山本様

昨晩は長時間どうもありがとうございました。

私にとって山本サウンドは、「オールマイティ」で「何を聴いても楽しめ」、そして「ずっと聴いていたい」音でした。これらの表現は、ちょっと(大分?)誤解を招くかもしれません。すなわち、オーディオで良く出て来る言葉(サウンドステージ、ダイナミックレンジ、分解能、実在感 etc. )を使っていないので、「そういうところはどうなの?」、という質問が来るかと思います。この問いに対する答えは「そういうことは、すべて満足されていて、その上で最初に書いたような音です」、となります。決して「そういうことはともかく・・・」、ではありません。世の中には、ハマったソースの再生はすばらしいがそれ以外はダメとか、オーディオの約束事はとりあえず置いといて何故かとても感動できてしまう音とか、1、2曲ならいいがずっと聴いているのはちょっとね、というのも多いと思いますが、山本サウンドは違います。そのあたりのことは軽くクリアした上で、オールマイティで何を聴いても楽しめ、そしてずっと聴いていたい音なのです。これはすごいことです。

何故こういう印象になったかと考えてみましたが、たぶん「何をきいても楽しめる」というのがポイントだと思います。昨晩は山本さんが、CD、LP(モノ)、LP(ステレオ)で様々なジャンルの曲を次々に聴かせてくださいました。聴いている時はあまり意識しませんでしたが、後で考えてみるとクラシック/ジャズ/ポップス・和/洋・新/旧、と非常に考えられた選曲であったことに気づきました。これらが、すべて楽しめたのです。こういう経験は初めてです。山本さんはHPで、「ずっと音楽を聴いている」と時々書いておられますが、その理由がわかりました。この音(音楽)
ならば、そうしたくなります。(悲しいかな、私は自分の家では、せいぜい1〜2時間です。。。) これは、山本さんが、音と音楽に対して深い愛情を持ってシステムを作り上げられて来た賜物だと実感致しました。

なかなか他の方の(しかもすばらしい)音を聴く機会の無い一オーディオ好きにとって、昨晩は非常に貴重な体験でした。山本サウンドは、私がオーディオを続けて行く上で一つの明確な目標となりました。

機会があれば、また是非さらに進化(&深化)した山本サウンドを
お聴くかせください。

 石川 正樹


山本耕司様

先日は「スタジオK'sで音楽をきく会」に参加させていただきまして、本当にありがとうございました。

山本さんの音を実際に聴かせていただける機会があろうとは思ってもおりませんでしたので、この企画をHPに書かれているのを読むやいなや、失礼と思いつつもメールしてしまいました。そのときはまだ、「どうしようかなあ」と書かれていただけだったのですが。せっかちで申し訳ありません。

スタジオで音を聴かせていただきながら、私は、こう書くと少し語弊がありますが、スピーカーというのは楽器なのだなと思っていました。もちろん、音に色づけをするとか、そういう意味ではなく。楽器を弾いて単に音を出すのは簡単です。でも、綺麗な音を綺麗に、激しい音を激しく、響くべき音を響くように弾くのは、かなり難しい。まして楽器に音楽を歌わせるのは、なかなかできることではありません。
山本さんのKEFは歌っていました。スピーカーがこんな風に音楽を歌うことができるのかと、驚くくらいに。ここにあるのは、あらゆるテクニックをマスターした巨匠が、テクニックを駆使し、さらにそれを超えて音楽を紡ぎ出すのと、同じ世界ではないか、と。

10年前にこの音を聴かせていただいていたら、あまりのことにショックを受け、もうオーディオはやめようと思ったかも知れません。でも、私も年の功で物事に動じなくなったでしょうか。この貴重な経験を糧に自分の音を高めていこうと、そんなエネルギーをいただけた気がします。
遅い時間まで、見ず知らずの者に貴重な時間を割いていただきまして、感謝の言葉も見つかりません。あまりに楽しかったので、気が付くと終電の時間になっており、挨拶もそこそこに辞させていただきましたこと、まことに申し訳ありませんでした。

末筆ながら、山本さんの一ファンとして、さらなるご活躍をお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。
                        2002年4月5日 柳瀬俊也


山本 さま

水曜の夜は遅くまで音楽を聞かせていだきありがとう御座いました。
集まったみんなが初対面ですので、遠慮しがちで場が盛り 上がらないのは仕方のない事だと思います。
KEFにOTLの低音で本当に部屋が揺れました。リボンツイーター の高域とは思えない重い質感の鳴り物の音に惚れ惚れしました。 アナログでは逆に音の繊細な面が際立ったように感じました。 文章だけでなく、この時点で山本さんの音に触れられた事はこの趣味を続けていく上での私の財産だと思います。
この機会を提案して下さったことに感謝、感謝です。

 宮内 和彦 Miyauti Kazuhiko


山本様

メールが遅れてすみません。3日は短い時間でしたが、とてもいい体験をさせていただきました。お疲れさまでした。他の方たちともお話をしたかったのですが、急ぎの仕事が入ってしまい残念です。また、次の機会にぜひ。

山本さんの音をあらためて聴かせていただいて、ほんとうに個性的な音だなあと思いました。山本さんは「中庸」という言葉を使っていらっしゃいますが、ぼくには超個性的、に聞こえます。あの、なにもない空間にぽっと現れるような音、他では聴いたことがありません。もしかしたら、アメリカのハイエンドの音ってこういう感じなのでしょうか。

それに加えて、SPUで聴かせていただいたジャズ。ジャズ喫茶では、決してこういう音は出ません。そして、シュタルケルのコダーイ。ぞっとするほどの存在感は、生音よりも上なのでは?と思ってしまいます。

ぼくが山本さんの音を自宅に欲しいかというとちょっと違うのですが、ぼく自身の音をつくるうえでも、とても勉強になりました。こんどぜひ、うちの音も聴いていただきたいと思います。いま、スピーカースタンドを決めかねているところなのですが……。

それと思ったのですが、レコードをかけ替えたり、解説をしていただいたり、とても山本さんに申し訳ないなあと思いながら聴かせていただきました。ぼくが言うのもなんなのですが、今度おうかがいするときは会費、あるいはお茶代みたいなカタチで、徴収していただいたほうが、こちらも気軽に遊びに行けるような気がするのです。どうでしょう。

  稲葉小太郎


山本 様

 先週の試聴会の感想です。

最近のサウンドステージ重視系の音を聞いていると、「ああ、なんだか風の音みたい」って思う時があります。それは自分の好みで言うとほめ言葉ではなく、なんていうか、こう、音楽の実体のない様な、肉体に響いてこないような、風がピューと通り過ぎて行くようなそんなイメージの音です。
対して音楽が鳴っているのが肌で感じられる音は、「水の音みたいだ」って思います。
それは小川のせせらぎとか、滝の音とかの具体的な水の音ではなく、音に質量が感じられ、空間がその質量によって満たされて、心地よい圧力が肌に、耳に、脳に触れる、そんなイメージの音です。

そんな私的なオーディオの音に対するイメージがあるのですが、山本さんの音は明らかに後者でした。
私が感じた山本さんの音のイメージをさらに表現するとすれば、透明な湖のようであるといったところでしょうか。湖の大きさや湖底の深さは(サウンドステージ)変わらないんだけれど、そこに流れ込む水や湖面に映し出される空や雲によって(プログラムソース)、その眺めを変幻自在に変えていく、そんなイメージです。もちろん強風が吹けば湖面には波が立ち、穏やかであれば静けさが漂います。山本さんの湖は湖面の色やテクスチャーがどんなジャンルの音楽の色にも染まり、また、音の肌触りも変わっていきます。そして、決して堤防が決壊するとか、水が干上がってしまうとかの破綻がありません。そんなイメージを持ちました。

楽しい時間を過ごす事が出来ました。ありがとうございます。機会があればまた聴かせて下さい。

 野中 勉


大変お世話になっております。
今日はお邪魔させていただき、大変ありがとうございました。

1年以上前に伺ったときとは全てが異なり、そこにはまさに「音楽」が響き渡っておりました途中でも申し上げましたが、オーディオ装置と言う枠を超えた「音楽」そのものが響き渡っていたのです。

もし、これが音楽喫茶だったら・・・私はできるだけ会社をさぼって聴きに行こうとするでしょう。

またもや中座してしまい申し訳ありませんでした。今後とも宜しくお願い申し上げます。

 佐藤浩義


Studio K’s  山本様

HP上に掲載されている、石川正樹さん・厚木繁伸さん両氏の「山本サウンド」に対する感想が、非常に的確で共感を覚えるものだったので、違う視点から「山本サウンド」の感想を書かせていただきます。

オーディオ(音)は使用している機器でなく、その人が作るものなのですね。そんな当たり前のことを、昨晩は強く再確認させて頂きました。

優秀な料理人が、スーパーの食材でもクオリティの高い素晴らしい料理を作る事が出来るように(山本さんの機材がスーパーの食材だという意味ではありません。念のため誤解のないように。)、山本さんの奏でる音楽は「KEFだから、真空管だから、アップ・サンプリングしているから」、そんなエクスキューズを全く必要としないものでした。

「このCDは録音が良いなぁ!」、「もう少し低域が出れば良いんだけど」、普段音楽を聞きながら何気なく考えていることは、「山本サウンド」の前では全く意味を持ちません。

ただ音楽がそこにある。強いものは強く、弱いものは弱く、悲しいときは悲しく、楽しいときは楽しく、演奏家のエモーショナルな部分がじかに伝わる。一曲聴き終わるごとに思わず拍手しそうになり「おっと、これはライブではないんだった、オーディオを聞いていたんだ!」そう思い直さねばならないほど浸透力のある「音楽」が、ただそこにありました。

今まで家で聞いていたものは音楽ではなく、音を聞いているだけでした。今はただ深く恥じ入るしかありません。

昨晩は本当に貴重な体験をさせて頂きました。山本さんには、この場を借りてお礼をさせて頂きます。又機会がありましたら、是非ともお聞かせください。

 篠原 友


山本様

4/10に音楽を聴く会に参加させて頂いた宮崎です。

このようなすばらしい音を見ず知らずの人にお聞かせするような機会をもうけていただきありがとうございました。
山本様のこの会を開いた意図を最初は理解していなかった為に、御無礼がありましたら、お許し下さい。

以下に感想を書かせて頂きます。

聞き始めの頃は、耳が驚いていました。一言でいうと”僕にとって既聴感の全くない音”でした。
驚きという言葉が先に立ち、聞いた事がない音なので、音を表現する言葉が見つかりませんが、真ん中で聞いた時のめまぐるしい3次元的なサウンドステージは大変印象的でした。

私は現在、アナログ:デジタル=9:1というくらいアナログにはまっているのですが、ソフトがCDかADかといったことは、この際どうでもいいとも思いました。

この音を聞いて、オーディオは文化だと強く思います。堂々とプロとお名乗り下さい。多大なエネルギーが必要かと思いますが、ぜひやりたい事を実現させて下さい。今後、山本様の起こすアクションに注目させていただきます。

それでは失礼します。

 宮崎


山本耕司様

その節は夜遅くまで有り難うございました。今回聞かさせてもらった音は確実に自分の中の既成概念をコナゴナに破壊されるほどの力を持っていたように感じました。
まず、最初に聞いたSOUNDSTICKSの音のバランスの良さに感心し、次の本番のメインシステムでは頭の中が真っ白になってしまいました。月並みな表現になってしまいますが「これがKEFの音?」という感じでした。ハイスピ-ドで音が豊かであるにもかかわらずきつく聞こえないのす。CDで聞いたマイケルジャクソンやジェニファ-ウォ-ンズがこうなのですから、その次のLPの凄さといったら...。よく雑誌等で目にする「CDよりLPの方が音が良い」という言葉の意味が分かったような気がします(とは言っても私自身の中ではCDとLPは等価値ですが)。ですがこれで終わりではなく、この後のモノラルレコ-ドでさらに異次元の世界を聞かさせてもらいました。私自身、是程に調整され尽くしたシステムでLPを聞いたことが無いので、実に良い経験になりました。
やはり、山本さんの言われる通り、オ-ディオというものは音を聞いてみないと分からないということを再認識しました。この日、図々しくも最後まで居ましたが、遅くまで残っていた他の参加者の方々と共に、山本さんといろいろな事でお話をした事も非常に良かったと思いました。
また、いつか機会に恵まれたら、更なる高みに達した山本サウンドを聞かせてください。

 堀内繁光


山本様

先週はありがとうございました。実はあれから「山本サウンド」にやられたのか、風邪を引いてしまいまして(結構あの日もつらかった)御礼の挨拶が遅れましたことお詫び申し上げます。以下の印象ですが風邪のため耳が変だったことも影響しているかもしれません、ご理解下さい。

さて、当日の感想ですが「たいそうご立派な音で」というのが正直なところです。前回(といっても昨年ですね)聞かせていただいたときよりも数段ダイナミックでメリハリのある音でした。位相情報が揺るがずにはっきりしていて、音場も前後左右上下に広がり、中域の押し出しも良く、聴感上の低域も良く出ている、と思います。「スリラー」はあんなに音が回るとは思いませんでしたし、「ハンター」はうちでは低域はあのような出方はしません。

今回はアナログもCDと同じ印象を受けました(前回は違った印象を受けています)。フィッシャーディスカウも、シュタルケルも「立派」に再生されていましたね。でもそこから「山本さんはどういう音楽再生をめざしているのか?」というところが自分には見えてこなかったのです。いろいろな人を呼んで「どうです、KEFからこんな音が出るんですよ」と、気合い入りまくりの山本さんの気負いがそのまま音になっていたような気がしました。


音自体は最新の音の傾向で、自分の聞いた範囲ではノーチラス801の音の出方によく似てると思っています。音が全部強くなってしまって、あれでは自分は音楽にひたれないのです。特にあの低域は自宅でもああいう音になったしまったことがあって、どうにか解消した、自分にとっては不得手の音です。

山本さんは前回のメールで、「別の試みのワンステップ」とおっしゃっていますのでプライベートでは違った音を聞いているのかもしれません。今回聞いた音が「山本オフィシャル」の「音」なら、できれば今度は「山本パーソナル」の「音楽」も聞いてみたいですね。

せっかくお招きいただいたのにこのような感想を持ってしまって、そのまま書いていいもんだろうかと考えましたが、山本さんは相手になれ合いは求めずにお互いの関係を築いていくようなところがあると感じていますので、ご容赦下さい。

ではまたお会いしましょう。

  星野誠


 山本耕司様

先日は貴重な体験をさせていただき本当に有難うございました。

Studio K'sで再生される音楽がどのように鳴っているかということは、HPを時々拝見していてすこしは想像していましたが、予想を超えた素晴らしいものでした(HPの雰囲気からもうすこしcoolでanalyticalな音を勝手に想像していました)。オーディオ評論家でもあるまし、transientがどうの、soundstagingがどうのなどといったargonを使ってimpressionを書き連ねるのは本意ではありませんので、私なりに感じたところを素直に書いてみます。CD、LP(mono)、LP(stereo)をお聞かせいただいた時にそれぞれの瞬間頭に浮かんだ形容詞をそのまま使うなら、CDについてはimpressive、LP(mono)についてはrespectable、LP(stereo)についてはmagicalといった感じでした。magicalとは大袈裟なと思われるかもしれませんが、Archivのピリオド楽器によるアンサンブルなど、このままいつまでも聞いていたいと心から思わせる真に感動的なものでした。

私自身はspace factor、convenience、availabilityなどを考慮して現在CDしか聞いておらず、常々「下手なアナログよりまともなデジタルのほうが上」だと考えておりましたが、「まともなアナログ」の底力をまざまざと見せつけられるにおよんでかつて所有していた7000枚のLPのあらかたを処分してしまったことを今更ながら一瞬後悔してしまいました。もっとも、プログラムソースのほとんどが私自身聞きこんでいないものだったせいもあり断定的なことはいえませんが、LPとの比較で聞かせていただいた綾戸智恵の「Bye Bye Blackbird」(「Fever」を聞き比べしていただきかった)を聞く限り、逆に現時点におけるCDの実力も垣間見えたような気がします(Jennifer Warnesに感動するのはちょっと無理ですが)。

ともあれ、見ず知らずのものをお招きいただき素敵な時間を過ごさせていただいたこと、重ねて感謝申し上げます。

  水木 直人


 17日に中村さんとお邪魔させて頂きました北口といいます。
非常に有意義な時間を過ごさせて頂き、ありがとうございました。

僕はまだまだオーディオ歴も音楽に対する知識も浅く、貴重な人数の中に入れて頂くのに躊躇もありましたが、山本さんに一つお礼も言いたくて参加させていただきました。(当日は緊張で直接お話出来ず、メールでのお礼すいません。)

 実は、年末のオーディオベーシック誌の山本さんのコーナーでB&W Emphasisに一目ぼれしてしまいました。 それまではオーディオ歴一年の僕はこのSPの存在も知らなかったので驚き、毎日写真を眺めていました(嫁には蘭子さんの事ばっかり見てると勘違いされましたが・・・笑)
 その後、執念で探し出して、会の3日前の日曜日に我が家にエンファシスがやって来ました。 僕に愛するSPの存在を教えて下さって、本当にありがとうございます。

 スタジオK’sの音は本当に楽しかったです! あまりにも広いサウンドステージ! SPの間隔も広いのに中央の音は全然薄くならない(どころか濃い、濃い!!) 最初に聞かせて頂いたマイケルジャクソンでは、スタジオ録音だろうにマイケルがステージで踊ってるように見えました。(もう三曲目くらいからは音を聞くよりも楽しく聞くことで、音に対する分析なんて飛んでしまってました・・・。) 途中で聞かせて頂いた音の大砲のような低音、最後に聞かせて頂いたコニサー経由で聞くアナログのとろとろの音楽・・・自宅に欲しいです〜!

 本当にいい経験になりました。 重ね重ねありがとうございます。

 北口守篤


山本耕司様

先日は、会に参加させていただきありがとうございました。
途中参加ということもあり、他の皆様のお邪魔になってはと思いあらたまったご挨拶は控えさせていただきましたが、どうかご容赦ください。

さて、せっかくの機会を与えていただいたので私なりに感想を述べさせていただきます。

(CD)
まず印象に残ったのがギターの音色。ガット弦、スチール弦の触感の違いが伝わってきて、久しぶりに楽器を持ちたいなあ、という気にさせてくれました。といって、決して分析的になりすぎることがないのは、これまで幾度となくホームページでうかがっていたとおりで、実に程よい加減でありました。また、エレキのほうも、オーディオで聞く音というよりはスタジオでアンプを通した時の音で感触です。聞きなれたソース(Love Psychedelico)がこのような録音であったことを認識させられたわけで、これからの調整の参考にさせていただきます。

ボーカルについては、録音の違いによる音像のスケール感や音像の空間的配置の描きわけがクリアでした。
これについては、いくつかの超高級機の試聴では経験したことはありますが何度味わってもいい気分にさせてくれます。もちろん、ここでも単に正確な再現ということではなくたとえばシューベルトの歌曲だったでしょうか、歌手が声をコントロールしようとする意思、そのテンションまでが伝わってきて、居住まいを正さざるを得ないほど熱いものを感じさせてくれました。

(MONO LP)
これに最も興味がありました。実は、かつて使っていたアナログプレーヤーがセッティングの関係で眠っているので、これをモノラル専用にしようかと前から迷っていたのです。今回のK’sショックを受けてとりあえず、MONOカートリッジを買って、カートリッジの交換、アームの交換ならぬ、プレーヤーの交換で対応する決意をいたしました。とにかく圧倒されてしまってコメントがなかなか思い浮かびません。JAZZは結局リズムと実感。聞かせていただいた2曲ともリズムセクションがぐいぐいとひっぱてくれていました。ほとんど聞くことのない男声歌曲(ディスカウ)も、声、表現ともに堪能させてもらいました。

(stereo LP)
吉松隆を聞かせていただきありがとうございました。最初、ジャケットを見たことがあるので、きっと借りて聞いたのだと思ったのですが、どうも記憶違いでした。ジャケットは見ただけで、演奏の方はこれに入っているとは知らず、カセットのダビングで聞いていると思います。部分部分を耳コピーした覚えがありましたので。いずれにせよ、ラジカセで巻き戻しを繰り返しながら聞いた曲とはまったく別物(あたりまえですが)。似たような感想になってしまいますが、演奏者のパッションが伝わってきて演奏に引き込まれまてしまいました。

(STUDIETTO+ZYX?+コニサー)
最後に古楽を聞かせていただきました。ご自身は匂いたつチーズのような音と評されておりましたがあえて、熟成されたワインと言い換えておきましょう。熟成が進んで、とろけるような音であることは確かですがその美しさは、琥珀色に変わってきた古酒を連想させてくれました。

そのほか、書ききれないほどいろいろな示唆を得ることが出来ました。本当にありがとうございました。また、これからのプランについてもいろいろあるようなので今後の展開を楽しみにしております。モノラルカートリッジ購入の暁には早速お代を振り込まないといけませんね。

それでは

 阿部和也


以前、厚木さんと話したときに、「自分が限界と思わない限り、オーディオに限界は無いし上がりも無い。」と言われたことがありました。山本さんと知り合って1年半、音を聴かせていただいた機会は10回にもなるでしょうか。その1回1回のサウンドを思い出す度に、厚木さんの言われた言葉が実感されるような気がしています。

今回の試聴会は、前回訪問時からそれ程間があいていない事もあり、自分の頭の中で前回の山本サウンドに対するイメージ(というか先入観)を持って望んだことは否定できませんが、またもや、山本さんにはそれを見事にひっくり返されてしまいました。

特に、最後にかけていただいたアルヒーフ盤のムジカ・アンティクァ・ケルンのヴァイオリンの音には驚きました。それは、生々しさ、柔らかさ、切れ味、甘さ・・・等々、人がヴァイオリンの音を表現するときに使うニュアンスの全てが含まれているようで、なおかつそのような言葉だけではとても表現できないような要素が複雑に絡み合った蠱惑的な音でした。最後の余韻が空間から消え去った後も、深い陶酔感が心の中に残り、しばらく消えることがありませんでした。

山本さん自身、「コニサーを手に入れるまで、こんな音が聴けるとは思ってもいなかった。」と言われていましたが、私には、やはり、この音は山本さんが心のどこかで望んでいたからこの場に出てきたのだと思えてなりません。確かに、それを奏でている楽器は、STUDIETTOであり、クライオZYXであり、或いはコニサーであったりするわけですが、それらを引き合わせたのは山本さんの意志であり、「こういう音を出したい」という願望だと思うのです。

「使い手の意志に勝るコンポーネントは無い。」そんな一見当たり前のようだけれども、とても大切であろう事を改めて感じた今回の試聴会でした。山本さん、有り難うございました。また機会があれば是非聴かせていただければ幸いです。

  中村匠一


17日に中村さんとお伺いしました今井です。とても有意義で至福の時間を過ごさせて頂きありがとうございました。中村さんからいつも山本さんのお話を聞いていましたがやはり話だけではとても伝わらない,素晴らしい音と音楽の世界を堪能させてもらいました。

とにかくどんな音楽を聴いても活き活きと鳴っていること,自然に体が反応するような楽しい音というのが第一印象でした。例えるなら草原を吹き抜ける熱く濃密な風の塊のような,浸透力があって圧迫感はないというとても気持ちが良い素晴らしい音でした。途中でカートリッジの違いによる音の変化も聞かせて頂きましたが,ヒューズテックの音は明快で力があるように感じられ,ダイナベクターではそれに較べて繊細で広がりがある再生と感じられました。個人的には後者の音の方が好みでしたが,,,

最後にかけて頂いたヴァイオリンの音!それまでのすべての音楽の印象,いや記憶までも溶かされてしまうような世界に引きずり込まれました。
こんな音が出た日には本当に何にも手につかずにただひたすらに酔っていそうです。飲んだことはありませんが最上級の美酒というのはこのようなものなのでしょうか,,,今でも思い出すと体が熱くなるのと背筋が寒くなるのとが同時にくるような凄さでした。

多分,いや絶対に同じ機械をポンと置いても同じ音は出せないでしょう。ここまでの音にされた山本さんの感性と技術にはただ脱帽です。本当に素晴らしい体験をありがとうございました。願わくばまたの機会によろしくお願い致します。

  今井 明


山本様

昨夜は風邪で体調が優れない中、ありがとうございました。お加減の悪さは、初対面の表情からも充分読み取れ、最初はちょっと怖いほどでした。

最終回の昨夜は、参加者の持ち込み曲1曲を冒頭にかけて頂くという趣向でしたので、さながら「ビストロ・ スタジオK’s」のシェフ山本氏が腕によりをかけた「シェフおまかせコース」8人前に、各人お好みのアペリティフが一杯添えられたようでした。(あ、添えられなかった方もいらっしゃいましたね。)オーディオ関連の友人宅等で、音楽を聴かせてもらうにしても、演奏する曲まで「全ておまかせ」ということは、まずありえませんので、ハード/ソフトのフルパッケージという稀有な体験でした。

料理での喩えを続けるなら、メインディッシュ以降デザート(アンコール?)まで食材に合わせたソースや料理法とでも言うような、各種カートリッジやアームの選択、音量の妙でした。「ビストロ・ スタジオK’s」にて周到に用意されたご馳走を我ら8人は出されるままに頂いたような感じでした。

大音量の曲では私の家だと、この音量だと苦情が来るかもと思うと、羨ましい立地条件です。

特筆すべきモノラル再生は、帰りがけにも申し上げたように自転車で言う所の「固定ギヤロードレーサー」の世界に酷似しています。プリミティヴでありながら力強く、楽しさのエッセンスが凝縮されていました。ほんの何十年か前まではモノラル再生も固定ギヤも「あたりまえ」だったことも
よく似ていると思います。なかなかお目にはかかれないど、一部に熱烈な支持者がいるのも似ています。固定ギヤの自転車には「はまっている」私ですが、モノラルにははまらないよう今後充分注意しないといけないな(笑)と本当に思いました。

昨夜は貴重な時間をありがとうございました。
 

 武藤浩太


山本様

さてさて4月24日は「水曜日に音楽を聴く会」最終日ということで特別に参加させていただきました。この会と今後について、メールにて山本さんから、その構想を聞いてはいましたが実際にはどのように運営されているのだろう?と大変興味をもって伺いました。

行ってみると、なんとみなさん熱心なのですね。あまりお話などされず真剣に試聴されています。正直に言いまして「オーディオも、すてたもんじゃないな!」と思いました。ただ、ちょっと残念だったのは、僕と同年代(僕は34歳です)か、それ以下の世代の方がいらっしゃらなかったことです。僕はぎりぎりアナログの最後に引っかかっている年代ですが、これ以降の年代のオーディオ人口は、めっきり減ってしまっているのでしょうか?

さて、肝心の音ですがいつにも増して、表現の幅が広がっているように思いました。柔らかい音は柔らかく、強い音は強くというように。とくにコニサー+ZYX+スタジェットによるアナログは、お見事でした。これだけ完成度が高いと、僕だったら〜、なんて無粋なことは申しません。僕は評論家ではなく、山本さんの「オーディオ仲間」なのですから。

今あらためて振り返ってみると、山本さんはじめ、Studio K'sに集うみなさんとお付き合いをさせていただくようになって、自身のシステムの音が良くなっただけでなく、機器と使い手の関係を見直すきっかけを得ることができました(無限ローン地獄からも足をあらいました)。最終的な音に枠をはめているのは、他ならぬ使い手自身なのだ、ということにも気がつきました。本来、機器自体は我々が想像する以上のポテンシャルを持っているのですね。

今後、この会が発展することによって、より多くの方とオーディオ談義ができることを楽しみにしております。もちろん、僕も入会させていただきます。みなさん、今後ともよろしくお願いします。

 佐藤和浩


山本様

4/26当日は中身の濃い4時間を越える水曜の会に参加させていただき、ありがとうございました。久しぶりに他の方のシステムを聞かせていただいたというのが現実です。

学生時代には、カートリッジを入手したとか新しいレコードを買ったとか何かあるたびに自然とできたオーディオ・音楽仲間に教わったり、披露したりの楽しみがありました。下宿近くにたまたま音楽喫茶があり、そこのお客さんどうしのつながりがあったからです。京都という土地柄か、一度仲間と認めてもらえると、大学生の生意気を50過ぎた紳士が受け止めてくださったり、30代の音楽好きの方が日曜日に御自宅に招待して下さり音楽のレクチャーを受けたりと幸せな時間がありました。もちろん、マスターの人柄が一番大きな要因です。

就職後、市川・千葉・練馬と何度が引越したものの学生時代のような環境を見つけるには至らず20年以上が過ぎてしまいました。加えて、住宅環境の貧しさから一時はオーディオシステムとLPのすべてを静岡の親元に預ける生活を余儀なくもされていました。で、オーディオ再開1年半という状況で4/26を迎えました。

素人ですから、音の判断は自分のシステムや過去の記憶に残る音との違いから判断をするしかありません。

StudioK'sのドアが開いたとき、山本さんが怖そうな方に見えました。風邪で具合が悪いとは分からなかったからです。ホームページで拝見しているよりも、人間らしい臭いのあるちょっと散らかったスタジオに通され、安心しました。チリ一つない片づいたオーディオルームって何となく現実離れしていると勝手に決めつけているからです。

音楽を聞かせて頂いた後、自分のシステムとあまりに違うため、なんて表現したらいいのだろうかと言葉を失っていました。世界が違うとかステージが違うというのも僕の中に残ったものを的確に表す言葉ではありません。

三晩ほど「違い」について考えていました。

ホームページに掲載されているStudioK'sの様子やオーディオ機器はデジカメばかりでなくリバーサルをCoolScanで取り込んだ画像も多いことと勝手に推測しました。スキッとした画像と山本さんの丁寧に書き込まれた文に引かれて、毎日「音楽とオーディオ」にアクセスする理由なのです。でも、実際のStudioK'sにはジッツオの大型三脚が転がっていたり、645のカメラがちょっと斜めに置いてあったりします。でも、そういった匂いはホームページにはありません。

山本さんの技巧を感じさせない自然な音楽、でも極めて多くの技を駆使した音は、写真でいえば85mmのレンズを開放に近い状態で使い人間が軽く凝視したような画角のなかで昼光色のように見せた上手な補助光(それがレフ板だったり大型ストロボを反射させた上での軽いライティングだったり)を使い、必要な部分には焼き込をしてグラデーションにとんだ画像を創りあげている写真のようではないかと考えるに至りました。素人には真似のできないフレーミングが音にも生きていているのです。

ロジャース LS-3/5aという小さなスピーカーでマーラーを聴こうとしている自分のシステム顧みると21mmのレンズですべてを説明する写真を撮ろうとしてしてしまい、5歩前にでればいいのに、逆に5歩下っている音なのです。山本システムが全紙に焼き付けをしているとすれば、キャビネに硬調にトーンを飛ばしてしまって焼いている状態です。分かっているのに、とんがってBessa-Tにカラースコパーの21mmはよく写るんですと言い続けたい独りよがりの素人....

やっと、自分のシステムにあった音量に下げて聴くことができるようになってこの感想をしたためています。久しぶりの体験でした。

次の機会があれば、マーラーのLPを持参して参加したいと思います。宜しくお願いします。

                             川崎健二(芸名) 拝

感想文ありがとうございました。

一つだけちょっと困る事があります。
当HPには川崎一彦さんという人が(本名で)いらっしゃいますので、芸名ならば、別の名前にしていただけると混乱が生じません。例えば川嶋とか川上とかなら、すごく助かりますが、いかがでしょうか。

HPの写真は99.9%デジカメです。それと、645のカメラは持っていませんので、何かの見間違えではないでしょうか。                 (山本)

山本耕司様

芸名は、ずーーっと以前から考えていたので急に他のものは浮かびません。こまったなあ....

645はなかったのですか。これだから、素人は困りますね > 誰のこと (^^入り口近くにあったブローニーフィルム使用のカメラの後ろ姿だけをみていたから、なのです。この点は、感想に山本さんの注釈を加えて下さると助かります。

入口近くに転がっていたのは645ではなくオリンパスのE-10(デジカメ)だと思います。たしかにあれは後ろ姿だと645風です。


 ホームへ