号は以前より反響が大きい。この楽しくてたまらないオーディオという趣味を、もっと多くの人と共有したい。

結局クライオZYXはSTUDIETTOに装着してきくとして、KP9010はオリジナルのアームとマグネパンを使う事にした。9010のアームはオートリフトアップだし、やや重めのシェルに付けたカートリッジも使えて便利だから復活した。そして、マグネパンは独特の表現で捨て難い。そんなわけで、MICROのMA505sとAT1010はお休みという事になった。この二本のアームにも良い面は沢山ある、MA505sは穏やかで甘い音だから、MC30superやLINNの古いカートリッジとはとても相性が良かった、その反面BENTZMICROやZYX、ライラのような現代的カートリッジだとシャープな面がスポイルされる。軽量カートリッジならAT1010は抜群の軽やかさとしなやかさを発揮する。全部きけるようにも出来るが、体は一つなのでどれかはホコリをかぶる事になる。それならという事で残したのが上記の3本だ。STUDIETTOとマグネパンは独特の世界を表現するし、KENWOODのアームは普通さと便利さが良い。そろそろ金城宅に貸出中のLINTOも戻ってくるし、フォノイコが二台あると、アナログもあれこれきける。

先日、楢大樹さんと電話で話をして「接ぎ木論論争って結局何なの?」「例えばSPはどうなの?」と聞いたら、「SPはダイレクトカットだから、SP盤で再生するのは当然だが、いったんテープに録音してあれこれ音をいじくってるのに、LPだけが正しい音作りって事もないでしょう」と言っていた。そして「LPにはLPくささがあって、デジタルにはデジタルくささがあるわけで、LPが好きな人は"クサヤの干物"が大好きだって言ってるようなもの」だそうだ。となると僕はかなりクサヤの干物を好んでいるタイプらしい。と言うか、僕にとってLPから感じているのは「同じにおいでも、臭いではなく匂い」だし、香りなのだろう。

山本耕司様

HPのオーディオのページ拝見いたしました。「LPにはLP臭さがあって、デジタルにはデジタル臭さがある・・・・」
というくだりは、ちょっと誤解を招く表現なので出来れば訂正していただけると嬉しいです。
私が言ったのは
「LPにはLP臭さがあって、CDにはCD臭さがある・・・・・」でアナログ=LP CD=デジタルというオーディオ・ジャーナリスムの良く使う詭弁の図式は、とても嫌いなのです。

LPが「くさや」ならCDは「バターやチーズ」なのでしょうか(笑)

プリアンプは替えたばかり、パワーアンプも真空管OTLで決まりだし、dCSの導入は考えていないので、CDは当分CEC+PerpetualTechnologeisだ。去年の今頃に比べたらCDの音はかなり向上していると思う。それはP-1A+P-3A+強化電源P-3のおかげで、僕はこれらを25万ぐらいで手に入れたが、これはかなり安く、満足度は極めて高い。KEF105にも大きな不満はなく、機器は当分この路線なので、これからは少し部屋の響きを整えてみようかと思っている。

☆シカゴの川崎さんは新しいアナログプレーヤーを手に入れらたらしい

「昨日、生産された12台中の一台というImmediaのRPM Revolutionが届きました。言葉がありません」

というメールがきて、今はさらに良くなっているらしい、なかなかすごそうだ。でも、カートリッジとフォノイコの事はまだきいていない。何できいているのかなあ? しばらく楽しんでもらって、9月に森内さんがシカゴに移った頃を見計らってZYXクライオを送るってのはどうだろう、我ながら極悪人だ。あ、別にシカゴだから特別に送るわけではなくて、きいてみたい人には貸してあげます。でも、ZYXクライオは僕の物じゃないので、一応面識のある人って事にしようかと思う。面識のない人は何らかの方法で面識を作って下さればオーケーです。

あー、山本さんばらしちゃいましたね。

いいんです。山本さんに書いて頂くのが一番嬉しいです。そしたら「生産された12台
の”最後の”一台」と書いてください。本当に運が良かったんです。Immedia
はRPM2はディスコンでRPM1のみとかいう話なので確認してくれと頼んでいた
ら、興奮したブライアンが「Revolutionが一台だけある」と言うんです。
もう耳に残っていたRPM2の音を頼りに、えいや、で買ってしまったんです。最高
の決断だったと思います。

フォノイコはケイダンスが後1ヶ月くらいしたら来ると思います。カートまで手が回
らず、ダイナベクターXX−1のままです。

川崎さんの新しいLPサウンドへの感想を、川崎さんのページにアップしました。「架空セカンドオーディオ」のページからみて下さい。

最近またCECのTL-2が不調だ。外周で音が飛ぶ。以前からこの傾向はあったが、最近とみに激しくなった。CECのトランスポートの事について、多分、自宅でちゃんと使った事のない人たちがあれこれ書いているのを見かけるが、そんなに「滅茶苦茶まったりとろりぼけぼけ」の音ではないと思う。特にTL-2はそうだ。もちろん硬質でない事は確かだが、まあ、KEF105 3sにしても僕のところでは、けっこう激しい音も出ているから、それと同じかも知れない。CECのTL-2には不満がなく、ずっと使っていたいのだが、また調整に出すのはちょっと面倒だなと思っている。

それにしても暑い。まだ7月の半ばだというのにこの暑さは何だ。この暑さは1994年並みだ。暑いと音楽なんてきく気がしなくなる。SDサウンドのパワーアンプは本当に発熱が少ないが、それでもこう暑いとちょっと辛い。SISの大野さんにはステラのPW-1をきいてみない? と勧められたが、僕は「クォードの606なら買えるかもね」と答えた。

 2001.7.14 磯部サウンド体験ツアー 宿題は音楽鑑賞感想文 提出期限一週間

   山本が歩くとRUBY2をGET

「RUBY2を購入したものの音が気に入らず、処分する」という人がいて、僕はとても安い価格で(使用一回だけらしい)RUBY2を手に入れた。その場で持ち帰り、さて、どのアームできいてみようと考えた。とりあえずシェルにつけて、KP9010でL0.4やZYXとききくらべてみよう

こうなると、RUBY2 L0.4 ZYX銀線 ZYXクライオ この四つが手許にあるわけで、もしここにLYRAが加われば、現代的なカートリッジが全部きけることになる。MC30superやMC20II、SAECのC1などもあるし、今ならどこかの雑誌で「超高級カートリッジ徹底試聴」みたいな企画をやらせてくれれば、かなり突っ込んだ内容の誌面が展開出来る

☆ 川崎さんから「ライラ、ベンツマイクロ等も扱うクインテッセンスの面々が世界最高の折り紙をつけるのはダイナベクターのXV−1のようです」というメールがきた。よし、次はダイナベクターだな


以前、BENTZMICRO RUBY2をきいた時とは色々な条件が異なるので、一概には言えないのだが、LPを数枚きいてみると「やはりRUBY2もただ者ではない」と思う。ところが、このところずっとZYXクライオを使っていたので、以前BENTZMICRO L0.4とRUBY2をきき比べた時のような「さすがにRUBY2は全然違う、こりゃたまらん」という感動はない。もちろん音は違うが、これはクオリティの差ではない。ただ、RUBY2はまだほどんど使っていない状態だから、しばらく使い込む事によってもう少し音の出方がスムーズになりそうだし、ZYXの方もまだ完成ではなく改良中で、来週あたりまたまた改良版が届くらしい。

RUBY2をきいていると、こちらにはこちらの良さがあり「ZYXクライオはどんな音だったかな」なんて思って時々ZYXクライオにしてみる。BENTZMICROとZYX、僕はどちらの味方でもない。すごく良いカートリッジなのに日本でのZYXはまるで無名だから、そういう面でZYXを応援しているが、それはSDサウンドのOTLアンプやSONYのSCD1も同じで、僕はこれらの機器を貸してもらっている。もちろん音が気に入らなければ貸りない。僕のスタジオで使っていれば、色々な人にこれらの機器の音を体験してもらえるのは事実だ。仮に、僕のところできいて気に入って、あるいはStudioK'sHPを見てこれらの機器を買った人がいても、僕に金が入るなんてことはない。

☆最近、オーディオの事が少しだけ面倒になった。現実が思い描いた通りに進まないのは今に始まった事ではないが、それをどう受け止めるかは自分自身の状態による。他の趣味ややりたい事もいっぱいあるから、しばらくの間オーディオは低空飛行かも知れない。

☆井出よし江さんのリサイタルをきいてきた。ベートーヴェンのOP:110、そしてシューマンの幻想曲もすごく良かった。僕は井出さんの演奏そのもの、そして音楽への取り組みから多くの事を学んできた。今夜もそうで、僕は彼女の演奏をきくといつも「真摯な気持」を取り戻す。固定のファンは絶対ききに来るから、1年半前のリサイタルをききに来た人と久しぶりに会った。  2001.7.21

磯部サウンドの感想文が全部出た。皆さんの感動が素直に伝わってくる。結局のところ、音はきいてみなければわからない。色々な種類の良い音を、色々な人に体験してもらう事は出来ないものだろうかと考えている。楽しいオーディオの裾野を広げ、マニアをさらなる高みへと誘うには、素晴らしい音をきかせてもらうに限る。僕がオーディオ評論を生業にしている人たちに対し、何となくモヤモヤしたものを感じるのは、音楽とオーディオのページにも書いてる通り=彼らが一般のオーディオファンに自らの音を公開していない点にある。20年前と現在では状況が異なり、僕たちは高価な機器を使用している事で憧れたり尊敬はしなくなっている。演奏家は演奏会を開いて、僕に真摯な気持のあり方を提示してくれたりするものだ、いや、もっと現実的な刺激でよい、僕は磯部さんのお宅で「金を稼げば、StudioK'sの床を補強できるのだろうか」なんて思っていた。

暑い、暑い、暑い。音楽をききたくなくなる程暑い。でも、僕は毎日RUBY2できいている。明日の午後は広木さんがZYXの改良版を持って来るそうなので、きき比べよう。夜は遠い所から初めての人が来るらしい。どのような価値観や経験を持っているのかわからない人に音をきいてもらうのは大変不安だ。この感じはこういうことを繰り返している人にしかわからない。  2001.7.25

午後、広木さんがZYXクライオを二個持ってきてくれた。一個はSTUDIETTOに付けるため、もう一個はシェルにつけてKENWOODでRUBY2その他と比較をするため、そして、試聴したい人に貸してあげるためだ。今回の改良版はすごく良くて、これには参った。こうなると今までの物には絶対に戻れない。言葉で説明するのが虚しくなるぐらい良い。色々な試みや、惜しみない努力を重ねた結果、世界で最も高いレベルに追いついたり、結果的に追い越せたりしたら、すごい快感だ。   2001.7.26

僕は低空飛行中なのに、まわりはそれを許さず、今夜は突然Tさんが電話をかけてきた。カートリッジの比較なんかもして欲しかったので、つい「ちょっとききに来てよ」と口走りあれこれきいていると、そこへ悪人代表のOさんから電話がかかり、ケーブル製作のO君と共にデジタルケーブルをあれこれ持って来た。そんなわけで、急遽カートリッジ比較試聴会&デジタルケーブル試聴会となってしまった。イヤだなあもう。オーディオは低空飛行で僕の頭の中は、そろそろ買い替えたくなっているMacの事でうまっているっていうのに、、、、。でも、久しぶりに涼しいので、音楽をきく気になった。  2001.7.29

まあ、そんなわけで今日は「Audio Equipment Technologie」の新しいデジタルケーブル(UltimateReference 予価12万円とか)を試している。このケーブルは二本預かって、一本をCEC-DD間に使っている。もう一本はDD-DAC間に使うために持ってきてくれたのだが、ここは別のケーブルでつないでいる。ここも替えてしまうと「AET」一本の真価が明らかにならない。そして一週間ほどガンガン鳴らしてから二本のケーブルの音質を比べてみてエージングの効果を確かめようという試みだ。このケーブルはおろしたばかりで、まだ少々音が硬いが、情報量の多さに可能性を感じる。おかげで昨夜から僕のCDサウンドは確実に新しい展開が始まった。デジタルケーブルによる音の変化は確かにあるが、トーンアームやカートリッジみたいに大きな違いは出ない。岡崎さんによると、音は一週間のエージングでかなり変化するそうなので、当分LPをお休みしてCDをかけまくる事にした。楽しみな低空飛行だ。   2001.7.29

昨夜から、CDの音は妙にリアルになった。CECのTL-2とP-1AはAETのデジタルケーブル(UltimateReferenceというのは未発表のクライオ版)、そしてP-1AとP-3Aは付属のI2Sではなく一組だけ残しておいたISODAケーブル(普通のピンケーブルです)という接続だ。これが今のところ一番良い。これは驚くべき変化で、今まで自分のCDからこんな音をきけた事はなかった。PerpetualTechnologiesのDACその他を導入してそろそろ一年になるが、このセットにはまだこんな能力が隠されていたのかと驚く。このところ、次号オーディオベーシック誌の原稿書きでMacに向かっているのだが、すぐに行き詰まってCDの音に気を取られる。それほど主張する音に変化した。弦楽器が「妙にそそる音」になったし、高さ方向や左右の広がりもすごい。新しいMacと液晶ディスプレーを手に入れて、スピーカーの方を向いて原稿を書けるようになったら僕はどうなるのだろう。自分のオーディオやオーディオ界への気持はかなり冷めているのだが、それと無関係に音は育ち、歩んでいる。  2001.7.31

先日岡崎さんと電話で「ケーブルは最高に高くても買値で10万までが理想だ」という話をした。いくら良くても、何十万もするケーブルを複数組揃えるのはまともじゃない。出来れば2〜3万円で済ませたいし、ちょっと頑張って5〜6万円、最高に奮発して10万円ってところが限度だ。そういう範囲内で色んな音がきこえて、実在感があって、空間表現に優れたケーブルを見つけられらたと思う。

☆売れ行き不振のため製造中止になった「Power Mac G4 CUBE」と、最近出たAppleのStudio Displey(液晶17インチTFTでCRT21インチ相当)を買った。CUBEには512MBのメモリを二枚差したのでメモリ合計は1Gを越える。G4 CUBEはほとんど無音なので、音楽をききながらの使用には最高だ。それから、DVDドライブのモデルなので、DVDソフトも楽しめるし、地図ソフトは全国版でもDVD一枚で済む。こんなに快適になったんだからさっさと原稿も書かなくちゃね。

今夜は金城さんとソニーの佐藤さん宅へ行った。感想記は佐藤さんのページを見て下さい。以前とはまったく異なる、すごく魅力的な音に変身していた事に驚くと共に、僕にとっては当たり前で普通と感じている自分の音が、もはや普通とは呼べない領域に入りかけているのではないか? という事を実感させられた。つまり、「どうだ、KEF105でもここまでいけるぜ」みたいな音になってしまったと反省し始めている。 2001.8.2

AETのケーブルを借りて一本はしばらく使い(50時間以上)一本はまったく使わず、きき比べてみた。しばらく使った方が明らかに滑らかでスムーズな音の出方をするので、やはりエージングの効果はある。

このところどんどん突き進む路線だったし、1よりは2、2よりは3の方が良いという方向性でもあった。でも、この夏から少しシンプルな方向へ軌道修正をしようかと思い始めている。とにかく物があふれるのは良くない。

昨日スタジオを全面使う撮影があり、スピーカーを片づけた。コルビュジェの寝椅子も片づけてみると、大変広くて気分がいい。それで今日はまだスピーカーをそのままにしてある。つまりもうまる二日ほど音楽をきいていない。まあ、あと一日ぐらいこのままにしてから戻そう。借りている機器は出来る限り返却しよう。不要品はみんな処分しよう。TAOCのラック(二段の物)、SONYのDAT、オーディオテクニカのアームAT1010、BENTZMICRO RUBY2、あたりが候補になっている。きかないLPも処分しよう。

7/26日の夜遠方からききに来た人から、昨日以下のような感想が届い