拝啓、山本様、初めまして。大変興味深くWeb拝見しております

1. MAIN SYSTEM:

1-1. SPEAKERS:
SEQUERRA NFM-PRO + MODEL 10ミ8

1-2. SPEAKER INTERFACE:
SAE MODEL4200 + FULTON MODEL #BROWN SPEAKER CABLE

1-3. MAIN AMPLIFIER:
MARK LEVINSON MLミ2 (E-I CORE TRANSFORMER + MOTOROLA POWER TRANSISTORS)

1-4. FRONT END:
M. A. COTTER PSC2×3台(PHONO EQUALIZER)
M. A. COTTER NFB2×4台 (NOISE FILTER/BUFFER AMPLIFIER)
M. A. COTTER CM2 (CONTROL MODULE)

1-5. VINYL DISC PLAYER:
REVOX B791 + EMPIRE 1000ZE/X + M. A. COTTER B2 TURNTABLE BASE

1-6. COMPACT DISC PLAYER 1:
APPLE POWER CD

1-7. COMPACT DISC PLAYER 2:
RADIOSHACK OPTIMUS CD3400 + SEQUERRA POWER STATION 1
+ ADCOM GDA600

1-8. SIGNAL PROCESSORS:
BURWEN DNF1201, DYNAMIC NOISE FILTER
KLH TNE7000A, TRANSIENT NOIZE ELIMINATOR
SAE MODEL4100, AMBIENT CONTROLLER
SAE MODEL1800, PARAMETRIC EQUOLIZER
1-9. INTERCONNECTION CABLE:
M. A. COTTER TRIAXIAL CABLE

2. HEAD PHONES SYSTEM:

2-1. HEADPHONES
GRADO HP1000, JECKLIN ELECTROSTATIC, GRADO SR60, YAMAHA YH5M

2-2. HEADPHONE AMPLIFIER
GRADO HPA-2, MICROMEGA MICROAMP

ところで、この中でいくつご存知の機材がありますか?ほとんど全ての機材は、既に1980年代に製造を終了したものです。しかしその性能は現在でも第1級のものです。

3. セカンドシステム

セカンドシステムなんて贅沢な物は本来考えていませんでしたが、将来の実験のために、計画を立てて機材を集めてはおります。実験の目的は、秘密。蒐集済みの機材は次の通り:

3-1. INTEGRATED AMPLIFIER
JAMES B. LANSING SOUND INC. SA600

3-2. VINYL DISC PLAYER
EMPIRE MODEL598II + EMPIRE MODEL999VE/X + GRADO MC CARTRIDGE

今後は中型のブックシェルフスピーカーを探すことと、FMチューナーをどうするか決断すること、COMPACT DISC PLAYERを選ぶことが必要です。

ブックシェルフスピーカーはJBLの1970年代の何れかか、またはTANNOY IIILZを想定しております。FMチューナーが必要であるかどうか、結論はまだ出せませんが、機会と資金があればDICK SEQUERRAのMODEL#1を手に入れてみたい。最後の問題は、この装置にDIGITAL SOURCEが馴染むかどうかであります。

ここで一言。

ステレオ装置と音楽が結ばれて40年余り。私がステレオ装置で音楽を聴きはじめて30年余り。海外へ出たり結婚して子供が出来たりと、忙しい時期をくぐり抜けて、1年前ぐらいから暖めておいたアイデアを実現するべく実験を繰り返しながら世間の様子を眺めてきました。

驚いたことに、全ての点で少なくとも30年前からオーディオを巡る環境は全然変わっておりませんでした。技術の点でも精神的な面でもおよそ進歩が感じられません。例えば最近JBLのSA600というアンプを、ほとんど新品の状態で手に入れました。稼動させてみて心底驚嘆し、また複雑な心境になりました。何故なら最新型、超高性能、超高価格という現行の製品に対して総合的に見て肉迫する音楽再現をして聴かせてくれたからです。このアンプは1966年までに設計され製造されたものであります。従って少なくとも技術的にこのあと34年間に行われた改善は、たいして進歩につながっていなかったのではないかという疑問が起きたからです。我々リスナーの直接相手となる販売店も、また輸入商社も体質は今も昔も同じです。どのように同じなのかはここでは言いますまい。購入者である愛好家の皆さんも残念ながら変わっておりませんでした。異この世界は、変化と改革から置き去りになっているのでしょうか?愛好家の皆さんが、今までの縛りに捕われることなく自由な発想で御自身の為に努力されていくことを信じたいと願います。そのためにも皆さん、ひとつ歴史と謂うものをひも解いてみて下さい。オーディオに限らず歴史は興味深く、しかも理解が重要です。

閑話休題。

およそ1年に渡る実験の結果、当初の着想が正しかったことを確認出来て実験は成功裏に終了しました。これは画期的にステレオ装置の音楽再現能力を増大させることが出来るもので、ご興味があれば、皆さんにも紹介して実験していただきたいと考えております。

この実験装置に掛ったコストは、皆さんのお持ちの装置の10分の1以下であると思います。キカイにお金を掛け過ぎてはいけません。人生にはもっと大事なものがあるはずです。そちらをケチらないように。

皆さんにコメントを

山本様、「プロのレコード演奏家」は法的に存在し得ません。だってどのCDにも著作権あるでしょ。公にそんなことしたら著作権協会の人が使用料取りにきます。カラオケと同じです。一関は喫茶店で、コーヒー代だから誰も文句を謂いに来ません。どちらにしろ私にとって「レコード演奏家」という言葉は「スーパーマニア」と同じくらい気に食わない代物です。第一うさん臭い気がしませんか?音楽を聴くという行為は、極めて厳格に個人の快楽のためにあるものです。同じ音楽を聴いていても聴取者の受ける効果は全く違います。これは音質の遥か以前の問題です。また私の装置のように、私だけのために調整したものが誰か別の人に全く同じ性能を発揮できることはありません。それほど調整ということは厳密さを要求します。不特定多数の人たちのためにベストに調整された装置というものは存在し得ないものと考えます。もし「なんとか家」と名乗るほどの人であれば、彼の機材は大変な努力のもとにその人の耳に合った調整がされたものであろうと想像します。そうであればその装置の効果は調整したひと一人についてだけベストであり、従ってそれ以外の人には再度別の調整が必要となります。彼にとってそれが不可能か、或いはそれはしたくないとすれば、その装置のベストプレイバックの聴き手は持ち主である「レコード演奏家」ただ一人となります。従って本当に「レコード演奏家」などという人がいれば、自動的に全くのマスターベーションをしている人ということになります。これがわたしの考えです。

また、以前スピーカーから1メートルの距離で聴いていたということを書いておられますが、わたしの実験装置のスピーカーから片方の耳までの実効距離は、98センチメートルです。実験の基本はいわゆるニア・フィールド・モニタリングであります。意味をわかってやっておられれば、恥じることでも問題でもありません、

高野様、音場が細長く、おそらく目線水平より少し高いところで定位している様ですが、それはポテンシャルの高いステレオ装置として当然の現象であると考えられます。何故ならわたしの装置も10年も前から同じ現象が発生しているからです。10年間でスピーカーはQUAD・ESLから現在のものに変わりましたが、ただしリスニングチェアは人間工学的、解剖学的に正しいものを探された方がよいと思います。椅子の専門家のアドバイスを受けて下さい。お店の店員の、ではいけません。また、自分の思い込みに固執するのも往々にして失敗を招きます。要は謙虚になることです。
(もう遅いかな?)


厚木様、実は永年PARAGONの性能について実地で確認したいと考えておりました。PARAGONは、ベル研究所が開発した3CHANNELシステムを意識してデザインされたものではないかと考えております。実際には製作されていませんが、おそらくPARAGONのデザインには今までに確認されている3種類に加えて、スーパーPARAGONとも呼ぶべき、より大きなものが存在したと思われます。またPARAGONの性能を最大限に聴取出来る位置は、およそ前面反射板から50cmの場所と考えております。今まで実証の機会に恵まれておりませんでしたが、宜しければ御意見、御経験をお聞かせ下さい。

最後に。

私は1年前に実験を再開するにあたって、ステレオ録音/再生(再現)技術の発明者である英国のエンジニア、BRUMLEIN氏について、その1932年の特許を中心に現在のステレオ装置の原理はどのような着想から導き出されたか、調べてみました。その結果判明したのはBRUMLEIN氏が天才であったことと、今まで我々が見落としていたいくつかの重要な基本的事項でした。それからも1959年以降ステレオ技術に関した文献を集めて歴史的な経緯も調べてみました。私の実験ではそれら基本的事項の検証をしております。実験は成功裏に終わりました。BRUMLEIN氏がわたしを成功に導いてくれたものと確信し、彼に感謝しております。今後の実験の結果次第では、彼の発明以後ここ70年近くのステレオ音響装置の進歩はなんだったのか、という疑問に対する答えを得ることができると目論んでおります。

Dr. ODRADEK

職業: コンサルタント社員
趣味: 北欧椅子の蒐集